コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑲~足厥陰肝経(あしけついんかんけい)

赤いラインは、前回の特集ブログで紹介した『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』という経絡。

目尻の外側にあるツボ『瞳子髎 どうしりょう』に始まり、側頭部を往復する。そして、うなじ・肩・脇腹・脚の外側を下行する。更に、外くるぶしの前、足の甲を通り、足の第4趾(薬指)の先端にあるツボ『足竅陰 あしきょういん』で終わる。そこから…。

 

『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』という経絡につながる。

足の親指の先端にあるツボ『大敦 だいとん』に始まり、足の内側を上行する。更に、おなかを通り、肋骨の下にあるツボ『期門 きもん』で終わる。

この経絡は左右対称にあり、片側14個ずつ、ツボがのっている。体内では、肝・胆・肺・のど・目・前頭部・脳・唇につながる。

 

肝臓は、右下部肋骨の高さ、かつ、横隔膜の下にある。

肝の働きは、大きく2つある。

1つ目は、疏泄(そせつ)作用。疏泄とは、『通りをよくする』ということ。

気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養分)が全身にしっかりと行き渡るように、肝は『気と血の流れ』をサポートしている。気と血が臓器や器官などにしっかりと届けば、臓器や器官などは、各々の働きをしっかりと遂行できる。

肝が不調だと、気と血の流れが滞り、臓器や器官などの働きも不調となる。例えば…。

 

久しぶりに登場!胃気(いき)!胃を働かせる気(=エネルギー)。

胃気には、『下行する』という特徴がある。詳しくは、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性④~足陽明胃経(あし・ようめい・いけい)・前編』を見てね。

肝は『胃気の下行』をサポートしている。

 

この方も久しぶりの登場!脾気(ひき)!脾を働かせる気(=エネルギー)。

脾気には、『上昇する』という特徴がある。詳しくは、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑥~足太陰脾経(あし・たいん・ひけい)・前編』を見てね。

肝は、『脾気の上昇』もサポートしている。

胃と脾のメインの仕事は、消化活動。肝が不調になると、『胃気の下行』と『脾気の上昇』が滞り、消化活動に影響が出てくる。

東洋医学では、臓器が感情を司っている。肝は、『怒り』という感情と関係が深い。肝の疏泄作用が過剰になると、怒りっぽい・落ち着かない・不眠…などの症状があらわれる。逆に、疏泄作用が不足すると、気分が落ち込む・ため息を多くつく・悩み事や心配事が多い…などの症状があらわれる。

肝の働きの2つ目は、『蔵血(ぞうけつ)作用』。激しく体を動かしている時、肝は貯蔵している血(ち)をたくさん送り出す。逆に、休息している時や寝ている時、たくさんの血は必要ないので、肝は最低限の血を全身に送り出し、残りは貯蔵する。

肝の蔵血作用は、女性の生理にも関係する。肝の蔵血作用が弱ると、PMS(月経前症候群)や生理中の血塊(けっかい)(=ベタッとした血の塊)があらわれやすい。

 

膝の内側が痛い時には、『足厥陰肝経』のうえにあるツボ『膝関 しつかん』や『曲泉 きょくせん』への鍼灸治療がおすすめ。

 

こちらは、右脚を前から見たイラスト。膝の内側が痛い時は、内ももの筋肉(赤い部分)が硬くなっていることが多い。膝周辺は特に硬く、お灸よりも鍼のほうが緩ませやすい。

 

膝周辺には、鍼の先端にモグサを差し込み、お灸もする『灸頭鍼 きゅうとうしん』もおすすめ。膝の中の中まで温め、緩みやすい。

 

肋骨の下にあるツボ『章門 しょうもん』。別名、『臓会 ぞうえ』。五臓の気(=エネルギー)が集まるツボなので、そう呼ぶ。重要なツボなんだなぁ…。

 

