コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

最近のマイ・ブーム~棒灸(ぼうきゅう)

これはモグサ。

モグサの原料は、よもぎの葉の裏に密生している

白っぽい産毛みたいなもの。

ふわふわして、かぐわしい香りがします。

 

 

 

 

ツボにシールを貼り、

モグサを指でひねって円錐形にしたモグサをのせ、

さきっちょに線香で火をつけます。

このようにツボに直接お灸をする時は、

熱感がマイルドなほうがいいので、

100%原料だけの良質モグサを使います。

 

 

これもモグサ。

 

 

この棒灸の中味です。

棒灸はモグサを硬めに和紙で包んだもの。

皮膚から3~5センチ離して使うので、火力は強いほうがよく、

モグサに、よもぎの葉や茎などの不純物が入っています。

お灸の種類によってモグサを使い分けているんですよ。

 

 

この絵を描いたときは、あまりの下手さに、

ブログに載せるのをためらいましたが、

何回も登場させていると愛着がわいてきました。

『手陽明大腸経絡(て・ようめい・だいちょうけい)』という

経絡のモデル子ちゃん。

経絡には、『気(=エネルギー)』と『血(=栄養)』が

流れていると考えられ、各々の経絡には流れる方向があります。

この経絡は、人差し指のツメの横にある『商陽(しょうよう)』

というツボから始まり、ずずずぃーっと上がり、

鼻の横にある『迎香(げいこう)』というツボで終わります。

棒灸を、この経絡に沿って

腕の下から上へゆっくりと動かして温めると、

経絡の流れをよくするだけでなく、経絡の流れを誘導できます。

また、広範囲をじっくりと温めることができるのも、

私は気に入っています。

 

 

背骨の両脇や両脚など左右同時に温めたいので、

両手に棒灸を持ちますが、

利き手でない左手での操作も上手になりました。

中学生の頃、左手でも字が書けるようになりたくて、

授業中に練習をしていました。

「それは授業が終わってからやってね」と先生に言われましたが、

1番前の席でよくそんなことをしていたなぁ~と、

今は思います…。

ちなみに今でも左手では字は書けません…。

おっとっとー、話がそれました。

棒灸はお灸教室でも使っています。

どうぞ気軽に体験しに来て下さい。女性限定ですが…。

前回のブログでお灸教室のご案内をしていますよ~。

 

東洋医学からみた『味』の話。

今年の冬のマイ・ブームはこれ。

甘栗。

なんだかわからないけれど、

小腹が空くと食べたくなっちゃう!

ちょいと東洋医学の本で調べてみると、栗の効能は…、

1.胃腸を丈夫にする。

2.腎を補養し、筋肉や関節を丈夫にする。

3.血行を良くする。

栗は水に溶けない『不溶性(ふようせい)食物繊維』が豊富!

大腸の動きが弱いために起こるタイプの便秘にはいいみたい。

便の量を増やして大腸の動きが活発になります。

ただし、栗は生でもゆがいても消化しにくいので、

食べ過ぎたり、よくかまずに食べると、

胃腸の負担になります。

ゆっくりと、よくかんで食べることがポイントのようです。

               *

さてさて、

東洋医学では、食べ物の『味』による体への影響を

5種類の味で表現しています。

『五味 ごみ』といいます。

1.辛味

発汗させ、気を巡らせる。 生姜やネギ、大根など。

2.甘味

栄養を補う。 カボチャやサツマイモなど。

栗も甘味ですね。

3.酸味

免疫力を高める。 酢、レモンなど。

4.苦味

気を降ろしたり、体の余分な水分を外に出す。

にがうりやごぼうなど。

5.鹹味(かんみ)

塩味のことで、血圧を高くする。 塩や昆布など。

これらは適量を取れば、体にとってプラスになりますが、

取りすぎれば、消化不良などマイナスになります。

他にも渋味・芳香・旨味・コクなど、食物の『味』はありますが、

バランスよく取ることが大切ですね。

               *

あーーーっ!

いつの間にか、お皿の甘栗がこれだけに…。

このブログの下書きに気を取られ、

ゆっくり、よくかんで食べたか覚えていない…。

しか~し、おいしかった…。

満足! 満足!

東洋医学からみた『気』の話。

東洋医学の考えで登場してくる、『血 けつ』 『津液 しんえき』 『気』。

体の臓腑やすべてのパーツが活動していくために、この3つはかかせません。

『血』は血液のこと。

『津液』は体内の水分のこと。

『気』はエネルギーのこと。

今日はその中で1番イメージしにくい『気』について書いてみます!

               *

『気』の代表選手は4人。

1人目は『原気 げんき』。 『元気 げんき』ともいいます。

元々は、両親から受け継いだエネルギー。

飲食物(口の中に取り込んだもの)から得られるエネルギーで

補給されます。

生命活動の原動力となるものです。

               *

2人目は『宗気 そうき』。

肺において、飲食物から得られるエネルギーと

酸素が合わさってできるエネルギー。

心と肺の活動を支えています。

               *

3人目は『栄気 えいき』。

飲食物から得られるエネルギーで、

臓腑や体のパーツの活動を支えています。

               *

4人目は『衛気 えいき』。

これも飲食物から得られるエネルギーで、

体の表面で活動し、皮膚を温めたり、

外邪(がいじゃ)の侵入を防ぐ働きをします。

気候の変化が著しい時に、体調を崩すことがありますね。

その原因を外邪といいます。

               *

この4人の代表選手以外にも、

『真気 しんき』 『臓気』 『経気』 『胃気』という選手がいます。

控え選手ではありません。

いつも活躍しています!

