コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

芸術たんのう~浮世絵展

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  福岡市美術館にある、かぼちゃ?

福岡市美術館で開催している『ハンブルグ浮世絵展』を
観てきました。

ドイツのハンブルグ美術工芸博物館には、
5000点を超える浮世絵が所蔵されているそうです。
今回は、そのうちの約200点を観ることができます。

春信、清長、写楽、歌麿、北斎、広重、国芳…。
絵師の名前は聞いたことがありますが、じっくり観るのは、初めて。
見ごたえがありました。

どの作品からも伝わってくるのは『粋』です。
女性の髪の結い方から、着物の柄、着こなし、たたずまい。
粋な色っぽさがあります。

歌舞伎役者の決めポーズ。
粋なかっこよさに、かなり近づいて食い入るように観ていました。

驚いたのが、1830年ごろの『五行之内、花壇之土』という作品。
女性が花壇の花を観ている絵。

『五行(ごぎょう)』って、木、火、土、金、水の5種の物質のこと。
古代の中国人は、日常生活と、その生産活動の中から、
『不可欠の基本物質』として選んだのが、この5つ。

「木を燃やせば火を生じ、火は灰・土を生じ、土は金属を生じ、
金属は水を生じ、水は木を成長させる」というお互いの関係や、
5つの物質各々の特性に、世界の一切の事実をあてはめたのが、
『五行説』。

やがて、この『五行説』は、ヒトの生理や病理などの医学にまで
応用するようになったそうです。

うっ、うっ、この説明のために東洋医学の本を何冊か読み返しましたが、
難しすぎて、わかりやすく説明できません。
すみません…。

日本に鍼灸が初めて伝えられたのが、562年。
今回の浮世絵展の作品にはありませんでしたが、
背中などにお灸をしている作品が残されています。

江戸時代には、お灸は伝統医療として
庶民に親しまれていたそうです。
日本人、特に冷えやすい女性の皆さまに、
お灸はぴったりの治療法だと思います。

熱いお灸が苦手という方にも、お灸のよさを味わっていただこうと、
当鍼灸院では、棒灸(ぼうきゅう)と箱灸(はこきゅう)を
用意しています。
2つとも、モグサを皮ふの上に直にのせないので、熱くありません。
じんわりと体の芯まで温まり、体がほぐれますよ。

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
レディース鍼灸ことう  へはこちらから。
http://www.ladies-kotou.com/

はりきゅう雑話~腰痛治療 その1

腰痛特集も今日が最終回。
鍼灸治療と、自分でできる治療法をご紹介します。

東洋医学では、気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)が、
経絡(けいらく)という特殊な通路を通って全身に流れることにより、
正常な機能が営まれていると考えています。

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  ツボ・モデルくん、登場。
  

足の太陽膀胱経(あしの たいよう ぼうこうけい)という経絡。
目頭の外から始まり、ひたい、頭頂と上り、
後頭部、うなじ、背中(背骨の外側を2本平行に走っている)、
腰、おしりの中央、脚の後面と下り、
外くるぶしの外側を回って、足の小指外側に至ります。

この経絡は、腰も通っているので、腰痛治療によく使われます。

人体の経絡の中で一番長く、
この経絡の上にツボが片側67穴、左右あわせて134穴あります。
ツボ・モデルくんは、左側しか経絡が書いてありません。

これらのツボの中から、反応のあるツボをみつけて、そこに
鍼や灸をすることにより、この経絡の流れを改善させます。

すると、血流がよくなり、筋肉もほぐれ、腰痛も改善します。

鍼灸師によって、治療方法は様々です。
私は、問診、姿勢・動作分析、触診を行い、
先に述べた「足の太陽膀胱経」のツボや、
それ以外のツボに鍼や灸をします。
背中、おしり、太ももの外側・後ろ、ふくらはぎ、腕、おなかにあるツボなど。

鍼治療は、ツボに鍼を刺してから、すぐ抜く方法や、
20分ほど刺したままお灸をする方法など、
そのツボの状態や、その方の体質・体調にあわせて、
方法を決めています。