赤いラインは、『帯脈 たいみゃく』という経絡。今まで、特集で紹介してきた経絡たちは、体内で五臓六腑とつながる、『同士』だった。しかし、『帯脈』は別物。

帯脈は、『章門』から始まり、腰を一周する。この経絡だけが、体の横を走っている。縦に走っている経絡たちを、帯脈は束ねている。ベルトのような存在。

他の経絡たちが緊張している時、帯脈は自ら緩み、他の経絡たちを緩ませる。他の経絡たちがだらけている時、帯脈は自らを引き締め、他の経絡たちを引き締める。帯脈は、縁の下の力持ちなんだなぁ…。

そのため、『足厥陰肝経』と『帯脈』の上にあるツボ『章門』は、鍼灸治療でよく使う。

日々の忙しさやストレスは、心身の緊張を生み、呼吸は浅くなる。そんな時、『章門』など帯脈を意識した鍼治療をすると、「呼吸が楽になった」「深く呼吸ができる」と実感される方が多い。

 

足の甲にあるツボ『太衝 たいしょう』もよく使う。

血(ち)の巡りをコントロールする作用があるので、PMS・生理痛・生理不順・不妊症・不育症・更年期症状など婦人科の症状に用いる。また、足先の冷えや足の甲の痛みに用いる。イライラする、怒りっぽい、という感情がある時も『太衝』の出番!

セルフお灸がしやすいので、次回、『ツボ取り動画』と共に、紹介するよ~ん。

今回のブログは短くなるかなぁ…と、書き始めは思っていたけれど、かなり長くなった…。難しい話を最後まで読んでいただきありがとー!!!

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニングの≪レディース鍼灸ことうプラウ≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

2023年『天領日田おひなまつり』を見とれて鑑賞・続編!

大分県日田市豆田町にある『天領(てんりょう)日田資料館』で、『おきあげ雛展』開催中。

 

『おきあげ』とは、羽子板などに貼り付けた、布製の半立体的な日本人形のこと。ガラス越しに撮影し、非常灯がしっかり映ってしまった。すみません…。

浮世絵や歌舞伎などの芝居絵が題材。どんなふうに作るかと言うと…。

まず、下絵を描いて、体の部位や持っている小道具などのパーツごとに、厚紙に写す。次に、各パーツの上に綿をのせ、着物の端切れなどの布でくるむ。そして、土台にそれらのパーツを貼り合わせる。

江戸時代(1603~1868年)後期、宮中の女官の間で、おきあげ作りが始まった。それが、江戸城の大奥の女中にも広まった。やがて、武家の女性の内職となり、参勤交代の江戸土産として、各地に広まった。

おきあげは、羽子板に貼り付けるようになる。そして、おきあげに竹串を取り付け、ワラや畳のヘリに挿して飾る『竹串おきあげびな』も作られるようになる。それから、『掛け軸おきあげびな』へと発展し、庶民にも浸透していった。

 

見つめ合って?にらみ合って?

 

ひょろろん!飛ぶでござる!

 

ポポーン![鼓(つづみ)を打ち鳴らす音]、飛んでる~!

 

重いが飛ぶぜっ!

 

こっちも重いが飛ぶぜっ!

 

しっ!隠れて!

 

ひょっひょっと

 

なんだかなぁ…。

 

ふぅ………。

勝手にセリフを付けちゃった。太古の日本にワープした気分で、紙芝居が出来そうだなぁ~。

個性豊かな雛人形たちに出会える、『2023年 天領日田おひなまつり』は、3月31日(金曜日)まで開催。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

2023年『天領日田おひなまつり』見とれて鑑賞!

