コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

ぎっくり腰の鍼灸治療とセルフ・ケア~その1

腰痛持ちさーん!

お気をつけください!

ぎっくり腰、急増中です!

 

重たい物を床から持ち上げたときに、腰に痛みが走り、

その後身動きができない…。

ぎっくり腰の一般的なイメージですよね。

 

最近治療に来られるぎっくり腰さんは、ちょっと違います。

「朝起きたら、腰が痛くて動けませんでした」

「起きたときは何ともなかったのに、朝食後に椅子から立ち上がったら

腰がぐぎっと痛くなりました」

「腰なんてぜんぜん痛くなかったのに、

部屋の片付けをしていたら、急に痛くなりました」

ぎっくり腰の原因が見当たりません。

 

筋肉はどうして痛くなるのか…。

長時間、同じ姿勢をとったり、肉体労働をして、

腰を支えている筋肉に負担がかかると、

筋肉は疲労して硬くなる

     ↓

筋肉の隣にある血管が圧迫され、血流が悪くなる

     ↓

(血管の中の血液が、体の細胞1つ1つに酸素を運んでいるので)

筋肉の細胞への酸素が不足する

     ↓

酸素不足が続くと、乳酸などの痛み物質が作られ、痛みが出てくる

     ↓

痛み物質の影響で筋肉がますます硬くなる

     ↓

痛みが慢性化する…

 

 

今年の梅雨は肌寒い日もありましたが、

どこでもガンガンに冷房が効いていました。

筋肉は冷えても硬くなります。

また、ここ数日間で急に暑くなり、

朝から室温29℃! 湿度70%!

湿気も腰痛に影響を与えるときがあります。

自分では気づかないうちに腰の筋肉が硬くなり、

ぎくっ!と痛めることもあるわけです。

 

ぎっくり腰におすすめなのは、鍼治療。

うつぶせになるのはきついので、

横向きで、背中・お尻・脚などに軽く鍼をします。

ぎっくり腰を起こした直後は、あまり動けないものですが、

早めに治療に来られたほうが、治りも早いです。

 

なかなか治らない頑固なぎっくり腰には、

当院では灸頭鍼(きゅうとうしん)をします。

 

kyutousin_yi

 

ツボに刺した鍼の先にモグサをつけて、お灸をします。

鍼の刺激とお灸の輻射熱のW効果!

ぎっくり腰がクセにならないように、しっかりと腰の筋肉をゆるめます。

 

私は鍼灸師になる前、理学療法士(リハビリ)の仕事をしていました。

肉体労働なので、何度もぎっくり腰になりました。

その体験も踏まえて、次回はぎっくり腰のセルフ・ケアをご紹介します。

よろしく~~~!

 

おまけの話。

例年よりも4か月遅れて花芽がでた胡蝶蘭。

今年は何個花が咲くかな~。

毎日花芽の成長を見ていましたが…、

がが~ん!

蕾は1個ついただけ。

 

2014_07_25_001

 

提灯(ちょうちん)みたい…。

 

よい姿勢の落とし穴…

コトーの鍼灸治療スタイルは、立位。

以前は低めの治療ベットを使っていたので中腰となり、

終業時間には腰がカチコチ!

しょっちゅう自分で腰に鍼とお灸をしていました。

今使っているのは、電動の昇降式治療ベット!

中腰にならないので、快適です!

 

当鍼灸院には、『痛み』に困り果てた方が来られます。

『痛み』を引き起こしている原因を見つけ、

それを改善しながら、鍼灸治療をすることが大切だと思っています。

 

今まで腰痛と無縁だった方が、

「2か月前から腰が痛い」

「日中は痛くない」

「寝ている時、寝返りを打つのがつらい」

「朝、起き上がる時も痛い」 ………と、

鍼灸治療に来られました。

 

日課となっている庭の草むしりが、

腰の負担になっているかもしれないので、

時間を短縮してもらいました。

腰周辺のストレッチも指導しました。

 

「朝、起き上がりは楽になった」

「夜中の寝返りは、腰が痛む」

「草むしりの時間を減らした」

「ストレッチやウォーキングはしているけれど…」

 

kyutousin_yi

 

当院で背中から脚にかけて、『灸頭鍼 きゅうとうしん』を行うと、

カチコチの腰が緩みましたが、治療に来るときには、

硬い腰に戻っていました。

??? なぜ…。

 

『痛み』には、たくさんの種類があります。

筋肉の痛み、神経の痛み、内臓からくる痛み、心因性の痛み…。

今回の痛みは、筋肉の痛みではない???

