1.まず、自分の『今の姿勢』を把握しよう

背骨を横から見ると、7個の頸椎(けいつい)(=首の背骨)は、軽く前方へ弯曲している。12個の胸椎(きょうつい)(=胸の背骨)は、軽く後方へ弯曲。5個の腰椎(ようつい)(=腰の背骨)は、軽く前へ弯曲。これらの弯曲により、背骨にかかる負荷を分散させている。

猫背になり、顎(あご)を前方へ突き出す姿勢(=ストレートネック)になると、頸椎の真上に頭蓋骨がのっていないので、首コリや首の痛みの原因になる。

イラストのように、耳たぶ肩先大転子(だいてんし)(=太ももの骨の頭の膨隆部)膝蓋骨(しつがいこつ)の後ろ外くるぶしの約2㎝前が、一直線になるのが理想の姿勢

後ろの壁に寄りかかって立ってみよう。足を肩幅に開き、お尻肩甲骨後頭部を壁につけてみる。後ろに傾いている感じがするならば、猫背で顎を前に突き出すのが、普段の姿勢になっているかも…。

腰と壁の隙間に片手(手のひらが壁側)が入るのは、標準。両手が入るときは、腰が反りすぎて、でっちりになっているかも…。片手も入らないときは、腰の部分も猫背になっているかも…。

スマホ操作など手作業に熱中している時に、こそっと、家族や友人に写真や画像を撮ってもらうのもおすすめ。横から撮ると体の前後の傾きが、後ろから撮ると体の左右の傾きが分かる。

 

2.『4つのコツ』で、理想の姿勢を身につけよう

①後方の壁に寄りかかり、おなかをひっこめたり、腰を反らして、腰と壁の隙間が手のひら1枚分になるよう試みる。

を少し引く。

③頭のてっぺんから真上に引っ張られるよう、全身をのばしてみる。

④体重が右あるいは左に片寄っているなら、できるだけ均等にする。

難しいかったら、少し膝を曲げよう。

その姿勢のまま、右、左、と一歩ずつ足を前に出してみよう。首や背中を反らし続けているみたいで、きつい~と感じる方は、姿勢を保つための筋肉の柔軟性や筋力が足りないのかも…。

長い年月をかけて姿勢が崩れているので、すぐには理想の姿勢にはなれない。ときどき、後方の壁に寄りかかり、理想の姿勢を全身の筋肉に覚えてもらおう。意識しないと、すぐに戻っちゃうぞー。

 

3.首こりや首の痛みに対してのストレッチや運動をするときにも、理想の姿勢を意識しよう

猫背や顎を前方へ突き出したままの姿勢でストレッチや運動をすると、首や体幹の前・後ろ・右・左の筋肉がバランスよく動かせない。無理をすると、背骨の関節をいためてしまう。

理想の姿勢を意識しながら首を動かすコツは2つ。1つ目は、少し顎を引くこと。そうすると、7個の頸椎の前にくっついている筋肉が働き、頸椎が前方へ行き過ぎるのを抑えてくれる。もちろん、頭や体幹を後方へ反らして、首や体幹の前の筋肉をストレッチする時には、顎を引いていられないけれど…。

顎の前方への突き出しが強い場合、頸椎の前にくっついている筋肉は休んでいる。更に前方への突き出しが進むかもしてないので、気をつけよう。

理想の姿勢を意識しながら首を動かすコツの2つ目。頭のてっぺんから真上へ(=頭のてっぺんと顎の中央を結んだ線上)、ちょっと引っ張られている感覚でストレッチングや運動をする。首や体幹の前・後ろ・右・左の筋肉がバランスよく働きやすい。

首こりや首の痛みに対するストレッチや運動は、You Tubeなどでたくさん紹介していると思うが、上記の2つを意識しながら取り組んでほしいなぁ…。

 

↑ 後ろから見た背骨。

 

↑ 横から見た、頭蓋骨と頸椎と上部肋骨

背骨の中央には空洞があり、その中を神経(黄色)が通っている。

無理なストレッチや運動は、筋肉だけでなく、7つの頸椎が作る関節や神経を痛めることもある。気をつけよう。

また、首から腕にかけてしびれていたり、腕や指に力が入らない時は、頸椎の中の神経が痛んでいるかもしれない。まず、整形外科などで診てもらおう。

 

4.首を冷やさない

真冬だけでなく、冷房が効いた室内に長くいる時には、首の筋肉を冷やさないように、首にスカーフなどを巻こう。

 

5.入浴は浴槽につかろう

温かい湯船につかると、温かい血液が全身をめぐり、全身の疲れ切った筋肉がほぐれやすい。年間を通して、湯船につかってほしい。

 

6.体に合った敷布団と枕を使い、その日の疲れが取れる睡眠時間を確保しよう

敷布団は体が沈み込みすぎても沈まなくても、体のリラックスを得にくい。また、枕をした時、首と敷布団の隙間を枕が埋めてくれると、首はリラックスしやすい。

寝ている間に痛んだ筋肉は修復される。睡眠時間が短いと、筋肉が復活しきれないまま、使うことになる。成人の頭の重さは約5㎏。起きている間、ずーっと首が5㎏を支えている。横になって5㎏の重さを解放し、体をしっかりと休ませてあげよう。

 

7.下を向きっぱなしの日常生活を変える

上記の6つのセルフケアにチャレンジしても、日常生活の中で、首に負荷のかかるマイナスの要素が大きければ、首こりや首の痛みはなかなか改善しない。

下を向きっぱなしの日常生活ならば、下を向くどの場面を削ることができるかを考え、実行しよう。スマートフォン?タブレット?パソコン?読書?テレビ?

 

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