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腰痛や首・肩こりなどで当鍼灸院に来られる方に、
ストレッチング方法を指導することがあります。

口頭で説明することが多かったのですが、
ストレッチングに関して原稿を書いてみました。
ブラッド・ウォーカー氏の『ストレッチングと筋の解剖』という本
(監訳・栗山節朗氏、訳・川島敏生氏)を基に、
自分の経験を交えています。
ブログでもご紹介します。

<ストレッチングとは?>

特定の身体部分をゆっくり動かし、特定の姿勢に保つことにより、
ある特定の筋肉・靭帯(じんたい)・腱・筋膜・皮ふを伸ばす。

<ストレッチングのメリット>

1.筋肉が硬くなると、関節の動かせる範囲が狭くなることも…。
ストレッチングにより、筋肉などに柔軟性が出ると、
関節の動かせる範囲が広がり、体が動かしやすくなり、
ケガをしにくくなる。

2.筋肉が柔軟になると、筋肉の潜在的パワーが向上する。

3.運動後に適切なストレッチングを行うと、運動後の筋肉痛を軽減できる。

4.筋肉の柔軟性が高まれば、筋肉疲労がしにくくなる。

5.定期的にストレッチング・プログラムを行うことで、姿勢がよくなり、
血の巡りもよくなり、エネルギーが増大し、
リラクゼーションやストレス緩和にも役立つ。

<安全なストレッチングのための原則>

1.ストレッチング前にウォームアップを行う
温まっていない筋肉を伸ばすことは、
古く、乾いた輪ゴムを引き伸ばすことに似ており、
パチンと切れてしまうことも…。
筋肉自体の温度を上昇させることで、筋肉を緩ませ、
しなやかに筋肉の柔軟性を出すことができる。

2.運動の前後にストレッチを行う

運動をするときは、運動の前と後の2回、
ストレッチングをすることがおすすめ。
運動前のストレッチングにより、ケガが生じにくくなる。
運動後のストレッチングは、激しい運動に伴う筋肉硬直や、筋肉痛を防ぐ。

3.ストレッチングする筋肉と、その反対側の筋肉もストレッチをする

体のすべての筋肉には、それに対して逆に作用する反対側の筋肉がある。
例えば、太ももの前側の筋肉(膝を伸ばす働き)は、
太ももの後ろ側の筋肉(膝を曲げる働き)と向かい合っている。
この2つの筋肉は強調して働き、膝の動きをなめらかにしている。
一方の筋肉だけストレッチングをし、他方より強く柔軟になると、
強調して動かせなくなり、関節の動きに影響することも…。

4.優しくゆっくりストレッチングを行う 

優しくゆっくりとしたストレッチングを行えば、筋肉がリラックスできる。
また、素早く急な動作によって引き起こされる
筋肉の断裂やケガを予防できる。

5.筋肉の張りを目安にストレッチをする 

ストレッチングは決して痛みを伴う運動ではなく、
快くリラックスでき、体にとってプラスになるもの。
痛みが生じるまで筋肉が伸ばされると、
『伸張反射 しんちょう・はんしゃ』と呼ばれる防御機構が働く。
これは、筋肉・腱そして関節に重大な損傷が発生するのを防ぐ、
身体の安全装置!
筋肉を収縮させ、さらに伸ばされることを防ぐことで、
筋肉と腱を保護する。
反射なので、無意識に働くもの。
過度の痛みをがまんしながらのストレッチは、この反射が働き、逆効果!
気持ちよく感じる範囲内で、筋肉に張りが感じられるところまでの
伸張とする。

6.ストレッチング中は、ゆっくり楽な呼吸をする

ストレッチングの間、呼吸を止めると、筋肉が緊張し、
筋肉は伸びにくくなる。
ゆっくり深く呼吸をしながら行うと、筋肉が緩みやすく、
血の巡りもよくなる。

効果的なストレッチングには、以上のようなコツがあります。
参考になりましたでしょうか。
次回は、『適切なストレッチングの方法』をご紹介します。

当鍼灸院では、一人ひとりにあった鍼灸治療、
そして一人ひとりにあったストレッチング方法を指導いたします。

古く、乾いた輪ゴムを引き伸ばすことに似ており、
パチンと切れてしまうことも…。
筋肉自体の温度を上昇させることで、筋肉を緩ませ、
しなやかに筋肉の柔軟性を出すことができる。