漢方では食材を、『体を温める作用のある食材』と、

『体を冷やす作用のある食材』と、

『温める作用も冷やす作用もない食材』とに、分けている。

夏野菜のトウモロコシは、『平』。

体を温めもしないし、冷やしもしない。

 

 

 

 

夏野菜のキュウリは、『涼』。

ちょびっと冷やす。

『清熱 せいねつ』といって、体にこもった熱をとる作用がある。

 

 

 

 

夏野菜のトマトは、『微寒(びかん)』。

『涼』よりは冷やすが、『寒』ほどは冷やさない。

『解暑清熱 げしょせいねつ』といって、

体にこもった余分な熱をとり夏バテを解消する。

夏野菜は体を冷やす作用のものが多い。

夏でも冷房の影響で体が冷えている場合、

冷やす作用のある食材をとりすぎると、より体が冷えちゃうよ!

 

 

さてさて、本題に入ろうかな。

口から取り込まれた飲食物は、まず胃に送られる。

空腹時の胃は約200mlの大きさ。

飲食物が入ると約1~1.5Lまで膨らむ。

毎分約3回の蠕動(ぜんどう)運動が始まり、

胃の中の飲食物は撹拌され、

胃液と混じって粥状になる。

一日の胃液の分泌量はなんと2.5L!

 

 

 

赤いラインは、『足陽明胃経』という経絡。

黒目の下から始まり、顔、体幹前面、太ももの前面、

むこうずねを下り、足の人差し指で終わる。

経絡上にツボは片側45個!

かなり多い。

この経絡は胃にもつながっている。

東洋医学でも『胃』の重要な働きは、飲食物の腐熟。

 

 

 

 

赤い矢印は、『足三里』というツボ。

膝(赤い花のシール)の下にある。

黄色のラインが、『足陽明胃経』。

胃痛、消化不良、食欲不振など胃のトラブル時には、

『足三里』に反応が出やすい。

このツボを鍼やお灸で刺激すると、

滞っていた経絡の流れが改善し、

エネルギーと栄養分を充分に胃へも送れるようになり、

胃や腸など消化器の働きがアップし、症状もやわらぐ。

症状のある部位から離れたツボをよく使うが、

経絡という概念があるからなんだなぁ…。

 

 

胃と表裏関係にあるのが、『脾』。

西洋医学の『脾臓』の働きは、赤血球の貯留、

古い赤血球や血小板の破壊、リンパ球の産生など。

東洋医学の『脾』の重要な働きは、胃とともに飲食物を消化し、

栄養源を作り出し、運搬すること。

 

 

 

足太陰脾経(あし・たいん・ひけい)。

足の親指から始まり、脚の内側、体幹前面を下り、

胸部側面で終わる。

ツボは片側21個。

この経絡は脾にもつながっている。

胃と同様に、消化器のトラブル発生時に、

この経絡にあるツボを使う。

 

 

脾は水分を運搬する働きもある。

体内の水分がたまりすぎてむくむとき、

ここにあるツボに鍼やお灸をして、水分代謝を整える。

 

 

『統血作用』も脾の重要な働き。

統血とは、血を統轄(とうかつ)し、正常に循環させ、

体外に漏れ出ないようにすること。

そのため、月経過多(月経量が多い)、

不正出血(月経期間以外の出血)など、

血の巡りにかかわる婦人科の症状には、この経絡のツボを使う。

 

 

 

 

赤い矢印は、『血海 けっかい』というツボ。

膝の上にある。

黄色のラインが、『足太陰脾経』。

東洋医学では、経絡やツボの特徴を地形に例えることがある。

本流の川の水が海に集まるように、血がこのツボに集まる。

それだけ、『血の巡りには重要なツボ』ということがうかがえる。

 

 

おおーっ!

12個の臓器のうち、残るはあと4個!

もうちょっと、この特集におつきあいください!!!