大分県日田市豆田町で開催中の『天領日田 おひなまつり』に行ってきた。ひな人形ミュージアム『ひな御殿』には数多くの雛人形(ひなにんぎょう)が飾られていた。

 

木目込み人形で作られた、雛段飾り。最上段が、親王(しんのう)であるお殿様とお姫様。4段目が、三人官女(さんにんかんじょ)。官女とは、宮中の仕える女性。3段目が、五人囃子(ごにんばやし)。楽団で、貴族の師弟に当たる。2段目が、随身(ずいしん)。お殿様と一緒に行動し、護衛する。1段目が仕丁(してい)。親王家の雑用に従事する。

ひな祭り近くなると、母が飾ってくれたのは、ガラスケースに入った木目込み人形の雛人形。メンバーは、五人囃子までだったかな…。

雛人形の歴史は古い。平安時代(794~1119年)、貴族の子女の間で、『ひいな遊び』が流行った。紙や布で作った人形と、御殿や身の回りの道具のおもちゃで遊ぶ。1000年以上前から、ままごと遊びがあったんだねぇ…。ひいな遊びが発展して、ひな祭りへ。

 

この『立ち雛 たちびな』が雛人形の元祖と言われている。なぜ、ひな祭りは3月3日なのか?

古代中国には、『節句 せっく』という年中行事があった。季節の変わり目に、無病息災・豊作・子孫繁栄などを願って、お供え物をしたり、邪気払いを行った。

奈良時代(710~794年)、日本に伝わった。平安時代中期には、日本においても『上巳の節句 じょうしのせっく』が執り行われていた。3月初めの巳の日、紙で作った人形(ひとがた)に自分の災厄を託して、海や川に流す。これが『流しびな』の元祖。

江戸時代(1603~1868年)になると幕府は、数ある節句の中の5つを、武家の公的な式日(祝日)と制定した。1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽(ちょうよう)。

長い年月を経て、『上巳の節句』と『ひいな遊び』、『子供の守り人形を飾る習慣』が結びつき、『ひな祭り』になったらしい。

江戸時代中期から、3月3日に雛人形を飾る『ひな祭り』が定着した。京・江戸・大阪を中心に、『ひな市』が立つようになり、『立ちびな』から『座りびな』へと変わっていった。

 

有職(ゆうそく)びな。ひな祭りは当初、宮中の祭りだった。有職びなは、本物の公家の装束を再現化した特注品。江戸時代中期以降、上層階級に大人気だった。

やがて、ひな祭りは宮中から武家・庶民へ、大都市から地方へ広がっていった。

 

享保(きょうほ)びな。江戸時代の享保年間(1716~1735年)に京都で誕生。女びなは豪華な冠(かんむり)。男びなの冠も金。公家装束から離れた豪華な装束。

 

こちらも享保びな。男びなに比べて…。

 

女びなの袖が長く広い。重そうだねぇ…。袖に描かれた唐獅子(からじし)や鳳凰(ほうおう)は女びなを守るとされた。

 

 

 

古今(こきん)びな。江戸後期の安永年間(1772~1781年)の頃、江戸で誕生。それまで、雛人形と言えば京都製であった。江戸で作られた雛人形は、面長の顔に、はっきりとした目鼻立ち。新型登場で、江戸では大人気となった。

そこで、古今びなを京阪地方でも作るようになる。京阪型の古今びなは、卵型の面長で、引き目・鉤鼻(かぎばな)の柔らかい顔立ち。写真の古今びなは、柔らかい顔立ちだから、京阪型かなぁ…。

江戸型と京阪型では装束の色合いも異なる。地方によって、好みが違うんだなぁ…。

 

古今びなの段飾り、集大成。圧倒されるぅ~!

 

ありゃぁ、斜めに撮っちゃった。御殿びな。

 

江戸を中心に『段飾り』が人気になる一方、上方(かみがた)では『御殿びな』がヒット!

江戸時代、九州の交通の要所とされた大分県日田市。天領(江戸幕府直轄の領地)でもあり、日田市には全国から大名や商人が集まっていた。それらの人々を相手に商いをしていた地元の豪商が、京都や大阪などで買い求めた雛人形が、今でも、日田に数多く残っている。

ひな祭りについて調べていたら深みにはまり、次回のブログは、この続きだよ~ん。福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】足先の冷えや足の甲の痛み、偏頭痛に働きかけるツボ『足臨泣 あしりんきゅう』

『足臨泣 あしりんきゅう』というツボは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。この経絡は目の外側に始まり、側頭部をぐるぐる回って、体の横を下り、足の甲を通って、足の薬指の先端で終わる。

