頭痛の中で一番多いのが、緊張型頭痛。
首・肩・背中がこり、頭全体が締め付けられるような痛みや、頭重がある。
長時間の同一姿勢による身体的ストレスや、心配事・不安感など精神的ストレスがきっかけで、神経や筋肉が過度に緊張し、頭痛が起こる。
そのため、鍼灸治療では、頭~首~肩~背中などの硬くなった筋肉をほぐすことがメインとなる。
後頭部痛には、後頭部のツボに、短くて細い鍼を、頭蓋骨と水平にチョコンと刺し、10~20分間ほど置く。
首~肩~背中の筋肉のコリが強い場合は、
『灸頭鍼 きゅうとうしん』という鍼灸の手技がおすすめ。
首・肩・背中のツボに灸頭鍼をすると、鍼の刺激と灸の輻射熱が同時に伝わり、硬くなった筋肉がほぐれやすい。
後頭部~うなじ~背中には、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡(赤いライン)が通っている。
この経絡は、目頭の外側にあるツボ『睛明 せいめい』に始まり、額→頭頂部→後頭部→うなじ→背中→お尻→太ももとふくらはぎの後面、と下行し、足の外側を通って、足の小指にあるツボ『至陰 しいん』で終わる。
その上に、ツボが67個ものっている。この経絡は左右対称にあるので、合わせて134個!
経絡の中は、『気(=エネルギー)』と『血(けつ)(=栄養)』が流れている。頭痛により、その流れが滞る。
外くるぶしにあるツボ『崑崙 こんろん』などのツボを使って、『足太陽膀胱経』の流れや症状(頭痛・首こり・肩こり・背中こり)の改善をはかる。
また、精神的ストレスが起因している時は、頭頂部にあるツボ『百会 ひゃくえ』などに、短くて細い鍼を置き、脳のリラクゼーションをはかる。
頭痛が解消すると、首・肩・背中のコリを忘れがち。
日頃から、首・肩・背中の筋肉をストレッチしたり、定期的に鍼灸を受けて、頭・首・肩・背中のコリを防ぎ、緊張型頭痛の予防をしてほしいなぁ…。
福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。