コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【動画で見る!ツボの取り方】手首の痛みや腱鞘炎、腕の小指側の痛みに働きかけるツボ『陽谷 ようこく』

じゃんじゃかじゃ~ん。当鍼灸院の待合室に、人体の骨格模型を置いている。右側から、紹介!膝関節を中心とした太ももの骨と膝下の2本の骨、手の骨、足の骨、肩甲骨と腕の骨と鎖骨、腰の骨と骨盤。

 

肩甲骨と腕の骨と鎖骨の模型。首こりや肩こり、五十肩の治療、特にパーソナルトレーニング(運動の実践と指導)をする時には、この模型を使って、肩関節のメカニズムを説明する。なぜ痛むのか…。どこがどのように動きにくくなっているのか…。それをストレッチングや運動でどんなふうに改善していくのか…。模型を見ながら説明すると、患者さんも理解しやすく、運動もしやすい。

 

膝関節の模型。膝周辺のツボ取り動画でも大活躍した。太ももの前の筋肉(=大腿四頭筋 だいたいしとうきん)は、膝に近づくと靭帯(じんたい)(画像の左側のオレンジ)になり、膝蓋骨をくるんで、膝下の骨につく。言葉だけでは伝えにくく、模型を見ていただくと、患者さんは「へぇ~」と納得される。

 

手首にあるツボ『陽谷 ようこく』のツボ取り動画の台本を書く手が止まった。うー!うー!うー!分かりやすく説明できない。よしっ!手の模型を購入しよう!と、思い立った。ツボの位置は、骨のある部分を基点にしていることが多い。手の骨格模型のおかげで、動画が撮りやすかった。あとで、動画を見てみてねぇ~。

仕事でも趣味でもどんなことでもアイデアが浮かぶと、コトーは実際にやってみたくなる。そして、手間がかかりつつも実行すると、期待通り、期待以上の出来上がりになる(自己満足かも…)こともある。いくつになっても、パッ!とアイデアが浮かぶ、柔軟な脳ミソでありたい!すぐ実行できる体力と気力も持ち続けたい!

『陽谷 ようこく』というツボは、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡の上にある。前回のブログで書いたが、この経絡上のツボは、首こり、肩こり、腕こり、指や手首の腱鞘炎の鍼灸治療でよく使われる。特に、小指の『指から肘にかけて』の痛みに、『陽谷』を用いる。

 

セルフお灸をするなら、台座灸がおすすめ。『陽谷』が手首の端にあるが、台座灸は底にシールが付いているので、『陽谷』に貼り付けやすい。興味のある方は、下にあるツボ取り動画を見てねぇ~ん。とその前に、昨日撮ったばかりの桜をどうぞ…。

 

おーっ、満開の桜並木。

 

桜の花がうじゃうじゃ!心がなごむ…。

You Tubeのサムネイル画像(=タイトル付の画像)も自撮りしている。変顔になることが多く、何度も撮り直している…。おばちゃんだって、頑張ってるぞー!福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑪~手太陽小腸経・後編

鍼灸師になる前、理学療法士として、脳性麻痺や脳血管障がいなどによる運動麻痺のある方の運動療法を行ってきた。東洋医学って西洋医学と全く異なるんだろうなぁ…。西洋医学の思考回路を切り替えないと!そんなことを思いながら、鍼灸師の養成校に通い始めた。しかし、『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡を知った時、そんな思いが吹っ飛んだ。

腕や手指の運動障がいを治療する際には、腕や手指の運動性や支持性だけでなく、背骨も含めた体幹や肩甲骨の支持性を高めることも重要になる。

 

赤いラインが『手太陽小腸経』。『手の小指から始まり、腕の小指側を上行し、肩甲骨から肩を通るまでのライン』は、腕や手指の運動療法中に意識するところ!東洋医学も西洋医学も経験医学。歴代の治療家が治療をしていく中で、確立していった。共通点もあるんだなぁ…。

そんな理由から、指や手首の腱鞘炎、手も含めた腕の痛みやだるさの鍼灸治療でも『手太陽小腸経』の上にあるツボは、よく使う。

手首にある陽谷(ようこく)、肘にある小海(しょうかい)、脇の下にある肩貞(けんてい)、肩先にある臑兪(じゅゆ)、肩甲骨にある天宗(てんそう)・秉風(へいふう)・曲垣(きょくえん)、肩にある肩外兪(けんがいゆ)・肩中兪(けんちゅうゆ)。

もちろん、首こり・肩こりの治療の際にも、これらのツボを使って、筋肉のコリをほぐす。

よく使うツボがもう1個ある。耳の前にある『聴官(ちょうきゅう)』。

 

耳の周りにはたくさんのツボがある。

 

耳の前に縦に3個のツボがあり、その中央が『聴官』。突発性難聴や急性期の耳鳴りの治療に用いる。短くて細い鍼をちょこんと10~15分くらい、このツボに置く。

耳の症状が現れてから時間が経つと、鍼治療をしても改善は難しいと言われている。聞こえにくさや耳鳴りが気になり始めたら、すぐに治療を受けていただきたい!耳のトラブル時には、血の巡りが滞っていることが多く、首こりや肩こりも解消して、耳周辺の血流を促すことも大事!

