コトー・ブログ

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。

特集~お尻の痛みに鍼とお灸④~坐骨神経痛・その2

特集『お尻の痛みに鍼とお灸』の最終回は、

坐骨神経痛の原因の1つでもある

『梨状筋症候群 りじょうきん・しょうこうぐん』と、

坐骨神経痛の鍼灸治療をご紹介します。

その前に、前回のブログのおさらい。

 

 

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赤いラインは坐骨神経。

背骨の真ん中は空洞で、脳からの神経が通っている。

骨盤中央にある仙骨の真ん中にも空洞があり、

背骨の中を通ってきた神経が下行している。

背骨の横っちょのすきまから、

枝分かれした神経が顔を出す。

仙骨にも8つの孔があり、そこからも神経が顔を出す。

 

 

4番目と5番目の腰椎(腰の背骨)の横っちょから出た神経と、

仙骨の上から3つ(左右あわせて6つ)の孔から出た神経は束となり、

仙骨の外側にある、大きな孔を通って枝分かれする。

そのうちの1枝が坐骨神経となる。

 

 

坐骨神経は、お尻の中央から太ももの後面中央を下る。

膝の近くで2つに分かれ、

一方は膝の前に出てスネを下行し、足の甲、足指に至る。

もう一方はふくらはぎを下行し、足底に至る。

う~~~、何回トライしても、坐骨神経の通り道をわかりやすく書けない…。

うっ、うっ、すみません…。

 

 

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これは右のお尻。

左端が仙骨。

右端が太ももの骨。

お尻の筋肉は9個!

すべて股関節を動かす筋肉!

何層にもなっている!

 

 

大殿筋と中殿筋を取り除くと、梨状筋が見えてくる。

お尻の奥にある。

梨状筋の下から坐骨神経と下殿動脈が顔を出し、

脚へと下行する。

 

 

この梨状筋が筋肉疲労など何らかの原因で緊張し、

坐骨神経を圧迫すると、坐骨神経痛が起きることがある。

これを『梨状筋症候群』という。

 

 

坐骨神経痛は、坐骨神経に沿って痛む。

腰~お尻~脚後面~ふくらはぎ…と、広範囲に痛むこともある。

無意識に、痛みがやわらぐ姿勢や動き方をしがちで、

それが不自然な姿勢や動き方であることも多く、

坐骨神経が支配していない筋肉の疲労も出てくる。

 

 

そのために、坐骨神経痛の鍼灸治療は、

症状のあらわれている部位に鍼やお灸をするだけでなく、

全身を調整することも大切!

 

 

 

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筋肉がガッチガチなときは、灸頭鍼がおすすめ。

ありゃりゃぁ~、写真がアップすぎて、

めちゃくちゃ大きなお灸に見えちゃったなぁ。

鍼の先にモグサをつけてお灸もする。

血行をよくし、筋肉の柔軟性を出し、痛みをやわらげる。

梨状筋など深部にある筋肉には、

長めの鍼でピンポイントに筋肉をキャッチ!

確実に届くのが鍼のよさかな…。

痛みが強いときは、円皮鍼(えんぴしん)や

皮内鍼(ひないしん)などの置き鍼もおすすめ。

 

 

 

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円皮鍼。

直径1cmくらいのシールの中央に、

画鋲みたいに鍼が固定されている。

長さ1mmにも満たない小さな小さな鍼なので、

鍼が刺さって痛いと感じることはない。

ツボを刺激し続け、痛みをやわらげる。

 

 

 

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皮内鍼。

これも長さ5mmくらいの小さな鍼。

お月さんのように光っているのは1円玉。

皮膚の1mm下を皮膚と水平に2~3mmほど刺し、

医療用のテープで固定する。

片端がリングになっているので、鍼全体が皮膚に入ることはない。

違和感もない。

ツボを刺激し続け、痛みをやわらげる。

 

 

今回、『お尻の痛み』を特集してみて、テーマの難しさを実感!

お尻、つまり骨盤後面につく筋肉に注目すると…、

背中を動かす筋肉が4個!

背骨から仙骨についている。

股関節を動かす筋肉が10個!

骨盤から大腿骨(太ももの骨)についている。

股関節だけでなく膝関節も動かす筋肉が3個!

骨盤から膝下の骨についている。

 

 

ということは、これら17個の筋肉のトラブルでも

お尻が痛くなっちゃう!

ということは、背骨や股関節・膝関節を構成する骨や関節のトラブルでも

お尻が痛くなっちゃう!

坐骨神経がお尻を通っているので神経のトラブルでも

お尻が痛くなっちゃう!

骨盤の中には膀胱・直腸・子宮・卵巣などの内臓があり、

これらの内臓のトラブルでお尻が痛くなることもある!

