コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

梅雨と、湿邪(しつじゃ)とその症状

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東洋医学では自然界の変化が人体に与える影響を非常に重視しています。
気候の変化が正常な場合には、「風・寒・暑・湿・燥・火」という6種類の変化となって現れ、人体の生理活動を促します。
しかし気候の変化が異常な場合、例えば冬の寒さが厳し過ぎたり暑いはずの夏が涼しすぎたり…など、「過剰」「不足」「季節との不相応」があると、人体に悪影響を与えます。
もちろん全員が発症するわけではなく、人体の抵抗力が低下し自律神経機能が乱れているときに発症の原因となり、それぞれ「風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪」といいます。

湿邪による症状は、しめっぽい梅雨に起こりやすく、湿地帯で生活したり、水中で作業したり、濡れた衣服を長く着ていても起こることがあります。

湿邪の性質は、重く、粘りっこく、濁りやすく、滞りやすく、たまりやすい。
湿邪が体表に侵入すると、全身倦怠感や体が重くて活動が鈍くなります。湿疹が出ると治りにくいです。
関節に停滞すると重く痛んで動作が妨げられます。

また湿邪は上半身よりも下半身に症状が出やすく、脚の浮腫(むくみ)や下痢、帯下(女性のおりもの)などの症状が現れることもあります。

上述の症状は湿邪以外の原因でも発症するので、丁寧な問診で何が原因なのか判断することが大切です。

湿邪とは体内の水分が適当に排泄されないことです。
湿邪が原因の場合、鍼灸治療では水分代謝を整える作用のあるツボを用いて、各々の症状を改善します。

生活習慣とボデイ・イメージ

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写真館で証明写真を撮ったことがありますか。
自分では真っすぐな姿勢を保っているつもりでも、

カメラマンに「あごを引いて」「頭を少し右の傾けて」

「左肩を少し下げて」など直され、言われるままの姿勢を保ち、

「はぁ~い、結構です」と声を掛けられた途端に、

どっと疲れ元の姿勢に戻る…。

そんな経験をされたことはありませんか?

 
『鏡を見なくても自分の体を左右・前後に対して中央に保てる』ことは、

ボデイ・イメージの一つですが、実は難しい…。

 

座っている時は、常に片方の足を組む,常に片肘をつく,

常に机に寄りかかる,常に背もたれにもたれかかる。
立っている時は、常に片方の脚にたくさん体重を乗せる。
仕事では、座り通し,立ち通し,反復動作が多い。
などなど、ワンパターンな姿勢や動作が徐々に

ボデイ・イメージを悪くさせることがあります。
そして慢性的な筋肉の凝りや痛みが生じることもあります。

 

鍼灸に来られた方の座り姿勢や立ち姿勢を修正すると、

「えぇっ!変な感じ!」と感想を述べられます。

 

筋肉の凝りや痛みなどの症状が生活習慣と関係している場合は、

日々のどんなワンパターンなクセからきているのか、

患者様と共に探り出し、

無理なくワンパターンを解消できる方法を共に考えたり、

アドバイスさせていただいています。

鍼灸の起源

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幼少の頃、祖父や祖母がお灸をしていた、あるいはお灸をするのを手伝った、という話をときどき聞きます。

日本の鍼灸の起源は、中国の僧侶が来朝した562年とされています。
そして中国の鍼灸の起源は石器時代にまでさかのぼります。

中国最古の医学書に「黄帝内経(こうていだいけい)」があります。
紀元前4~5世紀頃の春秋戦国時代から紀元前100年頃の前漢の時代までにまとめられました。
多くの医学者がたくさんの治療経験に基づき書いた本です。

その本には「中国の気候風土・社会環境の違いにより、東西南北の各地で発生する病気が異なり、その違いに対応した異なる治療法が発達した」と記されています。
そして以下のように続きます…。

