コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

疲れやすさ・だるさに働きかけるツボたち…前編

疲れやすさやだるさを感じる原因は様々。

 

 

例えば、筋肉疲労…。

労働や運動が長時間に及んだり、激しいと、

老廃物であり疲労物質である乳酸などが生成され、

筋肉にたまる。

筋肉は伸び縮みにくくなる。

 

 

 

 

 

 

膝(猿シール)下にあるツボ『陽陵泉 ようりょうせん』。

別名『筋会 きんえ』。

筋肉のトラブルが起きた時に、

鍼やお灸で用いるツボなんだよ~ん。

たくさん歩いたり、慣れないハイヒールを履いた後、

このツボを押すとイタ気持ちいい。

 

 

例えば、血行不良…。

福岡は5月から冷房が入り始めた。

暑くなれば、冷たい飲食物をとりがち。

いつのまにか体が冷え、血行不良に…。

血の巡りが悪いと、エネルギーが体全体に行き渡らず、

体が重だるーく感じる。

心臓から遠い下半身が特に冷えやすく、

血行不良となる。

 

 

 

 

 

 

内くるぶしの上にあるツボ『三陰交 さんいんこう』。

血流や冷えを改善する。

 

 

例えば、栄養不足…。

暑さが続くと食欲減退。

のどごしのいい軽めの食事になり、

栄養が偏ることもある。

 

 

 

 

膝(花シール)下にあるツボ『足三里 あしさんり』。

 

 

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』。

この経絡は胃にもつながり、

胃にもエナルギーと栄養源を送っている。

この経絡上にあるツボ『足三里』に鍼やお灸をすると、

滞っていた経絡の流れが解消し、

胃にエネルギーと栄養源を充分に送ることができる。

胃弱の方は、毎日このツボにお灸をすると、

胃のトラブルが起きにくい体質になるよーん。

 

 

このツボはたくさんの効能があり、

エネルギーを補給する働きもある。

疲れやすさやだるさを感じたときに、

もってこいのツボなんだなぁ…。

 

 

健康を保つ『養生のツボ』でもあり、

胃弱でない方も、このツボに毎日お灸をして

体調を整えるのもいいんだよ~ん。

 

 

 

 

コトーは中国留学中、

毎日『足三里』にお灸をしていた。

 

 

 

 

40度近い極暑に1回夏カゼをひき、

鍼灸の修業先で漢方薬を処方してもらい、

 

 

 

 

最高気温0度の極寒に、

インフルエンザに1回かかったけれど、

それ以外は寝込むことがなかったなぁ…。

 

 

当院(福岡市南区にある、女性鍼灸師による女性専門鍼灸院、レディース鍼灸ことう)では、

今月、『疲れやすさ・だるさ』をテーマにお灸教室を開催。

事前に、いろーんな分野の本を読んでみた。

重要視されにくい『疲れ』や『だるさ』が心身に及ぼす弊害を

しみじみと感じ入った。

次回のブログでも、

『疲れやすさやだるさに働きかけるツボたち』を紹介するよ~ん。

よろしくです!!!

 

『だるさ』を鍼とお灸で吹っ飛ばそう!

だるさに鍼とお灸???

ピンとこない方が多いのでは…。

だるさを感じる原因を見極め、

その原因を解消するツボに鍼とお灸をします。

 

 

1年中、気温差が激しくなりつつありますが、

天候の著しい変動も『だるさ』の原因になります。

気温に左右されないように体温を調整するのは『自律神経』。

気温がコロコロ変われば、自律神経も疲れてきます。

 

 

自律神経は『交感神経』と『副交感神経』からなり、

日中は交感神経が優位のため、活動モードになり、

夜は副交感神経が優位のため、リラックス・モードになります。

自律神経が疲れてくると、このサイクルが乱れ、

日中に副交感神経が優位になると、

活動したくてもリラックス・モードなので、だるさを感じます。

 

 

自律神経を整えるツボに鍼とお灸をし、

活動モードとリラックス・モードの切り替わるリズムを整えます。

「鍼灸を受けた日はぐっすり眠れ、翌朝すっきり起きれました」

そんなふうに言われることがあります。

「交感神経と副交感神経がうまく切り替わったんだなぁ…」

心の中でつぶやきます。

 

 

もう7月!