この経絡は小腸にもつながっているが、腸のトラブルの時には、別の経絡上にあるツボで治療することが多い。もうすぐ登場するよーん。

難しい内容の特集ブログに長く付き合っていただき、誠に感謝しています!!次回のブログでは『手太陽小腸経』のツボの中で、自分でも取れるツボを紹介するよ。動画も撮ったよ。よろしくぅー!

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性⑩~手太陽小腸経・前編

おーっ、イラストの胃がかすんでる!すみません!分かりますか?

口から取り込んだ飲食物は、胃でドロドロになる。

 

胃気(いき)!久しぶりに登場!胃のエネルギーのこと。胃気の持つ『下降させる力』で、ドロドロになった飲食物は胃から小腸へ下行する。そして、小腸で飲食物は更にドロドロド~ロになる。ドロドロド~ロになった飲食物は、体にとって必要な物(=栄養となるもの)と必要でない物に分けられる。

 

ここで登場するのは脾気(ひき)!脾のエネルギー!『上昇させる力』を持つ。体に必要な物は脾気の力で全身に行き渡る。

 

そして、体にとって不必要な『液体』は膀胱へ、不必要な『固形物』は大腸へと、胃気の『下降させる力』で運ばれる。おーっ、東洋医学から見た小腸の働きは、分かりやすいねぇ~。

前回の特集ブログで紹介した『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。赤いライン。脇の下にあるツボ『極泉 きょくせん』に始まり、小指の先端・内側(薬指側)にあるツボ『少衝 しょうしょう』で終わる。体内では臓器の『心 しん』につながる。

小指のツボ『少衝』と結ばれているのは…。

 

『手太陽小腸経 て・たいよう・しょうちょうけい』という経絡。手の小指の先端・外側にあるツボ『少沢 しょうたく』に始まり、手の甲の小指側を通り、肘を上行し、肩甲骨から首の横を通り、頬骨(ほおぼね)の下にあるツボ『顴髎 けんりょう』、そして、耳の前にあるツボ『聴宮 ちょうきゅう』で終わる。この経絡の上にツボが19個。

このメインの経絡以外に2本、枝分かれる。1本目は…。

 

青いライン。肩にあるツボ『肩中兪 けんちゅうゆ』から枝分かれ、別の経絡の上にあるツボ『大椎 だいつい』を通って、

 

赤いライン。肩の前から鎖骨の前のくぼみへ下り、そこから、体内に入り、臓器の『心 しん』とつながる。そして、食道に沿って下行し、横隔膜を貫き、胃を通って、小腸とつながる。長いねぇ~。

『心』と『小腸』は表裏関係。心が持つ『温煦作用 おんく・さよう』(温める作用)は、先に述べた小腸の働きを促す。

メインの経絡から枝分かれる、2本目の経絡は…。

 

青いライン。頬骨の下にあるツボ『顴髎 けんりょう』から枝分かれ、目の下から鼻の付け根まで上行し、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』という経絡の1番目のツボ『睛明 せいめい』と結ばれる。

 

『睛明 せいめい』は、鼻と目頭の間にある。

 

頬にある『客主人』という文字の下に『顴髎 けんりょう』がある。耳の前にある縦3個のツボのうち、中央が『聴宮』。『顴髎 けんりょう』とマゼンダ色(=手太陽小腸経)で結ばれているよ。

今回のブログでは、『顴 けん』『髎 りょう』『兪 ゆ』『煦 く』『睛 せい』と、日本では馴染みのない漢字がたくさん出てきた。東洋医学は中国が発祥で、日本の漢字には該当しない、中国漢字があるんだなぁ…。

今回のブログはイラストもたくさん載せた。コトーは絵を描くのが嫌いではないが、同じ顔が描けない…。ツボ・モデル子ちゃんは何枚もコピーして、経絡を描いている。どうやったら同じ顔が描けるようになるのかなぁ…。練習するのみ?

次回のブログは、『手太陽小腸経』の上にあるツボたちを紹介するよ~ん。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。                  

【動画で見る!ツボの取り方】肘・腕のだるさや痛み、手首・指の腱鞘炎に働きかけるツボ『少海』

赤いラインは、『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。脇の下にあるツボ『極泉 きょくせん』に始まり、腕の内側を下り、小指の先端にあるツボ『少衝 しょうしょう』で終わる。

『少海 しょうかい』というツボは、肘の内側にある。

 

右腕、手のひら側のイラスト。赤いラインは、尺骨神経(しゃっこつ・しんけい)。脇の下から、腕の内側(=小指側)を通り、主要なもの薬指と小指の先端の骨に付く。『尺骨神経』と『手少陰心経』のラインは似ている。

