長く座ったり立っていると、お尻が痛くなる…。CTやMRIを撮っても異常がない…。肛門付近が痛いので泌尿器科まで行ったけれど、どうもない…。原因がわからず、鎮痛薬を飲み続けるしかない…。

坐骨結節部痛(ざこつけっせつぶつう)の方の問診をしていると、とても切なくなる。

この痛みは関節や神経、内臓に由来するものではなく、筋肉が原因のことが多い。

 

坐骨結節部痛に関係する筋肉たち

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右脚、後面。

赤の部分は、太ももの後ろにある3つの筋肉。大腿二頭筋(だいたいにとうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)。主に、膝を曲げるときに働く。

長時間の立ち仕事や過度の運動などにより、これらの筋肉が硬くなり充分に伸びきれないと、坐骨結節部痛(ざこつけっせつぶつう)を生じることがある。

ほとんどの筋肉の両端は骨につき、筋肉の痛みは筋肉の端っこ、骨との接点で感じることが多い。さきほどの3つの筋肉の上端は、骨盤の下方にある坐骨結節(ざこつけっせつ)についている。

 

坐骨結節を感じてみよう!

椅子に腰かけて、左右のお尻の下に手のひらを置き、上半身(骨盤を含む)を前後に大きく傾けると、手のひらにコリコリした骨を感じるはず。それが坐骨結節。

ソファーなど座面が柔らかいと分かりづらい。坐骨結節は肛門の近くなので、手のひらをお尻の中のほうまで置かないと分からないよ~!

腰かけている時、坐骨結節は椅子の座面に当たっている。ということは、3つの筋肉もずーっと圧迫されている。これらの筋肉がカチコチに縮んでいると、長時間の椅坐位でも、坐骨結節の部分に痛みが生じやすい。

 

3つ筋肉の柔軟性をチェーック!

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あおむけで、両脚(あるいは片脚)を上げ、手でふくらはぎを支えながら膝を伸ばしてみよう!手がふくらはぎに届くかな???

脚が上げにくかったり、膝が伸ばしにくい場合、3つの筋肉が縮まっているかもしれないぞう!

えっ?ふっくらおなかがつかえて、ふくらはぎに手が届かない?

う~~~ん………。

 

坐骨結節部痛におすすめの鍼灸治療

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ガシッ!とした3つの筋肉をほぐすには、灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめ。鍼先にモグサをつけて、お灸もする!

坐骨結節周辺の他の筋肉もカチコチに硬いことがあるので、それらの筋肉の柔軟性を出すことも大切。

これらの筋肉が柔らかくなると、股関節や膝関節の動かせる範囲が広がり、筋肉の耐久性も増すので、長時間座ったり立っても、坐骨結節が痛くならないよ。

福岡県福岡市にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士でした。