東方は海岸地方で、住民は魚や塩ばかり食し、オデキができやすく、へん石といわれるメスで切開する治療法が発達しました。
西方は金属や壁玉を産する砂漠地帯で、住民は獣肉を常食しよく肥え、薬物を煎じた湯液(漢方薬)で病を治していました。
北方は高原地帯で風が冷たく水は凍り、灸による温熱療法が発達しました。
南方は日光がさんさんと降り注ぎ、住民は酸味のある果物を好んで食べ、鍼による治療が発達しました。
中央に位置する所は平坦地で物産の豊かな所で、住民は何でもすぐ手に入り食べることが出来、肉体労働はあまりせず、「あん摩」などの手技療法や運動療法・体操法などが発達しました。

中国の面積は約960万k㎡で、日本の約26倍!(地図が見えづらくてすみません)
面積が広い国だからこそ、東洋医学は鍼灸・漢方・あん摩・気功など多岐に渡っているのですね。

眼の疲れを取る「ツボ・マッサージ」

私は文章を書くのは好きですが、パソコンは大の苦手!
もちろんブラインド・タッチはできず、一つのブログを完成させるまでに時間がかかります。
最近、本をよく読むようになったこともあり、眼が疲れやすく、自分で鍼治療をしたり、ツボ・マッサージをしています。
ということで、今日は眼の疲れを取る「ツボ・マッサージ」をご紹介したいと思います。

ツボ・マッサージをする前に…
●眼球はとてもデリケートなので、まぶたを閉じても眼球の上は決して押さないで下さい。眼の周りのツボは、目の縁の骨を押して下さい。
●眼の周りのツボは、人差し指の腹をツボに当て、頭の真後ろに向かって押します。
●気持がいいと思う強さで「3~5秒押し続ける⇔2~3秒休む」を5回位繰り返します。
●症状が和らぐツボは人それぞれ異なります。ツボを押して気持がいい所を重点的にしましょう。逆に、ツボを押しても痛くも気持ちよくもない場合、あるいは激しい痛みがある場合は別のツボを使いましょう。

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ツボとその場所は…
サン竹(さんちく)  「サン」は手偏に賛という漢字。眉毛の内側の端。
魚腰(ぎょよう)  眉毛の中央にある骨の窪み。写真には載っていません。
シ竹空(しちくくう)  「シ」は糸偏に糸という漢字。眉毛の外側にある骨の窪み。
セイ明(せいめい)  「セイ」は目偏に青という漢字。目頭と鼻の付け根の間の、骨の窪み。
承泣(しょうきゅう)  目の下の骨の縁の下で、真ん中にある窪み
瞳子リョウ(どうしりょう)  「リョウ」は骨偏に、蓼の草冠がない漢字。目尻の外側の骨の縁から、少し外側(こめかみ方向)にある窪み。
風池(ふうち)  うなじにあります。耳たぶの後ろに骨のでっぱりがあり、さらに後ろの窪み。親指の腹の先で押します。

自分に効きそうなツボがありそうですか?
眼の疲れは首や肩のこりとも関係していることが多く、首や肩周辺の鍼灸治療をすると、眼の疲れが取れやすいです。

乗り物酔いに効くツボ「内関」

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青空に新緑がくっきりと映えるこの季節は、

阿蘇にでもドライブに行きたくなります。
山は好きですが、自分で運転しない限りはヘロヘロに酔います。
中国留学中、安徽省(あんきしょう)にある黄山(こうざん)へ行きました。
鍼灸の先生から、「内関(ないかん)」と「神けつ(しんけつ)」に貼りなさい、と

漢方薬入りの冷湿布を頂き、

おかげでバスに酔わずに登山を楽しむことができました。

 

「内関」の「内」は内臓の意味、「関」は出入りの要所という意味で、

内臓機能と深く関係するツボです。

場所は手首のしわ(手のひら側)の中央から指幅3本上で、

親指側の腱と隣の腱との間にあります。写真の赤丸のところです。
「神けつ」はおへその中央にあります。

今でも酔い始めた時に、

「内関」を親指の腹の先で5秒ぐらい深く押しては

緩めるのを繰り返していると、嘔気が楽になります。