コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑱~足少陽胆経

赤いラインは、前回の特集ブログで紹介した、『手少陽三焦経 て・しょうよう・さんしょうけい』という経絡。薬指の先端にあるツボ『関衝 かんしょう』に始まり、腕の後面を上行する。更に、肩、首の横、耳の外回り、と上行し、眉毛の外端にあるツボ『絲竹空 しちくくう』で終わる。そこから…。

 

『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』という経絡につながる。目尻の外側にあるツボ『瞳子髎 どうしりょう』に始まり、側頭部を往復する。そして、うなじ、肩、脇腹、脚の外側へと下行する。更に、外くるぶしの前、足の甲を通り、足の薬指の先端にあるツボ『足竅陰 あしきょういん』で終わる。長い!長い!

この経絡は左右対称にあり、片側だけでもツボが44個ものっている。途中で枝分かれ、体内に入り、肝(=肝臓)と胆(=胆嚢 たんのう)につながる。

 

肝臓は右側下部肋骨の高さに位置する。上に横隔膜、下に腎臓がある。

 

 

胆嚢は肝臓の後面にある。前面から見ると、ちょこっとしか見えない。

 

 

後面から見るとこんな感じ。胆嚢は、長さ8~12cm、幅4~5cmの袋状になっている。

肝で作られた胆汁は、胆に貯蔵される。そして、必要に応じて、胆汁は十二指腸に運ばれ、消化を助ける。これらは、東洋医学と西洋医学の共通概念。肝と胆は持ちつ持たれつ、表裏関係にあるんだなぁ。

東洋医学では、『臓器が感情も主っている』と考える。胆が主っているのは、『決断』。あらゆる物事を判断し、決定する働きがある。また、外部からの精神的刺激(特に恐れや驚き)に対する抵抗力を持つ。『胆(きも)が大きい』とか『胆がすわる』という慣用句があるよねぇ。

 

耳の周辺にあるツボ『聴会 ちょうえ』『頷厭 がんえん』『率谷 そつこつ』『完骨 かんこつ』などは、突発性難聴や急性期の耳鳴りなど、耳の症状を治す時に用いられる。短くて細い鍼を、10~15分間ほどツボに置く。「あれ?耳がおかしい…」と異変を感じたら、すぐに治療に取り掛からないと、耳の症状は治りにくい。

 

偏頭痛の時は、頭皮がむくんでいることが多い。『頷厭 がんえん』『率谷 そつこつ』『完骨 かんこつ』や、その外回りのツボに、短くて細い鍼を置く。

こめかみ周辺が痛む偏頭痛や、後頭部周辺が痛む緊張型頭痛は、首こり・肩こりを解消するのも大切。『脳空 のうくう』『風池 ふうち』『肩井 けんせい』などに鍼を置いて、硬くなった首や肩の筋肉をほぐし、頭部への血流を促す。

 

お尻にあるツボ『環跳 かんちょう』や太ももの外側にあるツボ『風市 ふうし』は、腰痛・お尻の痛み・坐骨神経痛・股関節痛の時に、よーく使う。

 

 

お尻や太ももの筋肉は厚みがある。がちっ!と硬くなっている時は、『灸頭鍼 きゅうとうしん』がおすすめ。鍼先にモグサを差し込み、鍼をしながらお灸もする。分厚く岩盤のような筋肉をほぐれ、痛みを和らげる。

『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』の上にあるツボで、セルフお灸がしやすいのは、脚のツボかなぁ…。

 

膝下にあるツボ『陽陵泉 ようりょうせん』と、

 

足の甲にあるツボ『足臨泣 あしりんきゅう』を次回、紹介するよ~ん。

全国的に大寒波!雪や暴風の事故に気を付けよう!風邪など体調を崩さないようにねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑰~手少陽三焦経

赤いラインは、前回の特集で紹介した『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽいうけい』という経絡。胸にあるツボ『天池 てんち』に始まり、中指の先端にあるツボ『中衝 ちゅうしょう』で終わる。そこから、つながる経絡は…。

 

『手少陽三焦経 て・しょうよう・さんしょうけい』。薬指の先端にあるツボ『関衝 かんしょう』に始まり、手の甲を通り、腕後面の中央を上行する。肩の後面から前に出て、鎖骨の下をくぐり、体内に入り、心(しん)(=心臓)を保護する膜『心包 しんぽう』に達する。

ここで2本に分かれる。

1本は上行し、鎖骨の上で体表に出る。首の横を通り、耳の外側をぐるりと回る。耳の前からこめかみを通り、眉毛の外側の端にあるツボ『絲竹空 しちくくう』で終わる。体表の経絡の上に、ツボは23個。この経絡は、左右対称にあるので、合わせて46個。

 

さてさて…。心(しん)を包む『心包 しんぽう』から枝分かれた、もう1本の経絡は、心包から下行し、三焦(さんしょう)に至る。三焦?山椒?山椒魚??

