コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~前編

秋には肺をいたわり、気(=エネルギー)を補充する  

五臓六腑の肺は、潤いを好み、乾燥を嫌う。秋口に入り、空気が乾燥しだすと、肺はダメージを受けやすい。

秋口の肌荒れやかぜ、アレルギー(花粉症・鼻炎など)は、肺の機能低下による。乾燥から肺を守ることが、秋口の諸症状を改善することにつながる。

また、秋は気が不足しやすい季節。気を補うことが、肺を元気にすることにもつながる。

 

 

乾燥対策1 室内の加湿 

日中、長時間いる部屋や寝室に、湿度付き温度計を置こう。快適な湿度は、50~60%。それ以下だったら、加湿器を使い、乾燥から肺を守ろう。湿度が低すぎて、ニコチャンの口がへの字になってる。  

 

 

乾燥対策2 保湿クリームやリップクリームで、皮膚をガード!  

日中はもちろん、入浴直後にもクリームで保湿。コトーは、クリームをたっぷり皮膚に塗りこんで、木綿の手袋と靴下を履いて就寝。クリームが服や寝具に付いちゃうからねぇ。洗濯する時、手袋たちを裏返しにするのが面倒だけど…。

 

 

気温差対策 重ね着とショールやスカーフで調整しよう  

日中、気温が上がっても、日陰や室内はひんやり…。朝晩は更にひんやり…。秋は何を着ていいか困る。

コトーは、日中、厚手のTシャツや薄手の長袖Tシャツで対応。朝晩や、冷房が入っているスーパーなどでは、薄手のカーディガンやパーカーをはおる。

首にスカーフを巻くだけでも体が温かくなる。外出時、バックに薄手のショールやスカーフを入れておくのもおすすめ。

尚、これからやってくる冬に向けて、厚着は禁物。理由は、下記の『気の補充3 動く』で説明するよ~。  

 

 

気(=エネルギー)の補充1 食事を整える 

気は、食事と呼吸(=酸素)で作られる。だからこそ、何を食べ、何を控えるかは、どの季節においても重要。

極暑でエネルギーを使いすぎ、秋口には気が不足。あまりの暑さに、コトーは、封印していたアイスを食べ、冷えた炭酸水もごくごく飲んだ。冷たいものは体に負担をかける。

気温は高いが、湿度が低く、過ごしやすい秋口からは、冷たい物を控え、少しずつ温かいものにシフト!根菜類(大根・人参・ごぼう・里芋など)は体を温める作用があり、積極的にとっていきたい食材。

夏に冷たいものをとりすぎ、胃腸が弱っている方は、根菜類をぐつぐつ煮込んだスープなど、消化のいいものをとり、まず、胃腸を元気にしよう!

ネギ・ショウガ・とうがらし・ニンニク・大根・玉ねぎなど辛味のある食材は、体を温め、気の流れをよくする。辛味は、肺と相性がいい。しかし、辛いものをとりすぎると、肺は活発になりすぎ、五臓六腑の『肝』がダメージを受ける。『肝』は、酸味と相性がいい。秋は、少辛多酸。辛味のあるものをちょっぴり。梅干しや酢の物など酸味のあるものを、それよりもちょっと多めにとる。  

 

 

気の補充2 早寝早起きと十分な睡眠  

気にはたくさんの種類がある。その中の一つ、衛気(えき)が、細菌やウィルスなどの外邪から体を守る。就寝中に、衛気は蓄えられる。そのため、十分な睡眠は必須。

東洋医学では、秋こそ夜更かしをせず、早寝早起き!と、説いている。夜更かしが気持ちいい季節だけどねぇ…。

不摂生をすると、その次の季節に体調を崩す。セルフケアは、今の季節だけでなく、次の季節の体調にもかかってくる。ないがしろにはできないなぁ…。   

 

 

気の補充3 動く!  