『足臨泣』は、足の甲にある。足先がキンキンに冷える方には、このツボへのセルフお灸がおすすめ。また、脚の筋肉痛、特に足の甲の筋肉痛や痛みには、『足臨泣』に鍼やお灸をすることが多い。セルフお灸もいいよ~。

『足少陽胆経』は、体の横を通り、頭の横側では経絡が行ったり来たり…。このように、こめかみ部分にも通っているので、『足臨泣』は偏頭痛(=片頭痛)の治療にも用いられる。ツボの近くの症状だけでなく、経絡上の遠くの部位の症状を治療することもあるんだよ~。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭臨泣 あたまりんきゅう』というツボもある。黒目の真上で、前髪から少し入ったところにある。目の症状を治療する時に用いられる。

『足臨泣』も目の症状に用いられることがある。ツボ同士の作用や適応症が似ているツボたちを『相対穴』、『相関穴』という。『足臨泣』は足の『臨泣』、『頭臨泣』は頭の『臨泣』と言われ、『相対穴』にあたる。

 

前回、ツボ取り動画で紹介した『陽陵泉 ようりょうせん』と、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡の上にある『陰陵泉 いんりょうせん』も『相対穴』。膝のトラブルに用いられる。

 

『足少陽胆経』の上には、『頭竅陰 あたまきょういん』と『足竅陰 あしきょういん』がある。このツボたちも、『相対穴』。

『竅 きょう』は、五官(目・耳・鼻・舌・皮膚)のこと。2つのツボは、目・耳・舌・のどなどの症状に用いられる。おーっ、話がそれた。

 

『足臨泣』は、足の甲にあり、薬指と小指の細長い骨の間にある。

 

細長い骨の上には『長趾伸筋 ちょうし・しんきん』という筋肉がある。膝下の骨から、足先の骨(親指以外)に付き、足の指を反らす時に働く。

この筋肉の、足の甲の部分は、必ずしも骨の上にあるわけではない。この部分の筋肉はスジのように硬く、骨と間違えやすい。

薬指と小指を反らす筋肉と、薬指と小指の骨を間違えてツボを取ると、正しいツボと位置がずれる。『足臨泣』のツボを探すのは難しい…。ツボ取り動画で、そこのところを熱く語っている!『足臨泣』にお灸をしてみようかなぁ…という方は、動画も見てねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

2023年極寒!筥崎宮の冬ぼたん祭りをキンキーン鑑賞!

長い寒波が過ぎ去り、風は冷たいが、福岡は快晴。筥崎宮で開催中の『冬ぼたん祭り』に行ってきた。

冬ぼたんは、初夏に咲くぼたんと種類が違うと思い込んでいた。調べてみると…。春に、若いつぼみを摘み取って、花が咲く時期を遅らせ、真冬になってから花が咲くらしい。ほほーっ!

 

 

冬ぼたんは、初夏のものに比べて花が小さいということだったが…、

 

 

う~ん、直径20㎝はありそうだなぁ~。

 

 

 

冬ぼたんは、根元の土に藁(わら)を敷き、藁苞(わらづと)で花全体をおおう。藁を束ねて物を包んだものを、『藁苞 わらづと』というらしい。ほほーっ!

 

 

おーっ、藁苞(わらづと)がいっぱい!

 

 

寒波が長かったせいか、つぼみが多い。

 

 

おいしそう!

 

 

黄色のぼたんは、少ない気がする。これから咲くのかなぁ。

 

 

あららら~。藁苞(わらづと)から顔を出してる!日当たりがいいからね。日光浴!

 

 

紅梅だ。

 

 

ちょこーっと咲いてる。おっ!

 

 

春の七草。芹(せり)。薺(なずな)。御形(ごぎょう)。繁縷(はこべら)。仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)。蘿蔔(すずしろ)。すべて竹かごに入ってたよー。それにしても、漢字が難しい…。

 

 

沈丁花。

 

 

芽吹いてきたよ~。三寒四温を繰り返しながら、春がやってくる!

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。