コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

鍼とお灸の手法~その1

 

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先日、ブドウを食べているときに、妙なことに気づきました。

体の右側に、ブドウの入ったお皿があるのに、

わざわざ左手でブドウを食べていました。

コトーは右利きで、ブドウは右手に近いのに…。

何で?

 

実は似たようなことを、以前にも感じました。

大型のカッターを扱っていたとき、

誤って左の人差し指の腹をカッターでグサリッ…。

痛くて、しばらくは左の人差し指が使えませんでした。

そのとき、日常生活で一番困ったことは何だと思いますか?

化粧です。

 

コトーは、リキッド・タイプ(液体)のファンデーションを使っています。

一般的には、パフにファンデーションをつけ、

それを使って顔にファンデーションをのせますね。

 

 

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面倒臭がり屋のコトーは、左人差し指と中指の腹に

直にファンデーションをつけて、

それを顔に塗りたくります。

けがをしたときに、そのことに気づきました。

利き手の右手ですると、とてもぎこちない…。

何で?

 

 

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携帯電話は左で持ちながら、左で操作します。

利き手は使わず、反対の手だけで操作することもあるんだなぁ~。

 

『こんなときには利き手で操作し、

こーんなときには反対の手で操作する。』

コトーの脳にそんな法則性があるのか…。

ここ数日間、自分の両手の使い方を観察していました。

しかし…、分からない。

法則性を見つけられたら、ご報告します!!!

(って、誰も知りたくないかな~?)

 

左の人差し指をけがしたとき、

意外にも仕事(鍼灸)に支障をきたしませんでした。

左の人差し指の代わりに左の中指が大活躍!

仕事によって、とーっても大事な指と、

代わりの効く指があるんですね。

 

ところで、皆さんは鍼やお灸を受けたことがありますか?

では、鍼やお灸をしているところを見たことはありますか?

今日は、鍼のやり方を写真付きでご紹介します!

おーっ、前置きが長すぎた…。 しっつれーい!

 

鍼とお灸は中国から伝わりました。

中国では鍼を直に手で持ち、ツボに刺します。

日本では鍼管(しんかん)に鍼を入れてツボに刺します。

 

 

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片手挿管 ①
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片手挿管 ②
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片手挿管 ③

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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片手挿管 ④
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片手挿管 ⑤
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片手挿管 ⑥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは『片手挿管 かたてそうかん』という手法で、

片手だけで鍼管に鍼を入れて、ツボに置きます。

ちょっと練習が必要です。

 

 

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左手で鍼管を持ち…
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右手を離す…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍼管よりも鍼のほうが数ミリ長く作られています。

 

 

 

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右手で鍼先を軽くたたく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍼管の先端まで鍼が入ったら、

鍼管を引き上げて取ります。

 

 

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左手で鍼を支え、右手で操作…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍼はすぐ抜くときもあれば、

ちゅんちゅんちゅんと軽くつつくように刺激することもあれば、

数十分間、鍼を置くこともあります。

 

皆さん、鍼は怖いですか?

鍼管を使うことによって、

鍼がツボに入るときの感覚がやわらぎます。

鍼は即効性があるなぁ~と、よく思います。

気になる方は、ぜひチャレンジしてほしいです!!!

 

特集 生理の話6 ~生理のトラブルの鍼灸治療

特集 生理の話も最終回!

1ヶ月間かかっちゃいましたねぇ~。

ちょいとおさらいをすると…、

 

 

生理は子宮と卵巣だけでなく、脳も重要な働きをします。

卵巣が手順よく働くために指令を出すのは、

脳から卵巣へ分泌する女性ホルモンでしたね。

その女性ホルモンは、健康状態やストレスの影響を受けやすいという

特徴もありました。

ということは、生理のトラブルの原因は多岐に渡ります。

生理にかかわるトラブル自体も、

生理痛がひどくなる…、

生理の周期や期間や出血量が変化している…、

生理の前後にも下腹部痛など様々の症状があらわれる…、など

いろいろあります。

それらの変化が強くなったり、長く続いている場合には、

子宮や卵巣などの病気も考えられます。

そんなときには、ためらわずに、婦人科での診察が大切ですね。

 

鍼やお灸では、生理痛や生理不順や、生理の影響であらわれる

諸症状(むくみ、頭痛、腰痛、肩こり、イライラ…)など、

具体的な症状に対して治療します。

 

まず、問診や触診により、生理の状態やトラブルを把握し、

どのように体質が崩れているのか、見極めます。

それらは一人ひとり異なるので、

鍼やお灸に使うツボや治療方法も様々です。

 

症状が重かったり、長期化している場合には、体質を改善し、

体の底力をアップすることが重要となります。

そんなときには、

 

 

当鍼灸院では、皮内鍼(ひないしん)をよく使います。

細くて短い鍼を皮膚と水平に刺し、

医療用のテープで固定し、2~4週間ツボを刺激します。

以前ブログに写真付きで皮内鍼のやり方をご紹介したことがあります。

興味のある方は、『私の相棒 鍼の道具たち その2』をクリック!