保温というと、洋服やホッカイロ、暖房器具など、外から温めることを連想しがち。それ以前に大切なのは、体内で熱を作り、その熱を体外に出さないこと。

筋肉は、動くと熱を発生する。それを保温することを、まずやってみよう。体を動かし、筋肉を使えば、しっかりと体熱があるから、肌寒い季節でも、薄着で大丈夫。

コトーは、寒い時期に大掃除は嫌なので、秋に大掃除をしている。網戸を洗って、窓を拭き、体熱を作ってる。

体を動かすと、気が巡りやすく、衛気の働きもよくなるよー。 

 

 

特集記事『秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)』

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ 

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】鍼灸治療

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~前編 

秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~後編

 

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。 

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ

肺は、潤いを好み、乾燥を嫌う  

五臓六腑の肺は、湿度の高い夏には元気一杯。ところが、空気が乾燥しだす秋口に入ると、弱くなりやすい。東洋医学において、肺は、呼吸以外の働きもしている。そのため、肺が弱まると、様々な症状があらわれる。  

 

肺の働き① 呼吸をつかさどる  

呼吸にかかわるのは、肺・気管・のど・口・鼻。秋の乾燥により、肺の呼吸機能が弱まると、咳・ぜんそく・くしゃみ・鼻水・鼻づまり・声がれ・のどの痛みなどの症状があらわれる。  

 

肺の働き② 全身に水分をめぐらし、余分な水分を汗として出したり、腎に送る  

秋の乾燥により、肺の水分代謝に支障をきたすと、むくみや、汗が出にくいなどの症状があらわれる。 

 

肺の働き③ 皮毛(ひもう)(=皮膚と産毛)をつかさどる  

秋の乾燥により、肺の、皮毛への働きが弱まると、皮膚の乾燥・かゆみ・アトピー、口の渇きなど皮膚のトラブルが生じやすい。コトーは、手の乾燥と、耳の乾燥+かゆみが出てるよー!  

 

肺の働き④ 気(=エネルギー)をめぐらす  

気には、たくさんの種類がある。その中に、体を防衛する『衛気 えき』がある。『衛気』が不足し、全身にしっかりめぐらないと、免疫力や抵抗力が落ちる。風邪を引きやすく、ウィルス感染をしやすい。花粉症などアレルギー症状も出やすい。  

 

秋口の諸症状の対処方法 

秋口に、肺にかかわる症状があらわれているときは、各々の症状に対しての治療だけでなく、『肺の乾燥』を防ぎ、『不足している気を補充する』ことも重要になる。また、夏に冷たいものをとりすぎて、秋口に胃腸が弱っている時は、五臓六腑の『脾 ひ』や『胃』の働きを整える治療も加わる。

 

特集記事『秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)』

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ 

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秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~後編

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特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性②~手太陰肺経

 

おーっ、今回の記事は短い。『おまけ』を書いちゃおうかなぁ~。

 

ガラス容器がセットされた、ステンレス製鍋。珍しいでしょ?って、うそだよ~ん。食器を洗っている時、重ねてしまったら、ガラス容器が外せなくなった…。どうやっても、ガラス容器が斜めに入り込むばかりで、どうにもならない。よく使う小鍋だから、困ってる。中鍋や大鍋を使うしかないでしょ。ちょっと果物でも入れてみるかぁ…。  

 

なんだかなぁ…。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。    

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑳~総集編

体と心の不調は、『気(=エネルギー)』と『血(けつ)(=栄養)』が滞った状態。

気と血を全身に巡らすのは、『経絡 けいらく』。気と血の巡りが悪いと、経絡上のツボに反応が現れる。それらのツボに、鍼やお灸をして、気と血の巡りを促し、体と心の不調を整える。

 

この特集のトップバッターは、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』(赤いライン)という経絡だった。鎖骨の下にあるツボ『中府 ちゅうふ』に始まり、親指の先にあるツボ『少商 しょうしょう』で終わる。その上に、11個のツボがある。左右対称に経絡はあり、合わせて22個。

この経絡は、体内で肺につながる。東洋医学から見た『肺の機能』は、呼吸だけではない。全身に水分を巡らす。皮毛(ひもう)(=皮膚とうぶ毛)をつかさどる。外邪(=風邪・花粉症・細菌など)の侵入を防ぐ。

五臓六腑は、感情とも結びついている。『肺』は、『悲しみ・憂い』と関係深い。『強い悲しみ』は、肺に影響を与える。

特集ブログで紹介した、12本の経絡は、すべてつながり、1本の輪となっている。

 

『手太陰肺経』の最後のツボは、『少商』。親指の先にある。そこから…。

 

『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』の最初のツボ、『商陽 しょうよう』につながる。人差し指の先にある。

