コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

肩こり・首こりの鍼灸レシピ

昨日から福岡は北風小僧が駆け巡り、寒~いっ!

数日前までは、加湿器の蒸気で室温が暑く感じていましたが、

昨日からは暖まってちょうどいい。

「寒くなり、肩がこってきたみたい…」という声もちらほら。

寒いと筋肉がキュッと縮まりやすく、

羽織るコートが重く、かさばって動きにくくもなり、

肩こりさん、首こりさんには、ちょいときつい季節でしょうか…。

 

さてさて、ヒトの体で一番器用な部位はどこでしょうか。

やはり、『手』ですね。

 

 

赤丸は腕の関節。

細かな指の動作ができるのは、たくさんの関節と、

それらを動かすたくさーんの筋肉のおかげ。

背骨・肩甲骨・鎖骨・腕・手が連動することにより、

私たちはなめらかで効率のいい動作ができます。

 

「長年の肩こりと首こりがつらい!」という方の体に触れると、

首から肩にかけての筋肉だけでなく、背中や肩甲骨周りの筋肉もカチカチ!

鍼やお灸で、硬くなっている筋肉をやわらげ、血流をよくすると、

こりや痛みがなくなるだけでなく、

首や肩、腕などが動かしやすくなります。

なめらかで効率のいい動作ができるようになると、

肩こりや首こりはぶり返しにくくなります。

 

ここでもう1つ重要なのは『姿勢』。

首や背中、おなかの筋肉は、重たい頭と両腕を支え、

常にがんばっています!!!

背中が丸まっていたり、逆に反りぎみだと、支える負担は増え、

肩や首がこりやすくなります。

筋肉の柔軟性と筋力があれば、筋肉たちをバランスよく使え、

『首・背中・おなかが、最小限の負担で頭と腕を支える』姿勢を

保ちやすくなります。

鍼やお灸で、筋肉の柔軟性を出しながら、

ストレッチングや首・肩の体操をこつこつしていると、

少しずつ姿勢がよくなってきます。

長年の肩こり・首こりだから…とあきらめないで!

 

 

おまけの話…。

皆さん、衝動買いってしますか?

私はレトロな物に弱い!

小学生の頃。

帰り道で、友人に「いくら持ってる?」と聞く。

100円玉が1枚でもあったら、たい焼き屋さんへ。

この季節だったら、屋台のおでん。 おでんは串刺しにしてくれる。

10円玉が数枚だったら、駄菓子屋さんへ。

その頃買っていたお菓子を見つけ、大人買い!!!

 

 

『肩こり』の話

鍼やお灸のイメージってどんな感じでしょう?

痛い? 熱い?

このマイナスのイメージを払拭して、

鍼灸の良さを少しでも多くの方に伝える何かがしたい!

ずーっとそんなことを考えてきました。

今日から当鍼灸院でお灸教室を開催し、

その第一歩が踏めたかな…と思います。

              *

第1回目のテーマは『首こり・肩こり』。

お灸教室は参加者の皆さんと一緒にツボ押しとお灸をします。

使うツボの数は最小限にして、

ゆったりとした内容にしたいと思っています。

しっしかし、今回は多かった!

