コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【冷え症】冷える原因と症状

冷えによる症状

初期症状としては、手先や足先の冷え。

冷えを放置していると、風邪を引きやすくなったり、頭痛・首こり・肩こり・腰痛・痔などの原因にもなる。子宮や卵巣まで冷えて、骨盤内の血流が滞ると、生理痛や生理不順・不妊症の原因になることもある。

また、冷えがあると、子宮内膜症や子宮筋腫・膀胱炎・月経前症候群・関節痛などが悪化しやすい。

 

冷える原因1 体を温めるエネルギーが足りない

私たちが口の中に取り込んだ食べ物は、食道→胃→小腸→大腸と運ばれる過程で、消化・吸収され、栄養分やエネルギーとなる。それらは、内臓を働かせ、新陳代謝を高め、体温を維持する。

もともと胃腸が弱かったり、食べ過ぎなどで胃腸の働きが低下したり、無理なダイエットをしていると、食べ物からのエネルギを十分には作れない。慢性的なエネルギー不足となり、冷えが生じる。

 

冷えの原因2 余分な水分が体内に溜まっている

むくみやすい、夏でも汗をかきにくい、などの体質に加え、日頃、水分を摂りすぎると、余分な水分が体内に溜まる。溜まった水分は、周囲の内臓の熱を奪う。そして、エネルギーや血液の流れを滞らせ、体を冷やす。

 

冷えの原因3 加齢によるエネルギー不足

齢とともに、胃腸など内臓の働きが低下し、エネルギーが不足しやすい。また、筋肉は動かすと熱を発生するが、筋肉量が減り、体内で熱を作り出しにくくなる。

 

冷えの原因4 冷たい飲み物や食べ物を摂る

人間は、体の中を37度くらいに保っている。そして、胃には、たくさんの血管がある。

冷蔵庫で冷やした飲み物は、5度前後。真夏に、一気に飲むのは美味しいが、胃に流れ込むと、大量の血液を冷やすことになる。

 

冷えの原因5 寒い冬や冷房の効いた室内での薄着

真冬でも薄手のロングスカートやミニスカート、ショートパンツ姿の女子をよく見かける。2023年夏から秋にかけて、ウエストが丸見えの、丈の短いシャツが流行った。流行の服を着たい女子たちの気持ちは分かるが、すでにおばちゃんとなったコトーは、「子宮や卵巣を冷やさないでね」と心の中でつぶやく…。

 

冷える原因6 座りっぱなしの姿勢

椅子に腰かけての手作業中は、股関節がぐっと曲がり、上半身は前のめりとなり、お腹を圧迫しがち。おなかの中には、子宮・卵巣・膀胱・腸がある。長時間、この姿勢をとると、おなか~お尻~太ももの裏の血流が悪くなり、冷えにつながりやすい。

 

冷えの原因7 長期に渡る、精神的ストレス・睡眠不足・多忙な日々

精神的なストレスや、睡眠不足や忙しさが続くと、自律神経が乱れやすい。自律神経は、血流循環・呼吸・消化・排泄・体温などを調整している。そのため、自律神経が乱れると、血流循環や体温調節に不具合が生じ、冷えやすい。

また、不規則な生活やストレスが長引くと、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れてくる(=生理不順)。

ホルモンの分泌をコントロールしているのは、脳にある視床下部(ししょうかぶ)。上のイラストは、脳を横から見た断面図。左側が額で、右側が後頭部。女性ホルモンのバランスが崩れると、視床下部(赤い部分)は頻繁にホルモン調整を強いられ、やがて疲弊してくる。

視床下部は自律神経の中枢でもあり、視床下部の機能低下は、ホルモン調整だけでなく、血液循環や体温調整にも影響する。

 

冷えの原因8 長引く疲労

人間は疲れてくると、余分なエネルギーを消耗しないように、体の代謝を低下させる。そうすると、エネルギーを作る力が弱くなり、血流の循環が悪化し、体が冷えてくる。

 

冷えの原因はたくさんあり、複数の原因がからみあって、冷えが生じることも多い。自分の冷えを引き起こす原因を見極め、それらの原因をできるだけ『避ける』『改善する』ことが、冷え取りの第一歩。

 

次回は、【冷え症】セルフケア~体の中から冷やさないための食生活

特集『冷え症』

【冷え症】冷える原因と症状

【冷え症】セルフケア~体の中から冷やさないための食生活

【冷え症】セルフケア~j体の外から冷やさないための服装

冷え症】セルフケア~体の中から温める『手軽な運動』

【冷え症】セルフケア~『冷えに結び付きやすい生活習慣』の見直し

【冷え症】体の中と外から温める鍼灸治療と予防鍼灸

 

 