 

体質改善のために、ご自宅でのお灸もお勧めです。

 

 

底にシールのついた台座灸は、操作が簡単です。

最近はツボを紹介した本がたくさん出版されていますね。

お灸も鍼もたくさんのツボにすればいいってものではありません。

最寄りの鍼灸院で、ご自分にあうツボと、ツボの取り方の

指導を受けることをお勧めします。

 

ずいぶんと長い特集になりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

生理や女性ホルモンは体や心に変化をもたらします。

上手につきあっていきたいですね。

梅雨に大活躍(?)の皮内鍼(ひないしん)

鍼灸は中国から伝わった治療法ですが、

日本人が発案した鍼もあります。

円皮鍼(えんぴしん)。

円形のシールの中央に鍼がついています。

この写真のものは、直径0.2mm、長さ0.9mmの鍼です。

とーっても細く短い鍼なので、

シールを貼っていても違和感はほとんどありません。

ツボの上から軽く押しているかんじです。

頑固で強い痛みなど、

ある程度の期間ツボを刺激し続けたいときに用います。

               *

皮内鍼(ひないしん)。

これも細く短い鍼(写真は直径0.4mm、長さ5mm)です。

鍼のリングのところをピンセットで挟み、

皮膚の1~2mm下を、皮膚と平行に刺し、

医療用のテープで固定します。

鍼のリングの部分は皮膚には入らず、

鍼全体が皮膚に入ってしまうことはありません。

皮膚に平行に刺しているので、違和感はまったくありません。

これも、ある程度の期間ツボを刺激し続けたいときに用います。

               *

内くるぶしの近くにあるツボ『三陰交 さんいんこう』。

婦人科の症状の特効穴(とっこうけつ)といわれています。

当鍼灸院では、強い生理痛や生理不順など婦人科の症状に対して、

このツボに皮内鍼をすることがあります。

すると…、

「脚のむくみにも効いて、脚がだるくなりにくいですよ」

皮内鍼をした方から、そんな感想もよく聞きます。

梅雨の時期には、むくみがひどくなる方がいらっしゃいますが、

『三陰交』というツボは水分代謝を調節する働きもあり、

むくみにもよく用います。

               *

むくみにはお灸も効きます。

自分でこつこつお灸を続けると、むくみにくくなります。

当鍼灸院では、6月12日(火)と6月17日(日)に

むくみをテーマにお灸教室をします。

詳しくは左のカテゴリーの「お灸教室」をご覧下さい。

梅雨本番!

じめじめした季節を乗り切りましょー!

中国留学思い出し日記~七星針

日本ではなかなかお目にかからない鍼、七星針。

18.5cmの柄の先には、

長さ4mmの鍼が7本植え込まれている。

柄の端を持ち、

こんなふうに柄をしならせて、

皮膚をリズミカルに弾くように叩きます。

留学先の中国では、皮膚病や顔の筋肉の麻痺に対して、使っていました。

顔の皮膚はとてもデリケートなので、

おでこ・目の周り・頬・口の周りを、熟練した中国人鍼灸師がしても、

七星針はかなり痛い。

若い女性は、涙を流しながら…、

男性でも痛さでつい顔をそむけながら…、

それでも毎日通われていました。

中国人女性はがまん強い!

日本ではこうはいかない。

当鍼灸院でもこの鍼は使っていません。

               *

               *

さてさて、こんな話をした後、

「鍼の良さ」を書くぅ~?!?!?!

前回書ききれなかったので、踏ん張ります!

一番の良さは『即効性』でしょうか。

ガチガチな筋肉の痛みや頭痛、内臓の痛みなどの不調など、

すすっと改善しやすい。

もちろん、長期間に渡って症状のある場合は、

時間がかかる時もあります。

                 *

『刺激の強弱ができる』のもいいですね。

「即効性=ガツッと打つ」というイメージがあるかも知れませんが、

一人ひとりの症状・体調・体質を見極めて、

鍼の太さ・長さ・刺し方を選びます。

                *

『ピンポイントにアプローチできる』のも鍼ならでは。

肩や膝の痛みで治療を続けていると、、

筋肉の中に硬いスジが残ることが多い。

このスジを鍼で緩めると、筋肉全体が和らいで、痛みがぶり返しにくい!

手の腱鞘炎で〇〇筋(筋肉の名前)を緩めることも、

お尻の奥の奥の〇〇筋を緩めることもできる!

