コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

鍼とお灸の手法~その1

 

2014_08_27_001

 

 

先日、ブドウを食べているときに、妙なことに気づきました。

体の右側に、ブドウの入ったお皿があるのに、

わざわざ左手でブドウを食べていました。

コトーは右利きで、ブドウは右手に近いのに…。

何で?

 

実は似たようなことを、以前にも感じました。

大型のカッターを扱っていたとき、

誤って左の人差し指の腹をカッターでグサリッ…。

痛くて、しばらくは左の人差し指が使えませんでした。

そのとき、日常生活で一番困ったことは何だと思いますか?

化粧です。

 

コトーは、リキッド・タイプ(液体)のファンデーションを使っています。

一般的には、パフにファンデーションをつけ、

それを使って顔にファンデーションをのせますね。

 

 

2014_08_27_002

 

 

 

面倒臭がり屋のコトーは、左人差し指と中指の腹に

直にファンデーションをつけて、

それを顔に塗りたくります。

けがをしたときに、そのことに気づきました。

利き手の右手ですると、とてもぎこちない…。

何で?

 

 

2014_08_27_003

 

 

 

携帯電話は左で持ちながら、左で操作します。

利き手は使わず、反対の手だけで操作することもあるんだなぁ~。

 

『こんなときには利き手で操作し、

こーんなときには反対の手で操作する。』

コトーの脳にそんな法則性があるのか…。

ここ数日間、自分の両手の使い方を観察していました。

しかし…、分からない。

法則性を見つけられたら、ご報告します!!!

(って、誰も知りたくないかな~?)

 

左の人差し指をけがしたとき、

意外にも仕事(鍼灸)に支障をきたしませんでした。

左の人差し指の代わりに左の中指が大活躍!

仕事によって、とーっても大事な指と、

代わりの効く指があるんですね。

 

ところで、皆さんは鍼やお灸を受けたことがありますか?

では、鍼やお灸をしているところを見たことはありますか?

今日は、鍼のやり方を写真付きでご紹介します!

おーっ、前置きが長すぎた…。 しっつれーい!

 

鍼とお灸は中国から伝わりました。

中国では鍼を直に手で持ち、ツボに刺します。

日本では鍼管(しんかん)に鍼を入れてツボに刺します。

 

 

needle_technique_01_001
片手挿管 ①
needle_technique_01_002
片手挿管 ②
needle_technique_01_003
片手挿管 ③

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

needle_technique_01_004
片手挿管 ④
needle_technique_01_005
片手挿管 ⑤
needle_technique_01_006
片手挿管 ⑥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは『片手挿管 かたてそうかん』という手法で、

片手だけで鍼管に鍼を入れて、ツボに置きます。

ちょっと練習が必要です。

 

 

needle_technique_01_008
左手で鍼管を持ち…
needle_technique_01_009
右手を離す…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍼管よりも鍼のほうが数ミリ長く作られています。

 

 

 

needle_technique_01_010
右手で鍼先を軽くたたく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍼管の先端まで鍼が入ったら、

鍼管を引き上げて取ります。

 

 

needle_technique_01_011
左手で鍼を支え、右手で操作…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍼はすぐ抜くときもあれば、

ちゅんちゅんちゅんと軽くつつくように刺激することもあれば、

数十分間、鍼を置くこともあります。

 

皆さん、鍼は怖いですか?

鍼管を使うことによって、

鍼がツボに入るときの感覚がやわらぎます。

鍼は即効性があるなぁ~と、よく思います。

気になる方は、ぜひチャレンジしてほしいです!!!

 

特集 生理の話6 ~生理のトラブルの鍼灸治療

特集 生理の話も最終回!

