コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

胃もたれ・食欲不振など胃の不調に鍼とお灸はいかが?前編

今回は皆さんをどっぷりと東洋医学の世界にお連れしちゃうよ~!

馴染みがない言葉に???と思っても、さらりと読み進めてほしい…。

 

 

ヒトの体を構成する成分の1つに『精(せい)』がある。

『精』は、生命活動に必要なエネルギー源のことで、

『先天の精』と『後天の精』がある。

 

 

『先天の精』は両親から受け取るエネルギー源のこと。

母親の胎内では、これをもとに受精卵から胎児へと成長する。

そして、出生後もヒトの成長など生命活動にかかせない。

 

 

『後天の精』は飲食物から得られるエネルギー源のこと。

これもヒトの成長など生命活動にかかせない。

 

 

出生前は自分の口から飲食物を取ることができないため、

『後天の精』は、『先天の精』からエネルギーをもらっている。

出生して母親から離れると、『先天の精』は親から補充されないため、

『後天の精』がエネルギーを『先天の精』に補充し続ける。

この2つの精はお互い協力しあっているんだな…。

 

 

2つの精が充実していると、ヒトは活発に行動でき、

病気になりにくく、病気になっても治りやすい。

逆に、精が不足すると活動も鈍り、病気にかかりやすく、

病気も治りにくい。

健康な体と健康な生活を維持するには、

2つの精を充実させることが大切なんだな~。

 

 

私たち大人がかかわれるのは『後天の精』。

栄養のバランスのとれた飲食物をしっかりと適量取り込み、

臓器でしっかり消化させ、

分解された栄養分をしっかり吸収させ、

これを『後天の精』として、『先天の精』に補充する。

そして、体内に不要なものを尿や便にして、しっかり排出する。

 

 

わかっているけれど…………、

飲みすぎちゃった!

食べすぎちゃった!

夜遅く食べちゃった!

冷たい物が大好き!

辛い物が大好き!

長い間ダイエット!

早食いしちゃう!

ストレスで胃痛が!

忙しくて食事がテキトー!

『後天の精』をきちんと作り続けるって、実は難しい。

 

 

おおおっ、前置きがとーっても長くなっちゃった。

胃のトラブルがテーマだった!

次回のブログは飲食物を消化する『胃』に注目。

胃のトラブルに対して、鍼とお灸ではどのようにアプローチするのか、

書いちゃうよ~~~!

よろしく~~~~~!!!

 

 

さて、おまけの話、『秋の虫のハプニング!続・続編』。

最初に出会ったのは9月3日、台所の壁だった。

2回目は9月15日、和室の障子だった。

そして、11月6日。

気温がガクンと下がった日もあったのに、

虫の音が聞こえてくる…。

 

 

うっ、嫌な予感。

鳴き声が大きすぎる。

外じゃない…。

聞き耳をたてると和室から聞こえる。

前回・前々回と同じ鳴き声。

ということは、1cmにも満たないちっちゃな虫。

すぐ見つけられるか…。

 

 

障子からは聞こえない…。

ソファーから?

クッションをパタパタと振ってみると、ポテッと何か落ちた。

かがんで覗きこむと、いたーーーっ!!!

3度目ともなると、手際がいい。

小さなプラスチックのコップを素早くかぶせてゲット!

 

 

 

2016年9月3日。

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初顔合わせの虫君。

 

 

 

2016年9月15日。

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虫君を追い出すときに使った、洋裁用の物差し。

 

 

 

2016年11月6日。

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クッションの上でくつろいでいた虫君。

「なんで君たち、ウチに入りたがる?」

 

健康のバロメーター 『地倉 ちそう』というツボ

食べすぎたり飲みすぎた後に、

口角(唇の両端)の皮膚が荒れていたことはありませんか。

胃を覗き込んでいないのに、

「あーっ、胃に負担をかけてしまった…」って思いますよね。

               *

いきなり、グロテスクなツボ・モデル君の顔写真!

口角の横には、『地倉』というツボがあります。

ええっと…、鍼灸本によると、

『地』は土地のこと。

『倉』は食べ物を貯蔵すること。

古代中国人は、額(ひたい)を『天の庭』に例え、

頬(ほお)を『地』に例えたそうです。

頬と歯の間に食べ物がたまった様子を『倉』といったことから、

この名前がつけられました。

このツボは、『足の陽明胃経 ようめい・いけい』という

経絡の上にのっています。

名前のごとく、この経絡は、胃の働きにも関係しています。

               *

グロテスクなツボ・モデル君アーップ!

『足の陽明胃経』は、黄色の線です。

目の下の『承泣 しょうきゅう』というツボから始まり、

首の前、胸、おなか、太ももの前…と、

ずずずーっいと下ります。

膝から下のツボ・モデル君。 見づらい写真ですみません。

足の人差し指のツメの横のツボ『厲兌 れいだ 』で終わります。

途中、むこうずねに『足三里 あしさんり』というツボがあります。

胃の調子を整える時に、このツボに鍼やお灸をします。

               *

鍼やお灸って痛みやこりだけでなく、

内臓の調子も整えるんですよーっ!!!

