特集ブログ『腱鞘炎』!

4回目の今日は、腱鞘炎の治療方法について書いてみます。

 

 

西洋医学の治療は、症状の程度によって異なります。

初期の段階では痛みやしびれが生じ、

消炎鎮痛剤やビタミンBの内服薬が処方されます。

炎症を起こしているので、手の安静も大事です。

手の装具をつけることによって、

炎症を起こしている部位を固定し、

炎症を抑える方法もあります。

痛みやしびれが強い場合は、ステロイド注射を行います。

炎症が強く長く続き、

筋肉の委縮や指の運動制限が著明になると、

手術療法をすすめられます。

 

 

手の腱鞘炎は女性に多く、

女性専門の当鍼灸院にも、手の痛みに悩んでいる方が来られます。

手を酷使する原因は仕事や家事、育児であることが多く、

それらを回避することはなかなかできません。

痛みを我慢しながら手作業を続けると、

手の使い方が不自然になり、

腕や肩、首、背中の筋肉までこわばってきます。

また、反対の手を使うことも多くなり、

反対の手や腕の筋肉疲労もみられます。

 

 

鍼灸治療では痛む部位だけでなく、

腕、肩、首、背中、そして反対の手や腕にも鍼やお灸をしています。

また、手の痛みやしびれ、動かしづらさが続くと、

ストレスもたまります。

心もリラックスできるような鍼灸や声掛けを心がけています。

 

 

私は鍼灸師になる前、

運動療法を行う理学療法士を20年間してきました。

腱鞘炎の手と、反対の手の使い方を評価しますが、

両手とも、手に負担がかかる使い方、動かし方をしている方が多いです。

そのクセを治し、

硬くなりがちな手の筋肉のストレッチをまめにすることは、

腱鞘炎を治し、ぶり返さないために大切だと思います。

 

 

仕事や家事、育児など手の負担のかかる作業をしているときに、

テーピングやサポーター、装具をすることもおすすめです。

 

 

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*手首のテーピング*

 

これは、手首周辺の痛みに対してのテーピングです。

固定力が弱く、強い痛みには合いませんが、

手作業の妨げにはなりません。

 

 

 

腱鞘炎の治療で、当院に来られていたNさんにサポーターと装具を借りてきました。

 

 

hand_brace_001_01
*手の装具① 手の甲側*

 

 

*手の装具① 手のひら側*
*手の装具① 手のひら側*

 

 

*手の装具② 手の甲側*
*手の装具② 手の甲側*

 

 

*手の装具② 手のひら側*
*手の装具② 手のひら側*

 

支柱つきのがしっとした装具は固定力が強く、

痛みが強いときや、夜間の就寝用におすすめです。

 

 

 

*手のサポーター① 手の甲側*
*手のサポーター① 手の甲側*

 

 

*手のサポーター① 手のひら側*
*手のサポーター① 手のひら側*

 

 

*手のサポーター② 手の甲側*
*手のサポーター② 手の甲側*

 

 

*手のサポーター② 手のひら側*
*手のサポーター② 手のひら側*

 

支柱がなく、柔らかい素材でできたサポーターは

手作業をするときにおすすめです。

どれもネットで購入できます。

靴と同じで、しばらく使ってみないと使い心地はわかりません。

Nさんは自分に合わないものもあり、

たくさんの種類のサポーターなどを購入していました。

 

 

写真のサポーターや装具は、

前回のブログで書いたドゥケルバン病(親指の腱鞘炎)や

手根管症候群用のものです。

弾発指(バネ指)は指の腱鞘炎なので、

指を固定する装具があります。

 

 

先ほど述べた手のクセを治す運動療法や

手の筋肉のストレッチの指導、装具療法の専門家は

作業療法士です。

気になる方は手の専門の整形外科へ…。

 

 

腱鞘部分が腫れたり、

痛みやしびれが強かったり、

指が動かせなかったり…。

症状が悪化してから鍼灸に来られる方もいます。

そんな症状の方には手の専門の整形外科の受診をすすめています。

手術をすすめられそうで怖いでしょうが、

腱や腱鞘の状態を把握することは、とっても大切です。

 

 

手を使いながら治療をするので、腱鞘炎の治療は長引くことがあります。

気落ちしがちですが、あきらめずに根気強く治療に臨んでほしいと思います!!!

 

 

おおっ、今日も長いブログとなりました。

お伝えしたいことがたくさんあり、まとめるのが大変でした…。

うまく伝わったかな…。

 

 

次回は特集ブログ『腱鞘炎』の最終回!

書くタイミングをのがしたことをお伝えします。

よろしくです!