コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

ツボの宇宙…

皆さんは北斗七星を見たことがありますか?

私は小学生の頃、習い事の帰り道に1回だけ

見たことがあります。

 

古代の中国人は北斗七星の第一星を天枢(てんすう)とし、

天にある星々をまとめる…と、考えていたそうです。

また、医学的には、ヒトの体を天地に見立て、

おへそから上を『天』、下を『地』としていました。

 

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おへその外側にある『天枢』というツボ。

天と地の境の要所にあるので、

この名前がつきました。

かっこいいネーミング!

ここに鍼やお灸をして、胃腸など消化器のトラブルを

治します。

 

夜道を歩いていると、視線を感じることがあります。

その方向を見ると、夜空を照らすお月さん。

おやおや、こんばんは!

 

『日月 じつげつ』というツボは胸の下、

わき腹の近くにあります。

太陽と月にちなんでつけられた名前だと

勘違いをしていました。

この名前の由来は、『明快』『明解』『明確』など

『はっきりとした』という意味を持つ『明』からきています。

お月さんとは関係がありません。

フェイントぉ~!

胸苦しいときなどに、このツボを使います。

 

冬の大三角形、オリオン座…。

小さい頃はよく眺めていました。

今は夜空が明るすぎて、なかなか見ることができません。

 

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『上星 じょうせい』というツボは、前髪の生え際の

上にあります。

『上』は高いところ。

『星』は夜空の星のこと。

古代の医学では、目は太陽・月・星に似ているとされ、

このツボが目に届くような高い位置にあるので、

『上星』という名前がつきました。

ツボに短くて細い鍼をちょこんとして、鼻づまりや

鼻炎を治します。

 

東洋医学は、ヒトと自然界にあるモノとのつながりを

重要視しています。

ツボの名前にも、天・地・山・谷・海・池・泉など

自然界にあるモノがたくさん使われています。

各々のツボの特長を、自然界にあるモノの特長に

置き換えて表現するなんて、スケールの大きさに

圧倒されます!

 

納めるツボ…

あっという間に大晦日ですね。

コトーは今日が仕事納めです。

今年最後のブログは、『納める』ツボを2つご紹介します。

 

すぐ思いつくのが『至陰 しいん』。

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このツボは、足の小指にあります。

 

 

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この赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』

という経絡。

 

この経絡は、目頭の近くにある『睛明 せいめい』というツボで始まり、

『至陰』で終わります。

経絡は体全体に張り巡らされた通路のことで、

12本あります。

それらはすべて繋がり、1本の輪になっています。

この『足太膀胱経』は、『足少腎経 あし・しょういん・じんけい』

という経絡に繋がります。

』の経絡が『』の経絡に到達するツボなので、

『至陰』と名付けられました。

このツボは、逆子を治すツボとして超有名なツボです。

 

 

もう1つご紹介したいのが、『期門 きもん』。

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9番目の肋骨の際にあります。

ツボ・モデル君の猿シールが貼ってあるところです。

 

 

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このツボは、『足闕陰肝経 あし・けついん・かんけい』

という経絡の一番最後のツボです。

 

経絡には流れ方があります。

『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡から始まり、

10本の経絡を経て、『足闕陰肝経』で一周し、

また『手太陰肺経』から始まります。

 

『期』は一周という意味。

『足闕陰肝経』の終点であり、一周の終点でもあるので、

このツボは『期門』と名付けられました。

胸周辺の痛みや、お腹の張りなどを治すのに

用いられます。

 

 

皆さん、今年はどんな年でしたか。

コトーは1年中新しいことに取り組んでいました。

昔から、面白そうなことには手を出す性分ですが、

楽しいだけではありません。

新しいことって時間がかかるし、つまずくこともあり、

ストレスもかかります。

それでも、チャレンジするのはなぜ?

年の瀬になって、やっとその理由が分かってきました。

 

新しいことは自分の知らない世界であり、

自分とはまったく違う考え方をする人に出会え、

触発されます。

また…、

新しいことに取り組む際でも、

自分が経験したことを基に行動すると思いますが、

それが通用するときもあれば、通用しないときもあります。

今の自分を試され、何が足りないのか、よく分かります。

 

経絡のように一周してきたとき、

同じ高さではなく、

らせん階段のように少しでも上昇したい…。

新しいことに取り組むことがステップアップに繋がる!

と信じて、来年もチャレンジするよーっ!

