コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集~生理と妊娠の話②~生理とホルモンの関係

特集ブログ、『生理と妊娠の話』第2弾!

いきなり問題です。

『生理のサイクル』をつくる司令塔は、誰でしょう?

1.子宮 2.卵巣 3.脳 4.ホルモン

直感でお答えください!

チ、チ、チ、チ、チ、チ、チ、チ。

答えは、4番のホルモンです。

今日は、ホルモンに注目しながら、

『生理のしくみ』をご紹介します。

 

 

 

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脳の下垂体(かすいたい)から、

卵胞(らんほう)刺激ホルモンが分泌。

このホルモンは、血液とともに血管を流れ、

卵巣にたどりつくと指令を発信。

卵巣の中の卵胞が成熟していく。

 

 

 

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成熟した卵胞から卵胞ホルモンが分泌。

このホルモンも血管を流れ、

子宮内膜にたどりつくと指令を発信。

子宮内膜は受精卵のためのベットを作り始める。

 

 

 

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子宮内膜が厚くなると、

脳の下垂体から黄体(おうたい)形成ホルモンが分泌。

このホルモンが卵巣にたどりつくと指令を発信。

成熟した卵胞から卵子がポンッ!と飛び出す(=排卵)。

飛び出した卵子は卵管に入り、そこで待機。

 

 

 

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卵子が飛び出した後、卵胞は黄色に変色し、『黄体』と改名。

黄体は黄体ホルモンを分泌。

このホルモンが子宮内膜にたどりつくと指令を発信。

子宮内膜はベットの上にフカフカの敷布団を作り始める。

しっかり敷布団もできると、受精卵の着床準備OK。

 

 

 

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卵管にいる卵子が精子に出会わないと、

子宮内膜に作ったベットも敷布団も必要なく、はがれ落ちる。

血液とともに排出(=生理)。

 

 

 

もし…、

子宮から上がってきた精子が、卵管までたどりつくと、

 

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精子と卵子が結合(=受精)。

受精した卵子は受精卵となり、

子宮内膜の敷布団の上に受精卵がのる(=着床)。

黄体は、『妊娠黄体』に改名し、

黄体ホルモンを分泌し続け、

すくすく受精卵が育っていく(=妊娠)。

 

 

いかがですか。

司令塔のホルモンって、すごいヤツだと思いませんか。

ここで、男性の皆さんに質問です。

今日ご紹介したホルモンは、皆さんの体の中にもあると思いますか?

チ、チ、チ、チ、チ、チ、チ、チ。

答えは…、ありまーす!

脳の下垂体から分泌される『卵胞刺激ホルモン』は、

精巣に働きかけ、精子の形成が促されます。

同じく脳の下垂体から分泌される『黄体形成ホルモン』は、

精巣に働きかけ、

男性ホルモン(テストステロン)の生成と分泌が促されます。

ホルモンの名前が女性っぽいですが、

男性にとっても大事なホルモンです。

 

 

さて、ラスト問題です。

血管は全身をめぐっていますね。

血液とともに血管の中を流れるホルモンが、

特定の臓器に的確な指令を発信できるのはなぜでしょうか?

答えが難しくて、選択問題にもできません!

えーい、もう答えます!

指令を受けて行動する臓器には、

あるホルモンに対して特異的に反応する受容器をもつ、

『標的細胞』という細胞があるからです。

血液中に分泌されたホルモンが微量であっても、

受容体は見逃しません。

すっすごいヤツですね。

 

 

おー、今日もブログが長くなってしまった…。

コンパクトにできないなぁ~。

毎度毎度、おつきあいいただき、ありがとうございます。

 

特集~生理と妊娠の話①~血液力

女性専門の鍼灸院のブログなのに、

婦人科のことをテーマにすることが少ない…。

うっ…、気になっていました。

2012年10月、『生理』をテーマに特集を組みましたが、

今回はちょびっと視点を変えて書いてみます!

