コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集~膝関節痛の鍼灸治療①~膝関節の構造

ブログを書き始めて6年9か月。

550回を記念し、

『皆さん!読んでくれてありがとう月間!!』と題して、

ボーナス・ブログを送ります。

といっても、抽選でプレゼントが当たる!!!わけではありません。

いつもより手間がかかっている…だけ…で…す…。 ブハハハハ~!

 

 

椅子に座る。 しゃがみこむ。 正座になる。 立ち上がる。

歩く。 階段を上り下りする。 ジャンプする。 走る。

膝が痛くなると、いろいろな動作に膝がかかわっていることに気づく。

鍼灸治療で膝の変形は治せないが、

痛みをやわらげることはできる。

今回は膝関節痛を特集するよ~ん!

 

 

 

leg_yk_001

太ももの骨は大腿骨(だいたいこつ)。

骨盤と接している部分が股関節。

骨盤の、股関節部分は球状にくぼみ、

大腿骨の頭が3分の2、入り込んでいる。

そのため、股関節は多少の衝撃では抜けにくい。

 

 

膝下の骨は脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)。

膝関節を構成しているのは大腿骨と脛骨。

この2つの骨は重なっている部分がないため、

膝関節は股関節よりも衝撃に弱い。

 

 

 

menisci_yk_001

 

右膝関節。

膝を90度曲げたまま、前から見た図。

脛骨のてっぺんにあり、

大腿骨と脛骨のクッションの役目をしているのが、半月板。

 

 

 

menisci_yk_002

大腿骨を取り除き、脛骨を上から見た図。

膝の内側にあるのが内側半月板(青)。

C型をしている。

外側半月板(赤)はO型。

2つとも繊維軟骨からできている。

半月板のおかげで、大腿骨と脛骨はこすれることなく、

スムースに膝を動かせる。

 

 

 

collateral_ligaments_yk_001

膝を90度曲げたまま、前から見た図。

膝関節を側方からガードしているのが、側副靭帯(そくふく・じんたい)。

内側側副靭帯(青)は大腿骨から脛骨についている。

外側側副靭帯(赤)は大腿骨から腓骨についている。

両側の靭帯とも膝を伸ばした時に緊張し、

曲げたときにゆるむ。

 

 

 

crucilate_ligaments_yk_001

膝を90度曲げたまま前から見た図。

十字靭帯は大腿骨と脛骨の間の中央にある。

 

 

 

crucilate_ligaments_yk_002

右膝関節を内側から見た図。

大腿骨を上に引っぱり上げている。

前十字靭帯(青)は、脛骨中央の手前部分から、

大腿骨中央の奥についている。

後十字靭帯(赤)は、脛骨中央の奥から、

大腿骨中央の手前についている。

十字靭帯のおかげで、膝関節の前後の安定性が増し、

過度な動きを制限している。

 

 

膝関節には靭帯が他にもたくさんあり、

半月板ととも膝関節を安定させつつ、

危機(=怪我)から守っている。

ありがとーっ!

 

 

それにしても、

膝関節の構造を文章と図だけで伝えるのは難しいなぁ~~。

ということで、

膝関節の模型を使って説明してみました。

2年ぶりの動画です。

5分なんてあっという間!

話したいことの5分の1も話せなかった…。

まとめるのって難しい…。

コトーの鼻声なんてどーでもいいので、

膝の模型をぜひ見てください。

次回は膝にかかわる筋肉たちをご紹介します。

よろしくです!

 

 

12月13日(火)と18日(日)には、

当鍼灸院内で『膝関節痛』をテーマに

お灸教室を開催します。

そちらもよろしくです!

 

 

 

 

 

 

 

膝関節痛の鍼灸治療とセルフ・ケア

今日は、旧・体育の日ですね。

私は、学校の体育は苦手でしたが、

20代からスキーや登山、太極拳にはまり、

体を動かすことが好きでしたね。

 

スキーは膝の動きでバランスをとります。

日頃、膝周辺の筋肉はだらけきっていたので、

スキー中はすぐ筋肉がカチコチ!

膝が思うように動かなくなり、何度も転倒!

そのたびに左膝をひねり、とうとう左膝関節を負傷!