ツボ押しに選んだツボは6個。

台座灸(だいざきゅう)と棒灸(ぼうきゅう)に選んだツボは7個。

首、肩、背中、腕にあるツボです。

              *

今回選んだツボが多かった理由は2つあります。

1つ目は、首こり・肩こりの原因はいろいろある!ということ。

長時間のパソコン操作で、目が疲れて首がこる。

腕が疲れて肩がこる。

同じ姿勢を長く続けて首だけでなく、背中一面がこる。

内臓の不調から首がこることもあります。

原因によって鍼灸に使うツボが変わります。

               *

2つめは重力と筋肉と骨格の関係。

私たちは地球に住み続けるかぎり、

重力に抗して活動します。

ある程度筋力があり、

たくさんの筋肉が協調して動かなければ

起き上がることも、腰掛けることもできません。

頭が首を支え、背中が首を支え、肩が腕を支え、

脚が骨盤を支えています。

                *

今日のテーマの『肩こり』に注目してみると…、

肩を構成するのは背骨と鎖骨と肩甲骨と腕の骨と、

それらにひっついている筋肉たち。

「肩の筋肉がこっていて動かしにくい」

「痛くて動かせない」

そんな時、ヒトは無意識に他の部位で、その動きをカバーします。

痛い状態が長いほど、カバーしている部位も根を上げてきて、

また別の部位でカバーする…。

そうなると鍼灸治療する範囲は広がってきます。

どんな症状でも、早めの対処が大切なんですね。

                *

今日のお灸教室で、

背中など自分でお灸ができないツボには、

2人ペアになって、お互いにお灸をしあって頂きました。

「やっぱり、人にやってもらうほうが気持ちいいねぇ~」

そのような声も聞かれました。

お灸にしみじみとひたって頂き、

参加者の皆様、ありがとうございます!

               *

お灸教室は、毎月 第2火曜日と第3日曜日の

10:00~11:30に開催しています。

次回は、4月15日(日)で、

テーマは、『肩こり・首こりをほぐそう!』です。

その次は5月8日(火)で、

テーマは『疲れやすさ・だるさをとって軽くなろう!』です。

お気軽にご参加下さい!

詳しくは3月29日のブログをご覧下さーい。

『首こり』の話

福岡は桜が見頃ですが、皆さんの住む街はいかがですか。

仕事場の〇〇〇〇は3部咲きです。

桜だと思っていましたが、違うそうです。

名前は………忘れました。

4文字です…。

まだ肌寒い日もありますが、

寒さでキューッと首をすくめることはなくなり、

首こり・肩こりの私には、うれしい季節です。

4月10日・15日と当鍼灸院でお灸教室を開催しますが、

テーマは『首こり・肩こり』です。

ブログでもそれをテーマに書いてみようかなぁって思います。

               *

今日は『首こり』の話。

いきなり、首の前の筋肉です。

これらは表面の筋肉で、この奥にもたくさんの筋肉があります。

これは首の後ろの筋肉。

この奥にもたくさんの筋肉が隠れています。

これらの筋肉と7個の首の骨が、私たちの頭を支えています。

               *

頭の中にある脳って、どれくらいの重さがあると思いますか。

体重の約2パーセント。 1250~1600グラムだそうです。

そう聞くと軽い感じがしますが、

球状の頭を細い棒状の首が支えているので、

首の筋肉は負担が大きそうですね。

               *

そもそも首こりの『こり』って何でしょう。

長い時間同じ姿勢をとっている。 姿勢が悪い。

ある筋肉がずーっと緊張しっぱなし。

その筋肉の近くの血管もきゅーっと縮こまる。

血流が悪くなる。

血液の中の酸素や栄養分が充分に筋肉に行き渡らない。

ぷくぷくと発生した疲労物質が筋肉にたまる。

筋肉にしこりができて硬くなる。

筋肉が痛くなる。

痛いからよけい筋肉が緊張する…。

こんなふうに悪循環となると、

慢性の首こり・肩こりに悩まされます。

               *

この筋肉の緊張は、精神的な緊張とお友だち。

「今日、首こりがひどいんですぅー」

そんな症状で鍼灸治療に来られる方の話をよく聞くと、

仕事や育児などがかなり忙しく、

精神的なストレスも大きかったり、イライラ感が激しかったり…。

精神的にも緊張している方が多いです。

そんな時は首の後ろだけでなく、首の前の筋肉もコリコリです。

首の『こり』だけでなく、心の『こり』もほぐすことが大切ですね。

               *

次回は『肩こり』について書きます!

よろしくでーす!

『めんどくさい病』の鍼灸レシピ

皆さんは買い物に行くときは、車?バイク?自転車?

私は徒歩ですが、まとめ買いをするときは、

キャスター付きの買い物カートを利用していました。

そのカートが先日壊れました。

今は買い物袋を両手で持ち、ひーひー言いながら帰っています。

いつのまにか腕の筋肉が落ちましたねぇ~。

               *

突然ですが、『ロコモティブ症候群』ってご存知ですか。

加齢に伴い、筋肉・骨・関節は変化していきます。

そして、筋力・体力・バランス能力など運動機能も低下します。

その低下速度が速く、転倒や骨折などで日常生活に支障をきたし、

やがて寝たきりなど介護を要する危険性が高い状態を

『ロコモティブ症候群』といいます。

                *

2年前の資料で申し訳ありませんが、

ここでロコチェーック!

