コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑬~足太陽膀胱経・後編

『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡(=赤いライン)は、目頭と鼻の間にあるツボ『睛明 せいめい』から始まり、額→頭頂へと上行し、

 

後頭部→うなじ→背中→お尻→脚へと下行し、小指にあるツボ『至陰 しいん』で終わる。この経絡は広範囲に渡り、ツボ数は片側だけでも63個と多い。そのため、この経絡上のツボは、鍼灸治療によく用いられる。理由は他にもある。

 

肩甲骨の内側にあるツボ、肺兪(はいゆ)、心兪。

 

肩甲骨の下からウエストの上にあるツボ、肝兪、胆兪、脾兪、胃兪、三焦兪(さんしょうゆ)、腎兪。

 

ウエストからお尻の中央にかけてあるツボ、大腸兪、小腸兪、膀胱兪。

『○○兪』と名が付くツボは、『兪穴 ゆけつ』という。五臓六腑の経気(=エネルギー)が巡っている。『兪穴 ゆけつ』は背中にあり、体内にある臓器と同じ高さに位置する。

各臓器が不具合を起こすと、『兪穴』に反応が現れ、『診察点』になる。もちろん、『兪穴』を用いた鍼灸治療で、各臓器のトラブルを改善する。

 

『三焦兪(さんしょうゆ)』の『三焦』は特定の臓器ではない。体幹にある臓器を結び付ける通路のようなもの。

 

飲食物の消化・吸収から、排尿・排便までの過程が円滑に進むように、臓器に働きかける。

 

『足太陽膀胱経』(=黒のライン)は、背中では2本になる。肩甲骨の内側にあるツボ、『心兪』と『神堂 しんどう』。共に、情緒にかかわるツボ。背中の中央を走る経絡(=緑のライン)は『督脈 とくみゃく』。『心兪』『神堂』と同じ高さにあるツボ『神道 しんどう』も情緒にかかわる。

心の不調は、この3つのツボあたりに反応が現れやすい。そんなときは、ちょこんと鍼やお灸をして、心に働きかける。

東洋医学では『心身一体』と考える。体の不調が長引けば、心も不調になりやすい。逆に、心の不調が長引けば、体も不調になりやすい。背中のツボに触れて、「体の調子はどうかな…」「心の調子はどうかな…」とツボに聞いてみる。

 

このように、『足太陽膀胱経』はとても重要な経絡なんだなぁ…。経絡全体の流れを良くしたい時には、棒灸がおすすめ。皮膚から数㎝離して温めるので、熱くはない。棒灸を首筋から足元までゆっくりと動かしながら温める。

 

コトーの住む町もやっと梅雨に入った。庭のあじさいが咲き誇っている。これから天候がどうなるか…。ゲリラ豪雨など災害に気を付けよう!

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑫~足太陽膀胱経・前編

赤いラインは、前回の特集で紹介した、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡。手の小指の先端にあるツボ『少沢 しょうたく』に始まり、頬骨(ほおぼね)の下にあるツボ『顴髎 けんりょう』を通り、耳の前にあるツボ『聴宮 ちょうきゅう』で終わる。

 

ツボ『顴髎』から枝分かれ、目の下から鼻の付け根まで上行し、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡の上のあるツボ『睛明 せいめい』につながる通路もある。

 

足太陽膀胱経。目頭と鼻の間にあるツボ『睛明』に始まり、額から頭頂部へと上行する。

 

そして、後頭部・うなじへと下行する。首の付け根から2本に枝分かれしながら、背骨と肩甲骨の間を下行する。さらに、お尻・太ももの裏を下行し、膝裏で2本は合流する。そのまま、ふくらはぎを下行し、外くるぶしの外を回って、足の甲の小指側を通り、小指の先端にあるツボ『至陰 しいん』で終わる。

メジャーな経絡12本の中で一番長く、ツボの数も断トツ!片側だけでも63個!この経絡は、ウエストあたりから枝分かれ、体内に入り、腎、そして膀胱につながる通路もある。

 

2つのイヤホンみたいのが腎臓。その下にあるのが膀胱。

 

赤い部分が、背中から見た腎臓。肋骨の下部にいるんだなぁ。

 

こちらは前から見た骨盤の中。女性の場合、直腸の前に子宮があり、その前に膀胱(水色)がある。東洋医学から見た、膀胱の働きは、西洋医学と同じ。腎で作られた尿を貯蔵し、ある程度たまったら排泄する。

 

新キャラクター登場!腎気!『腎のエネルギー』のこと。腎気は、膀胱の開け閉めや排尿量を調整する。腎は、成長と老化に深くかかわる。加齢により腎気が減少し、膀胱の機能が低下すると、失禁や頻尿、排尿困難などの症状が現れる…と、東洋医学では考える。

足太陽膀胱経は、頭のてっぺんから足先まで通っている。そのため、この経絡上のツボを使って、鍼灸治療をすることは非常に多い。また、各々のツボの働きが多様で、様々な症状を治すツボたちがこの経絡上にある。

次回からは、足太陽膀胱経の上にあるツボと鍼灸治療を紹介するよ~。さぁて、おまけの話。

 

福岡県久留米市にある、石橋文化センターの薔薇園に行ってきた。

 

ビロードの生地で作られたような、花びらの光沢感!

