コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~後編

ツボ・マッサージ① 咳・喘息に『中府 ちゅうふ』のマッサージ  

 

イラスト(2021年作)の赤いラインは、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。その上に、ツボ『中府 ちゅうふ』がある。手太陰肺経は、体内で肺につながり、この上にあるツボたちは、呼吸器の症状に働きかける。『中府』は、鎖骨の下にあり、セルフお灸はしにくいので、ツボ・マッサージがおすすめ。

 

イラスト(2011年作)のように、親指で内側方向に押し回し。痛気持ちいいなぁ~という強さでね。

 

胸にある筋肉『大胸筋 だいきょうきん』(2021年作のイラスト)。

普段の呼吸では、この筋肉は使われない。度重なる咳や喘息で、呼吸がしづらくなると、呼吸補助筋となり、活躍する。長期間、呼吸補助筋として働くと、筋肉疲労も出てくる。

『中府』(青丸)は、この筋肉の上にあり、筋肉疲労をほぐすためのマッサージとしても、おすすめ。

 

『中府』の位置

【動画で見る!ツボの取り方】風邪や喘息など呼吸器の症状や首こり・肩こりに働きかけるツボ『中府』 

 

 

ツボ・マッサージ② 鼻水・鼻づまりに、『迎香 げいこう ⇔ 睛明 せいめい』のマッサージ  

 

ツボ『迎香』は、小鼻の横にある。ツボ『睛明』は、目頭の内側にある。

イラスト(2016年作)のように、鼻の両側に沿って、『迎香』から『睛明』までマッサージ。人差し指の先端で、やさしく押してね。爪が長い方は、丸みを帯びたペン先で押してみて!

 

『迎香』の位置

【動画で見る!ツボの取り方】鼻詰まりや鼻炎に働きかけるツボ『迎香』 

*『睛明』のツボ取り動画は撮ってない。ごめんねぇ~。   

 

 

ツボ・シャワー  鼻のトラブルやアレルギーに、『大椎 だいつい』へのシャワー  

ツボ『大椎』は、うなじ(首の骨)の付け根にある。鼻のトラブルやアレルギー症状が強い時、イラスト(2016年作)のように、『大椎』の周りが、逆三角形のおにぎり状に盛り上がってみえる。

ここにセルフお灸はしにくいので、入浴中のシャワーがおすすめ。少し熱めのお湯で、このあたり(=下を向いた時に骨がポコッと出ている所)にシャワーをかける。ポワッと温まり、気持ちがいいよぉ~。  

 

 

セルフお灸   肌荒れ・アレルギーの改善に、『曲池 きょくち』へのお灸  

イラスト(2022年作)の赤いラインは、『陽明大腸経 ようめい・だいちょう・けいらく』という経絡。

『曲池』は、この経絡の上にあり、皮膚のトラブルやアレルギー症状がある時、よく用いる。

『曲池』は肘にあり、ツボの位置は見つけやすく、セルフお灸もおすすめ。

【動画で見る!ツボの取り方】肘・腕の痛み、高血圧、皮膚病に働きかけるツボ『曲池 きょくち』 

 

 

特集記事『秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)』

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ 

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】鍼灸治療

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~前編 

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~後編

 

 

 

おまけのコーナー

2011年作。初代ツボ・モデル・シスターズの中の1人、『陽明大腸経』。左腕が蛇っぽくなった…。

 

2012年作。ツボ・モデル・ブラザーズの中の1人、『陽明大腸経』。懐かしいなぁ…。以前、行っていた『対面のお灸教室』のページには、ツボ・モデル・ブラザーズが登場していた。

自分自身が登場したのは…  

 

2019年の夏から。小学生の頃、交換日記にも絵を描いていた。さらさらさらっと描けないけれど、描きたくなっちゃうんだなぁ~。

11月に入っても、福岡は日差しが強く、日傘とサングラスを愛用している。今年は、なかなか初秋に入りきらない。体調を崩さないでねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ

肺は、潤いを好み、乾燥を嫌う  

五臓六腑の肺は、湿度の高い夏には元気一杯。ところが、空気が乾燥しだす秋口に入ると、弱くなりやすい。東洋医学において、肺は、呼吸以外の働きもしている。そのため、肺が弱まると、様々な症状があらわれる。  

 

肺の働き① 呼吸をつかさどる  

呼吸にかかわるのは、肺・気管・のど・口・鼻。秋の乾燥により、肺の呼吸機能が弱まると、咳・ぜんそく・くしゃみ・鼻水・鼻づまり・声がれ・のどの痛みなどの症状があらわれる。  

 

肺の働き② 全身に水分をめぐらし、余分な水分を汗として出したり、腎に送る  

秋の乾燥により、肺の水分代謝に支障をきたすと、むくみや、汗が出にくいなどの症状があらわれる。 

 

肺の働き③ 皮毛(ひもう)(=皮膚と産毛)をつかさどる  

秋の乾燥により、肺の、皮毛への働きが弱まると、皮膚の乾燥・かゆみ・アトピー、口の渇きなど皮膚のトラブルが生じやすい。コトーは、手の乾燥と、耳の乾燥+かゆみが出てるよー!  

 

肺の働き④ 気(=エネルギー)をめぐらす  

気には、たくさんの種類がある。その中に、体を防衛する『衛気 えき』がある。『衛気』が不足し、全身にしっかりめぐらないと、免疫力や抵抗力が落ちる。風邪を引きやすく、ウィルス感染をしやすい。花粉症などアレルギー症状も出やすい。  

 

秋口の諸症状の対処方法 

秋口に、肺にかかわる症状があらわれているときは、各々の症状に対しての治療だけでなく、『肺の乾燥』を防ぎ、『不足している気を補充する』ことも重要になる。また、夏に冷たいものをとりすぎて、秋口に胃腸が弱っている時は、五臓六腑の『脾 ひ』や『胃』の働きを整える治療も加わる。

 

特集記事『秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)』

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ 

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秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~後編

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特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性②~手太陰肺経

 

おーっ、今回の記事は短い。『おまけ』を書いちゃおうかなぁ~。

 

ガラス容器がセットされた、ステンレス製鍋。珍しいでしょ?って、うそだよ~ん。食器を洗っている時、重ねてしまったら、ガラス容器が外せなくなった…。どうやっても、ガラス容器が斜めに入り込むばかりで、どうにもならない。よく使う小鍋だから、困ってる。中鍋や大鍋を使うしかないでしょ。ちょっと果物でも入れてみるかぁ…。  

 

なんだかなぁ…。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。    

鼻炎・花粉症・風邪・ぜんそくなど呼吸器の症状の鍼灸治療とツボ療法・後編

体幹の前面。肋骨とその間にある肋骨筋という筋肉を取り除くと、肺、その下に横隔膜(おうかくまく)がある。

 

肺は自分では動かせない。横隔膜が主体となり、空気を吸い込んだ時に肺を膨らませ、

 

吐く時に肺をしぼませる。横隔膜は心臓の筋肉と同じように、年中無休で動いてもへっちゃらな筋肉。疲れることがない。

全速力で走った後、息が切れて、肩を上下に動かして呼吸を整えようとする。これは、肩を引き上げる筋肉も使って、肺をもーっと広げて空気を取り込もうとするから。

努力して呼吸をする時には、『呼吸補助筋』が参加する。努力して空気を吸う時に補助する筋肉は、10個以上!努力して空気を吐く時に補助する筋肉は、10個近く!長期に渡り、呼吸困難(息切れ)・咳・痰・ぜんそくなど、肺の症状が続くと、これらの呼吸補助筋のサポートも長期に渡る。

 

こちらは背中のイラスト。オレンジ色は、僧帽筋(そうぼうきん)の上部繊維。後頭部の頭蓋骨と、うなじの靭帯(じんたい)から始まり、鎖骨に付く。青色は、肩甲挙筋(けんこうきょきん)。首の骨に始まり、肩甲骨の内側に付く。両者とも肩を引き上げる筋肉。

