コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【腰から尾てい骨にかけての痛みと重だるさ】コトーなら、こんなふうに鍼とお灸で治すよ。

背骨と骨盤の構造
spine_yk_002

骨盤は、左右の腸骨(ちょうこつ)(緑の枠)と、その間にある仙骨(せんこつ)(赤の枠)と、その下にある尾骨(びこつ)(=尾てい骨)(ピンクの枠)で、構成されている。上半身の重みを骨盤が支えている。

当鍼灸院へ治療に来られた時、「腰が痛くて…」と仙骨部(お尻の中央)をさすっている方は、意外と多い。

 

お尻のコリや痛みにかかわる、背中の筋肉

m_longissimus_yk_001

背骨の左右にある最長筋(さいちょうきん)。頭蓋骨~背骨~仙骨についている。イラストでは、左の最長筋だけ描いているが、右にもある。

上半身を反らせる時には、左右の最長筋が一緒に働き、上半身を横に傾ける時は、同側の最長筋のみが働く。

背筋は他にもたくさんあり、最長筋のように仙骨までついている筋肉もいくつかある。だから、カチコチな背筋が原因の腰痛(ウエスト付近の痛み)は、仙骨部まで痛くなることがある。

 

硬くなった背筋全体を鍼と棒灸で緩める

boukyu_tisin_yk_001

背筋の上に等間隔で鍼を置き、棒灸をする…。

棒灸はモグサを固め和紙で包み、タバコ状にしたもの。片端に火をつけ、皮膚から3cmぐらい離して温める。棒灸は動かせるので、首から仙骨部まで、じっくりと温められるよ~ん。

 

硬くなった背筋全体を灸頭鍼で緩める

kyutousin_yk_001

背筋がピアノ線のようにカッチンコッチンなときは、灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめ。

やはり等間隔で鍼を置き、鍼先にモグサをのせてお灸もする。背中からお尻にかけてぽわん!と温まり、背筋が緩む。

腰から仙骨部にかけての痛みや重だるさは、生理痛や生理不順、子宮内膜症など、内臓のトラブルが原因のこともある。

お尻にもたくさんのツボ!これらのツボに鍼やお灸をして、子宮や卵巣などお尻(骨盤)の中の内臓にも働きかける…。

福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【坐骨結節部痛というお尻の痛み】コトーなら、こんなふうに鍼とお灸で治すよ。

骨盤にある『坐骨結節』という部位の痛み

長く座ったり立っていると、お尻が痛くなる…。CTやMRIを撮っても異常がない…。肛門付近が痛いので泌尿器科まで行ったけれど、どうもない…。原因がわからず、鎮痛薬を飲み続けるしかない…。

坐骨結節部痛(ざこつけっせつぶつう)の方の問診をしていると、とても切なくなる。

この痛みは関節や神経、内臓に由来するものではなく、筋肉が原因のことが多い。

 

坐骨結節部痛に関係する筋肉たち

muscles_hamstrings_yk_001

右脚、後面。

赤の部分は、太ももの後ろにある3つの筋肉。大腿二頭筋(だいたいにとうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)。主に、膝を曲げるときに働く。

長時間の立ち仕事や過度の運動などにより、これらの筋肉が硬くなり充分に伸びきれないと、坐骨結節部痛(ざこつけっせつぶつう)を生じることがある。

ほとんどの筋肉の両端は骨につき、筋肉の痛みは筋肉の端っこ、骨との接点で感じることが多い。さきほどの3つの筋肉の上端は、骨盤の下方にある坐骨結節(ざこつけっせつ)についている。

 

坐骨結節を感じてみよう!

椅子に腰かけて、左右のお尻の下に手のひらを置き、上半身(骨盤を含む)を前後に大きく傾けると、手のひらにコリコリした骨を感じるはず。それが坐骨結節。

ソファーなど座面が柔らかいと分かりづらい。坐骨結節は肛門の近くなので、手のひらをお尻の中のほうまで置かないと分からないよ~!

腰かけている時、坐骨結節は椅子の座面に当たっている。ということは、3つの筋肉もずーっと圧迫されている。これらの筋肉がカチコチに縮んでいると、長時間の椅坐位でも、坐骨結節の部分に痛みが生じやすい。

 

3つ筋肉の柔軟性をチェーック!

stretching_hamstrings_yk_001

あおむけで、両脚(あるいは片脚)を上げ、手でふくらはぎを支えながら膝を伸ばしてみよう!手がふくらはぎに届くかな???

脚が上げにくかったり、膝が伸ばしにくい場合、3つの筋肉が縮まっているかもしれないぞう!

えっ?ふっくらおなかがつかえて、ふくらはぎに手が届かない?

う~~~ん………。

 

坐骨結節部痛におすすめの鍼灸治療

kyutousin_yk_001

ガシッ!とした3つの筋肉をほぐすには、灸頭鍼(きゅうとうしん)がおすすめ。鍼先にモグサをつけて、お灸もする!

