動画の内容
①冷え症の鍼灸治療と予防鍼灸の、3つのポイント
②冷え症への鍼灸~4つの手技(灸頭鍼・棒灸・点灸・台座灸)
③冷え症のセルフお灸に使いやすいツボ(湧泉・足三里・内関・百会)
この後は、冷え症にかかわる『経絡 けいらく』と『臓器』に注目!
経絡は、気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)を全身に行き渡らせる通路
経絡は、全身に張り巡らされ、その上にツボがのっている。また、経絡は体内で臓器とつながっている。
東洋医学において、各々の経絡・臓器・ツボには働きがある。
『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』と『脾 ひ』
赤いラインは、『足太陰脾経』という経絡。体内では、臓器の『脾』につながっている。『脾』は、食べた物の消化と吸収を促す働きがある。
この経絡上のツボに鍼やお灸をすることで、滞っていた気と血(けつ)の流れが回復する。そして、脾にも充分、気と血(けつ)が行き渡り、脾の『食べた物の消化・吸収』の機能低下が改善し、体を温めるエネルギーが作りやすくなる。
また、『脾』は、水分代謝にもかかわっている。むくみなど、余分な水分が体内にたまって、冷えが生じる場合、この経絡上のツボを使って、体内の水はけを改善する。
『足陽明胃経(あし・ようめい・いけい)』と『胃』
赤いラインは、『足陽明胃経』という経絡。体内では、胃につながっている。『胃』は『脾』とともに、食べた物の消化・吸収を促す働きがある。
冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎたり、もともと胃腸が弱く、冷えやすい体質の方には、この経絡上のツボを使って、胃腸の働きを整える。
動画の中で紹介したツボ『足三里』(赤矢印)は、『足陽明胃経』の経絡上にある。このツボは、胃腸の働きを整えるだけでなく、エネルギーを補給する働きもある。エネルギー不足による冷えにも使いやすいツボ!
『足少陰腎経 あし・しょういん・じんけい』と『腎』
赤いラインは、『足少陰腎経』という経絡。体内では、『腎』につながっている。『腎』は、成長と老化に深くかかわっている。
老化により体を温めるエネルギーが作りにくい場合は、この経絡上のツボに鍼やお灸をして、老化の底上げをはかる。
動画の中で紹介したツボ『湧泉 ゆうせん』(赤矢印)は、『足少陰腎経』の経絡上にある。このツボは、『老化の底上げ』だけでなく、『体を温めるエネルギーを補充する』働きがある。
『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽうけい』と『心包 しんぽう』
赤いラインは、『手厥陰心包経』という経絡。体内では、『心包』につながっている。『心包』とは、『心(しん)(=心臓)』を包む膜のようなもの。『心(しん)』も『心包』も情緒に深くかかわっている。
動画の中で紹介したツボ『内関 ないかん』は、『手厥陰心包経』の経絡上にある。精神的ストレスや睡眠不足や忙しさが長引けば、自律神経が乱れやすい。そして、その乱れが冷えに結びつくことがある。そのような時、『内関』などに鍼やお灸をして、自律神経の乱れを整える。
『督脈 とくみゃく』と『脳』
赤いラインは、『督脈』という経絡。体内では、『脳』につながっている。そのため、頭痛や頭重、不安定な情緒に対して、この経絡上のツボを使うことがある。
動画の中で紹介したツボ『百会 ひゃくえ』は、『督脈』の経絡上にある。『百』は、たくさんと言う意味。たくさんの経絡がこのツボで会う(=交わる)。『百会』に鍼をするだけで、督脈以外の経絡にも働きかけられる。万能ツボ!
精神的ストレスや睡眠不足や過労などで、脳(=こころ)と体の緊張が続くと、冷えに結びつきやすい。『百会』に鍼を置いて、脳と体の緊張をほぐす。
お灸を使って、体の外から温めるだけでなく、鍼やお灸でツボを刺激することにより、体を温めるエネルギーを増やし、体の中から温める。冷え症で悩む方には、体感してほしいなぁ…。
あれも取り上げよう!これも取り上げよう!と、長々とした特集記事(6記事)となりました。
【冷え症】冷える原因と症状
【冷え症】セルフケア~体の中から冷やさないための食生活
【冷え症】セルフケア~j体の外から冷やさないための服装
【冷え症】セルフケア~体の中から温める『手軽な運動』
【冷え症】セルフケア~『冷えに結び付きやすい生活習慣』の見直し
【冷え症】体の中と外から温める鍼灸治療と予防鍼灸
冬で終わるはずが春に差し掛かり、三寒四温の真っ最中!皆様、体調を崩さないよう、気をつけてください。最後まで読んでいただき、有難うございます。
福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。