ここで三焦について説明しよう!

体幹部の機能を3分割し、横隔膜より上の機能を『上焦 じょうしょう』、横隔膜からへそまでの機能を『中焦 ちゅうしょう』、へそから下の機能を『下焦 げしょう』という。そして、上焦・中焦・下焦の機能を合わせて、三焦という。三焦は五臓六腑の六腑に含まれるが、『機能』のことを指し、実在する臓器ではない。

気(=エネルギー)、血(けつ)(=栄養分)、津液(しんえき)(=水分)を作り出し、全身に行き渡らせる。また、不要な物を尿と便として排出する。これら一連の機能がスムースに行われるように、三焦は調整している。

といっても、消化器系のトラブル時に、この経絡上のツボたちを使うことはないなぁ…。コトーは。

 

突発性難聴や耳鳴りなど耳のトラブルには、耳周辺のツボたちに、ちょこんと短い鍼を置く。耳のトラブルの原因の1つに、耳周辺の血行不良がある。首こりや肩こりがある場合は、首や肩にあるツボへ鍼やお灸をして、硬くなった筋肉をほぐし、肩・首・耳への血行を良くする。

こめかみ辺りの痛み、片頭痛の時にも、耳周辺のツボたちに、ちょこんと短い鍼を置く。片頭痛持ちさんは、首こりや肩こりの強い方が多く、首や肩への鍼灸もかかせない。

 

肩、腕の後面にあるツボたちは、肩こり、五十肩、腕や肘・手首・指の痛みを治すときに用いられる。鍼やお灸をして、こわばった筋肉をほぐし、痛みを改善する。

 

セルフお灸がしやすいツボは、手首にある『陽池 ようち』。腕や手首・指の痛みに用いる。

 

その上にあるツボ『外関 がいかん』も見つけやすい。こちらも腕や手首・指の痛みに用いる。

 

この2つのツボ取り動画を撮ったよ。次回から紹介するねぇ~。

福岡県福岡市にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

鼻炎・花粉症・風邪・ぜんそくなど呼吸器の症状の鍼灸治療とツボ療法・前編

赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡。首の付け根から2本に分かれ、お尻までは2本が並行に走る。上半身をアップすると…。

 

首の付け根にあるツボ『天柱 てんちゅう』(黄色丸)から、内側のライン(赤丸)と外側のライン(緑丸)に分かれる。

 

赤丸の4個のツボたち。上から、『大杼 だいじょ』『風門 ふうもん』『肺兪 はいゆ』『厥陰兪 けついんゆ』。これらは、鼻炎・花粉症・風邪の症状(鼻水・鼻づまり・咳・痰など)や、ぜんそくなど、呼吸器の症状を和らげるツボ。

 

鍼を置いてその隣に台座灸をしたり…。

 

鍼が苦手な方は台座灸だけをしたり…。

 

棒灸をしたり…。お灸の煙で咳が誘発される方は鍼だけをする。その方の症状に合わせて鍼とお灸を使い分ける。

晩秋や冬に、風邪のひき始めで背中がゾクゾクする時は、これらのツボのある『両方の肩甲骨の間』に、小さな貼るホッカイロを服の上から縦長に貼ると、体に風邪の邪気が入り込む前に退散するよ~ん。

背中にあるツボに対して、自分ではアプローチしにくい。そこで登場するのが…。

 

『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。この上に11個のツボがのっている。この経絡は体内では肺にもつながり、11個のツボは呼吸器の症状を治すときに用いられる。位置が見つけやすいツボ、かつ、重要なツボは3個。

手首にあるツボ『太淵 たいえん』。ここなら自分でお灸やツボ押しができる。詳しくはブログ、【動画で見る!ツボの取り方】咳・痰・のどの痛み・手首の痛みに働きかけるツボ『太淵』、を見てね~。

肘にあるツボ『尺沢 しゃくたく』。ここも自分でお灸やツボ押しができる。詳しくは、ブログ、【動画で見る!ツボの取り方】風邪やぜんそくなど呼吸器の症状や肘の痛みに働きかけるツボ『尺沢』、を見てちょー。

鎖骨の下にあるツボ『中府 ちゅうふ』。咳や痰、ぜんそくなど肺の症状がある時には、このツボに反応(=圧痛など)が現れやすい。台座灸やツボ押しが気持ちいい。この辺りの皮膚はデリケートなので、お灸をする時は火傷に気を付けてね。詳しくはブログ、【動画で見る!ツボの取り方】風邪やぜんそくなど呼吸器の症状や首こり・肩こりに働きかけるツボ『中府』を見てね。

 