2つの筋肉は、努力して空気を吸う時に呼吸補助筋となり、呼吸をサポートする。本来の仕事は肩を引き上げることで、横隔膜のように年中無休には設計されていない。休まずに働けば、筋疲労を起こす。そうなると、呼吸のサポートがしづらくなる上に、首こりや肩こりにも悩まされるようになる。

ガチガチに硬くなった呼吸補助筋を鍼やお灸でほぐすと、呼吸のサポートが復活し、呼吸や咳、痰出しなどが楽になる。呼吸補助筋は首・肩・体幹前後面と広範囲にあり、これらの部位の筋肉痛も改善する。

調子がいい時には、呼吸補助筋のストレッチングもおすすめ。緊張気味の筋肉がゆるみ、呼吸が楽になる。

当鍼灸院ではパーソナルトレーニングも実施している。鍼灸師コトーの前職は理学療法士。呼吸リハビリテーションも行ってきた。その経験を活かし、鍼灸治療やセルフお灸の指導だけでなく、呼吸補助筋のストレッチングやリラクゼーションの方法も指導しているよ~。

5年前に特集ブログを組んだ。17年前に肺の病気になり、徐々に呼吸機能が低下し、日常生活に支障をきたしていた方の鍼灸治療がきっかけだった。興味のある方は『特集~呼吸器疾患に伴う呼吸困難への鍼灸アプローチ①』から読んでみて。4話ある。呼吸のメカニズムももっと詳しく書いているよ。

鍼灸治療のアプローチは鍼灸師によって異なる。呼吸器の症状で鍼灸治療を受けられる方は、担当鍼灸師に相談してくださいね。

 

いたる所でアジサイを見かけるようになった。

 

もうすぐ全部の花が開くねぇ。

 

エレガントだねぇ。

 

おーっ、一歩先ゆくアジサイ。

福岡県福岡市にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

鼻炎・花粉症・風邪・ぜんそくなど呼吸器の症状の鍼灸治療とツボ療法・前編

赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。首の付け根から2本に分かれ、お尻までは2本が並行に走る。上半身をアップすると…。

 

首の付け根にあるツボ『天柱 てんちゅう』(黄色丸)から、内側のライン(赤丸)と外側のライン(緑丸)に分かれる。

 

赤丸の4個のツボたち。上から、『大杼 だいじょ』『風門 ふうもん』『肺兪 はいゆ』『厥陰兪 けついんゆ』。これらは、鼻炎・花粉症・風邪の症状(鼻水・鼻づまり・咳・痰など)や、ぜんそくなど、呼吸器の症状を和らげるツボ。

 

鍼を置いてその隣に台座灸をしたり…。

 

鍼が苦手な方は台座灸だけをしたり…。

 

棒灸をしたり…。お灸の煙で咳が誘発される方は鍼だけをする。その方の症状に合わせて鍼とお灸を使い分ける。

晩秋や冬に、風邪のひき始めで背中がゾクゾクする時は、これらのツボのある『両方の肩甲骨の間』に、小さな貼るホッカイロを服の上から縦長に貼ると、体に風邪の邪気が入り込む前に退散するよ~ん。

背中にあるツボに対して、自分ではアプローチしにくい。そこで登場するのが…。

 

『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。この上に11個のツボがのっている。この経絡は体内では肺にもつながり、11個のツボは呼吸器の症状を治すときに用いられる。位置が見つけやすいツボ、かつ、重要なツボは3個。

手首にあるツボ『太淵 たいえん』。ここなら自分でお灸やツボ押しができる。詳しくはブログ、【動画で見る!ツボの取り方】咳・痰・のどの痛み・手首の痛みに働きかけるツボ『太淵』、を見てね~。

肘にあるツボ『尺沢 しゃくたく』。ここも自分でお灸やツボ押しができる。詳しくは、ブログ、【動画で見る!ツボの取り方】風邪やぜんそくなど呼吸器の症状や肘の痛みに働きかけるツボ『尺沢』、を見てちょー。