この経絡の上に、ツボは20個。体内では『大腸』につながる。

『大腸』と『肺』はペアで、お互い影響しあっている。『肺』の症状を治す時に、『手陽明大腸経』の上にあるツボを使うことがある。その反対もしかり。

 

 

『手陽明大腸経』の最後のツボは、『迎香 げいこう』。小鼻の横にある。そこから…。

 

『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』の最初のツボ、『承泣 しょうきゅう』につながる。黒目の下にある。

この経絡は長く、ツボの数は45個。ツボ1つ1つに働きがある。例えば、…。

 

膝下にあるツボ『足三里』は、胃の不調を整えるだけでなく、脚の疲れを取り、健康の維持・増進に働きかける。セルフお灸にもおすすめ。しかし、ツボの取り方がやや難しい。チャレンジしたい方は、ブログ【動画で見る!ツボの取り方】胃の不調や脚の疲れ、健康に維持・増進に働きかけるツボ『足三里』 を見てねぇ~。

 

『足陽明胃経』の最後のツボは、『厲兌  れいだ』。足の人差し指の先端にある。そこから…。

 

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』の最初のツボ、『隠白 いんぱく』につながる。足の親指の先端にある。

そして、最後のツボは、『大包 だいほう』。脇の下にある。そこから…。

 

『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』の最初のツボ、『極泉 きょくせん』につながる。脇の下の、少し上にある。

そして、最後のツボは、『少衝 しょうしょう』。小指の先端にある。そこから…。

 

『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』の最初のツボ、『少沢 しょうたく』につながる。小指の先端にあるが、『少衝』とは位置がずれている。

そして、最後のツボは、『聴宮 ちょうきゅう』。耳の前にある。そこから…。

 

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』の最初のツボ、『睛明 せいめい』につながる。

12本の経絡の中で、この経絡が一番長い。目頭の横にあるツボ、『睛明』に始まり、頭頂部、首、背中、お尻、脚の後面と下行し、足の小指にあるツボ、『至陰 しいん』で終わる。

ツボの数も一番多い。片側だけで63個。

首から背中・お尻を通っているので、首こりや背中の痛み、腰痛、お尻の痛みの治療によく用いられる。

 

背中において、経絡は2本(黒線)になる。背骨側(=内側)の経絡上にあるツボ、『肺兪(はいゆ)』と『心兪』。

 

その下には、肝兪、胆兪、脾兪、胃兪、三焦兪、腎兪。『〇〇兪』と名がつくツボは、各々の臓器の経気(=エネルギー)が、そのツボに巡っている。そのため、『足太陽膀胱経』のこれらのツボを使って、各臓器の症状を治すこともできる。

 

『足太陽膀胱経』の最後のツボ、『至陰 しいん』から…。

 

『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』の最初のツボ、『湧泉 ゆうせん』につながる。足の裏にある。

そして、この経絡の最後のツボは、『兪府 ゆふ』。鎖骨の下にある。そこから…。

 

『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽうけい』の最初のツボ、『天池 てんち』につながる。胸にある。

この経絡は、体内で『心包』につながる。『心包』とは、『心 しん』(=心臓)を包む膜のようなもの。東洋医学でも『心』は重要視され、臓器を包んで保護する膜は、『心』以外にはない。

 

この経絡の最後のツボは、『中衝 ちゅうしょう』。中指の先端にある。そこから…。

 

『足少陽三焦経 あし・しょうよう・さんしょうけい』の最初のツボ、『関衝 かんしょう』へ。薬指の先端にある。

この経絡は、体内で『三焦 さんしょう』につながる。といっても、三焦は特定の臓器ではない。気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)と津液(しんえき)(=水分)を作り出し、全身に行き渡らせる機能のこと。

 

この経絡の最後のツボは、『絲竹空 しちくくう』。眉毛の外側にある。そこから…。

 

『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』の最初のツボ、『瞳子髎 どうしりょう』へ。目尻の外にある。

この経絡は側頭部をぐるぐる回っているので、片頭痛や耳のトラブルに用いられることが多い。

 

最後のツボは、『足竅陰 あしきょういん』。足の薬指の先端にある。そこから…。

 

『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』の最初のツボ、『大敦 だいとん』へ。足の親指の先端にある。

