コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

水分代謝と鍼灸

福岡は暑い日が続いていますが、皆さんの住む街はいかがですか。

こんな日のビールは、五臓六腑に染み渡るぅ~、プハーッ!! ですか?

ところで、その五臓六腑をすべて言えますか?

五臓は、肺・心・肝・脾・腎。

六腑は、胃・胆・小腸・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

三焦?

実は、この五臓も六腑も東洋医学からみた臓器のこと。

三焦は、ヒトの体には実在しません。

東洋医学でいう六腑は、共同して飲食物を消化し、

体に必要なものを取り出し、

必要でないものを体の外に出す作業をしています。

五臓は、六腑が取り出した、体に必要なものから、

気(=エネルギー)、血(けつ)(=栄養)、津液(しんえき)(=水分)を作ります。

               *

おーっ、やっと出てきた、今日のテーマの『水分(=津液)』。

五臓六腑の中で、津液と深く係わっているのが、脾・胃・肺・腎・膀胱。

むくみなどで津液の代謝が滞る時があります。

その理由は様々。

どの臓器の、どのような働きが滞って、津液の代謝が悪くなっているのか…。

それらを見極めることは、鍼灸治療に欠かせません。

五臓六腑に栄養を送っているのは、経絡。

例えば、肺に栄養分を送っている経絡は、

手太陰肺経(て・たいん・はいけい)。

肺の働き(これは東洋医学からみた働きのこと)が落ちて、

津液の代謝が滞っている場合…。

この手太陰肺経の上にのっているツボに鍼やお灸をすることにより、

この経絡の流れを良くして、肺の働きも、津液の代謝も改善します。

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もうすぐ梅雨ですね。

むくみのある方は、この時期さらにむくみやすくなることもあります。

ご自分で毎日お灸をしていると、むくみが解消しやすいです。

リハビリの仕事をしていた20代の頃。

内くるぶしがわからないくらい、脚がむくんでいました。

鍼灸師さんにお灸の仕方を教わり、毎日お灸をしていたら、

内くるぶしがわかるようになり、脚も軽くなりました。

今は、

台座灸(だいざきゅう)というお灸が市販されています。

手軽に自宅でお灸ができますよ。

当鍼灸院では、6月12日(火)と17日(日)に、

むくみをテーマにしたお灸教室を開催します。

一緒にお灸をしてみませんか。

詳しくは、左のカテゴリー『お灸教室のご案内』をご覧下さい。

               *

前回といい、今回といい、難しい話となりました。

目に見えない経絡とツボを使って治療する鍼とお灸。

難しくてなかなか説明しきれませんが、と~っても魅力的な治療方法です。

むくみと水分代謝

以前、むくみのことをブログに書いたなぁ~。

下書きノートをペラペラめくっていたら、驚きっ!

2011年6月3日、むくみのしくみ!

おっ!

2011年6月5日、むくみの原因その1!

はいはい!

2011年6月7日、むくみの原因その2!

それから?

2011年6月9日、脚のむくみ対策!

ひょー!

2011年6月11日、手と顔のむくみ対策!

最後に!

2011年6月13日、むくみの鍼灸レシピ!

隔日でむくみを特集している!

今の自分では考えられない気の入れよう!

『むくみ』に興味のある方は、ぜひご覧下さい。

ということで、今日のブログはおしま~い!

なんてウソウソ!

ちょっと違う角度からむくみについて書いてみます。

               *

私たちは、飲料水や食物の中に含まれている水分などによって、

体の中に水分を取り込んでいます。

そして、それと同量の水分を尿や汗などで体の外に出し、

体の中の水分量は常に保たれています。

ヒトの体の中に水分ってどれくらいあると思いますか。

体重の約60%だそうです。

体重が50kgの人は約30ℓ。

では、その水分って体のどこに入っていると思いますか。

細胞の中に、体全体の3分の2の水分があり、

残りの3分の1は細胞の外にあります。

『細胞』って???

脳ミソも、皮膚も、骨も、筋肉も、内臓も、

たーくさんの細胞が寄り集まってできています。

ヒトの体の細胞は、約60兆個! 約270種類!

ではでは、どうやって細胞に水分が入るのでしょうか。

心臓からドドーンッと送り出された血液の中に水分も含まれています。

その血液は動脈を通って全身を巡ります。

このときに、血管の壁から、じわじわと血液中の水分がしみ出て、

隣の細胞に水分が入っていきます。

血液の中には水分だけでなく、酸素や栄養分も含まれ、

それらも細胞の中に吸収されます。

細胞に吸収された水分や栄養分はその後どうなるか…。

いらなくなった水分のほとんどは静脈に吸い込まれ、心臓へと戻っていきます。

残りの水分や余った栄養分はリンパ管に吸収され、運ばれます。

               *

これが正常な水分代謝。

動脈の中を通ってきた、新鮮な水分が細胞に吸い込まれ、

その後、静脈やリンパ管に吸い込まれていく…。

これがむくみの状態。

静脈やリンパ管の流れが悪いと、水分が吸収されない!

そうすると、細胞と細胞の間に水分がどんどんたまって、むくんじゃう!

               *

なーんとなく、イメージできたでしょうか。

体の水分代謝が落ちて、むくむ理由は様々。

2011年6月5日と7日のブログに様々な原因を、

その後のブログには対処法も書いていますよ~。

次回は、『水分代謝と鍼灸』について書いてみます。

難しい話におつきあいいただき、ありがとうございまーす!