 

同じ赤でも、品種が違うとイメージもがらりと変わる。

 

ピンクも…、

 

花びらの形が違うと雰囲気が変わる。

 

黄色も…、

 

そうだねぇ~。おっ?!、道端に…。

 

近くに人が来ても気にせず、毛づくろい。「大きなアヒルだね」と、2歳ぐらいの子供に話しかけるお母さん。えっ?アヒル?

 

昼食をとってから、福岡県太宰府市にある日本経済大学内のイングリッシュ・ガーデンに行ってきた。ここにも薔薇がたくさん植えられている。

 

アーチに薔薇のツタが巻き付いている。

 

おっ!ここにも大きなアヒル???顔やくちばしが違うよねぇ。調べてみると、コブハクチョウという種類の白鳥と判明。1ヶ月前に雛(ひな)がかえったらしい。おーっ、バシバシ写真を撮っていたら、カメラのモニターに電池切れのマーク!おーっ、おーっ、おーつ!

福岡県福岡市にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。またねぇ~。

【動画で見る!ツボの取り方】手首の痛みや腱鞘炎、腕の小指側の痛みに働きかけるツボ『陽谷 ようこく』

じゃんじゃかじゃ~ん。当鍼灸院の待合室に、人体の骨格模型を置いている。右側から、紹介!膝関節を中心とした太ももの骨と膝下の2本の骨、手の骨、足の骨、肩甲骨と腕の骨と鎖骨、腰の骨と骨盤。

 

肩甲骨と腕の骨と鎖骨の模型。首こりや肩こり、五十肩の治療、特にパーソナルトレーニング(運動の実践と指導)をする時には、この模型を使って、肩関節のメカニズムを説明する。なぜ痛むのか…。どこがどのように動きにくくなっているのか…。それをストレッチングや運動でどんなふうに改善していくのか…。模型を見ながら説明すると、患者さんも理解しやすく、運動もしやすい。

 

膝関節の模型。膝周辺のツボ取り動画でも大活躍した。太ももの前の筋肉(=大腿四頭筋 だいたいしとうきん)は、膝に近づくと靭帯(じんたい)(画像の左側のオレンジ)になり、膝蓋骨をくるんで、膝下の骨につく。言葉だけでは伝えにくく、模型を見ていただくと、患者さんは「へぇ~」と納得される。

 

手首にあるツボ『陽谷 ようこく』のツボ取り動画の台本を書く手が止まった。うー!うー!うー!分かりやすく説明できない。よしっ!手の模型を購入しよう!と、思い立った。ツボの位置は、骨のある部分を基点にしていることが多い。手の骨格模型のおかげで、動画が撮りやすかった。あとで、動画を見てみてねぇ~。

仕事でも趣味でもどんなことでもアイデアが浮かぶと、コトーは実際にやってみたくなる。そして、手間がかかりつつも実行すると、期待通り、期待以上の出来上がりになる(自己満足かも…)こともある。いくつになっても、パッ!とアイデアが浮かぶ、柔軟な脳ミソでありたい!すぐ実行できる体力と気力も持ち続けたい!

『陽谷 ようこく』というツボは、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡の上にある。前回のブログで書いたが、この経絡上のツボは、首こり、肩こり、腕こり、指や手首の腱鞘炎の鍼灸治療でよく使われる。特に、小指の『指から肘にかけて』の痛みに、『陽谷』を用いる。

 

セルフお灸をするなら、台座灸がおすすめ。『陽谷』が手首の端にあるが、台座灸は底にシールが付いているので、『陽谷』に貼り付けやすい。興味のある方は、下にあるツボ取り動画を見てねぇ~ん。とその前に、昨日撮ったばかりの桜をどうぞ…。

 

おーっ、満開の桜並木。

 

桜の花がうじゃうじゃ!心がなごむ…。

You Tubeのサムネイル画像(=タイトル付の画像)も自撮りしている。変顔になることが多く、何度も撮り直している…。おばちゃんだって、頑張ってるぞー!福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑪~手太陽小腸経・後編

鍼灸師になる前、理学療法士として、脳性麻痺や脳血管障がいなどによる運動麻痺のある方の運動療法を行ってきた。東洋医学って西洋医学と全く異なるんだろうなぁ…。西洋医学の思考回路を切り替えないと!そんなことを思いながら、鍼灸師の養成校に通い始めた。しかし、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡を知った時、そんな思いが吹っ飛んだ。

腕や手指の運動障がいを治療する際には、腕や手指の運動性や支持性だけでなく、背骨も含めた体幹や肩甲骨の支持性を高めることも重要になる。

 

赤いラインが『手太陽小腸経』。『手の小指から始まり、腕の小指側を上行し、肩甲骨から肩を通るまでのライン』は、腕や手指の運動療法中に意識するところ!東洋医学も西洋医学も経験医学。歴代の治療家が治療をしていく中で、確立していった。共通点もあるんだなぁ…。