そして、最後のツボは、『期門 きもん』。肋骨の下にある。そこから…。

 

『手太陰肺経』の最初のツボ、『中府 ちゅうふ』へ。

おーっ、やっと1周したー!12本の経絡は、1本の輪となり、気と血を全身に送り、体と心の健康を保つ。

鍼灸治療をちょっとご紹介。まず、問診・視診・触診などで、臓器も含めた『体と心のバランスの崩れ』を探り出す。そして、どの経絡のどのツボを使い、どのような鍼灸の手技で治すのか、見定める。実際に治療し、どのように変化したのか評価し、また仮説を立て、治療し…。そんなふうに、治療を進めていく。

今回の特集ブログでは、東洋医学の奥深さを再発見!ついつい深堀して、皆さんの頭の上に、???(はてなマーク)が浮かんだ日もあったのでは…。失礼いたしました!この特集におつきあいいただき、誠にありがとうございました。

念願だった『ツボ取り動画』もなんとか撮れ、セルフお灸の『おとも』になったらうれしいなぁ…。

今後も、ブログと動画で、分かりやすい『東洋医学と西洋医学の話』をお伝えします!よろしくです!福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】婦人科の症状や自律神経の乱れ、足先の冷え、目の疲れなどに働きかけるツボ『太衝 たいしょう』

『太衝 たいしょう』というツボは、『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』(赤いライン)という経絡の上にある。『太』は、『大きい』という意味。『衝』は、『要衝』のこと。『太衝』は、『足厥陰肝経』にとって重要なツボに当たる。

 

『足厥陰肝経』という経絡は、体内で『肝』とつながっている。肝の働きには、『血の貯蔵』と『血量の調節』がある。そのため、PMS(月経前症候群)・生理痛・生理不順・無月経・更年期症状など婦人科の症状や、高血圧、足の冷えの治療に、ツボ『太衝』は用いられる。

また、肝は精神活動とも深く関係している。イライラ感、不安感、ストレス、不眠、自律神経失調症などがあり、情緒を安定させたい時、『太衝』に鍼やお灸をする。

頭痛やのぼせ、めまい・耳鳴り・目の疲れにも用いられ、このツボの活用範囲は広い。肝の働き自体が、多岐にわたっているからなぁ…。

肝の働きについては、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑲~足厥陰肝経』を見てね。ツボや経絡の働きを知ると、どのツボを使おうか、選びやすくなるよ。

『イライラする』『そわそわする』『うじうじする』『ふわんふわんする』『ドヨ~ンとする』『ハァーッとため息…』そんな気持ちを切り替えたい!立て直したい!何とかしたい!時に、『太衝』もいいし、『内関 ないかん』もいいよ~。

ツボ『内関』は腕にある。詳しくは、ブログ【動画で見る!ツボの取り方】自律神経を整えるツボ『内関  ないかん』をご覧くださ~い。 

『太衝』は足の甲にあり、ツボの取り方は『内関』よりも簡単。『太衝』にセルフお灸をしてみたい方は、下記のツボ取り動画をどうぞ!

 

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑲~足厥陰肝経(あしけついんかんけい)

赤いラインは、前回の特集ブログで紹介した『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』という経絡。

目尻の外側にあるツボ『瞳子髎 どうしりょう』に始まり、側頭部を往復する。そして、うなじ・肩・脇腹・脚の外側を下行する。更に、外くるぶしの前、足の甲を通り、足の第4趾(薬指)の先端にあるツボ『足竅陰 あしきょういん』で終わる。そこから…。

 

『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』という経絡につながる。

足の親指の先端にあるツボ『大敦 だいとん』に始まり、足の内側を上行する。更に、おなかを通り、肋骨の下にあるツボ『期門 きもん』で終わる。

この経絡は左右対称にあり、片側14個ずつ、ツボがのっている。体内では、肝・胆・肺・のど・目・前頭部・脳・唇につながる。

 

肝臓は、右下部肋骨の高さ、かつ、横隔膜の下にある。

肝の働きは、大きく2つある。

1つ目は、疏泄(そせつ)作用。疏泄とは、『通りをよくする』ということ。

気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養分)が全身にしっかりと行き渡るように、肝は『気と血の流れ』をサポートしている。気と血が臓器や器官などにしっかりと届けば、臓器や器官などは、各々の働きをしっかりと遂行できる。