どこでも冷房が入るようになり、気づけば脚がひんやり…。

冷えによる血行不良も『だるさ』の原因になります。

 

 

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赤いラインは、足太陰脾経(あし・たいん・ひけい)という経絡。

経絡は全身にエネルギーと栄養分を送っています。

この経絡は血のめぐりを整える作用もあり、

ツボが21個のっています。

その中からツボを選び、そのツボに鍼とお灸をして、

血のめぐりを整え、冷えとだるさを改善します。

 

 

長時間の労働や運動による筋肉疲労でも、

体はだるくなりますね。

硬くなった筋肉に鍼やお灸をすると血流が改善し、

筋肉がやらかくなります。

 

 

コトーは山登りの後、自分の脚に鍼とお灸をし、

筋肉のコリと筋肉痛を予防します。

「この筋肉は筋肉痛になりそうもないから、鍼もお灸もやめておこう」と、

フォローされなかった筋肉だけが筋肉痛になったときは驚きました。

 

 

体の使い過ぎだけでなく、頭の使い過ぎも『だるさ』の原因になります。

慢性的な頭の使い過ぎは、脳内物質の分泌量を低下させ、

うつ的な気分になり、だるさを感じやすくなります。

頭をリラックスさせるツボや情緒を整えるツボに鍼やお灸をして、

だるさを取ります。

 

 

暑さが続くと食欲がなくなる方もいます。

長く続けば栄養不足となり、『だるさ』の原因となります。

 

 

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赤いラインは足陽明胃経(あし・ようめい・いけい)という経絡。

胃にもつながっています。

この経絡上のツボに鍼やお灸をして、

胃にもしっかりエネルギーと栄養分を送り、

胃のトラブルを解消します。

 

 

コトーは20代の夏、ごはんが食べられず、

夜のビールだけで乗りきったことがあります。

その頃、鍼灸を知っていたらなぁ…。

 

特集~梅雨バテの話④~番外編

梅雨の時期に旬の梅はバラ科で、原産国は中国。

梅の酸っぱーい成分はクエン酸。

このクエン酸は、体内ではエネルギー代謝に関わる重役です。

また、筋肉痛の原因となる乳酸が筋肉にたまるのを抑え、

筋肉痛を解消するスゴイやつです!

最近はキッチンまわりの汚れ取りなど

掃除用品としてもメジャーになりましたね。

 

 

さて、梅の酸っぱさは、舌のどこで感じるでしょうか。

じゃじゃーん!

 

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<舌の表面>
tongue_yk_002
<舌の裏面>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

味を感じるのは、舌の表面にある味蕾(みらい)。

舌の先端が『甘さ』。

つけ根が『苦味』。

裏全体が『塩辛さ』。

『酸っぱさ』は舌の両側で感じます。

 

 

もう1つ、じゃじゃじゃーん!

 

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東洋医学には舌診という診察法があります。

舌の大きさ、形、色、つや、運動、

舌の上にある苔(こけ)のようなものの状態を診ます。

体質や血のめぐり、症状の程度の手がかりとなります。

舌の先は『心』、

つけ根は『腎』、

中心は『肺』と『胃』、

両側は『肝』と『胆』に関係しています。

(東洋医学の臓器と西洋医学の臓器の働きは

若干異なります。)

 

 

梅雨は湿度が高く、体内の水分代謝が落ちて、

体がむくむときがあります。

その時に舌はどうなっているでしょうか???

舌は普段よりもボテッと大きく、

舌の周りに歯型がつき、

口の中がなーんとなく甘くベトベトしています。

少々お待ちください。

……………………………… 。

鏡で舌を診てきました。

コトーの舌の外側には歯形がつき、ギザギザ。

ちょこっとむくんでいます。

 

 

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スモモも今が旬!

甘くて酸っぱくてジューシーでおいしーい!!!

旬の物を食べて梅雨を乗りきるぞー!

夏も乗りきるぞー!!!

