コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

むくみをとる鍼~皮内鍼(ひないしん)

むくみを鍼でとるぅ~???

意外に思う方が多いのでは…。

水分代謝を整えるツボに鍼をして、むくみを改善します。

 

むくみが強い場合、当鍼灸院では、

『皮内鍼』という鍼をよく用います。

 

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一番下の鍼は、一般的に使う鍼です。

長さが37mm。

一番上にあるのは満月ではなく、一円玉。

直径20mm。

中央にあるのが皮内鍼で使う鍼。

長さが0.5mm。

とっても小さい鍼です。

 

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この皮内鍼を足にあるツボに2~3mm刺します。

鍼の持ち手はリング状になっているので、

鍼全体が皮膚に入ることはありません。

 

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医療用のテープで鍼を固定します。

鍼のリングの下からテープを貼るので、

このテープのことを、通称『枕』といいます。

 

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最後に鍼全体を覆うように、医療用テープを貼ります。

このテープのことを、通称『布団』といいます。

2週間ぐらいこのままにして、ツボを刺激し続けます。

鍼が皮膚と水平に入っているので、痛みや違和感はありません。

 

生理痛や生理不順が強い時には、

血の巡りを整えるツボにこの皮内鍼をします。

ちっちゃな鍼ですが、頼もしいヤツです!

 

むくみは、お灸でも治療します。

夕方になると脚がパンパンになり、だるくてしょうがない!

そんな方には、ご自分でするお灸もおすすめです。

根気強くお灸をし続けると、水分代謝がよくなり、

むくみも改善します。

 

当院での4月のお灸教室のテーマは、『むくみ』です。

興味のある方は、ぜひご参加ください。

詳しくは、『ホームページのお灸教室ページ』をご覧ください。

一緒にお灸を楽しみましょー!

 

鍼とお灸で痛みに挑む!

36どぉ~~~!!!?

一時、30度を下回っていた気温が夏に逆戻り!

涼しさに体が慣れ始めていたので、

暑さがぶり返すと、体がきついですね。

汗がダラダラ止まらない…。

 

ぶり返す…、ぶり返す…、ぶり返す…。

この言葉で、皆さんは何を連想しますか?

鍼灸師の私は、『症状』とか、『痛み』ですね。

今日は、その『痛み』について考えてみます!

 

痛む原因によって、痛みを分類すると…、

①内臓痛

内臓の不調からくる痛みです。

おなかをこわした時に、おなかがキューと痛くなりますが、

その時の痛みですね。

 

②関連痛

強い内臓痛が、内臓とは離れた部位に現れます。

例えば、食道のトラブルでは左鎖骨や左脇の下に、

胃のトラブルではみぞおちから側腹部に、

痛みが現れることがあります。

じゃん!

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この赤いラインは、『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』

という、経絡です。

経絡は全身に張り巡らされ、気(=エネルギー)と

血(けつ)(=栄養分)を全身の器官に送っています。

『足陽明胃経』は、胃にもつながっています。

胃のトラブルには、この経絡の上にのっているツボに

鍼やお灸をします。

 

③体性痛

筋肉や骨、皮膚からくる痛みです。

体性痛の代表的なものは、『筋肉痛』です。

私は、とーきどき小山登りをします。

日頃、脚を鍛えていないので、翌朝には筋肉痛になります。

しかーし、下山後、鍼やお灸をしておくと、

翌日、筋肉痛になりません!

 

④神経痛

坐骨神経痛で鍼灸院に来られる方は多いですね。

 

⑤心因性疼痛

体に異常がなく、心理的・社会的な要因により

痛みが起こります。

私は以前、腰部椎間板ヘルニアが原因のしびれが

7年間ほど続きました。

左足の親指の腹(裏側)だけで、

何かに夢中になっているときは気になりません。

しかし、毎朝「今日もしびれているなぁ…」と感じるのは、

嫌なものでした。

今でも、脚の筋肉痛が強いと、

「筋肉痛がしびれに変わって、ヘルニアがぶり返す」

ような感覚に陥ります。

そんなときは、

「これは脳が誤作動しているだけだ!」

と自分に言い聞かせます。

じゃじゃん!