肝が不調だと、気と血の流れが滞り、臓器や器官などの働きも不調となる。例えば…。

 

久しぶりに登場!胃気(いき)!胃を働かせる気(=エネルギー)。

胃気には、『下行する』という特徴がある。詳しくは、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性④~足陽明胃経(あし・ようめい・いけい)・前編』を見てね。

肝は『胃気の下行』をサポートしている。

 

この方も久しぶりの登場!脾気(ひき)!脾を働かせる気(=エネルギー)。

脾気には、『上昇する』という特徴がある。詳しくは、ブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑥~足太陰脾経(あし・たいん・ひけい)・前編』を見てね。

肝は、『脾気の上昇』もサポートしている。

胃と脾のメインの仕事は、消化活動。肝が不調になると、『胃気の下行』と『脾気の上昇』が滞り、消化活動に影響が出てくる。

東洋医学では、臓器が感情を司っている。肝は、『怒り』という感情と関係が深い。肝の疏泄作用が過剰になると、怒りっぽい・落ち着かない・不眠…などの症状があらわれる。逆に、疏泄作用が不足すると、気分が落ち込む・ため息を多くつく・悩み事や心配事が多い…などの症状があらわれる。

肝の働きの2つ目は、『蔵血(ぞうけつ)作用』。激しく体を動かしている時、肝は貯蔵している血(ち)をたくさん送り出す。逆に、休息している時や寝ている時、たくさんの血は必要ないので、肝は最低限の血を全身に送り出し、残りは貯蔵する。

肝の蔵血作用は、女性の生理にも関係する。肝の蔵血作用が弱ると、PMS(月経前症候群)や生理中の血塊(けっかい)(=ベタッとした血の塊)があらわれやすい。

 

膝の内側が痛い時には、『足厥陰肝経』のうえにあるツボ『膝関 しつかん』や『曲泉 きょくせん』への鍼灸治療がおすすめ。

 

こちらは、右脚を前から見たイラスト。膝の内側が痛い時は、内ももの筋肉(赤い部分)が硬くなっていることが多い。膝周辺は特に硬く、お灸よりも鍼のほうが緩ませやすい。

 

膝周辺には、鍼の先端にモグサを差し込み、お灸もする『灸頭鍼 きゅうとうしん』もおすすめ。膝の中の中まで温め、緩みやすい。

 

肋骨の下にあるツボ『章門 しょうもん』。別名、『臓会 ぞうえ』。五臓の気(=エネルギー)が集まるツボなので、そう呼ぶ。重要なツボなんだなぁ…。

 

赤いラインは、『帯脈 たいみゃく』という経絡。今まで、特集で紹介してきた経絡たちは、体内で五臓六腑とつながる、『同士』だった。しかし、『帯脈』は別物。

帯脈は、『章門』から始まり、腰を一周する。この経絡だけが、体の横を走っている。縦に走っている経絡たちを、帯脈は束ねている。ベルトのような存在。

他の経絡たちが緊張している時、帯脈は自ら緩み、他の経絡たちを緩ませる。他の経絡たちがだらけている時、帯脈は自らを引き締め、他の経絡たちを引き締める。帯脈は、縁の下の力持ちなんだなぁ…。

そのため、『足厥陰肝経』と『帯脈』の上にあるツボ『章門』は、鍼灸治療でよく使う。

日々の忙しさやストレスは、心身の緊張を生み、呼吸は浅くなる。そんな時、『章門』など帯脈を意識した鍼治療をすると、「呼吸が楽になった」「深く呼吸ができる」と実感される方が多い。

 

足の甲にあるツボ『太衝 たいしょう』もよく使う。

血(ち)の巡りをコントロールする作用があるので、PMS・生理痛・生理不順・不妊症・不育症・更年期症状など婦人科の症状に用いる。また、足先の冷えや足の甲の痛みに用いる。イライラする、怒りっぽい、という感情がある時も『太衝』の出番!

セルフお灸がしやすいので、次回、『ツボ取り動画』と共に、紹介するよ~ん。

今回のブログは短くなるかなぁ…と、書き始めは思っていたけれど、かなり長くなった…。難しい話を最後まで読んでいただきありがとー!!!

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニングの≪レディース鍼灸ことうプラウ≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。