               *

当鍼灸院内で、6月12日(火)と6月17日(日)に、

むくみをテーマにしたお灸教室を開催します。

興味のある方は、左のカテゴリーの『お灸教室のご案内』を

ご覧下さい。

お気軽にご参加下さ~い!

ツボ・パワー! 三陰交(さんいんこう)

鍼灸治療にかかせないのが『ツボ』。

東洋医学では全身に経絡という通路があると考えています。

経絡は『陰経』と『陽経』に分けられ、

経絡上に乗っているツボは約360穴。

今日はその360穴の1つ、『三陰交 さんいんこう』をご紹介します!

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『足の太陰脾経 たいん・ひけい』と、『足の厥陰肝経 けついん・かんけい』と、

『足の少陰腎経 しょういん・じんけい』という

3つの陰経が交わるところにあるのが『三陰交』。

このツボは、3つの経絡が治す症状たちに係わることができるので、

すごいっ!!!

               *

『三陰交』の位置は、

足の内くるぶしの頂点から指4本ほど上で、

脛骨(けいこつ)という骨の後ろ。

ツボを押すとウッ!と圧痛があり、

少しでもずれると圧痛が和らぐので、見つけやすいツボです。

                *

強い冷えなどには…

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

強い生理痛や生理不順などには…

皮内鍼(ひないしん)。

皮膚の1mm下に、皮膚と平行に小さな鍼をして、

医療用テープで固定します。

違和感はありません。

1~4週間ツボを刺激し続けることにより、症状を改善します。

足のむくみにもOK!

『三陰交』に鍼をしたまま…

棒灸もします。 (写真はツボが違います)

ご自宅でお灸をして頂くときには…

台座灸も使います。

いろいろな手法を使うツボって珍しい気がします。

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経絡には『陰経』と『陽経』があり、各々ペアになっています。

ツボ自体もペアになっているものがあり、

『三陰交』の相手は『懸鐘 けんしょう』。

足の外くるぶしの上にあります。

この2つのツボに同時にお灸や鍼をするのを、

『貫抜きの灸』とか『抜き打ちの鍼』と言います。

2つのツボを通して陰陽のバランスを整える!というイメージです。

               *

これからぐっと寒くなる季節に入りますが、

冷え症さんは、『三陰交』のある足首を冷やさないように、

ハイソックスやレッグウォーマー、ブーツなどを履くことをお勧めします。

みずみずしいツボたち

雨が降り続きますなぁ~。

お天道様が恋しいよぉ~。

でも、雨が降り始めたときの土の匂いや、雨の音、しずくの形・色…、

雨の日に五感を集中させると、心がなごみます。

               *

ところで、古くから鍼灸で正規に用いられているツボたちは、約360穴。

その中で、『水』のつく名前を数えてみたら、5つ。

鼻の下にある 『水溝 すいこう』 (人中 じんちゅう ともいいます)。

のどぼとけの斜め下にある 『水突 すいとつ』。

おへそのちょっと上にある 『水分 すいぶん』。

下腹部にある 『水道 すいどう』。

内くるぶしの斜め下にある 『水泉 すいせん』。

               *

ツボの名前には由来があります。

ツボの起源は石器時代!

それから長い年月をかけ、

古代の先輩たち(鍼や灸をされてきた方々)が

多くの臨床経験を積むことにより、

この病気、この症状には、ココに鍼や灸をすると効くぞ!

と、確立していきました。

ありがとーっ!先輩!

               *

名前に『水』がつくツボたちは、

体の水分調節(むくみや泌尿器系疾患)や腫れに効きます。

               *

温度も湿度も高く、不快指数が高いと、

それだけで疲労感も倍増!!

しっかり食べて、しっかり睡眠もとって、

梅雨をのりきりましょう!

特集むくみ ~むくみの鍼灸レシピ

むくみ特集 最終回!

むくみに対しての鍼灸治療をご紹介します。

               *

むくみの特集第2弾と第3弾で、むくみの原因について、

ズラズラズラ~っと書きましたが、原因って様々…。

ていねいな問診や触診で、原因をつきとめ、

バランスの崩れている経絡(けいらく)を見つけ出します。

むくみを改善するために、その経絡の流れをよくするわけです。

そこで鍼灸登場!

その経絡上にあるツボに鍼や灸で刺激します。

               *

コテコテの東洋医学の話になります…。

『経絡』は、全身に張りめぐらされた道で、

気(エネルギー)や血を体の上下・内外に運び、

全身を栄養したり…、

五臓六腑とも交流し、臓腑の機能を調節する…、

と考えられています。

『五臓』っていうのは、肝・心・脾・肺・腎。

『六腑』は、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

              *

水分代謝に大きく係わっている臓腑は、

脾・三焦(実際にはない臓器です)・肺・腎。

ということは、この臓腑をつかさどっている経絡、

そして、その経絡の上にのっているツボたちも

むくみの鍼灸治療にとっても大事!

(う~、説明するのが難しい…)

(わかっていただけるかなぁ…)

               *

私は、リハビリの仕事をしていた20代の頃、

さんざん腰を痛め、鍼灸院に通っていました。

「私の内くるぶしはどこ?」っていうぐらい、

ヒザから下のむくみもひどかった!

鍼灸院の先生に、もぐさのひねり方を教えてもらい、

毎日、『足三里 あしさんり』と『三陰交 さんいんこう』というツボに

お灸をしていました。

今はちょこっと内くるぶしがあります。

ありゃ~、絵が傾いてすみません。

おっ、今度はまっすぐ!

この2ヶ所にお灸をすると、足の血行がよくなり、

足の疲れもとれますよ。

               *

長々と続いたむくみ特集。

最後まで読んでいただきありがとうございます!