1ヶ月間かかっちゃいましたねぇ~。

ちょいとおさらいをすると…、

 

 

生理は子宮と卵巣だけでなく、脳も重要な働きをします。

卵巣が手順よく働くために指令を出すのは、

脳から卵巣へ分泌する女性ホルモンでしたね。

その女性ホルモンは、健康状態やストレスの影響を受けやすいという

特徴もありました。

ということは、生理のトラブルの原因は多岐に渡ります。

生理にかかわるトラブル自体も、

生理痛がひどくなる…、

生理の周期や期間や出血量が変化している…、

生理の前後にも下腹部痛など様々の症状があらわれる…、など

いろいろあります。

それらの変化が強くなったり、長く続いている場合には、

子宮や卵巣などの病気も考えられます。

そんなときには、ためらわずに、婦人科での診察が大切ですね。

 

鍼やお灸では、生理痛や生理不順や、生理の影響であらわれる

諸症状(むくみ、頭痛、腰痛、肩こり、イライラ…)など、

具体的な症状に対して治療します。

 

まず、問診や触診により、生理の状態やトラブルを把握し、

どのように体質が崩れているのか、見極めます。

それらは一人ひとり異なるので、

鍼やお灸に使うツボや治療方法も様々です。

 

症状が重かったり、長期化している場合には、体質を改善し、

体の底力をアップすることが重要となります。

そんなときには、

 

 

当鍼灸院では、皮内鍼(ひないしん)をよく使います。

細くて短い鍼を皮膚と水平に刺し、

医療用のテープで固定し、2~4週間ツボを刺激します。

以前ブログに写真付きで皮内鍼のやり方をご紹介したことがあります。

興味のある方は、『私の相棒 鍼の道具たち その2』をクリック!

 

体質改善のために、ご自宅でのお灸もお勧めです。

 

 

底にシールのついた台座灸は、操作が簡単です。

最近はツボを紹介した本がたくさん出版されていますね。

お灸も鍼もたくさんのツボにすればいいってものではありません。

最寄りの鍼灸院で、ご自分にあうツボと、ツボの取り方の

指導を受けることをお勧めします。

 

ずいぶんと長い特集になりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

生理や女性ホルモンは体や心に変化をもたらします。

上手につきあっていきたいですね。

梅雨に大活躍(?)の皮内鍼(ひないしん)

鍼灸は中国から伝わった治療法ですが、

日本人が発案した鍼もあります。

円皮鍼(えんぴしん)。

円形のシールの中央に鍼がついています。

この写真のものは、直径0.2mm、長さ0.9mmの鍼です。

とーっても細く短い鍼なので、

シールを貼っていても違和感はほとんどありません。

ツボの上から軽く押しているかんじです。

頑固で強い痛みなど、

ある程度の期間ツボを刺激し続けたいときに用います。

               *

皮内鍼(ひないしん)。

これも細く短い鍼(写真は直径0.4mm、長さ5mm)です。

鍼のリングのところをピンセットで挟み、

皮膚の1~2mm下を、皮膚と平行に刺し、

医療用のテープで固定します。

鍼のリングの部分は皮膚には入らず、

鍼全体が皮膚に入ってしまうことはありません。

皮膚に平行に刺しているので、違和感はまったくありません。

これも、ある程度の期間ツボを刺激し続けたいときに用います。

               *

内くるぶしの近くにあるツボ『三陰交 さんいんこう』。

婦人科の症状の特効穴(とっこうけつ)といわれています。

当鍼灸院では、強い生理痛や生理不順など婦人科の症状に対して、

このツボに皮内鍼をすることがあります。

すると…、

「脚のむくみにも効いて、脚がだるくなりにくいですよ」

皮内鍼をした方から、そんな感想もよく聞きます。

梅雨の時期には、むくみがひどくなる方がいらっしゃいますが、

『三陰交』というツボは水分代謝を調節する働きもあり、

むくみにもよく用います。

               *

むくみにはお灸も効きます。

自分でこつこつお灸を続けると、むくみにくくなります。

当鍼灸院では、6月12日(火)と6月17日(日)に

むくみをテーマにお灸教室をします。

詳しくは左のカテゴリーの「お灸教室」をご覧下さい。

梅雨本番!

じめじめした季節を乗り切りましょー!

水分代謝と鍼灸

福岡は暑い日が続いていますが、皆さんの住む街はいかがですか。

こんな日のビールは、五臓六腑に染み渡るぅ~、プハーッ!! ですか?

ところで、その五臓六腑をすべて言えますか?

五臓は、肺・心・肝・脾・腎。

六腑は、胃・胆・小腸・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)。

三焦?