横になっていても、筋肉が緊張していると、
チクッと筋肉が痛いことがありますが、一瞬です。
その後は20分程そのままにしていても、ほとんど何も感じません。

少しずつ血流が良くなり、筋肉がほぐれてくるので、
体が重く感じることはあります。

お灸は、箱灸(はこきゅう)や棒灸(ぼうきゅう)を使います。
熱くはありません!
約15分間、背中やおしり、脚をじんわりと芯まで温めます。
腹筋も緊張している時は、おなかにも鍼や灸をします。

今まで、痛みが長く続いたり、強かったり、
腰に負担がくる仕事などをしていると、元に戻りやすいので、
最低でも週1回、1~2ヶ月間、集中して鍼灸をされることをおすすめします。

鍼灸がくせになることはありません。
鍼灸治療は、人体が持つ自然治癒力を活性化することにより、
症状を改善していきます。

常時、経絡の流れがよくなれば、血流もよくなり、
筋肉の柔軟性も出て、身体的ストレスや精神的ストレスを受けても、
腰痛が悪化しにくい、出にくい体に変わってきます。
そうすれば、治療の間隔を減らしていきます。

体型的に腰を痛めやすい方や、仕事柄どうしても腰に負担がかかる方は、
腰痛がなくなっても、予防という点から、1~2ヶ月に1回程度、
メンテナンス(調整)に来られることをおすすめします。

東洋医学や鍼灸に興味があっても、鍼が怖い~!という方は、
箱灸や棒灸から始められたらいかがですか。
鍼とお灸のセットほどではありませんが、筋肉はリラックスし、
気持ちがいいですよ。

おおーっ、鍼灸治療のご紹介だけで長いブログとなりました。
一緒に説明しようとした「自分でできる腰痛治療」は、
次回にさせていただきます。
すみません。

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
ホームページに箱灸と棒灸の写真を載せているので、
よろしかったら、ご覧下さい。

レディース鍼灸ことう
http://www.ladies-kotou.com/about.html

体のしくみあれこれ~腰痛の原因

腰痛改善のために、当鍼灸院に来られる方は多いですね。
腰痛と一口に言っても、原因は様々。

一番多いのが、筋肉の疲労。
筋肉が硬くなり、
筋肉の隣にある血管が圧迫されて、
血流が悪くなります。

血管の中の血液が、体の細胞ひとつひとつに
酸素を運んでいるので、
細胞への酸素が不足してきます。

この酸素不足が続くと、
乳酸などの痛み物質が作られ、
痛み勃発!

他には、腰の骨や椎間円板(背骨と背骨の間にあり、
クッションの役目をしている)が痛んで変形すると、
背骨の中を通っている神経が圧迫されて、
腰痛や脚のしびれ、筋力低下などが生じます。

内臓(腎臓・子宮・卵巣・胃腸など)そのものの炎症や
病気があると、腰痛が起こることもあります。
横になっても腰が楽にならない時は、
内臓の異常が原因のことも。
生理の時の腰痛も、これに関連しているそうです。

人の脳には、もともと痛みの感覚を抑制する回路があります。
しかし、慢性的に身体的・精神的ストレスが続くと、
この回路がオーバーワークになって、
「痛み」に敏感になり、
普段は感じないはずの痛みが起こることもあります。

これは、心因性の痛みです。
生理中の腰痛は、先に述べた、内臓からくる腰痛だけでなく、
ストレスから、より痛みが強くなることも考えられるそうです。

当鍼灸院では問診や触診などで、
腰痛の原因を配慮して鍼灸治療を行っています。

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 手作り小冊子『腰痛の話』
 第2版がやっと完成!

今日はその中から、腰痛の原因を簡単にご紹介しました。

疾患別の小冊子を作り始めたのは、
西洋医学と東洋医学の、2つの観点からみた本が少ないからです。

当鍼灸院に来られた方に、該当する症状・病気の小冊子を
無料でお渡ししたい!と、少しずつ書いています。

次回は、できたてほやほやの小冊子『腰痛の話』から、
「生活習慣と腰痛」についてご紹介したいと思います。

福岡で女性専門鍼灸院をしています。
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はりきゅう雑話~不眠と鍼灸

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 上に真っすぐ伸びていく枝って
 かっこいい!