よろしくおつきあいください。

 

 

生理とは、「約1ヶ月の周期で起こり、

数日で自然に止まる子宮からの出血」ですね。

特集第1回目のテーマは、『血液力』。

血液の働きをご紹介します。

 

 

心臓の拍動とともに、心臓から送り出された血液は、

脳から足先まで、全身の血管を流れ、

心臓に戻ってくると思いきや、心臓を通り抜け、

運んできた二酸化炭素を肺で酸素に交換してから、

心臓に戻ります。

 

 

さて、問題です!

心臓から出た血液が心臓に戻るまで、

どれくらい時間がかかると思いますか?

……………………。

答えは約1分です。

めちゃくちゃ速いですねぇ~。

 

 

血液が流れる血管には、

動脈と静脈と毛細血管(もうさいけっかん)があります。

毛細血管は、動脈から静脈に移行する部位にあります。

全身の血管のうち、9割が毛細血管です。

さて、第2問です。

毛細血管は、「髪のように細い血管」と書きますが、

髪の毛と同じ太さでしょうか?

……………………。

答えは、髪の毛の約20分の1だそうです。

と言われても想像ができませんねぇ~。

 

 

またまた問題です。

これらの3種類の血管をすべて1本につなぐと

どれくらいの長さになると思いますか?

………………………。

なっなんと、約9万㎞。

地球の2周分!

うっひゃあ~~~!

 

 

体の中の血液量は体重の8%。

体重50㎏の方の血液量は、約4㎏。

1回の生理で排出される経血(けいけつ)は、約15~130g。

平均約50g。

経血の中身は、ほとんど古くなった子宮内膜で、

子宮の内壁から剥がれ落ち、血液とともに排出されます。

血液は経血全体の約10分の1。

一時的に体内の血液量は減りますが、すぐに戻ります。

 

 

ヒトの体は、約60兆個の細胞でできています。

血液は、各々の細胞に新鮮な酸素や栄養分を送り、

細胞から二酸化炭素や老廃物を受け取って戻ります。

年中無休の仕事ですねぇ…。

 

 

血液中の『赤血球』。

こいつは酸素をかついで、細胞に届けます。

赤血球は毛細血管の直径よりも大きいのに、

形を変えて狭いところもスススのスーイ!

 

 

血液中の『白血球』。

こいつは、いくつかの種類があり、チームワークはバツグン!

血管とリンパ管を巡回し、

体内に入ってくるウイルスや細菌と戦い、

私たちを守っている!

えらいっ!

 

 

血液中の『血小板 けっしょうばん』。

こいつは、怪我などで血管が傷つくと、

傷口に集まってふさぎます。

ありがとー!

 

 

食事によって体内に取り込まれた栄養素は、

細胞内で新しい物質に合成されたり、分解されます。

そのときに、熱エネルギーが発生します。

その熱エネルギーが血液を温めます。

温まった血液が全身をめぐり、

約36℃の体温を保ちます。

 

 

『生理』にも『妊娠』にも欠かせないのがホルモン。

脳や卵巣から分泌されるホルモンを、

必要な臓器まで運んでいるのが、血液!

届いたホルモンの指令によって、

子宮や卵巣は、生理の手順をきちんと踏めます。

 

 

さーあ、ラスト問題です。

血液はどこで造られるでしょうか?

……………………。

答えは、頭蓋骨や胸骨、背骨などの骨の中です。

では、東洋医学では、『血 けつ』は主にどこで造られるでしょうか?

答えは、五臓六腑の脾(ひ)。

 

 

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この赤いラインは、『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。

この経絡は『脾』にもつながり、

血のめぐりを整える働きがあります。

婦人科の症状を治すとき、

この経絡上にあるツボに、鍼やお灸をします。

 

 

おぉー、サイコーに長いブログとなりました。

難しい話におつきあいいただき、ありがとうございます!

次回のブログは、コンパクトになる……かなぁ~~?~~?~~?

 

生理痛や生理不順に鍼とお灸はいかが?