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『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡です。

西洋医学では、感情を支配しているのは『脳』ですが、

東洋医学では、『心』『肝』などの臓器が感情とかかわっています。

強い痛みや慢性的な痛みにより、不安感や焦燥感が

フツフツと湧いてくるときは、気持ちを和らげるツボに

鍼やお灸をします。

 

いろいろな痛みに寄り添ってくれる鍼とお灸。

「この痛みはもう治らないかな…」とあきらめずに、

鍼やお灸を試してほしいな…と思います。

 

夏バテに鍼とお灸はいかが?

暑い!暑い!暑い~~~!!!

福岡は朝晩もうだるような暑さが続いています。

皆さんの住む街はいかがですか?

 

東洋医学では、気候の変化を重視しています。

『風、寒、暑、湿、燥、火』という気候にかかわるものが、

過剰、不足、あるいは季節に反して出現すると、

体の抵抗力が衰え、病を引き起こすことがあります。

病の原因となるものを、

『風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪』といいます。

 

今、福岡で猛威を振るっているのは、暑邪と湿邪!

梅雨が明けたとたんに高温となり、

日が陰っても気温が下がらず、湿度も高い。

当鍼灸院に来られる方も、バテ気味の方が増えています。

 

暑さにより体の中に熱がこもり、のぼせている場合は、

熱を外に出す作用のあるツボに鍼やお灸をします。

暑邪に湿邪を伴うと、胃腸の調子を崩しやすく、

胃腸の機能を整えるツボに鍼やお灸をします。

体が重だるく疲れやすい場合には、エネルギーを補給する

ツボを用います。

 

東洋医学ではエネルギーのことを『気』といいます。

『気』は、体のすべての機能を正常に働かせ、

体温を一定に保ち、病気から体を守る働きもします。

各々の働きによって、『気』は、原気(げんき)、

宗気(そうき)、営気(えいき)、衛気(えき)など、

名前が付けられています。

 

それぞれの『気』にかかわるツボもたーくさんあります。

例えば、気舎(きしゃ)、気戸(きこ)、気衝(きしょう)、

気穴(きけつ)、気海(きかい)、………。

 

 

足の裏にあるツボ『湧泉 ゆうせん』。

このツボは、『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』という

経絡の上にあります。

 

 

赤いラインが足少陰腎経。

左右対称にあります。

赤丸がツボ。片側だけで27個あります。

この経絡は、足の裏から始まり、脚の内側を上り、

おへその外側を通り、鎖骨の下で終わり、

五臓六腑の『腎』にもつながっています。

『腎』は、生命力の根源である『原気』と

深くかかわっています。

足の裏にある『湧泉』というツボにお灸をすると、

足少陰腎経という経絡と、腎という臓器の働きが

活発になり、原気、腎気というエネルギーも

補給されます。

専門的な話で、説明するのが難しーい!

うまく、伝わったかな?

自分でも鍼やお灸をして、体調を整えていますよ。

 

さーてさて、ちょっと気になる、おまけの話。

10日ほど前から、仕事場の近くの木々から、

つくつくぼうしの鳴き声が聞こえてきます。

例年9月の終わりから鳴き始め、

「暑い夏もそろそろ終わるぞー!」と

うれしく感じていました。

今年ももうすぐ夏が終わる???ことは、ないよねぇ~。

 

汗にまつわる鍼灸の話。

 

 

 

 

 

 

 

手のひらをこすりあわせて…、

 

 

 

 

 

 

 

円柱状にして、それを指先でひねって円錐形にして…、

 

 

 

 

 

 

 

ツボにのせて、線香で火をつけます。

 

 

これは、『点灸 てんきゅう』というお灸の方法です。

ツボや症状にあわせて、この工程を5~何十回と繰り返します。

 

 

 

 

昔は皮膚に直接、モグサをのせていました。

今は、灸点紙(きゅうてんし)というシールをツボの上に貼り、

その上にモグサをのせてお灸をします。

皮膚に跡が残りません。

 

鍼灸の学校では、この『点灸』をよく練習しました。

『時間内に点灸を30回繰り返す』という、実技テストもありました。

自宅で練習するときは、時間内にできるのに、

試験になるとダメ…。

手に汗をかくと、モグサがパサついて、まとまらない!