原因が多すぎる…。

 

 

問診・触診・姿勢分析・動作分析などなど評価し、

痛みの原因を見極め、鍼灸治療を行う。

次回来られるときも、

再評価し、原因を再確認し、治療に臨む。

痛みの原因が複数であることもあるので、

そんな地道な治療が大切なんだと思う。

 

 

おーっ、今日は文字だらけのブログになっちゃった。

毎度難しい話とコトーのつぶやきにおつきあいいただき、

ありがとさーん!

なんで、ここまで専門的なことを書くんだろう…。

そう不思議に思う人がいるかもしれないが、

専門的なことをわかりやすく説明できるのがプロだと考えている。

プロの意地ってヤツかな。

ブハハハハーッ!

 

特集~お尻の痛みに鍼とお灸③~坐骨神経痛・その1

皆さん、お久しぶりです。

寒暖の差が激しすぎますが、

体調を崩していませんか?

 

 

特集を組みながらすっかり時間が空いてしまった…。

お尻の痛みの特集第1弾は、

太ももの裏にある筋肉が原因の坐骨結節部痛。

第2弾は、背筋が原因の、腰から仙骨部の痛みと重だるさをご紹介しました。

第3弾の今回は、お尻から脚にかけての痛みが特徴の

坐骨神経痛をご紹介します。

 

 

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背骨は7個の頸椎(=首の骨)、12個の胸椎、5個の腰椎、

仙骨(骨盤の中央にある)、尾骨と椎間板で構成されている。

 

 

 

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これは上から見た腰椎1個。

ハクション大魔王の顔に似ている…。

真ん中には椎孔(ついこう)という空洞があり、

この中に、脳からの神経が通っている。

 

 

 

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これは横から見た腰椎の連結。

椎間円板と5つの靭帯で背骨はつながれている。

 

 

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これは5つの腰椎と骨盤。

背骨の真ん中を通っている神経は枝分かれして、

背骨の横っちょのすきまから外に出ている。

赤いラインは、4番目と5番目の腰椎から出ている神経。

骨盤の中央にある仙骨にも8つの孔があり、

そこからも神経が出ている。

青いラインは、仙骨にある孔3つから出ている神経。

それらが束となって、仙骨神経叢(せんこつ・しんけいそう)になる。

 

 

うっ………、話がややこしくてすみません。

わからなくても先に進もう!

ここからが本題です。

 

 

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仙骨神経叢は、仙骨の外側にある大坐骨孔という孔を通って、

枝分かれする。

そのうちの1枝は坐骨神経となり、

お尻の中央から太ももの中央を下る。

膝裏の少し上で、脛骨神経(けいこつしんけい)と

総腓骨神経(そうひこつしんけい)に分かれる。

脛骨神経はふくらはぎ中央を下り、

足底に至る。

総腓骨神経は膝の前に出て、すねを下り、

足の甲に出て、足指に至る。

 

 

坐骨神経痛は神経に沿って痛むため、

お尻から脚後面、ときにはスネや足の甲が痛むこともある。

坐骨神経は、神経周辺の筋肉と皮膚知覚を支配している。

坐骨神経にトラブルがあると、

支配している筋肉の過緊張や筋力低下、

しびれなどの異常感覚を伴うこともある。

 

 

坐骨神経痛の原因は様々。

腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、変形性腰椎症などは

坐骨神経が腰椎部で障害を受け、

腰、お尻、脚に症状があらわれる。

 

 

う~~~、ここまで説明するのに随分時間がかかっちゃったな…。

長時間まじめな話を書くと、

コトーの脳ミソも皆さんの脳ミソも疲れちゃう!

よしっ!

この続きは今度にしよう!

次回は、坐骨神経痛の原因の1つでもある、

梨状筋症候群(りじょうきん・しょうこうぐん)の話と、

坐骨神経痛の鍼灸治療について書きます!

特集『お尻の痛みに鍼とお灸』の最終回になるはず…。

 

 

ここから、おまけの話。

今日はバレンタインデー。

最近は自分のためにチョコを買う女性も多い。

それも6個入り3,000円!?!?!?!?!?!?

1個500円!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

味がぜんぜん違うよーって言われても、

3,000円あったら定食2~3回行けるなぁ…と思ってしまう。

コトーって、『おじさん化』しているのかな。

新潟に住む友人からバレンタインデーにと、宅急便が届いた。

中身はこれ。

 

 

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柿の種とカップ酒。

 

特集~お尻の痛みに鍼とお灸②~腰から仙骨部にかけての痛みと重だるさ

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骨盤は左右の腸骨とその間にある仙骨と、

その下にある尾骨で構成されている。

当鍼灸院へ治療に来たときに、

「腰が痛くて…」と仙骨部(お尻の中央)をさすっている方は意外と多い。

 

 

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背骨の左右にある最長筋(さいちょうきん)。

頭蓋骨~背骨~仙骨についている。

上半身を反らせるときには、左右の最長筋が一緒に働き、

上半身を横に傾けるときは、同側の最長筋のみが働く。

 

 