そんなことを思いながら、治療ベットに座ってもらいました。

そして、やっと腰痛を引き起こしている原因が分かりました。

『姿勢』です。

 

ちょうど2か月前から、座位、立位、歩行などあらゆる場面で

よい姿勢を保ち続けているそうです。

コトーは長年、理学療法士として運動や姿勢の指導をしましたが、

その姿勢は背中が反りすぎています。

日中、背筋が過緊張になっていたとは…。

 

このブログを読んでいる、あなたはどうですか?

姿勢はいいほうですか?

では、姿勢チェック、スタート!

何もつかまらずに、よい姿勢を10秒立ってください。

1、2、3、…10!

次に、壁に踵、お尻、肩甲骨、後頭部をつけてみてください。

1、2、3、…10!

壁に立つと、後ろに倒れる感じがした方は、

普段前かがみかもしれません。

お尻が壁につきにくい方は腰が反っているかも…。

 

tms_stand_upright

 

ツボ・モデル子ちゃん、登場!

先ほど、壁に立ってもらった時と同じ姿勢です。

横から見て、

耳たぶ→肩先→大転子(太ももの骨の頭)→膝蓋骨の後ろ

→外くるぶしの約2㎝前 が、一直線になります。

背骨の上にバランスよく頭が乗り、

骨盤の上にバランスよく背骨と頭が乗っています。

骨格のバランスがとれている…ということは、

全身の筋肉もバランスよく働いています。

腰の筋肉だけ過緊張となり痛みが出る…ということもありません。

 

手作業をしていると、前かがみになりがち!

ときどき壁にへばりつこう!

 

腰痛を治す『承山・しょうざん』というツボ

もうすぐゴールデンウィークですね。

皆さんは計画を立てましたか?

コトーは、山に登りたいなぁ…。

新緑と、その向こうの木漏れ日と、

その向こうの鳥のさえずり…。

自然の中にすっぽり包まれたーい!

 

山!山!!山!!!

今日のブログは、名前に、『山』という漢字がつく

ツボについて、書いてみよう!

安易な発想…。

 

メジャーなツボ、361個のうち、

『山』という漢字が入っているツボは、1個だけ!

意外!!!

体のへこんだ部位にあるツボは、

『谷』とか『池』という漢字が入っています。

体の盛り上がった部位にあるツボは、

『山』という漢字がたくさん使われてもよさそうですが…。

 

貴重な1個は、『承山 しょうざん』というツボ。

ツボ・モデル君の登場!

 

 

どこの部位かわかりますか?

膝裏から踵にかけてです。

ふくらはぎの筋肉の一番盛り上がっているところに

あるのが、『承筋 しょうきん』。

その下で、ふくらはぎの筋肉が腱に移行するところに

あるのが、『承山』。

まぎらわしい名前ですよね。

鍼やお灸で腰痛を治すときに、

『承山』というツボをよく使います。

 

赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』

という経絡。

『承山』は、この経絡の上にあるツボです。

『足太陽膀胱経』という経絡は、腰にも通っているので、

腰痛治療にも用いられます。

腰にあるツボだけでなく、

遠く離れた足のツボも腰痛に効きます。

 

このツボは、下半身の冷えや、脚のむくみや疲れにも

効きます。

私のおすすめは、灸頭鍼(きゅうとうしん)。

 

 

鍼先にモグサをのせてお灸もします。

自分は仕事中立っていることが多く、

脚が疲れると、自分で『承山』に灸頭鍼をします。

ふくらはぎの奥までふわっと温まり、

こりかたまっていた筋肉がほぐれて、

脚が軽くなります!

 

腰痛に帯脈(たいみゃく)…

今日は何を書こうかな…。

鍼灸本をぱらぱらとめくっていると、目に止まった『帯脈』。

よぉ~し!『帯脈』に決定!