坐骨結節周辺の他の筋肉もカチコチに硬いことがあるので、それらの筋肉の柔軟性を出すことも大切。

これらの筋肉が柔らかくなると、股関節や膝関節の動かせる範囲が広がり、筋肉の耐久性も増すので、長時間座ったり立っても、坐骨結節が痛くならないよ。

福岡県福岡市にある女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士でした。

【腰痛】コトーの鍼灸治療プラス

 

今回の、腰痛治療の動画は、誰にでも分かりやすい言葉を使い、シンプルにまとめてみました。いかがだったでしょうか。こーんなに短い動画は久しぶり!

筋肉はデリケート。寒くても暑くても、筋肉は緊張しやすい。

今年の冬の寒さは格別!腰や肩の痛みが強まったのでは?

暖かくなったり寒くなったり…を繰り返す春先や冬の入り口は、ぎっくり腰を起こしやすい。これからの時期も要注意です!気をつけてねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

関連記事 

【骨が原因の腰痛】骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折~原因・症状・治療・予防法

【骨が原因の腰痛】骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折~原因・症状・治療・予防法

背骨は頭を支えている

上のイラストは、横から見た骨格。

首の骨(=椎骨 ついこつ)は、7個。胸の椎骨は、12個。腰の椎骨は、5個。背骨は、24個の椎骨が積み上がっている。

緩やかなS字カーブとなっているのは、約5㎏もある頭の重さを分散させるため。背筋や腹筋、殿筋(でんきん)(=お尻の筋肉)などが、背骨のカーブを支えている。

 

腰の椎骨は頑丈

背骨の中で、腰の椎骨が一番大きく、がっしりとしている。

右が背中側。左がおなか側。椎骨と椎骨の間にある半透明のものは、椎間板(ついかんばん)。骨と骨のクッションになる。椎骨の隙間からちょろっと出ている黄色のものは、神経。

 

骨粗鬆症のメカニズム

骨の中がスカスカになり、骨の強度が低下した状態が、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)。

女性ホルモンであるエストロゲンは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑えている。閉経すると、エストロゲンの分泌量が減るため、骨のカルシウム量も減少し、骨粗鬆症になりやすい。また、高齢者では女性に限らず、骨粗鬆症になりやすい。若い時の無理なダイエットや、喫煙も、要因とされる。

 

骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折の原因

イラストは、3つの椎骨のうち、中央の椎骨の圧迫骨折。椎骨が押しつぶされるように変形する。

骨粗鬆症が進むと、重いものを持った時や、転倒、背中の軽い打撲でも、腰の椎骨(=腰椎)が骨折しやすい。気づかないうちに、骨折していることもある。70歳以上の女性に多く見られる。

 

骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折の症状

骨折の部位や状況によって、症状は様々。症状が出ないこともあれば、じっとしていても腰や背中にズキズキとした強い痛みがあり、寝返りや起き上がり、立ち上がりなど、ちょっとした動作で痛みが強まることもある。お尻から脚にかけてしびれや痛みが出ることもある。

閉経後の女性や高齢者で、重たいものを持ったり、背中を打ったり、転倒した直後から、腰や背中が痛み出したら、まず、整形外科を受診してほしい。

身長が4㎝以上低くなり、背中が丸くなっていたら、背骨の圧迫骨折によるものかも…。

 

骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折の治療

まず、整形外科でレントゲンやMRIを撮ってもらい、背骨の骨折の有無を確かめよう。

骨折直後は、コルセットで背骨が動かないように固定し、安静に…。長期間のコルセット着用や安静は、高齢者になるほど、体力や筋力が衰え、寝たきりのリスクが高まる。どれくらい安静にしたらいいのか、いつまでコルセットを着けるのか、いつからどの程度、体を動かしていいのか、整形外科の担当医に相談しよう!

体を動かせるようになった時、体力や筋力、バランス能力などが落ちている場合は、自己流のトレーニングはせずに、リハビリ(運動療法)で、専門スタッフ(理学療法士)の指導を受けよう。

背骨の圧迫骨折や背骨の弯曲が強い場合は、つぶれた骨折部位に骨セメントを注入する手術がある。

 

腰椎圧迫骨折を防ぐには、骨粗鬆症の予防が大事

椎骨の圧迫骨折を起こした部位は、押しつぶれたまま骨がくっつき、元の状態に戻ることはない。悲しい現実…。

話は反れるが、コトーは理学療法士として、介護老人保健施設に勤めていたことがある。向こうから、ヨタヨタと歩いてくる高齢の男性がいた。周りに、スタッフはいない。嫌な予感がして、走って近づいたが間に合わず、男性はぽてっと横へ転倒した。ゆっくりと倒れたので、骨折していないかなぁ…と思ったが、太ももの付け根を強く痛がり、太ももの骨が骨折していた。

