今日は前回に引き続き、『皮膚』にまつわる話におつきあい下さい。
東洋医学は、西洋医学のような血液検査やレントゲン撮影など
器具を用いた診察をしません。
視覚・聴覚・嗅覚・触覚などの五感をフル活用して、
目の前の症状の原因とその治療方法を判断します。
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その診察方法の中に、『望診 ぼうしん』があります。
患者さんの顔色・つや・表情や、体つき・姿勢・動作などを観察します。
青白い顔色の人に、「調子悪いの?」と声をかけたり、
赤ら顔の人に、「熱でもあるの?」と尋ねたり…。
健康状態は顔色に表れますよね。
顔だけでなく、他の皮膚もしかり。
うぶ毛って、倒れている方向が一定ですが、
部分的に渦を巻いていたり、反対方向に倒れていたり、密集していることがあります。
症状のある部位の皮膚、例えば腰痛の方は腰の部分のうぶ毛が
そのようになっていることがあります。
皮膚のつややくすみ、かさつきなどもチェックします。
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皮膚をつかさどっているのは、五臓六腑の中の『肺』。
肺の働きが正常だったら、皮膚はうるおい、
暑い時には汗を出し、寒い時には鳥肌を立たせ、
環境の変化にいち早く対応します。
正常でなくなると、皮膚がかさついたり、湿疹や浮腫などが現れることもあると、
東洋医学ではみています。
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さあ、ここで2週間前に登場したツボ・モデル子ちゃんに再登場していただきましょう!
『手の陽明大腸経 ようめい・だいちょうけい』という経絡。
この経絡上にあるツボは、皮膚病の治療に用いられます。
ツボって、皮膚を見ただけではどこにあるかわかりませんよね。
ツボを押してみると、コリコリと硬かったり、くぼんでいたり、
イタ気持ちよかったり、ぶにょぶにょしていたり…。
他のところとビミョーに違います。
経絡の流れが悪くなっていると、その経絡上にあるツボたちのうち、
他のツボとはビミョーに違う反応のツボがあり、
そのツボに鍼やお灸をして、
経絡の流れをよくして、症状を改善します。
先ほどの五感のうち『触覚』がとても大事です。
指先にぐぐーっと意識を集中します!