背筋は他にもたくさんあり、

最長筋のように仙骨までついている筋肉もいくつかある。

だから、カチコチな背筋が原因の腰痛(ウエスト付近の痛み)は、

仙骨部まで痛くなることがある。

また、カチコチな背筋が原因の首こりは、

自覚がなくても背中から仙骨部にかけても

コリコリなこともある。

そんなときは、首から仙骨部まで背筋全体を緩めることが大切。

 

 

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背筋の上に等間隔で鍼を置き、棒灸をする…。

棒灸はモグサを固め和紙で包み、タバコ状にしたもの。

片端に火をつけ、皮膚から3cmぐらい離して温める。

棒灸は動かせるので、首から仙骨部までじっくりと温められるよ~ん。

 

 

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背筋がピアノ線のようにカッチンコッチンなときは灸頭鍼がおすすめ。

やはり等間隔で鍼を置き、鍼先にモグサをのせてお灸もする。

背中からお尻にかけてぽわん!と温まり、

背筋が緩むよ~ん。

 

 

腰から仙骨部にかけての痛みや重だるさは、

生理痛や生理不順、子宮内膜症など

内臓のトラブルが原因のこともある。

 

 

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ツボ・モデル君、登場!

経絡の上にツボがのっている。

お尻にもたくさんのツボ!

これらのツボに鍼やお灸をして、

子宮や卵巣などお尻(骨盤)の中の内臓にも働きかける…。

 

 

お尻の痛みって、実はたーくさんの原因がある。

『お尻の痛み』の特集を組んだはいいが、

どんなふうに書こうか、まとめきれずに四苦八苦している!

うぎゃぁ~~~!!!

次回も『お尻の痛み』を書くつもり…。

がんばるぞっ!

 

特集~お尻の痛みに鍼とお灸①~坐骨結節部痛

長く座ったり立っているとお尻が痛くなる…。

CTやMRIを撮っても異常がない…。

肛門付近が痛いので泌尿器科まで行ったけれど、どうもない…。

原因がわからず、鎮痛薬を飲み続けるしかない…。

坐骨結節部痛の方の問診をしていると、

とても切なくなる。

この痛みは関節や神経、内臓に由来するものではなく、

筋肉が原因のことが多い。

 

 

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右脚、後面。

赤の部分は太ももの後ろにある3つの筋肉。

大腿二頭筋、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)。

主に膝を曲げるときに働く。

この3つの筋肉は総称して『ハムストリングス』という。

仲間内では『ハムスト』と呼んでいる。

パンスト(パンティーストッキング)とは関係ない…。

 

 

長時間の立ち仕事や過度の運動などにより、

これらの筋肉が硬くなり充分に伸びきれないと、

坐骨結節部痛を生じることがある。

 

 

ほとんどの筋肉の両端は骨につき、

筋肉の痛みは筋肉の端っこ、骨との接点で感じることが多い。

ハムストリングスの上端は、骨盤の下方にある

坐骨結節(ざこつけっせつ)についている。

 

 

ではここで、坐骨結節を感じてみよう!

椅子に腰かけて、左右のお尻の下に手のひらを置き、

上半身(骨盤を含む)を前後に大きく傾けると、

手のひらにコリコリした骨を感じるはず。

それが坐骨結節。

ソファーなど座面が柔らかいと分かりづらい。

坐骨結節は肛門の近くなので、

手のひらをお尻の中のほうまで置かないと分からないぞう!

 

 

腰かけているとき、坐骨結節は椅子の座面に当たっている。

ということは、先ほどの筋肉、ハムストリングスもずーっと圧迫されている。

この筋肉がカチコチに縮んでいると、

長時間の椅坐位で、坐骨結節の部分に痛みが生じやすい。

 

 

カチコチな筋肉は疲労が早い。

ハムストリングスは立っているときにも働き、

疲労がたまると坐骨結節の部分に痛みを生じることもある。

 

 

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さぁ、ここで、ハムストリングスの柔軟性をチェーック!

あおむけで、両脚(あるいは片脚)を上げ、

手でふくらはぎを支えながら膝を伸ばしてみよう!

手がふくらはぎに届くかな???

脚が上げにくかったり、膝が伸ばしにくい場合、

ハムストリングスが縮まっているかもしれないぞう!

えっ?

おなかがつかえて、ふくらはぎに手が届かない?

う~~~ん………。

 

 

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ガシッ!としたハムストリングスをほぐすには、

灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめ。

鍼先にモグサをつけて、お灸もする!

坐骨結節周辺の他の筋肉もカチコチに硬いことがあるので、

それらの筋肉の柔軟性を出すことも大切。

 

 

ハムストリングスなどの筋肉が柔らかくなると、

股関節や膝関節の動かせる範囲が広がり、

筋肉の耐久性も増すので、長時間座ったり立っても、

坐骨結節が痛くならない。

 

 

う~、新年早々、難しい話にチャレンジしました。

皆さんにうまく伝わったかなぁ…。

次回もお尻の痛みブログが続きます。

よろしくです!