突然ですが、骨盤の骨に孔が開いているのを

ご存知ですか?

じゃじゃじゃじゃ~ん!

 

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これは背中からみた図。

骨盤は両側の腸骨と、真ん中の仙骨で

構成されています。

仙骨には、左右対称に仙骨孔(せんこつこう)という孔が、

縦に4つずつあります。

そして、各々の孔の上に、上髎(じょうりょう)、次髎、

中髎、下髎、というツボがあります。

左右合わせて8個。

『八髎』と呼ばれています。

『髎』は、孔という意味です。

 

背中の筋肉は、長いものでは頭蓋骨の後ろから

仙骨までついています。

背中のコリや腰痛を治すときに、

これらのツボに鍼やお灸をすることもあります。

 

 

女性の骨盤を前から見ると…、

pelbic_cavity

 

手前から膀胱、子宮と卵巣、直腸、という臓器が入っています。

子宮や卵巣のトラブル、生理痛や生理不順を治すときにも、

先ほどの『八髎』というツボを使います。

当鍼灸院では、このツボに鍼をしたまま、棒灸をしたり、

灸頭鍼をします。

 

 

boukyu_tisin
鍼+棒灸
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灸頭鍼

 

 

 

 

 

 

 

 

棒灸は、モグサを固めて和紙で包み、

先端に火をつけ、皮膚から3~5㎝離して温めます。

灸頭鍼は、鍼先にモグサをつけてお灸をする方法です。

どちらも熱くはありません。

じんわりじんわりお尻の芯まで温まり、

血の巡りをよくして、生理痛や生理不順を改善します。

 

血の巡りをよくするには、ご自宅でのお灸もおすすめです。

当院では、『生理痛・生理不順を治そう!』というテーマで、

9月10日(火)と15日(日)に、お灸教室を開催します。

自分では『八髎』にお灸をするのは難しいですが、

他にも生理痛や生理不順を改善するツボがあります。

初心者でも見つけやすいツボを伝授します!

お気軽にご参加ください。

詳しくは、ホームページのお灸教室のページをご覧ください。

 

猛暑続きの福岡は、最近ぐぐっと気温が下がりました。

皆さんの住む街はいかがですか?

過ごしやすい時期に入ると、

「体がだるい」 「日中もボーッとする」などの

夏バテの症状が出やすくなります。

皆さん、気をつけてくださいね。

 

お灸の魅力…

寒い冬に、当鍼灸院では、お灸が大活躍!

今日は、いろーんなお灸をご紹介します。

 

江戸時代、庶民に親しまれていたお灸は、『点灸 てんきゅう』。

今どきのやり方は、お灸の跡が残らないように、

ツボの上にシールを貼ります。

指でひねったモグサをその上にのせ、

お灸用の線香で火をつけます。

写真のツボは、『至陰 しいん』。

逆子を治します。

ピリッとした熱さがツボの中の中まで、一瞬で伝わるのがいい!

ファンも増えています…。

 

 

今どきでも、シールを貼らずに点灸をするのは、魚の目やタコ。

皮膚が分厚くなっているので、熱さを感じません。

魚の目やタコの部分をこがして乾燥させ、

自然に剥がれてくるのを待ちます。

『焦灼灸 しょうやくきゅう』といいます。

自宅で毎日お灸をしていただくので、根気のいるお灸です。

 

 

誰でも気軽にできるのは、『台座灸 だいざきゅう』。

底にシールがついているから、簡単にできる!

当鍼灸院では、鍼のそばに台座灸をすることもあります。

 

 

もう1つ手軽にできるお灸は『棒灸』。

皮膚から3~5cm離して温めるので熱くありません。

鍼の周りに棒灸をすることも多いです。

鍼とお灸と同時にしたほうが、効き目が強い気がします。

当院で開催しているお灸教室も、棒灸を使っています。

棒灸をしだすと、参加者の皆さんは温かさにひたって、

無言になります。

 

 

モグサでできた棒灸はかなり煙が出ます。

炭でできた棒灸は煙がほとんど出ないので、

自宅でも気軽にできます。

 

 

『箱灸』は五合升の底に直径10cmの穴を開けています。

五合升に入れたパッドの中で、モグサを燃やします。

五合升の底の穴から温かさがじんわりじんわり伝わります。

 

 

当院の一番人気は、『灸頭鍼 きゅうとうしん』。

鍼の刺激と、お灸の輻射熱で、効果バツグン!