「眠れない…」という悩みで
当鍼灸院に来られる方は今までいませんが、
問診をすると、「寝つきが悪い」とか、「眠りが浅い」とか、
「早朝、目が覚めてそのまま眠れない…」と訴えられる方がいます。

不眠の原因はさまざま。
眠る直前まで、心配事や悩み事など考え込んだり、
頭をかなり使う仕事や課題をしたりすると、
脳が緊張し続け、寝つきが悪くなる…。
私の場合は夕方以降に濃いコーヒーをガブガブ飲むと
夜中まで目が冴えて大変!

前回ブログで書いた『日内リズム』。
平たく言えば『体内時計』。
だいたい決まった時間に眠くなり、
ある程度の時間眠ると目が覚めるのは、
この『日内リズム』が体の中に備わっているおかげ。
ただ、休日前夜に夜更かしをし、休日に遅くまで寝ていると
このリズムが崩れ、眠くなるタイミングがずれてしまうことも。

足の裏、かかとのふくらみの部分の中央にある、
『失眠 しつみん』というツボ。
『失眠』とは、中国語で『不眠』という意味。
症状がツボ名になっているのは、とても珍しい。
ここに棒灸という、熱くなくほどよい温かさのお灸をします。

不眠の方は心のモヤモヤや眠れないストレスで、
首や肩、背中の筋肉がカチコチになっていることも。
鍼や灸で硬くなっている体をほぐすと、
心もリラックスしやすくなります。

心がモヤモヤになるほどの、精神的ストレス。
そのストレスにどう対応するか…。
眠りを呼び戻すために、心自体もほぐしたいですよね。

以前読んだ雑誌で、とても心に残っているものをご紹介。

6つのストレス対策。

1.闘う
問題解決のために、とにかく行動し、ストレスとなることを解消。

2.忘れる
どんなに考えても答えが出てこないストレスや、
多くのストレスに心が押しつぶされそうな時、
一時的に別のことをして、ストレスになることを考えない。
距離を置くことにより、別の視点で見えてくることも。

3.開き直る
ストレスに対して見方を変えると、
そのストレスがどうでもいいことに見えてくることも。

4.避ける
必ずやらなければならないことは、そうはいきませんが、
避けて通れるものなら、ストレス対象に近づかない。

5.浸る
ストレスによる悲しみ、つらさ、怒りなどの感情に
思い切り浸ってみる。
その後、気持ちが晴れ、乗り越える力が沸いてくることも。

6.小分けにする
大きなストレスを一度に解決しようとせず、
できることから、ちょっとずつ、気長に解決していく。

この6つのストレス対策。
自分は無意識に使い分けているように思いますが、
皆さんはいかがでしょうか。

福岡で鍼灸師をしています。
鍼灸治療を通して、心と体のバランスを整えることも
大事だと思っています。
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はりきゅう雑話~花粉症と鍼灸

ここ数日は日中気温が高くなり、これから三寒四温、
春へと向かうのでしょうか。
そうなると気になるのがスギ、ヒノキなどの花粉。

花粉症は、鼻や眼の粘膜に花粉がついて、
「えらいこっちゃ、敵が攻めてきたぞ~」と
体の免疫システムが誤作動して、
くしゃみ、鼻水、涙などで敵を追い払おうとするもの。

鍼灸では、それらの症状に対して、
顔や頭、首の後ろ、腕などのツボを使います。

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ツボ・モデル君の鼻の横にある『迎香 げいこう』
の上にある『上迎香 じょうげいこう』というツボ。
前髪の生え際から少し頭頂よりにある、『上星 じょうせい』。
(どちらもこの写真には載っていません。すみません…。)
鍼をすると、すぅっと鼻が通ってきます。

ひとくちに花粉症といっても、タイプがいくつかあるので、
各々のタイプにあわせて使うツボを決めます。

また、根本的には体の免疫システムの誤作動自体を
正常に戻す治療が大切です。

当鍼灸院では問診を丁寧にします。
その方の元々の体質がどう変化しているか見極めるためです。
目の前の症状だけでなく、
そのバックグラウンドにある体質を元に戻すと、
身体的な、精神的なストレスなどがどかーんときても、
症状が悪化しにくかったり、出現しにくくなりますよ。

福岡で女性専門の鍼灸院をしています。
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