今年は辰年。上の写真は、近所で撮ったもの。龍雲は吉兆のシンボル。日本や世界に龍雲が訪れ、幸せ雲を振り撒いてほしい…と思っていたところに、能登半島地震。災害の大きさに、心が痛む。被害にあった方々が、安心・安全な環境で生活ができるようになることを、強く念じています…。

コトーは毎年、防災の日(9月1日)前後に、本屋で防災に関する本をチェックしている。昨年は、出版されたばかりの本を購入したが、山積みの本の上にのせただけ。昨年の秋、コトーが住む福岡は、台風や暴風雨が少なかった。防災の意識が弱くなっていたんだなぁ…。できることからコツコツと防災に取り組もう!と気を引き締めている。

【動画で見る!ツボの取り方】婦人科の症状や自律神経の乱れ、足先の冷え、目の疲れなどに働きかけるツボ『太衝 たいしょう』

『太衝 たいしょう』というツボは、『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。『太』は、『大きい』という意味。『衝』は、『要衝』のこと。『太衝』は、『足厥陰肝経』にとって重要なツボに当たる。

 

『足厥陰肝経』という経絡は、体内で『肝』とつながっている。肝の働きには、『血の貯蔵』と『血量の調節』がある。そのため、PMS(月経前症候群)・生理痛・生理不順・無月経・更年期症状など婦人科の症状や、高血圧、足の冷えの治療に、ツボ『太衝』は用いられる。

また、肝は精神活動とも深く関係している。イライラ感、不安感、ストレス、不眠、自律神経失調症などがあり、情緒を安定させたい時、『太衝』に鍼やお灸をする。

頭痛やのぼせ、めまい・耳鳴り・目の疲れにも用いられ、このツボの活用範囲は広い。肝の働き自体が、多岐にわたっているからなぁ…。

肝の働きについては、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑲~足厥陰肝経』を見てね。ツボや経絡の働きを知ると、どのツボを使おうか、選びやすくなるよ。

『イライラする』『そわそわする』『うじうじする』『ふわんふわんする』『ドヨ~ンとする』『ハァーッとため息…』そんな気持ちを切り替えたい!立て直したい!何とかしたい!時に、『太衝』もいいし、『内関 ないかん』もいいよ~。

ツボ『内関』は腕にある。詳しくは、ブログ【動画で見る!ツボの取り方】自律神経を整えるツボ『内関  ないかん』をご覧くださ~い。 

『太衝』は足の甲にあり、ツボの取り方は『内関』よりも簡単。『太衝』にセルフお灸をしてみたい方は、下記のツボ取り動画をどうぞ!

 

【動画で見る!ツボの取り方】足先の冷えや足の甲の痛み、偏頭痛に働きかけるツボ『足臨泣 あしりんきゅう』

『足臨泣 あしりんきゅう』というツボは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。この経絡は目の外側に始まり、側頭部をぐるぐる回って、体の横を下り、足の甲を通って、足の薬指の先端で終わる。

『足臨泣』は、足の甲にある。足先がキンキンに冷える方には、このツボへのセルフお灸がおすすめ。また、脚の筋肉痛、特に足の甲の筋肉痛や痛みには、『足臨泣』に鍼やお灸をすることが多い。セルフお灸もいいよ~。

『足少陽胆経』は、体の横を通り、頭の横側では経絡が行ったり来たり…。このように、こめかみ部分にも通っているので、『足臨泣』は偏頭痛(=片頭痛)の治療にも用いられる。ツボの近くの症状だけでなく、経絡上の遠くの部位の症状を治療することもあるんだよ~。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭臨泣 あたまりんきゅう』というツボもある。黒目の真上で、前髪から少し入ったところにある。目の症状を治療する時に用いられる。

『足臨泣』も目の症状に用いられることがある。ツボ同士の作用や適応症が似ているツボたちを『相対穴』、『相関穴』という。『足臨泣』は足の『臨泣』、『頭臨泣』は頭の『臨泣』と言われ、『相対穴』にあたる。

 

前回、ツボ取り動画で紹介した『陽陵泉 ようりょうせん』と、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡の上にある『陰陵泉 いんりょうせん』も『相対穴』。膝のトラブルに用いられる。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭竅陰 あたまきょういん』と『足竅陰 あしきょういん』がある。このツボたちも、『相対穴』。

『竅 きょう』は、五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)のこと。2つのツボは、目・耳・舌・のどなどの症状に用いられる。おーっ、話がそれた。

 

『足臨泣』は、足の甲にあり、薬指と小指の細長い骨の間にある。

 