そんな理由から、指や手首の腱鞘炎、手も含めた腕の痛みやだるさの鍼灸治療でも『手太陽小腸経』の上にあるツボは、よく使う。

手首にある陽谷(ようこく)、肘にある小海(しょうかい)、脇の下にある肩貞(けんてい)、肩先にある臑兪(じゅゆ)、肩甲骨にある天宗(てんそう)・秉風(へいふう)・曲垣(きょくえん)、肩にある肩外兪(けんがいゆ)・肩中兪(けんちゅうゆ)。

もちろん、首こり・肩こりの治療の際にも、これらのツボを使って、筋肉のコリをほぐす。

よく使うツボがもう1個ある。耳の前にある『聴官(ちょうきゅう)』。

 

耳の周りにはたくさんのツボがある。

 

耳の前に縦に3個のツボがあり、その中央が『聴官』。突発性難聴や急性期の耳鳴りの治療に用いる。短くて細い鍼をちょこんと10~15分くらい、このツボに置く。

耳の症状が現れてから時間が経つと、鍼治療をしても改善は難しいと言われている。聞こえにくさや耳鳴りが気になり始めたら、すぐに治療を受けていただきたい!耳のトラブル時には、血の巡りが滞っていることが多く、首こりや肩こりも解消して、耳周辺の血流を促すことも大事!

この経絡は小腸にもつながっているが、腸のトラブルの時には、別の経絡上にあるツボで治療することが多い。もうすぐ登場するよーん。

難しい内容の特集ブログに長く付き合っていただき、誠に感謝しています!!次回のブログでは『手太陽小腸経』のツボの中で、自分でも取れるツボを紹介するよ。動画も撮ったよ。よろしくぅー!

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑩~手太陽小腸経・前編

おーっ、イラストの胃がかすんでる!すみません!分かりますか?

口から取り込んだ飲食物は、胃でドロドロになる。

 

胃気(いき)!久しぶりに登場!胃のエネルギーのこと。胃気の持つ『下降させる力』で、ドロドロになった飲食物は胃から小腸へ下行する。そして、小腸で飲食物は更にドロドロド~ロになる。ドロドロド~ロになった飲食物は、体にとって必要な物(=栄養となるもの)と必要でない物に分けられる。

 

ここで登場するのは脾気(ひき)!脾のエネルギー!『上昇させる力』を持つ。体に必要な物は脾気の力で全身に行き渡る。

 

そして、体にとって不必要な『液体』は膀胱へ、不必要な『固形物』は大腸へと、胃気の『下降させる力』で運ばれる。おーっ、東洋医学から見た小腸の働きは、分かりやすいねぇ~。

前回の特集ブログで紹介した『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。赤いライン。脇の下にあるツボ『極泉 きょくせん』に始まり、小指の先端・内側(薬指側)にあるツボ『少衝 しょうしょう』で終わる。体内では臓器の『心 しん』につながる。

小指のツボ『少衝』と結ばれているのは…。

 

『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡。手の小指の先端・外側にあるツボ『少沢 しょうたく』に始まり、手の甲の小指側を通り、肘を上行し、肩甲骨から首の横を通り、頬骨(ほおぼね)の下にあるツボ『顴髎 けんりょう』、そして、耳の前にあるツボ『聴宮 ちょうきゅう』で終わる。この経絡の上にツボが19個。

このメインの経絡以外に2本、枝分かれる。1本目は…。

 

青いライン。肩にあるツボ『肩中兪 けんちゅうゆ』から枝分かれ、別の経絡の上にあるツボ『大椎 だいつい』を通って、

 

赤いライン。肩の前から鎖骨の前のくぼみへ下り、そこから、体内に入り、臓器の『心 しん』とつながる。そして、食道に沿って下行し、横隔膜を貫き、胃を通って、小腸とつながる。長いねぇ~。

『心』と『小腸』は表裏関係。心が持つ『温煦作用 おんく・さよう』(温める作用)は、先に述べた小腸の働きを促す。

メインの経絡から枝分かれる、2本目の経絡は…。

 

青いライン。頬骨の下にあるツボ『顴髎 けんりょう』から枝分かれ、目の下から鼻の付け根まで上行し、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡の1番目のツボ『睛明 せいめい』と結ばれる。

 

『睛明 せいめい』は、鼻と目頭の間にある。

 

頬にある『客主人』という文字の下に『顴髎 けんりょう』がある。耳の前にある縦3個のツボのうち、中央が『聴宮』。『顴髎 けんりょう』とマゼンダ色(=手太陽小腸経)で結ばれているよ。

今回のブログでは、『顴 けん』『髎 りょう』『兪 ゆ』『煦 く』『睛 せい』と、日本では馴染みのない漢字がたくさん出てきた。東洋医学は中国が発祥で、日本の漢字には該当しない、中国漢字があるんだなぁ…。

今回のブログはイラストもたくさん載せた。コトーは絵を描くのが嫌いではないが、同じ顔が描けない…。ツボ・モデル子ちゃんは何枚もコピーして、経絡を描いている。どうやったら同じ顔が描けるようになるのかなぁ…。練習するのみ?

次回のブログは、『手太陽小腸経』の上にあるツボたちを紹介するよ~ん。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。