中国最古の医学書『黄帝内経 こうていだいけい』。
頭脳明晰な『黄帝』という皇帝と、
その師である岐伯の問答形式で書かれている。
五臓六腑の各々の機能と相互関係について、黄帝が尋ねた。
岐伯は、五臓六腑の働きを宮廷の官職に例えて説明した。
心(しん)(=心臓)の働きを例えるならば、『君主の官』。
心は血液を全身に送るだけでなく、
生命活動と精神活動をつかさどる『神 しん』を蔵し、
臓器の中で一番重要な機関をになっている。
肺の働きを例えるならば、『相傅(そうふ)の官』。
君主(=帝王)を補佐して政務を処理する最高の官職。
肺はすべての気(=エネルギー)をつかさどり、
臓器や器官、組織などあらゆる生命・生理活動を調整しながら、
心をサポートする。
赤いラインは、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。
胸から始まり、腕の前面を下り、親指で終わる。
経絡上にツボは片側11個。
この経絡は肺にもつながっている。
東洋医学でも、肺の機能の1つに呼吸があり、
鍼灸治療では風邪など呼吸器系の症状を治すときに、
この経絡上のツボをよーく使う。
オレンジ色は『大胸筋』という筋肉。
胸骨と鎖骨と肋骨から、腕の骨についている。
首・肩こりの方はこの筋肉もこりやすい。
手太陰肺経のツボ、雲門(赤矢印)と中府(黄緑色矢印)は、
この筋肉の上にあるので、
コトーは首・肩こりの鍼灸治療でもよーく使う。
肺と表裏関係にあるのは、『大腸』。
大腸の働きを例えるならば、『伝導の官』。
伝導とは、上に接して下に伝えること。
消化・吸収された飲食物のカスは、小腸から大腸へ送られ、
水分が吸収され、便となって肛門に送られる。
赤いラインは『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』。
人差し指から始まり、腕の外側(=親指側)を上り、
鼻の下から反対側の小鼻の横で終わる。
左右の経絡は鼻の下で交差する。
こんな経絡は珍しい。
ツボは片側20個。
この経絡は大腸にもつながっているが、
親指の腱鞘炎や肘のトラブルを治すときに、
コトーはこの経絡のツボをよーく使う。
鼻のトラブルのときにも、小鼻の横のツボを使うなぁ…。
おぉーっ、特集ブログも12個の臓器のうち、残るはあと2つ!
あと2つったらあと2つ!
いやぁ~、このテーマは難しすぎて、簡潔に説明ができず、
申し訳ない…。
コトーが五臓六腑について語るのは100年早かったなぁ…と
痛感している。
でも特集の最終回もがんばるぞっ!
さぁて、おまけの話。
1ヶ月ほど前、このポーズでストレッチをしながら眠ってしまった。
1つのストレッチに1分もかけていないのに…。
30年間続けているから、床に顔がつき、すぐ眠れちゃうんだなぁ。
目が覚めたらおなかまで床につき、
タコやイカみたいに体がぐにゃぐにゃになっていた。
体を動かせない!
まずい!
ストレッチをしすぎた!
腕で床を押しながら上半身を起こし、
横に開ききった脚を手で持ち上げて、前に移動させた。
なんとか立ち上がれ歩けるが、お尻と太ももの裏の筋肉が痛い。
本来、痛みが生じるまで筋肉が伸ばされると、
体の防衛機構である『伸張反射』が働く。
伸ばされた筋肉が無意識に縮まり、筋肉の損傷を防ぐ。
コトーの爆睡に、この反射は太刀打ちできなかったんだなぁ…。
筋肉の損傷なので、横になって筋肉の回復を待つしかないと思うが、
お尻が敷布団にあたると痛い!
痛いから筋肉が硬く緊張する!
鍼でゆるめるとしばらくはいいが、
日中、筋肉を使わないわけにはいかないので、痛みがぶり返す!
3週間ほど、この負のスパイラルが続いた…。
当鍼灸院に来られた方には、
「へぇ~、ストレッチしながら寝ちゃう人がいるんだ」
と、あきれられた。
「タイマーをかけながらストレッチしないとね」
おっ! それはいい考えだ!!!
あっ! タイマーを掛ける前に寝ちゃったらどうしよう…。