これも熱くはありません。

筋肉がカチコチな腰痛や強い冷えにもいいですよ。

ほわんほわんと温まり、保温効果も高い!

お灸をする頃には、ほとんどの方が無口になり、

寝ます…。

コトーは孤独に耐えながら、もくもくとお灸をします…。

 

 

珍しいお灸は、『隔物灸 かくぶつきゅう』かな?

皮膚とモグサの間に物を介するお灸です。

例えば、スライスした生姜やにんにくの上に、

モグサをのせてお灸をします。

 

このように、お灸のやり方はいっぱい!

お一人おひとりの症状や体質などにより、

どの方法が合うか選びます。

熱くないお灸もたくさんあるので、

気軽にお灸に親しんでほしいな…って思います。

おりものの鍼灸レシピ

『おりもの』って、成人女性ならば、誰でもあるもの。

あれっ? いつもより多いな…。

いつもと感じが違うな…。

おりものの変化が気になったことはありませんか?

今日は、その『おりもの』について書いてみようと思います。

 

さて、おりものの正体って何でしょう?

調べてみるとっ、とっ、とっ、

 

女性の性器の様々な部位(子宮、膣、汗腺)から出る

分泌物のことを『おりもの』といいます。

『汗腺 かんせん』とは、汗を分泌する細胞の集まりのこと。

 

おりものには、「自浄作用」という大事な働きがあります。

殺菌が体の外から膣の中に入り込むのを防いでいます。

 

おりものの量や質の変化は、生理の周期に関係しています。

生理中:おりものの量は少なめ。

生理直後:最も少なく、さらりとしている。

排卵前の3~4日間:おりものの量は最も増える。

         どろっと粘り気がある。

         においは強くない。

排卵後:白濁した、のりのような状態。

生理前:量が増え、においは若干強くなる。

 

おりものの量は個人差もあるそうです。

また、年齢によっても差があり、

20~30代は、おりものの量は多くなります。

 

健康なおりものの色は、透明あるいは白濁色。

においは、少し甘酸っぱいにおい。

生理の周期に合わせて、おりものの状態は変化しますが、

白くポロポロしたものや、血が混じっていたり、

色の濃いおりものが増えたり、かゆみを伴う場合、

性器の炎症や感染症などの病気の可能性もあります。

 

これは、『帯脈 たいみゃく』という経絡。

ウエストを一周しています。

 

東洋医学では、帯脈の不調がおりものに影響すると

考えています。

この帯脈の上にのっているツボに鍼やお灸をし、

帯脈の状態を改善することにより、

おりもの自体の改善もはかります。

 

おりものは、体調によっても変化するので、

体調を整えるツボにも鍼やお灸をします。

体調は人それぞれ異なるので、選ぶツボも違います。

 

先ほど書いたように、性器の炎症や感染症により、

おりものに変化が生じることもあるので、

「おかしいな! 体調がいいときの、おりものと違う!」と

気になったら、ためらわずに病院に行くことも大切ですね。

 

おまけの話…。

2月23日(日)に開催する「女性のための鍼灸入門セミナー」は、

申し込みが多く、午前だけでなく、午後も開催することに

なりましたが、午後の部もすぐ定員に達しました。

ありがとうございます!

あっという間に申し込みを終了させていただき、

申し訳ありません!

 

鍼やお灸という治療方法が、身近な存在になってもらえるよう、

これからもセミナーやお灸教室、このブログなどで、

鍼灸の情報を発信し続けます!

よろしくーっ!