 

普段は痛みがありませんが、

急激に体重が増えたときに階段を使うと、イタタタタ…。

情けない…。

日常生活の中で、膝を曲げ伸ばしすることは多く、

膝に痛みが生じると、とっても不便になります。

 

今日は、そんな膝の痛みに対しての鍼灸治療と、

セルフ・ケアをご紹介します。

膝の痛みの原因は様々です。

当院では、変形性膝関節症からくる痛みの方が多いかな…。

変形性膝関節症は加齢により、関節軟骨などが変性し、

膝関節痛、腫脹、変形を引き起こします。

関節を守ろうと、膝周辺の筋肉は必死に働くためガチガチになり、

筋肉自体の痛みも生じます。

中高年の女性に多くみられます。

 

knee_side_il_001
膝の内側
knee_side_il_002
膝の外側
knee_front_il_001
膝の前面

 

 

ありゃりゃ、イラストが斜めになってすみませーん!

膝周辺にはたくさんのツボがあります。

その方に合ったツボに鍼やお灸をして、

膝周辺の筋肉の柔軟性を出します。

縮こまっていた筋肉が伸びやすくなると、

膝関節も動かしやすくなり、痛みもやわらぎます。

 

痛みが長いと、脚の筋力が低下します。

ガチガチの筋肉を鍛えようとすると、筋肉はより硬くなり、

痛みが増すこともあります。

筋肉の柔軟性を出しながら、膝周辺の筋肉を鍛えることが大切です。

関節を守るのは筋肉です!!!

 

膝の痛みが改善したら、『予防』が大事ですね。

歩行などの適度な運動やストレッチで、

筋肉の柔軟性と筋力を維持しましょう!

体重のコントロールも欠かせません。

 

 

daizakyu_003

daizakyu_el_001

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

膝が痛いときに、自分でするお灸もおすすめします。

台座灸は底にシールがついているので、

丸みのある膝周辺にもお灸がしやすいです。

 

当院では10月19日(日)と21日(火)に『膝関節痛』をテーマに

お灸教室を開催します。

興味のある方はぜひご参加ください。

詳細は、『お灸教室ページ』をご覧ください。

 

さて、おまけの話。

10月7日(火)に、太宰府市いきいき情報センターへ、

お灸講座の講師として行ってきました。

7月に続き2回目です。

今回も定員の倍の申し込みがあり、午前と午後の2回、行いました。

 

 

2014_10_07_moxa_lecture_001
お灸講座の風景ー1
2014_10_07_moxa_lecture_002
お灸講座の風景ー2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和室はいいですね~。

参加者同士、初めて会ったお隣さんとの会話もはずむ!

「今日はどんな方が集まっているのかな…」

最初は手探り状態。

でも、参加者の方々とやり取りをしているうちに、

ウキウキした気持ちでいっぱいになる!

お灸を通して、『体と心のリラックス』や『楽しさ』を参加者の皆さんと

共感できることが、自分の喜びなんだなぁ…。

今回の講座でつくづく感じました。

 

あーっ!!!!

また長いブログになってしまった!

「端的に、重複せずに、文章を書こう」

毎回思っていますが…。

なんだかなぁ~。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!!

 

膝の痛みをやわらげるツボたち

膝周辺にツボはたーくさんあります。

ありゃりゃりゃ、薄い色の手描き図ですみません。

膝蓋骨(しつがいこつ)(膝中央にある皿状の骨)の周りだけでも

7個!