 

特集~梅雨バテの話③~梅雨と片頭痛の関係

こめかみから目のあたりがズキンズキン!と痛む片頭痛。

片頭痛は脳内物質のセロトニンが大きくかかわっています。

セロトニンの分泌が不安定になると、

脳の血管が拡張し、

脳の血管の周りにある『三叉神経 さんさしんけい』が圧迫され、

片頭痛が起きます。

首や肩、背中の筋肉がガチガチになって起こる頭痛とは

原因が違うんですね。

 

 

片頭痛持ちの方は、脳のセンサーが敏感です。

気温の変化、気圧の変化、強い光や音、においなどを

脳が敏感に感じ取り、

セロトニンの分泌量が急に増えたり減ったりします。

睡眠不足や疲れ、月経前後や排卵期などホルモンの変動も、

片頭痛のきっかけになります。

今年の梅雨は、気温差が激しいですね。

急激に温度が上昇すると、脳の血管が広がり、

三叉神経が刺激され、片頭痛が起きやすくなります。

 

 

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赤いラインは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』という経絡。

目尻の外にある『瞳子髎 どうしりょう』というツボから始まり、

顔面、側頭部、体幹の側面、脚の外側と下り、

足の薬指にある『足竅陰 あしきょういん』というツボで終わります。

経絡は左右対称にあり、

片側44個のツボがのっています。

 

 

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青いラインが『足少陽胆経』。

頭にあるツボは20個(片側)。

この経絡上のツボの約半分は頭にあるんですね。

片頭痛の症状が出ているこめかみのツボに

短く細い鍼をちょこんと刺して、

片頭痛を治療します。

鍼やお灸は経絡の流れをよくして、症状を改善するので、

経絡上の脚のツボにも鍼やお灸をします。

片頭痛持ちの方は、首や肩のコリが強いことも多く、

首、肩、背中などの筋肉のコリをほぐすことも大切です。

 

 

さてさて、当鍼灸院の7月のお灸教室のテーマは、

『頭痛や頭の重苦しさを解消しよう!』です。

首・肩コリからくる頭痛や頭の重苦しさ、

そして片頭痛を解消するツボ押しやお灸を伝授します!

開催日は7月12日(日)と14日(火)とせまっています。

若干空きがあるので、興味がある方はぜひご参加ください。

詳しくは『お灸教室ページ』をご覧ください。

 

 

おまけの話。

皆さん、雨の日の楽しみ方ってありますか。

コトーは、雨が降り始めたときの、湿る土の匂いを

クンクン嗅ぐのが好きです。

自然の中にたたずんでいるんだなぁ~と

うれしくなります。

 

 

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コトーはブログを書くときにCDを聴くことが多く、

今日はエルヴィス・コステロの『ノース NORTH』を選びました。

雨音をバックに、彼の語りかけるような歌声が浸み渡ります…。

 

特集~梅雨バテの話②~湿邪(しつじゃ)と鍼灸

冬の寒さが厳しすぎる…。

春の寒暖の差が激しすぎる…。

夏なのに涼しすぎる…。

気候の著しい変化に、体の抵抗力が落ち、

体調を崩すときがあります。

東洋医学では、『外感病』といいます。

外感病の原因となるものは、

風邪(ふうじゃ)、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の6つ。

 

 

湿度が高く雨が長く続くこの時期に登場しやすいのは、

湿邪。

湿邪にノックアウトされると、水分代謝が落ち、

むくみやすくなります。

湿邪の『下注性』という性質から、

上半身よりも下半身がむくみます。

『重濁性』という性質もあり、

頭や体が重く、四肢がだるくなることもあります。

『粘滞性』という長くとどまる性質もあり、

症状は治りにくく、

繰り返しやすいとも言われています。

 

 

湿邪によってダメージを受けるのは『脾』。

ここで述べている『脾』は、東洋医学用語。

東洋医学の『脾』と西洋医学の『脾臓』とでは、

とらえ方が異なります。

梅雨にむくむから脾臓が悪い…とは思わないでくださいね。

 

 

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赤いラインは『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。

足の親指から始まり、脚の内側、体幹前面と上り、

肋骨の外側で終わります。

この経絡は五臓六腑の『脾』にもつながっています。

経絡は、気(エネルギー)と血(けつ)(栄養分)を

臓器にも送っています。

 

 

『足太陰脾経』の上にあるツボに鍼やお灸をすることにより、

経絡の流れを改善し、

『脾』に活力を与え、湿邪を退散させます。

 

 

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これは、台座灸。

台座の上にモグサがのっています。

台座の底にシールがついているので、

ツボにのせやすいです。

「梅雨になると脚のむくみがひどくなる…」

そんな方には、根気強く自宅で台座灸をするのもおすすめです。

 

 

コトーは20代のとき、脚のむくみがひどく、

鍼灸院でツボの取り方とモグサのひねり方を教わり、

せっせとお灸をしていました。

その頃は理学療法士の仕事に情熱を傾け、

まさか鍼灸師になるとは思ってもみませんでした…。

人生、どうなるかわかりませんね~~~。