鎖骨の下にあるツボ『中府 ちゅうふ』。咳や痰、ぜんそくなど肺の症状がある時には、このツボに反応(=圧痛など)が現れやすい。台座灸やツボ押しが気持ちいい。この辺りの皮膚はデリケートなので、お灸をする時は火傷に気を付けてね。詳しくはブログ、【動画で見る!ツボの取り方】風邪やぜんそくなど呼吸器の症状や首こり・肩こりに働きかけるツボ『中府』を見てね。

 

鼻詰まりや鼻炎など鼻のトラブルには、『迎香 げいこう』。小鼻の横にある。顔にあるのでお灸はせず、ここにちょこん!と鍼を置く。ツボ押しもおすすめ。詳しくはブログ、【動画で見る!ツボの取り方】鼻づまりや鼻炎に働きかけるツボ『迎香』、を見てちょー。

このように、鼻や肺にかかわるツボはたくさんあり、それらを使った鍼やお灸で、呼吸器の症状をやわらげる。

次回は、『呼吸にかかわる筋肉』の筋疲労を鍼灸治療でほぐして、肺の症状を和らげる取り組みを紹介するよーん。福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】呼吸器の症状や首こり・肩こりに働きかけるツボ『中府 ちゅうふ』

赤いラインは、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。体内では肺にもつながっている。イラストには描かれていないが、左にも対称的に『手太陰肺経』はある。鎖骨の外側の下にある『中府 ちゅうふ』というツボに始まり、腕の内側を通り、親指にあるツボ『少商 しょうしょう』で終わる。この経絡にはツボが11個。左右合わせて22個。

呼吸器(=肺)が不調な時は、この経絡を流れる気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)が滞ったり不足している。そして、経絡上のツボにも反応が現れる。あるツボを押すと、他のツボよりも圧痛が強かったり、皮膚がへこんだり、ざらついたり…。11個のツボのうち、反応が出やすいのが『中府』。『中府』に鍼やお灸をして、風邪や喘息など呼吸器の症状を緩和させる。

大胸筋(だいきょうきん)(オレンジ色)は胸にあり、手作業をする時に働く筋肉。パソコンやスマートフォンなど手作業をしすぎた時には、首や肩だけでなく、この筋肉も凝る。大胸筋の上に『中府』(青丸)があるので、首こりや肩こりの鍼灸治療でも、『中府』に鍼やお灸をして、大胸筋のコリをほぐす。

さて、『中府』という名前の由来の話。『中』は『中焦(ちゅうしょう)の気(=エネルギー)』のこと。『府』は『経絡の気が集結する所』という意味。中焦の気が最初に集まる所なので、『中府』と名付けられた。

東洋医学では体幹の機能を3分割している。横隔膜(紫色)よりも上の胸部を『上焦 じょうしょう』といい、心や肺が含まれる。横隔膜より下でヘソよりも上を『中焦』といい、脾や胃などが含まれる。ヘソよりも下を『下焦 げしょう』といい、小腸・大腸・腎・膀胱などが含まれる。ここで、「あれ?」と疑問に思った方がいるのでは?肺は上焦にあるから『上府』と命名されるべき?

黄色のラインは体内を巡る『手太陰肺経』。中焦から始まり、下って大腸へ。そこから、胃に上り、横隔膜を貫いて肺へ。そして、気管に上り、左右に分かれて脇の下へ向かい、ツボ『中府』で体表に出る。『中府』から、体表の『手太陰肺経』がスタートする。『手太陰肺経』は中焦から始まるので、『上府』ではなく、『中府』という名前がついた。う~~~ん、東洋医学は奥が深い。

『中府』の上に『雲門 うんもん』というツボがある。『雲門』のツボの位置を確認しないと、『中府』のツボを取れない。『中府』のツボ取り方法を動画にしてみたが、説明が難しく、10回ほど撮り直した。苦心の作を見てほしいなぁ~。

次回は特集ブログに戻ります。『大腸』にもつながっている『手陽明大腸経絡 て・ようめい・だいちょうけい』の話となります。よろしくです!福岡市南区にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。