気の名前は、働いている場所や働き方によって違います。

               *

体の中に張り巡らされている『経絡』は、『血』と『気』の通路であり、

全身に栄養やエネルギーを送っています。

鍼灸治療で『経絡』の流れが良くなるということは、

『気』の流れも良くなるということ。

エネルギーが体の隅々までしっかり送られます!

『気』って、わかりにくいヤツですが、

東洋医学ではとっても大事な存在なんですよ。

今日は難しい話におつきあいいただき、ありがとうございました!

西洋医学と東洋医学

西洋医学と東洋医学の違いって何でしょうか。

西洋医学は『科学的』? 東洋医学は『哲学的』?

西洋医学では血液検査やレントゲン、MRIなどの

目に見える検査結果を元に、病名を確定し、治療方法まで導き出すので、

治療を受ける側は納得しやすいですよね。

東洋医学はそのような検査はありません。

問診、触診、視診など、鍼灸師は自分の五感をフル活動させて、

治療方法まで導き出します。

目に見えない経絡やツボを用いて鍼や灸をして、

症状を改善させる…。

治療を受ける側は理解しにくい…。

当鍼灸院に来られる方に、

目に見えるツボ・モデルくんを片手に熱弁!いえいえ説明しています。

病院での検査結果が正常で、該当する病気はなく、

治療の必要をないと診断されたが、症状はある…。

そんな方にも鍼灸では治療方法まで導きだせるのは、

この診断方法の違いからでしょうね。

               *

西洋医学と東洋医学はすべてにおいて相反するのか??!?

西洋医学の中でも私が長年携わってきたリハビリ(理学療法)おいて

共通点があります。

その1つが治療の流れ。

評価⇒分析⇒問題点の絞込み⇒治療プログラム設定⇒治療⇒評価…。

治療がぶれないように、この流れを繰り返して、治療を深く掘り下げる。

                 *

また、西洋医学は『局所的』、東洋医学は『全身的』とよく言われますが、

私のリハビリ(理学療法)・スタイルは『全身的』でした。

(部分的に治療される鍼灸師、理学療法士もいます)。

例えば、腰痛。

当鍼灸院では腰も含めた背中、脚、(おなか)に鍼や灸をします。

リハビリで治療をしていた時も、腰も含めた背中、おなか、

股関節などの筋肉や関節に対してアプローチをしてきました。

               *

この『全身治療の必要性』を強く感じるのは、

腱鞘炎など手首や指の症状を鍼灸治療する時。

次回はその『手首や指の動きのしくみ』、

その後に『手の腱鞘炎の鍼灸治療』へと話を進めていきたいと思います。

よろしくでーす!

かぜの鍼灸レシピ

前回のブログで『かぜ』のことに触れましたが、

今日はその鍼灸治療をご紹介!

今までもかぜにまつわる鍼灸についてブログで書いたなぁーと思い、

下書きをパラパラ読み返しました。

ほほーっ、こんなこと書いたんだぁ~。

もう257話ともなると覚えていません。

今日はちょっと違う視点で書いてみます!

東洋医学では、体の中に『経絡 けいらく』という道が張り巡らされ、

その上に『ツボ』がのっていると考えられています。

この経絡は『手の太陰肺経 たいん・はいけい』。

11個のツボがのっています。

左腕しかツボを書いていませんが、右腕にもあります。

肺をつかさどるので、呼吸器の症状の治療に用いられます。

代表的な経絡は、相棒の経絡がいます。

『手の太陰肺経』の相棒は、『手の陽明大腸経 ようめい・だいちょうけい』。

20個のツボがのっています。

口から鼻にかけては、体の正中を越えて、反対側を通ります。

この経絡は鼻やのどを通り、鼻かぜやのどの痛みなどの治療に用いられます。

さて、ツボの話も何回か書いてきましたが、

代表的のツボは約360個。

そのツボの名前ひとつひとつに由来があります。

『かぜ』は『風邪』と書きますね。

東洋医学では、かぜをひく原因のひとつとして、

『風邪 ふうじゃ』という邪気が体の中に入るから!ととらえています。

『風』の漢字がつく、『風池 ふうち』や『風門 ふうもん』は、

風の通り道とされ、これらのツボもかぜの治療に用いられます。

ぐっすり眠れたら、かぜもすぐ治るのに、仕事・家事・育児などでそうもいかない…。

そんな経験ってありますよね。

かぜを長引かせると、体のスタミナが減り、よけい治りにくくなります。

そんな時は、エネルギーを補う鍼や灸もプラスします。

それにしても、顔と手を描くのは難しい!

2枚目はへび腕になっちゃった。

でも、また懲りずに書くと思う…。