鼻詰まりや鼻炎など鼻のトラブルには、『迎香 げいこう』。小鼻の横にある。顔にあるのでお灸はせず、ここにちょこん!と鍼を置く。ツボ押しもおすすめ。詳しくはブログ、【動画で見る!ツボの取り方】鼻づまりや鼻炎に働きかけるツボ『迎香』、を見てちょー。

このように、鼻や肺にかかわるツボはたくさんあり、それらを使った鍼やお灸で、呼吸器の症状をやわらげる。

次回は、『呼吸にかかわる筋肉』の筋疲労を鍼灸治療でほぐして、肺の症状を和らげる取り組みを紹介するよーん。福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑪~手太陽小腸経・後編

鍼灸師になる前、理学療法士として、脳性麻痺や脳血管障がいなどによる運動麻痺のある方の運動療法を行ってきた。東洋医学って西洋医学と全く異なるんだろうなぁ…。西洋医学の思考回路を切り替えないと!そんなことを思いながら、鍼灸師の養成校に通い始めた。しかし、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡を知った時、そんな思いが吹っ飛んだ。

腕や手指の運動障がいを治療する際には、腕や手指の運動性や支持性だけでなく、背骨も含めた体幹や肩甲骨の支持性を高めることも重要になる。

 

赤いラインが『手太陽小腸経』。『手の小指から始まり、腕の小指側を上行し、肩甲骨から肩を通るまでのライン』は、腕や手指の運動療法中に意識するところ!東洋医学も西洋医学も経験医学。歴代の治療家が治療をしていく中で、確立していった。共通点もあるんだなぁ…。

そんな理由から、指や手首の腱鞘炎、手も含めた腕の痛みやだるさの鍼灸治療でも『手太陽小腸経』の上にあるツボは、よく使う。

手首にある陽谷(ようこく)、肘にある小海(しょうかい)、脇の下にある肩貞(けんてい)、肩先にある臑兪(じゅゆ)、肩甲骨にある天宗(てんそう)・秉風(へいふう)・曲垣(きょくえん)、肩にある肩外兪(けんがいゆ)・肩中兪(けんちゅうゆ)。

もちろん、首こり・肩こりの治療の際にも、これらのツボを使って、筋肉のコリをほぐす。

よく使うツボがもう1個ある。耳の前にある『聴官(ちょうきゅう)』。

 

耳の周りにはたくさんのツボがある。

 

耳の前に縦に3個のツボがあり、その中央が『聴官』。突発性難聴や急性期の耳鳴りの治療に用いる。短くて細い鍼をちょこんと10~15分くらい、このツボに置く。

耳の症状が現れてから時間が経つと、鍼治療をしても改善は難しいと言われている。聞こえにくさや耳鳴りが気になり始めたら、すぐに治療を受けていただきたい!耳のトラブル時には、血の巡りが滞っていることが多く、首こりや肩こりも解消して、耳周辺の血流を促すことも大事!

この経絡は小腸にもつながっているが、腸のトラブルの時には、別の経絡上にあるツボで治療することが多い。もうすぐ登場するよーん。

難しい内容の特集ブログに長く付き合っていただき、誠に感謝しています!!次回のブログでは『手太陽小腸経』のツボの中で、自分でも取れるツボを紹介するよ。動画も撮ったよ。よろしくぅー!

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【動画で見る!ツボの取り方】鼻づまりや鼻炎に働きかけるツボ『迎香 げいこう』

『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』という経絡は、人差し指にあるツボ『商陽 しょうよう』から始まり、小鼻の横にあるツボ『迎香 げいこう』で終わる。経絡は左右対称にあり、片側だけで20個のツボがのっている。体内では大腸につながる。この経絡と表裏関係にある経絡は…。

『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』。片側だけで11個のツボがのっている。体内で肺とつながる。肺は呼吸を司り、鼻とも深い関わりがある。肺や鼻のトラブルに対して、『手太陰肺経』のツボではなく、表裏関係にある『手陽明大腸経』のツボを使って治すことがある。

 

鼻づまりや鼻炎がある時、『手陽明大腸経』のツボ『迎香』にちょこん!っと鍼を置く。小鼻の外側にある。顔にあるため、お灸はしない。

『迎香』の少し上に、『上迎香 じょう・げいこう』というツボがある。青丸。このツボは経絡の上にはない。コトーは『迎香』よりもこのツボを使う。一般の方には取りにくいツボなので、今回は『迎香』のツボの取り方を動画で紹介するよ~ん。鼻の両脇を指圧するだけでも鼻の通りがよくなるよ~ん。

「何かに使えるかもしれない!」と購入していた、発泡スチロール製の頭部模型。今回の動画で大活躍!髪がなく、自分の帽子をかぶせようと思っていたが、低価格の余興用のカツラを見つけ購入。頭部模型にかぶせてみたら、めちゃくちゃ可愛くなった!福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

皆さんの住む町の雨の状況はいかがですか?豪雨と猛暑とコロナに気をつけましょう!