実は、この五臓も六腑も東洋医学からみた臓器のこと。

三焦は、ヒトの体には実在しません。

東洋医学でいう六腑は、共同して飲食物を消化し、

体に必要なものを取り出し、

必要でないものを体の外に出す作業をしています。

五臓は、六腑が取り出した、体に必要なものから、

気(=エネルギー)、血(けつ)(=栄養)、津液(しんえき)(=水分)を作ります。

               *

おーっ、やっと出てきた、今日のテーマの『水分(=津液)』。

五臓六腑の中で、津液と深く係わっているのが、脾・胃・肺・腎・膀胱。

むくみなどで津液の代謝が滞る時があります。

その理由は様々。

どの臓器の、どのような働きが滞って、津液の代謝が悪くなっているのか…。

それらを見極めることは、鍼灸治療に欠かせません。

五臓六腑に栄養を送っているのは、経絡。

例えば、肺に栄養分を送っている経絡は、

手太陰肺経(て・たいん・はいけい)。

肺の働き(これは東洋医学からみた働きのこと)が落ちて、

津液の代謝が滞っている場合…。

この手太陰肺経の上にのっているツボに鍼やお灸をすることにより、

この経絡の流れを良くして、肺の働きも、津液の代謝も改善します。

               *

もうすぐ梅雨ですね。

むくみのある方は、この時期さらにむくみやすくなることもあります。

ご自分で毎日お灸をしていると、むくみが解消しやすいです。

リハビリの仕事をしていた20代の頃。

内くるぶしがわからないくらい、脚がむくんでいました。

鍼灸師さんにお灸の仕方を教わり、毎日お灸をしていたら、

内くるぶしがわかるようになり、脚も軽くなりました。

今は、

台座灸(だいざきゅう)というお灸が市販されています。

手軽に自宅でお灸ができますよ。

当鍼灸院では、6月12日(火)と17日(日)に、

むくみをテーマにしたお灸教室を開催します。

一緒にお灸をしてみませんか。

詳しくは、左のカテゴリー『お灸教室のご案内』をご覧下さい。

               *

前回といい、今回といい、難しい話となりました。

目に見えない経絡とツボを使って治療する鍼とお灸。

難しくてなかなか説明しきれませんが、と~っても魅力的な治療方法です。

ツボ・パワー! 三陰交(さんいんこう)

鍼灸治療にかかせないのが『ツボ』。

東洋医学では全身に経絡という通路があると考えています。

経絡は『陰経』と『陽経』に分けられ、

経絡上に乗っているツボは約360穴。

今日はその360穴の1つ、『三陰交 さんいんこう』をご紹介します!

               *

『足の太陰脾経 たいん・ひけい』と、『足の厥陰肝経 けついん・かんけい』と、

『足の少陰腎経 しょういん・じんけい』という

3つの陰経が交わるところにあるのが『三陰交』。

このツボは、3つの経絡が治す症状たちに係わることができるので、

すごいっ!!!

               *

『三陰交』の位置は、

足の内くるぶしの頂点から指4本ほど上で、

脛骨(けいこつ)という骨の後ろ。

ツボを押すとウッ!と圧痛があり、

少しでもずれると圧痛が和らぐので、見つけやすいツボです。

                *

強い冷えなどには…

灸頭鍼(きゅうとうしん)。

強い生理痛や生理不順などには…

皮内鍼(ひないしん)。

皮膚の1mm下に、皮膚と平行に小さな鍼をして、

医療用テープで固定します。

違和感はありません。

1~4週間ツボを刺激し続けることにより、症状を改善します。

足のむくみにもOK!

『三陰交』に鍼をしたまま…

棒灸もします。 (写真はツボが違います)

ご自宅でお灸をして頂くときには…

台座灸も使います。

いろいろな手法を使うツボって珍しい気がします。

               *

経絡には『陰経』と『陽経』があり、各々ペアになっています。

ツボ自体もペアになっているものがあり、

『三陰交』の相手は『懸鐘 けんしょう』。

足の外くるぶしの上にあります。

この2つのツボに同時にお灸や鍼をするのを、

『貫抜きの灸』とか『抜き打ちの鍼』と言います。

2つのツボを通して陰陽のバランスを整える!というイメージです。

               *

これからぐっと寒くなる季節に入りますが、

冷え症さんは、『三陰交』のある足首を冷やさないように、

ハイソックスやレッグウォーマー、ブーツなどを履くことをお勧めします。