 

東洋医学では、『経絡 けいらく』という通路が

全身に張り巡らされていると考えています。

『経絡』は、エネルギーと栄養分を全身に届けています。

『帯脈』は、その『経絡』の1つです。

 

ほとんどの経絡が、『陽』の経絡と『陰』の経絡と

ペアになっています。

しか~し、帯脈は違います。

相棒がいません。

また、ほとんどのツボが、経絡の上にあり、

各々の経絡に、各々のツボがあります。

しか~し、帯脈は違います。

帯脈独自のツボがありません。

他の経絡の上にあるツボをつないでいる経絡が帯脈です。

このように、陰陽の関係がなく、独自のツボがない経絡を

『奇経 きけい』といいます。

 

今まで紹介してきた経絡はすべて、

体に対して縦に走行しています。

しか~し、帯脈だけ違います。

 

じゃ~ん!

 

久しぶりに描いたツボ・モデル子ちゃん!

横向きって描きづらい…。

帯脈は、ウエストを横に1周しています。

そして、おなかや腰を縦に通る経絡を帯のように

束ねています。

 

ちなみにおなかと腰を縦に通る経絡は…、

 

おなか
おなか
せなか
せなか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このモデル君は片方の経絡だけ描いてあり、

縦中央の経絡以外は左右対称にあります。

 

帯脈がきつく締めつけられると、

縦の経絡の流れが悪くなります。

また、帯脈がだらりんこと力が抜けていると、

縦の経絡もだらりんこ…。

帯脈ってとても大事な経絡なんですね。

 

慢性腰痛やぎっくり腰などの強い腰痛の方は、

背筋だけでなく、わき腹やおなかの筋肉まで

がちがちになっていることも多いです。

そんなときは帯脈を緩め、縦の経絡への締めつけを取り除く

鍼灸治療を行います。

その結果、おなかや腰の筋肉が緩み、

腰痛が改善し、腰や骨盤が動かしやすくなります。

腰痛治療と予防には、背筋と、腹筋やわき腹の筋肉のバランスが

大事です。

それって、帯脈の状態を整えることに通じると思います。

 

今日も難しい話におつきあいいただき、ありがとうございます。

福岡はちょー寒いです!

皆さんの住む街もちょー寒いですか?

風邪をひかないように気をつけましょー!!!

腰痛の鍼灸レシピ

前回のブログでは、肩コリ・首コリさんの鍼灸治療をご紹介しました。

「学生の頃からだから、もう10年?悩まされています。」 などなど、

当鍼灸院に来られる方は、肩コリ・首コリのベテランさんが多いです。

そんな方々のほとんどは、腰もこっています。

 

うなじの筋肉は、長いものでは

骨盤の尾てい骨の上までつながっています。

背中の筋肉の上部が硬くなっていたら、

下部も影響されることが多いようです。

今日は、下部、腰のコリや腰痛について書いてみようと思います。

 

じゃじゃぁ~ん!

こりもせず、また描いてしまった!

後ろを振り向いている絵に見えますか?

このツボ・モデル子ちゃんの赤い線は、

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。

ひたいから血を流しているわけではありません。

 

この経絡の始まりは、目頭と鼻の間にあるツボ 『睛明 せいめい』。

ひたいから頭頂と上り、後頭部、うなじ、と下ります。

背中・おしり・太ももの後ろは、2本に分かれます。

膝裏で1本に合流し、ふくらはぎ、外くるぶし、と下ります。

最後は、足の小指にあるツボ 『至陰 しいん』。

 

ヒトの経絡の中で一番長い経絡です。

この経絡の上にのっているツボは67個。

左右対称にこの経絡はあり、左右合わせて134個!

背中を通っているので、肩コリ・首コリだけでなく、

腰コリや腰痛の鍼灸治療にも用いられます。

その際は、背中や脚のツボに鍼やお灸をします。

 

当鍼灸院では、

 

 

鍼を刺したまま、棒灸をします。

棒灸はモグサを硬く固めたものを和紙に包んでいます。

皮膚から3~5㎝離して温めます。

 

 

灸頭鍼(きゅうとうしん)もしています。

灸頭鍼は、刺した鍼の上にモグサをのせて温めます。

どちらも熱くはありません。

じわわわ~んと体の芯まで温まり、

筋肉がゆるみ、血流もよくなり、

コリや痛みが緩和されます。

 

『足太陽膀胱経』の上にはのっていませんが、

『腰痛点 ようつうてん』というツボがあります。

ぎっくり腰の治療に用いられます。

どこにあると思いますか?

じゃじゃじゃじゃぁ~ん!

手の甲に2ヶ所あります。

不思議でしょう?