 

皆さん、年賀状は出しましたか?

コトーはまったく手付かずです。

ぎゃぁ~~~!

元旦は年賀状作りにチャレンジです!

こんなコトーのブログにおつきあいいただき、

ありがとうございます。

来年もよろしくお願いいたします。

皆さま、よい年をお迎えください!!!

 

足にまつわる話・その3~遠隔操作の足のツボ

あじゃじゃじゃぁ~、随分ご無沙汰です。

皆さん、お元気でしたか。

足にまつわる特集を組んでおきながら、

こんなに間隔が空いては…。

失礼しました!

 

第1弾が『扁平足と外反母趾』、

第2弾が『足に優しい靴選び』、

第3弾の今日は、特徴のある足のツボを2つご紹介します。

 

1つめは、『足臨泣 あしりんきゅう』。

 

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足の薬指と小指の骨の間にあります。

このツボは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』という

経絡の上にあります。

 

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赤いラインがその経絡。

頭には『頭臨泣 あたまりんきゅう』というツボもあります。

『足臨泣』も『頭臨泣』も『泣』という漢字が入っているとおり、

目の症状を治すときに使います。

 

目から遠いツボなのに、なぜ使うのか…。

『足少陽胆経』という経絡は目にもつながっています。

この経絡の上にある『頭臨泣』や『足臨泣』に鍼やお灸をすると、

この経絡の流れ、そして目の症状も改善します。

 

同一の経絡上にある2つのツボで、

似たような名前、かつ同じ働きをするのは、

珍しいです。

 

2つ目は『裏内庭 うらないてい』。

 

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足の裏にあります。

このツボは経絡の上にありません。

『内庭』という、足の甲にあるツボの真裏に、

『裏内庭』があります。

 

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『内庭』は『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という

経絡の上にあります。

この経絡は胃にもつながっています。

『内庭』も『裏内庭』も胃のトラブルを治すときに

用います。

『裏〇〇』と名付けられるツボは、とっても珍しいです。

 

鍼やお灸で用いるツボは、こんなふうに症状のある部位から

離れたツボもよく使います。

遠隔操作でちょちょいのちょい!

 

さぁて、足にまつわる、おまけの話…。

私は昔から人様の足の形を見るのが大好き!

ヒトはこの世に生まれて、つかまり立ちをし、

伝い歩きをし、一人で歩けるようになり、

それからずーっと足で体重を支えてきました。

 

明治、大正生まれの方の足は、骨格ががっしりして

かっこいい!

幼少のころ、飛行機や電車、バス、くるまなど

便利な乗り物はなく、遠くまで歩いたから、

骨格がガシッと発達したのかなぁ…。

 

赤ちゃんのように、足の裏全体がぷにゅぷにゅ

柔らかい足を見ると、車でばかり移動して、

長時間歩いたり立っていないのかな…って、

生活スタイルを想像します。

 

足の形は、その方の人生の軌跡を語っています………。

 

月夜に想うツボ…

数日間、お月様がきれいでしたね。

月光浴をしていたら、月夜の風景がポワン、

ポワン…と頭の中に浮かんできました。

 

鍼灸の修行のため、中国に留学していたときのこと。

留学地から一番近いのは、南京空港。

朝出発の便だったので、前夜は南京のホテルに泊まりました。

フロントで、空港までの時間を尋ねると、車で1時間!!!

旅行会社には、空港から一番近いホテルを頼んだのにぃ~!

翌朝5時半に、ホテルが手配した車に乗り込み、

真っ暗闇へ、ゴーッ!

民家がほとんどない田舎道を延々と走り、

どこへ連れて行かれるのか、不安は募るばかり…。

一人ぼっちの心細さを救ってくれたのは、

地平線すれすれに浮かぶ、どでかーい満月でした。

 

次に浮かんできた月夜の風景は、

郊外の一軒家に住んでいたときのこと。

毎日残業があり、自宅の庭に車を止めて外に出ると、

あたりは真っ暗闇。

玄関のドアの鍵を開ける時は、手探り状態。

満月の日は鍵穴が見え、お月様の有難さを

しみじみと感じていました。

 