細長い骨の上には『長趾伸筋 ちょうし・しんきん』という筋肉がある。膝下の骨から、足先の骨(親指以外)に付き、足の指を反らす時に働く。

この筋肉の、足の甲の部分は、必ずしも骨の上にあるわけではない。この部分の筋肉はスジのように硬く、骨と間違えやすい。

薬指と小指を反らす筋肉と、薬指と小指の骨を間違えてツボを取ると、正しいツボと位置がずれる。『足臨泣』のツボを探すのは難しい…。ツボ取り動画で、そこのところを熱く語っている!『足臨泣』にお灸をしてみようかなぁ…という方は、動画も見てねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】胃痛や胃もたれ、脚の疲れ、健康の維持・増進に働きかけるツボ『足三里 あしさんり』

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。体内では胃とつながり、気(=エネルギー)と血(けつ)(=えいよう)を胃にも送る。胃の調子が悪いと、この経絡の流れが滞る。そして、経絡上にあるツボに反応が現れる。あるツボを押すと他のツボよりも圧痛が強い、ツボ周辺の皮膚がへこむ、ざらつく、などなど。

 

45個あるツボの中で、反応が出やすいのが『足三里 あしさんり』(赤丸)。このツボに鍼やお灸をして滞った経絡の流れを促し、気と血を十分に胃にも送り、胃の調子を整える。また、胃だけでなく、腸・肝・胆・膵など消化器全般に働きかける頼もしいヤツ!すねにあるので脚の疲れや痛み、運動麻痺などにも用いられる。脚のむくみや冷えにもよく使うなぁ~。鍼灸治療は鍼とお灸のセットがおすすめ。

 

これは灸頭鍼(きゅうとうしん)。鍼先にモグサを付けて、鍼をしながらお灸もする。鍼の刺激とお灸の輻射熱が同時に伝わる。

 

モグサを固めて和紙でくるみ、棒状にしたお灸、棒灸。『足三里』に鍼を置き、棒灸を数㎝離して温める。

 

コトーは鍼灸修行で中国に滞在中、毎日『足三里』にお灸をしていた。胃の調子が悪かったわけではない。『足三里』は無病長寿!健康維持!増進!にも働きかけるツボ。留学先で体調を崩さないようにお灸をしていた。おかげで大病もせず…と言いたいところだが、夏風邪で高熱を出し、真冬の北京旅行でインフルエンザにもかかったなぁ…。ハハハハハーッ!

 

青丸は『膝眼 しつがん』というツボ。そこから指4本分下に『足三里』(赤丸)がある。2つのツボを取る必要があるので、『足三里』のツボ取りは難しい。簡易的な方法もあるが、ツボの位置がずれやすい。前回紹介したツボ『梁丘 りょうきゅう』よりもツボ取り動画の撮影は難航したが、膝模型を駆使し乗り切った。何かを企画し、準備し、実行してみることが元来好きなので、手間はかかってもコツコツ動画を作り続けるよ~ん!

次回は『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡を紹介!その前に、中休みブログが入るかも…。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

ツボ・パワー! 三陰交(さんいんこう)

鍼灸治療にかかせないのが『ツボ』。

東洋医学では全身に経絡という通路があると考えています。

経絡は『陰経』と『陽経』に分けられ、

経絡上に乗っているツボは約360穴。

今日はその360穴の1つ、『三陰交 さんいんこう』をご紹介します!

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『足の太陰脾経 たいん・ひけい』と、『足の厥陰肝経 けついん・かんけい』と、

『足の少陰腎経 しょういん・じんけい』という

3つの陰経が交わるところにあるのが『三陰交』。

このツボは、3つの経絡が治す症状たちに係わることができるので、

すごいっ!!!

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『三陰交』の位置は、

足の内くるぶしの頂点から指4本ほど上で、

脛骨(けいこつ)という骨の後ろ。

ツボを押すとウッ!と圧痛があり、

少しでもずれると圧痛が和らぐので、見つけやすいツボです。

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強い冷えなどには…

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

強い生理痛や生理不順などには…

皮内鍼(ひないしん)。

皮膚の1mm下に、皮膚と平行に小さな鍼をして、

医療用テープで固定します。

違和感はありません。

1~4週間ツボを刺激し続けることにより、症状を改善します。

足のむくみにもOK!

『三陰交』に鍼をしたまま…

棒灸もします。 (写真はツボが違います)

ご自宅でお灸をして頂くときには…

台座灸も使います。

いろいろな手法を使うツボって珍しい気がします。

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経絡には『陰経』と『陽経』があり、各々ペアになっています。

ツボ自体もペアになっているものがあり、

『三陰交』の相手は『懸鐘 けんしょう』。

足の外くるぶしの上にあります。

この2つのツボに同時にお灸や鍼をするのを、

『貫抜きの灸』とか『抜き打ちの鍼』と言います。

2つのツボを通して陰陽のバランスを整える!というイメージです。

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これからぐっと寒くなる季節に入りますが、

冷え症さんは、『三陰交』のある足首を冷やさないように、

ハイソックスやレッグウォーマー、ブーツなどを履くことをお勧めします。