何度、追試を受けたことか…。

おっとっとー、また前置きが長くなってしまった!

 

今日は、汗の話。

汗には2種類あります。

1つは、『温熱性発汗』。

外気温が上昇すると、手のひらと足底を除く

全身に汗をかきます。

体の熱が発散され、体温が一定に保たれます。

今の時期には、とっても大切な機能ですね。

 

もう1つは、外気温には関係なく、

精神的な緊張で起こる『精神性発汗』です。

手のひら、足底、脇の下に汗をかきます。

先ほどの試験中の汗は、これですね。

 

東洋医学でも、原因や症状によって、

汗を分類しています。

ちょこっと、ご紹介します。

 

『自汗 じかん』

作業や暑さとは関係なく、汗をよくかきます。

『盗汗 とうかん』

寝汗のこと。

『大汗』

大量の汗をかくこと。

『戦汗』

大量の汗が出ると解熱し、症状が改善する…。

そんなときの汗です。

部分的に出る汗は、『頭汗』 『手足心汗』があります。

 

こんなに、汗の名称があるということは、

東洋医学でも汗は重要視されているってことですね。

各々の汗の原因や状況、そして全身状態にあった

ツボを選び、鍼やお灸をします。

 

暑い日が続きますね。

こまめに水分をとって熱中症に気をつけましょう!!!

 

疲れやすさ・だるさをとる鍼とお灸

「なんか最近疲れやすい…」

「昼間も眠くなる…」

「一日中、だるくてしょうがない…」

この時期、このような声をよく耳にします。

 

福岡は5月に入ると、急激に気温が上がります。

5月初旬のある朝、仕事場で掃除機をかけていると、

顎から汗がぽたり!

室内温度計を見上げると30度!

すべての窓を全開しているのにぃ~~~!

今日は曇りのち雨…。

窓を開けていると、日中でも風がひんやりとしている。

気温差が激しい季節です。

 

気温が変化しても、体温を一定に保とうとする機能が

ヒトには備わっています。

体温を調節しているのは、自律神経。

気温の変動が著しいと、自律神経は体温を

調節するのに大忙し!

自律神経も疲れてきます。

 

自律神経には、『交感神経』と『副交感神経』の

2つの神経があります。

日中活動するときに、交感神経が主に働きます。

夜間リラックスするときに、副交感神経が

主に働きます。

自律神経が疲れてくると、この2つの神経の

切り替えがうまくいかなくなり、

昼間に、リラックス・モードになる『副交感神経』が

主に働き、眠気やだるさの原因となることがあります。

こんなときは、自律神経を整えるツボに鍼やお灸をします。

 

5月に入ると、あらゆる場所で冷房が入り始めます。

ガンガン冷房が効いた部屋に、薄着で長時間いると、

いつの間にか体はすっかり冷え冷え~~~。

冷えると血の巡りが悪くなり、だるさの原因にもなります。

こんなときは、灸頭鍼(きゅうとうしん)をよく使います。

 

 

皮膚に刺した鍼の上にモグサをのせて、お灸をします。

体の芯まで温まり、体がすっきりとします。

 

じとじと雨が降ると、湿度も上がります。

むくみやすい方は、むくみが強くなることも…。

むくみも、だるさの原因になります。

こんなときは、水分代謝を整えるツボに鍼やお灸をします。

 

最近の福岡は、とっても春と秋が短い!

夏が長く、いきなり晩秋→冬→初夏→真夏、

そんなイメージ。

暑い日が多いこの時期には、真夏と同様、

脱水症や熱中症に気をつけたいですね。

汗は、だらだらと水滴となって流れるだけでなく、

皮膚から蒸発しています。

体内の水分が足りなくなっても、だるさを感じます。

今の時期から、まめな水分摂取は大事ですね。

しっかりと食べて、しっかりと睡眠をとって、

この梅雨の時期を乗り切りましょう!!!