                 *

『刺す部位にあわせることができる』

例えば、片頭痛では、痛みが出ているコメカミの皮膚と水平に…、

肩甲骨一面にぺたっとついている筋肉に対しても皮膚と水平に…。

皮膚に垂直に刺したら、すぐ頭蓋骨や肩甲骨の骨にあたってしまうから。

                *

『遠隔操作』できるのは、あらゆる治療方法の中では

珍しいでしょうね。

昔から、上半身の病は下半身で、

下半身の病は上半身のツボを使って治す!と言われています。

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『ヒトの体と相性がいい』

年季の入ったガチガチコチーンの筋肉は、

鍼を跳ね返そうとするくらいに頑固!

そんなときは筋肉の表面に鍼が触れるくらいで待機。

池や川に小石を投げた時の波紋のように、

鍼を刺したところを中心に少しずつ輪を描くように

筋肉が緩んでくる…。

(これは鍼の取っ手を持つ私の感触)。

そうなると、筋肉にお伺いを立てて、

もう少し皮膚の中まで、鍼を無理なく入れることができる。

                *

まだまだ若輩者の鍼灸師がえらそうに、鍼のことを語り、

すみませ~ん。

でも、鍼について熱く語れるようになった自分がうれしいなぁ~。

3回続けて鍼に関するブログとなりましたが、

目を傾けて(?)いただき、ありがとうございます。

私の相棒、鍼の道具たち…その2

前回に引き続き、今回も鍼灸の鍼の話です。

鍼の素材はステンレスが主流ですが、銀メッキや18金を使用した鍼もあり、

それなりの値段がします。

 

 

持ち手(太いところ)がステンレスのものもあれば

プラスチックのものもあります。

私は持ち手も鍼の部分もステンレス製のものが使いやすく、

すべて使い捨ての鍼で、お一人の方に使ったら廃棄しています。

 

 

鍼の太さは、00番が0.12mm、0番が0.14mm、1番が0.16mm

と、太くなるほど番手数も大きくなります。

鍼灸師によって、使う太さは様々。

私は1番、3番、5番を主に使います。

体の部位や、患者様の体調・体質等によって、使い分けています。

 

 

鍼の長さは3分(10mm)、1寸(30mm)、1寸3分(39mm)、

と、『寸 すん』と『分 ぶ』の単位で表します。

この写真で一番短いのが3分(10mm)。 長いのが2寸5分(75mm)。

短い鍼は顔などデリケートな皮膚のツボに、

長い鍼はお尻の奥の筋肉が痛い時(ふくよかな体型に対応)に使っています。

鍼灸師それぞれに使いやすい鍼の長さがあり、

私の手の大きさでは、1寸3分(39mm)が一番使いやすい!

 

 

これらは一般的な鍼ですが、特殊な鍼もたくさんあります。

私の手元にある鍼だけご紹介します。

 

 

皮内鍼(ひないしん)。

この写真のものは、直径0.14mm、長さ5mm。

 

 

見えますか~?

鍼のリングのところをピンセットではさみ、

皮膚の1mm下を、皮膚と平行に2~3mm刺し、

 

 

医療用のテープに切り目を入れて、鍼の『枕』を作り、

 

 

 

 

その上から医療用テープで固定!

鍼を横に刺しているので、違和感はまったくありません。

途中で張り替えますが、1週間~1ヶ月間して、

長い間ツボに刺激をし続けることができます。

生理痛や生理不順など婦人科の症状で、

血の巡りを改善したい時によく使います。

 

 

円皮鍼(えんぴしん)。

円形のシールの中央に鍼がついています。

この写真の鍼は直径0.2mm、長さ0.9mm。

見えませんよね~。

筋肉がガチガチで痛みが強いときなどに1~2週間、張ります。

 

 

最後にご紹介するのは、灸頭鍼(きゅうとうしん)。

 

 

普通に鍼を刺し、台紙を挟みます。

手に持っているのは、灸頭鍼用のモグサ。

穴が開いている。

鍼の握り手の部分にこのモグサを差し込み、

 

 

チャッカマンで点火!

頑固な、強い腰痛や冷え症、五十肩などに用います。

鍼の刺激とお灸の輻射熱で治療効果バツグンです!

 

 

おぉっ!

今回もふんだんに写真を載せたら、長々としたブログとなりました。

写真撮影は趣味ではありませんが、

どんなアングルで撮ったらわかりやすいかな…と

考えながら撮るのはおもしろいですね。

次回は『中国留学思い出し日記』のコーナーで

『七星針』という鍼をご紹介します。

今日書ききれなかった『鍼のよさ』もその時にお伝えします!

3回連続して鍼の話となりますが、おつきあい下さい…。