1.片脚立ちで靴下がはけない。

2.家の中でつまずいたり滑ったりする。

3.階段を上るのに手すりが必要である。

4.横断歩道を青信号で渡りきれない。

5.15分くらい続けて歩けない。

6.2kg程度の買い物(1リトッルの牛乳パック2個程度)をして

  持ち帰るのが困難である。

7.家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろし)が

  困難である。

1つでもあてはまれば、ロコモティブ症候群が疑われてしまうーっ!

文明の利器にどっぷり頼っていると、

このロコモティブ症候群と友だちになる日は近い!?!?

               *

私は鍼灸師になる前、リハビリの仕事をし、

ご年配の方の運動療法も行ってきました。

そのときに、よく感じていたことは…、

『運動機能の低下』よりもやっかいなのは『めんどくさい病』。

体を動かさないと、ますますきつくなるのは頭ではわかっている…。

でも、めんどくさくて、行動に移せない…。

人事ではないですよ。

近くのコンビニに行く時でさえ車を使い続け、運動もしなかったら、

脚・腰が弱りそうですね。

じゃあ、車を使うのを今すぐやめますか?

いつかは!…???

大先輩たちは口々に言います。

『めんどくさい病』は年々ひどくなる…。

体が動きやすい年齢から文明の利器をちょこっとでも減らして

習慣化していかないと、『めんどくさい病』には太刀打ちできない気がします。

               *

さてさて鍼灸の話。

腰痛や首こり・肩こりなど『痛み』や『こり』を鍼やお灸で解消し、

症状がぶり返さないようにするには一工夫必要です。

『痛み』や『こり』が生活習慣やクセ(体の使い方)によるものであれば、

それを改善しないと!!!

そこに立ちはだかるのが『めんどくさい病』。

長年の生活習慣やクセって、そう簡単に変えられません。

『めんどくさい病』に効くツボも見当たりません。

鍼灸治療をしながら、患者さんと一緒に、

ちょこっとでも無理なく変えられそうなことを探します。

それを続けることにより、体がいい方向に変化していることを実感できたら、

そのこと自体を習慣にしやすくなります。

               *

ここまで書いていたら、

「キャスター付きの買い物カートを買い換えるのをやめようかな…」

そう思い始めています。

鍼灸の陰と陽

だんだん日が登るのが遅くなり、

日が暮れるのが早くなってきました。

夏から秋、冬へと季節が移り変わりますね。

この変わっていく過程を、東洋医学では『陽消陰長』といいます。

逆に、冬から春、夏へと移る過程は『陰消陽長』。

               *

うわっ!

手描図が大きくでてしまった!

陽の中に陰があり、陰の中に陽がある、太極図。

『陰陽論』の起源は中国の古代哲学で、

日光に向かうのを陽、日光に背を向けるのを陰とする考えから

スタートしたそうです。

やがて医学にも応用されるようになりました。

                *

最近、すっかりメジャーになった『経絡 けいらく』。

体中にはりめぐらされた通路のこと。

『気』と『血』が経絡を通り、

各臓器などに栄養を送り、臓器の機能を調整します。

その『経絡』の代表的な12本も陰と陽に分けられます。

例えば、肩こりや腰痛の鍼灸治療によく用いられる

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』。

『陽』の経絡です。

体の中で一番長い経絡で、

「目頭の外⇒ひたい⇒頭頂⇒後頭部⇒背中⇒お尻

⇒ももの後ろ⇒ふくらはぎ⇒足の小指」を通っています。

朝日を浴びるツボ・モデル。

膀胱経の上にのっているツボは、67個!

この経絡は右にも左にもあるので、左右あわせて134個!

膀胱経の相棒は、陰の経絡『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』。

「足裏⇒脚の内側⇒胴体前面⇒鎖骨下縁」を通っています。

腎経の上にのっているツボは、27個。

               *

経絡の上にあるツボに鍼刺激や灸刺激をすることにより、

経絡の流れを良くして、その経絡に係わる症状を治していく。

それが古代からの鍼灸治療の考え方です。

また、陰と陽のバランスも考慮されます。

先ほどの『足太陽膀胱経』と『足少陰腎経』のバランスがどうなっているのか…。

東洋医学って奥が深く、おもしろい!難しい!