体のしくみあれこれ~腸の動き

仕事中でも正午近くなると、おなかがキュルルルゥ~って鳴り始め、

腹時計は正確だなぁ…と思うことがあります。

正午近くなくても、鍼灸治療中に、キュルキュルキュルルゥ~と、

患者さんの腸の動きが活発になることがあります。

鍼灸って『痛み』に対してだけ効果があるように思われがちですが、

腸の動きを整え、便秘や下痢にも効くんですよ。

そもそも腸の動きは、交感神経と副交感神経という

2つの自律神経によって、コントロールされています。

日中の活動期には、交感神経が優位に、

夜間の休息期には、副交感神経が優位になります。

腸が活発に動くのは、副交感神経が優位のとき。

リラックスしているときに、腸はせっせと働いています。

鍼灸治療中、ツボへの刺激とともに、

全身がリラックスして、キュルルルルゥ-と鳴り出すこともあるわけです。

私が鍼灸師になる前、自分が鍼灸院に通っていたときには、

扉を開けて、お灸の匂いを嗅いだだけで、リラックスして、

治療前からキュルルンルン!

担当の鍼灸師さんに、「おなかがすいているわけではありません」

と毎回言っていたような…。

いきなりの、カラフル人体図。

小腸がソーセージになってしまった。

胃の中で分解された食物は小腸に入り、

時間をかけて、さらに細かく消化されて、

栄養素(糖質・たんぱく質・脂肪・水・ビタミン)となって、

小腸の内壁から吸収されます。

そして、残りが大腸に運ばれ、さらに水とナトリウムなどが吸収され、

後は便として肛門まで運ばれます。

腸に入ってきたものを消化したり、運搬するためには、

腸自体の運動がかかせません。

生活リズムの乱れや精神的ストレスなどで自律神経が影響を受けると、

交感神経と副交感神経の切り替えがうまく働かず、

腸の運動が不規則になり、便秘や下痢を繰り返すこともあります。

おまけの話…。

まだまだ日中は暑く、

冷たいアイスクリームや飲み物を口にする方は多いのでは…。

そのときに五臓六腑に染み渡るぅ~感じがして、

胃腸も冷えて活動が低下しそうな気がしますが、

そんなことはないそうです。

逆に冷たい!という刺激が胃腸の運動を激しくすることもあるそうです。

そのために、胃が痛くなったり、下痢になったりします。

みなさ~ん、そろそろ胃腸をいたわってあげましょーう!

はりきゅう雑話~養生のツボ

貝原益軒氏をご存知ですか。
江戸時代の医者で数多くの書物を執筆しています。
その中で、亡くなる1年前、1713年、
83歳の時に書いた『養生訓』が有名です。

父親が黒田侯の祐筆(ゆうひつ)(文書に係わる職)に
ついていたので、福岡城内で生まれたそうです。
知らなかった!

その『養生訓』の現代語訳を、今日何とは無しに読みました。
日々健やかに過ごすための、暮らし方、心の持ち方など約450項目!

その中に鍼灸のことも書かれています。
毎日の灸による健康法として、『足三里 あしさんり』
というツボへのお灸が紹介されています。

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絵のように膝下にあります。
『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡の上にあり、
胃の調子を整える働きもあります。

松尾芭蕉の『奥の細道』にも出てくるツボ『足三里』。
乗り物がなく、籠や馬や歩いて旅する人々は、健脚と、
旅による胃の弱りを防ぐために、ここにお灸をしたそうです。

他の文献によると…
江戸時代、毎月1日から8日まで足三里にお灸をして
200歳まで生きた萬平氏のことが古文書に載っています。
実際にも、医学博士の原志免太郎氏は、
毎日足三里にお灸をして108歳までお元気だったそうです。

実は、自分も中国留学中に体調を崩さないように、
足三里に毎日お灸をしていました。
部屋の中が柔らかなモグサの香りに包まれ、
あれもしなきゃ、これもしなきゃ!と張り詰める気持ちが
とき放たれる…そんなひとときでした。

そのおかげか無事、帰国し、福岡で鍼灸をしています。
レディース鍼灸ことう へはこちらからどうぞ…
http://www.ladies-kotou.com/

胃の調子を整えるツボ・マッサージ

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食べすぎや飲みすぎだけでなく、
ストレスや冷えで胃の調子が悪くなることもあります。

下手な絵ですみませんが、お腹回りの絵のつもり。
みぞおちのあたりが『巨闕 こけつ』というツボ。
みぞおちとおへその中間が『中脘 ちゅうかん』
おへそから指3本分外側にあるのが『天枢 てんすう』

押す強さは気持ちいいと感じる程度。
胃がむかつくときはそっとさする程度。

胃の調子が悪いと背中が張ったり、こわばったりします。
お腹のマッサージがきついときは、
背中の、背骨の両外側で、胃の高さに位置するところを
さすってもらうと楽になります。
『胃兪 いゆ』というツボがあります。

明日は凍りつくほどの寒さだとか。
お酒は飲みすぎると胃を冷やすので、ほどほどに。

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