赤いラインは、『手少陰心経 て・しょういん・しんけい』という経絡。脇の下にあるツボ『極泉 きょくせん』に始まり、腕の内側を下り、小指の先端にあるツボ『少衝 しょうしょう』で終わる。

『少海 しょうかい』というツボは、肘の内側にある。

 

右腕、手のひら側のイラスト。赤いラインは、尺骨神経(しゃっこつ・しんけい)。脇の下から、腕の内側(=小指側)を通り、主要なもの薬指と小指の先端の骨に付く。『尺骨神経』と『手少陰心経』のラインは似ている。

 

肘に過度の負担がかかるスポーツや職業に従事している方は、尺骨神経の肘あたり(青丸)で尺骨神経が圧迫され、尺骨神経麻痺(肘部管症候群)になることがある。

 

長時間、自転車のハンドルを握り続けるなど、手のひらの小指側を圧迫し続けると、尺骨神経の手首あたり(青丸)が圧迫され、尺骨神経麻痺(Guyon ギヨン管症候群)になることがある。

尺骨神経は、薬指と小指の感覚を司っているので、尺骨神経麻痺になると、薬指と小指が痺れるなどの感覚障がいが起こる。

手首や指を動かす筋肉は沢山ある。尺骨神経麻痺になると、尺骨神経が支配している筋肉が萎えて筋力が低下する。

 

右腕、手のひら側のイラスト。深指屈筋(しんし・くっきん)は、尺骨という肘下の骨に始まり、人差し指から小指までの先端の骨(末節骨 まっせつこつ)に付く。これら4本の指を、指の先端まで曲げる筋肉。深指屈筋のうち、薬指と小指の筋肉は、尺骨神経が司っている。尺骨神経麻痺になると、薬指と小指を先端まで曲げる力が弱まる。

 

深指屈筋に限らず、手首や指を曲げる筋肉の多くは、肘下の尺骨(青丸)に付いている。『少海』というツボの位置と同じ。そのため、尺骨神経麻痺だけでなく、指や手首を曲げる筋肉のだるさや痛み、腱鞘炎などのトラブルでも、『少海』に鍼やお灸をすることが多い。

『少海』のツボ取り動画を撮ったよ~。ツボの説明はややこしかったが、ツボの取り方は簡単。上記の症状で悩んでいる方は、『少海』にセルフお灸、台座灸はいかが?台座灸のやり方動画も、ブログ【動画で見る!】とYouTubeチャンネル≪レディース鍼灸ことうプラス≫に載せてるよ~ん。

『少海』の『少』は、『手少陰心経』のこと。河川の水がどどどーっと海に集まるように、このツボは脈気(=経絡のエネルギー)が盛んなため、『海』という字が付けられた。肘には、『小さい海』と書いて『小海 しょうかい』というツボもあるので、間違わないでねぇ~~~。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。