私は鍼灸師になる前に、理学療法士(リハビリ)の

仕事をしていました。

理学療法士の養成校に通っているときのこと。

最終学年は、3か所で8週間ずつインターン実習がありました。

3か所目は、田んぼの中にどでん!とある病院でした。

その地域はミカンの産地で、農家のだだっ広い庭の

隅っこには、収穫期に出稼ぎに来る人たちを泊める

プレハブ小屋がありました。

実習期間中の住居として、学校はそこを借りていました。

雨の日には、トタン屋根がうるさく、ラジオが

聞こえない…。

プレハブ小屋の外に、ぽっちゃんトイレとお風呂場があり、

夜は懐中電灯が必要でした。

安い中古の自転車を購入し、車もほとんど通らない

道を通っていました。

帰り道に月夜に照らされたのは数えるほど…。

真っ暗闇の中、自転車を走らせていると、

急に後ろから車のクラクションを鳴らされ、

慌てて外によけた瞬間、体ごと真下に落ちる感覚…。

気づくと、自転車ごと側溝の中に立っていました。

8週間の実習を終え、都心に戻ってきたとき、

電灯の有難さをしみじみと感じました。

 

おっとっとー、前置きが長すぎーい!

今日は、『月』にちなんだツボを紹介します。

 

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『日月 じつげつ』

7番目と8番目の肋骨の間にあります。

上の写真では脇腹近くで、青いラインの上にあります。

 

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赤いラインは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』

という経絡。

この経絡の上にあるツボ44個の中で、『日月』は

とっても重要なツボです。

足少陽胆経は、五臓六腑の『胆』ともつながっています。

東洋医学では、『情緒は臓器がつかさどっている』と考えます。

決断と勇気をつかさどっているのは、『胆』。

決断とは、その明(=真理)を求めることであり、

明の字は日と月から成り立っているので、

このツボは『日月』と名付けられました。

説明が難しいツボを選んじゃったなぁ~。

なんとなく伝わったかなぁ…。

『日月』は、肋間神経痛や肋骨下の膨満感などの

治療に用いられます。

 

ツボの名前の由来って、しゃれてる!

また、紹介しますね。

 

庭のツボ

1ヶ月前に、仕事場の庭の剪定がありました。

毎年、春と秋に自分で草取りや庭木の剪定を

していました。

今年の春はさぼってしまい、

小さな庭もジャングル化!

植木屋さん! ありがたい!!!

 

剪定当日、仕事を終え、ブラインドを開けて、

庭を見ると………、

うっ! 緑がない! モミジだけ!

 

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これは、鍼灸院を開設するときに、

看板を取り付けている写真。

左のもみじは健在ですが、右の桜のような古木は

剪定で切り取られていました。

 

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こんなに可愛い花を咲かせていたのに…。

 

「植木屋さんとフェンス越しに軽く打ち合わせをしたけれど、

もう1回、庭で事前に確認しあえばよかった」

「今年も春先に自分で、剪定すればよかった」

後悔はつきません。

時々、切り株を覗き込みますが、

脇からちょろちょろっと新芽が出てくる気配はありません。

 

最近の長雨で、ぐんぐん雑草が顔を出しています。

どんな形であれ、生きるものがあってこその

『庭』なんですね。

 

 

『庭』といえば…、

メジャーなツボに『内庭 ないてい』と『神庭 しんてい』が

あります。

今日は、『内庭』というツボをご紹介します。

 

foot

 

足の甲で、人差し指と中指の間の延長上にあります。

『内』は深部、『庭』は居住地を意味します。

このツボは、近くよりも遠く離れた頭部、心、腹部などの

症状を治し、表よりも奥に作用するので、

『内庭』と名付けられました。

 

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赤いラインは、『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』

という経絡です。

黒目の下の『承泣 しょうきゅう』というツボから始まり、

口の横、こめかみ、のど、胸、おへその外側、太ももの前…、

と下って、足の人差し指で終わります。

『内庭』は、この経絡の上にのっています。

 

ツボに鍼やお灸をすると、経絡が刺激され、

経絡が通っている部位の症状を改善します。

『内庭』というツボに鍼やお灸をすると、

『足陽明胃経』という経絡が刺激され、

経絡が通っている頭部や心、腹部の症状を治します。

遠隔操作(?)ですね。

 

ツボの由来は諸説あります。

もう1つご紹介!

『手足がカチコチに冷え、じっと横になりたがり、

物事や声を聞きたがらず、奥の部屋に閉じこもってしまう』

症状を治すことから、『内庭』と名付けられました。

名前の由来って、とっても興味深い!!!

機会があったら、またご紹介します!