セルフお灸の指導中、「ツボの位置を覚えられないから、ツボにペンで印を付けてください」と頼まれることが多い。取り方が難しいツボもあるけれど、何回も取っていると分かるようになる。どうだったかなぁ~と困った時に、すぐ確認できる『ツボの取り方・動画』があったらいいな…と思っていた。

今年に入って、ようやく動画を撮り始めた。台本を書いて、自撮りして、編集をする。手間はかかるけれど、動画を見た方に「すごく分かりやすい」と言われ、がんばっちゃうぞー!せっかくだから、各々のツボに関連することをブログに書いてみよう!と思い立った。

経絡(けいらく)は、気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)が流れる通路。血管やリンパ管、神経とは違う。東洋医学独特の見方。メインの通路は12本あり、『十二経脈 じゅうに・けいみゃく』と言う。体の表面だけでなく、関節や器官(目・鼻・耳など)、内臓(胃、腎、肝など)にもつながっている。あらゆる部位に、気と血が十分に届けられ、ヒトの体と心の働きが維持されている。

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。黒目の下にあるツボ『承泣 しょうきゅう』から始まり、頬、体幹前面、脚の前面、と下り、足の人差し指にあるツボ『厲兌 れいだ』で終わる。イラストでは表現しにくいが、体内では胃にもつながっている。この経絡を流れる気と血によって、胃の働きも保たれている。

経絡のもう1つの働きは、体や心の状態を『内から外へ』あるいは『外から内へ』伝えること。例えば胃にトラブルがあると、『足陽明胃経』という経絡は、体の表面にそれを伝える。具体的には、この経絡上にあるツボに反応(圧痛・ざらつき・へこみなど)が現れる。この経絡の上にツボは45個。経絡は左右対称にあるので、合計90個。

 

膝(赤い花丸シール)の下にあるツボ『足三里』(赤い矢印)は反応が現れやすい。反応がある『足三里』に鍼やお灸をして、『足陽明胃経』の体表を刺激することにより、体内でつながっている胃の不調を改善する。

赤いラインは『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』。手の人差し指にあるツボ『商陽 しょうよう』から始まり、肘・肩・首・顔と上がり、反対側の小鼻の外にあるツボ『迎香 げいこう』で終わる。と思いきや…、

『足陽明胃経』の最初のツボ、黒目の下にある『承泣』につながる。この経絡は足の人差し指にあるツボ『厲兌 れいだ』で終わる。と思いきや…。

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』の最初のツボ『隠白 いんぱく』につながる。このツボは足の親指にある。実は、『十二経脈』の12本の経絡は全てつながっている。経絡は全身に張り巡らされ、この中を流れる気(=エネルギー)は1日で人体を50周する。ほほーっ!流れは一方通行。流れ方は決まっている。

 

棒灸。モグサを和紙でくるみ、先端に火をつけ、皮膚から数㎝離して温める。このお灸は動かせる。経絡の流れる方向に沿って、棒灸を動かし、経絡の中を流れる気と血を誘導する。棒灸の紹介動画を鍼灸治療ページに載せているので、興味のある方は見てねぇ~。

次回から、1つ1つの経絡と、その上にあるメジャーなツボたちのことを書くよぉ~。よろしくです!福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。