膝蓋骨を鶴の頭に見立て、その頂点にある『鶴頂 かくちょう』。

膝蓋骨の上の、左右にある『膝上二穴 じつじょうにけつ』。

膝蓋骨の内側と外側の中央にある『内膝房 ないしつぼう』と

『外膝房 がいしつぼう』。

膝蓋骨の下の、左右にある『膝眼 しつがん』。

この絵は右脚。

ツボは左脚にも対称的にあるので、

『鶴頂』は右脚と左脚とあわせて2個、

それ以外のツボは4個あることになります。

               *

これは膝を内側から見た図。

膝の内側の痛みを訴えられる方が多いですが、

膝の内側には、『曲泉 きょくせん』 『膝関 しつかん』

『陰陵泉 いんりょうせん』という3つのツボがすぐ近くにあります。

               *

膝の外側には『陽陵泉 ようりょうせん』。

               *

分かりづらい写真で申し訳ありませんが、

膝の後ろには、『陰谷 いんこく』 『委中 いちゅう』 『委陽 いよう』

『浮郄 ふげき』というツボもあります。

膝の痛みを鍼やお灸で治す時に、どのツボもよく使います。

               *

膝の痛みが長いほど、膝周辺の筋肉はガチガチに硬くなっています。

筋肉が硬くなると、筋肉の伸び縮みが不十分となり、

筋力も落ち、運動に対しての耐久性も落ち、すぐ筋肉痛になります。

筋肉の痛みは、筋肉の中央よりも、筋肉のはしっこ

(=筋肉が骨についている部分)が痛くなることが多いように思います。

太ももの筋肉は、膝周辺の骨についているので、

膝の痛みが、筋肉の痛みなのか、膝の関節の変形からくる痛みなのか、

ご自分では判断がつかない方が多いです。

鍼やお灸で治療できるのは、筋肉の痛み。

関節の変形を治すことはできません。

膝を中心に、脚全体を丁寧に触れて、どこが痛いのか、

どの筋肉が硬いのかを見極めて、鍼やお灸に使うツボを決めます。

               *

治療期間中、膝を安静にしておきたいところですが、

膝は使わないわけにはいきません。

立ち上がったり、立ち続けたり、階段を上り下りしたり、歩いたり…。

運動中、膝に負担はきます。

日常の中で、硬くなりがちな筋肉をやわらかくするのに、

自分でのお灸や筋肉のストレッチは効果的です。

簡単に自分でできる台座灸(だいざきゅう)というお灸が市販されています。

当鍼灸院では、第2火曜日と第3日曜日にお灸教室をしています。

今月のテーマは「膝の痛みをやわらげよう!」です。

参加者の皆さんと、膝の痛みに効くツボにお灸とツボ押しをします。

膝の痛みが気になる方は、お気軽にご参加ください。

詳細は左のカテゴリーの『お灸教室のご案内』をご覧下さい。

               *

ところで、、先ほどの話の続き…。

膝の痛みの治療中、

膝周辺の各々の筋肉にピアノ線のようにピンと張ったスジを

みつけることがあります。

このスジをほぐさないと、

その筋肉全体の柔軟性は充分には回復せず、

いつまでも硬くなりやすい筋肉のままです。

「スジとり名人になりたい!」と思いながら、

私は指先の感覚に意識を集中して、スジをみつけ、

鍼やお灸でスジを普通の筋肉に戻すようにしています。

               *

またまた長いブログとなりました。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

体のしくみあれこれ~膝の関節とそれを支える筋肉たち

膝の痛みが続いている…。

そんな悩みで鍼灸院に来られる方がいます。

私自身は20代の頃、スキーにはまり、

下手なくせに上・中級コースで滑り、

コントロールがつかず、加速!加速!

必ず左カーブで耐え切れずにスッテンコロリン。

左膝を捻って、何回も痛めました。

今回と次回は、その膝に関することを書いてみようと思います。

骨盤からふくらはぎまでの色つき骨。

外から見てもわかりませんが、

太ももの骨って斜めについています。

膝下の、ふくらはぎ部分の骨は2本。

膝の関節をつくっているのは、そのうちの太い骨。

膝の3つの関節、股関節と膝関節と足関節(足首)のうち、

股関節と足関節は、グルグル回せる動きができますが、

膝関節は曲げるか伸ばすか、単純な動きしかできません。

膝周辺の筋肉を線で描いてみました。

これは前からみた筋肉。

骨盤と膝下の骨を結ぶ筋肉もあれば、

太ももの骨と膝下の骨を結ぶ筋肉もあります。

これは後ろからみた筋肉たち。

骨盤とふくらはぎの骨を結ぶ筋肉や、

太ももの骨と踵の骨を結ぶ筋肉。

これらの筋肉たちが、私たちの膝を動かしつつ、膝をケガからガード!

これは膝を曲げた状態で、前から膝をみた図。

太ももの骨と膝下の骨との間で、クッションがわりになるのが、

『内側半月 ないそく・はんげつ』と、『外側半月』。

そして、

関節の中央にある、

『前十字靭帯 ぜん・じゅうじ・じんたい』と『後十字靭帯』。

関節の外についている、

『内側側副靭帯 ないそく・そくふく・じんたい』と、『外側側副靭帯』。

これらは、関節が大きくぶれないように支えている、

とっても大切な靭帯たちです。

膝の関節を横からみた図。

左側が膝の前です。

太ももの骨と膝下の骨の端っこには、関節軟骨がつき、

硬い骨と骨がこすりあわないようにカバーしています。

今日は5枚の図を描きました。

な~んとなく、膝の構造が伝わりましたでしょうか?

ふと思い出したことがあります。

(ここだけの話ですが)

絵本作家になりたい!と思ったことがあります。

面白い夢を見て、それを童話にしようとしましたが、すぐ断念!

絵が…、

絵が…、

絵が…、

描けない…。

今描いているのは『下手の横好き』ですねぇ~。

(悲しい…。

このことわざの『下手の』の後ろの文句が思い出せずに

電子辞書のお世話になった。)

余談が長すぎました。

次回は、膝の鍼灸治療をご紹介します。