 

肘に過度の負担がかかるスポーツや職業に従事している方は、尺骨神経の肘あたり(青丸)で尺骨神経が圧迫され、尺骨神経麻痺(肘部管症候群)になることがある。

 

長時間、自転車のハンドルを握り続けるなど、手のひらの小指側を圧迫し続けると、尺骨神経の手首あたり(青丸)が圧迫され、尺骨神経麻痺(Guyon ギヨン管症候群)になることがある。

尺骨神経は、薬指と小指の感覚を司っているので、尺骨神経麻痺になると、薬指と小指が痺れるなどの感覚障がいが起こる。

手首や指を動かす筋肉は沢山ある。尺骨神経麻痺になると、尺骨神経が支配している筋肉が萎えて筋力が低下する。

 

右腕、手のひら側のイラスト。深指屈筋(しんし・くっきん)は、尺骨という肘下の骨に始まり、人差し指から小指までの先端の骨(末節骨 まっせつこつ)に付く。これら4本の指を、指の先端まで曲げる筋肉。深指屈筋のうち、薬指と小指の筋肉は、尺骨神経が司っている。尺骨神経麻痺になると、薬指と小指を先端まで曲げる力が弱まる。

 

深指屈筋に限らず、手首や指を曲げる筋肉の多くは、肘下の尺骨(青丸)に付いている。『少海』というツボの位置と同じ。そのため、尺骨神経麻痺だけでなく、指や手首を曲げる筋肉のだるさや痛み、腱鞘炎などのトラブルでも、『少海』に鍼やお灸をすることが多い。

『少海』のツボ取り動画を撮ったよ~。ツボの説明はややこしかったが、ツボの取り方は簡単。上記の症状で悩んでいる方は、『少海』にセルフお灸、台座灸はいかが?台座灸のやり方動画も、ブログ【動画で見る!】とYouTubeチャンネル≪レディース鍼灸ことうプラス≫に載せてるよ~ん。

『少海』の『少』は、『手少陰心経』のこと。河川の水がどどどーっと海に集まるように、このツボは脈気(=経絡のエネルギー)が盛んなため、『海』という字が付けられた。肘には、『小さい海』と書いて『小海 しょうかい』というツボもあるので、間違わないでねぇ~~~。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

【動画で見る!ツボの取り方】膝の痛みに働きかけるツボ『陰陰泉 いんりょうせん』

赤いラインは『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。足の親指から始まり、内くるぶしの前からすねを上行し、内ももを通り、腹部と胸のやや外側を上行し、脇の下近くで終わる。『陰陵泉 いんりょうせん』というツボは、この経絡上の、膝下にある。

 

<右脚を後ろから見たイラスト>

ところで、太ももの後ろ側には、膝を曲げる筋肉3本がある。赤の部分。『大腿二頭筋 だいたい・にとうきん』と『半腱様筋 はんけんようきん』と『半膜様筋 はんまくようきん』。3本とも骨盤の下部から始まり、膝下の2本の骨に付く。大腿二頭筋は、膝下の外側の骨『腓骨 ひこつ』に付き、半腱様筋と半膜様筋は、膝下の内側の骨『頚骨 けいこつ』に付く。

 

青丸は『陰陵泉』。膝を曲げる筋肉が疲労して硬く縮まると、半腱様筋と半膜様筋の付着部分、ちょうど『陰陵泉』のあたりに痛みが出てくる。

 

<右脚を前から見たイラスト>

ところで、太ももの内側には、5本の筋肉がひしめき合っている。赤の部分。これらは股関節を動かし、脚を内側に引き寄せる。5本とも骨盤の下部から始まり、4本は太ももの骨『大腿骨』に付き、薄筋(はっきん)だけが膝下の内側の骨『頚骨』に付く。

 

青丸は『陰陵泉』。5本の筋肉が疲労し硬く縮まると、薄筋の付着部分、ちょうど『陰陵泉』あたりに痛みが出てくる。

ところで、あなたの膝はどんな形?触ってみよう!膝の内側にぽっちゃりと余計な脂肪が付いていないかな?膝の前は?膝の裏は?プニョプニョ?余計な脂肪ちゃんが居座っていないかな?膝を動かす筋肉たちが弱まり、膝の関節をフルレンジ動かすことが少なくなると、そこに脂肪ちゃんが近寄ってくる!その脂肪が硬くなると、膝周辺に痛みが出ることもある。

O脚(=がに股)が強いと、膝関節の内側の隙間が狭くなり、膝の内側が痛くなることもあるねぇ…。

『陰陵泉』というツボは、膝の調子が悪いと痛みが出やすい場所にあるため、膝の鍼灸治療で出番が多い。

 

灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめかなぁ~。鍼先にモグサを差し込み、お灸もしながら、筋肉や脂肪の硬さをほぐす。

 

台座灸を使ったセルフお灸もおすすめ。台座灸は底にシールが付き、お灸がしやすい。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。