特集を組んでおきながら、ブログを更新するのが遅くて、

すみませーん!

第1弾では手の操作について、

第2弾では手を動かすのに必要な骨や筋肉について、

ご紹介しました。

第3弾の今日は、腱、腱鞘、そして腱鞘炎について書いてみまーす!

 

 

flexor_digitorum_profundus_002
*手のひら側*

 

親指以外の4本の指を曲げる筋肉、『深指屈筋 しんしくっきん』。

尺骨(しゃっこつ)(腕の骨)の肘近くから、

末節骨(まっせつこつ)(指の先端の骨)についています。

この筋肉は、手首周辺から指までは『腱』になっています。

 

 

muscle_tendon_002
*筋肉と腱と腱鞘*

 

骨付き肉ではありません。

筋肉の左端が腱になり、腱を包んでいるのが腱鞘です。

腱鞘は、腱のすべりをよくしています。

この腱鞘の炎症が腱鞘炎。

その中でも、手を使いすぎたために起きる腱鞘炎を

『狭窄性腱鞘炎』といいます。

腱が膨隆したり、腱鞘が厚くなり、

腱が動くたびに腱鞘と摩擦を生じ、

腱鞘炎になります。

 

 

palm_muscle_tendon_002
*手のひら*

 

赤が筋肉、肌色が腱、緑色が腱鞘です。

手には、手首と指に腱鞘があります。

 

手の腱鞘炎には、『de quervain (ドゥケルバン)病』と、

『弾発指(=バネ指)』、そして『手根管症候群』があります。

 

ドゥケルバン病は、手の使い過ぎにより、

親指を動かす腱に炎症が起こります。

つまみ動作や手首を捻る動作、

例えば、ペットボトルのキャップをはずす動作時に、

手首の親指側に痛みが生じ、

炎症が強まると、圧痛や腫脹がみられます。

 

 

『バネ指』は、5本の指の腱鞘部分が厚くなったり、

そこを通る腱が膨隆して、

指の曲げ伸ばしがスムースにはできません。

悪化すると腱鞘の出入り口で腱が引っかかり、

ロッキングされた状態になり、痛みも伴います。

さらに進行すると、指の屈伸ができなくなります。

 

『手根管症候群』は、手根管内を通る神経が圧迫され、

手指のしびれ、感覚障害、親指の筋力低下が生じます。

もう1度、上の『手のひら』の手描図を見て頂けますか。

横手根靭帯(おう・しゅこん・じんたい)という靭帯が手首にあり、

その下に手根管という空間があり、

そこに神経や腱が通っています。

腱鞘炎などで腱がふくれると、この空間が狭くなり、

神経が圧迫されるわけです。

 

炎症には安静が第一!

でも、手は使わずにはいられませんね。

どの腱鞘炎も痛みのために、不自然な手の動かし方となります。

長期化すると、腕、肩、首、背中までこってきます。

次回は、これらの腱鞘炎の治療についてご紹介します。

 

今日も難しい話におつきあいいただき、ありがとうございます!

『腱鞘炎』をテーマに特集を組むのが、こんなに難しいとは

思わなかったなぁ~~~~~~~~~~。

 

急に寒くなりました。

皆さん、かぜなど引かないように、気をつけてくださいね!