仕事場の前にある池は、清掃中。
冷たい池の中での作業。
きつい仕事だなぁ…。
心底冷えそう…。
帰りにお灸でもどお?
声を掛けたくなる。
コトーにはとてもできない仕事だが、
身につけている作業服にひかれる。
小さい頃から、つなぎの作業服や
大工のブカブカ・ズボンを着たかった。
もちろん家を建てる大工や左官の仕事にも興味津々!
高校2年生になり、
進路を考えるときには、そのことはすっかり忘れていた。
その年は世界障がい者年で、
世界各地の障害を持つ子供たちのドキュメント番組が多かった。
純粋な目をした、この子供たちに囲まれて仕事がしたい…。
どんな仕事がある?
理学療法士の養成校に通い、
3年後には重度障がい児者施設で
リハビリ(=運動療法)の仕事をしていた。
市販の椅子や日用品が使えない子供たちも多い。
木製や厚手ダンボール製の椅子、鉄パイプ製の歩行器、
布製のおもちゃ、スポーンやフォークの加工…。
職場の木工室でいろいろな物を作った。
間に合わないときは、休日に自宅でも取り組んだ。
小型のこぎり、金槌、ペンチ、スパナ、ドライバー、六角レンチ、
くぎ、ボルト、ナット、ワッシャー、…。
いつの間にか、自宅には日曜大工の道具が揃っていた。
こんな物があったらいいな…。
その展開図と材料が頭の中に浮かんだら、作らずにはいられない。
脳出血などで半身運動麻痺となった方のリハビリもしていた。
退院間近に家屋チェックを行う。
自宅のトイレやふろ場、ベットなどに手すりが必要か…など
検討する。
カルテに見取り図を描く。
カタログの手すりを床から〇㎝のところに取り付ける。
工務店とも、具体的に話し合った。
やりがいのある仕事だった…。
あっ! まだあるかな~~~?
当鍼灸院はマンションの一室にある。
開設前には施術室と待合室の見取り図を描いた。
だけだと思ったが、トイレや洗面所の見取り図も描いていた。
ハハハ~~~!
今年は屋外イベントに出展した。
ブース内の見取り図を描き、装飾品をコツコツ作製した。
学祭のノリで、わくわくしたなぁ…。
次回、屋外イベントに出展するときは、ブース内のレイアウトはこうしよう!
未來の見取り図も描いている。
ブハハハハ~~~!!!
家族や親せきに、建築の仕事をしている人はいない。
ただ、父方の祖父の祖父は、大工の棟梁だった。
この30年間の仕事を振り返ると、
「日曜大工が大好き!」というよりも、
「血が騒ぐ!」という言葉がぴったりする。
小学生の図工の時間に、外壁を彫刻刀で彫り、色付けした木箱。
日曜大工の一歩は、ここから始まったのかもしれない。
未だに持ち続けている。
意識はしていないが、私にとっては特別な物なんだろうなぁ…。