太ももの骨の頭を骨折すると、手術することが多い。高齢者では寝たきりにならないよう、早期からリハビリを始める。

こんなこともあった。高齢の女性が階段を下りている時に滑り落ち、手をついた拍子に手首を骨折。ギプス固定が外れた後、整形外科の担当医に、「自分で手首の運動をしてください」と言われた。運動の負荷が強かったのか、手首が痛くなり、腫れてしまった。内科でかかっていた病院の主治医にリハビリをすすめられ、コトーが担当した。ギプス固定の影響で、硬くなっている手首を、自分で動かせるようにするのは、無理!!!

熱く語ってしまったが、骨粗鬆症による骨折の予防は、骨粗鬆症にならない!ことに尽きる。

 

骨粗鬆症の予防法

①栄養バランスを気にかけながら食事をしよう!

いくつになっても、骨は再生している。骨の材料となるタンパク質・カルシウム・マグネシウム、そして、骨にカルシウムを骨に吸収させるビタミンDが含まれる食材を意識して摂ろう!

②お日様に当たろう!

日光に当たると、体内でのビタミンDの生成が促される。

③適度な運動をしよう!

運動によって、骨に圧がかかり、骨の再生が促される。

散歩は日光浴にもなり、一石二鳥!背骨をあらゆる方向へ動かすラジオ体操は、小さい頃から馴染みがあり、継続もしやすいのでは…。

人によって、体の柔軟性やバランス能力、体力、筋力など運動能力が異なる。自分のできる範囲とスピードで、気持ちよく運動するのが一番!張り切りすぎて転倒し、骨折しないように!

④骨粗鬆症が気になる方は、病院で骨密度を検査してもらおう!

上記の①~③だけでは、骨粗鬆症の進行を防げない時には、骨を強化する内服薬がある。

⑤鍼やお灸で、体の柔軟性を維持しよう!

運動不足や運動のし過ぎが続くと、筋肉は硬くなる。硬いゴムのように十分には伸びなくなる。関節を動かすのは筋肉なので、筋肉が縮まると、関節を動かせる範囲が狭くなる。高齢者では、バランス能力の低下に結びつきやすい。また、筋肉が硬いと、筋肉は疲れやすい。

鍼やお灸は、骨粗鬆症の直接の予防にはならないが、硬い筋肉をほぐし、『運動しやすい体』のサポーターになれると思う。

年明け早々、長い記事になってしまった…。近い将来、あるいは遠い将来、骨粗鬆症になる可能性は、誰にでもある。今までの、食生活を中心とした生活習慣が、骨の再生に貢献できていたか…。これからは…?この記事が、そんなことを考え、実行する、きっかけになったらなぁ…。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の、女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【無気力・ゆううつ・落ち込み・不安感・イライラ感・怒りっぽい・などの心の不調】コトーの鍼灸治療とセルフお灸とツボ・マッサージ

 

感情と五臓六腑と経絡とツボは、つながっている~『内関 ないかん』というツボの場合

これは、心臓。東洋医学では『心 しん』と言う。

『心』の役職は、『君主の官』。体と心の最高司令官。

『心』は、最重要の臓器であり、『心包 しんぽう』という、『心』を包む膜のようなもので、外敵から守られている。また、『心包』は、『心』に代わって実務を行う。

赤いラインは、『手厥陰心包経 て・けついん・しんぽうけい』という経絡。体内では『心包』につながっている。

経絡の中を『気(=エネルギー)』と『血(けつ)(=栄養分)』が通り、『心包』にも『気』と『血』を送っている。

手首近くにあるツボ『内関 ないかん』は、『手厥陰心包経』の上にのっている。このツボから、『手厥陰心包経』の『気』が出入りする。大事な関所になっている。

『内関』に鍼やお灸、ツボ・マッサージをして、『手厥陰心包経』の中の『気』と『血』の巡りを改善し、『心包』にも十分に『気』と『血』を送ることにより、心の不調や自律神経の乱れを整える。

 

感情と五臓六腑と経絡とツボはつながっている~『太衝 たいしょう』というツボの場合

これは、『肝臓』。東洋医学では『肝』と言う。『肝』の役職は、『将軍の官』。外邪から身を守るための指揮官であり、判断力や計画性などの精神活動も司っている。

 

赤いラインは、『足厥陰肝経 あし・けついん・かんけい』という経絡。体内では、『肝』につながっている。

足の甲にあるツボ『太衝』は、『足厥陰肝経』の上にある。『太』は、『大きい』ということ。『衝』は、『要衝』のこと。このツボは、勢いよく『気』と『血』が巡る特徴がある。

いくつもある経絡は、端と端がつながり、1つの輪になっている。

考えすぎて、『気』が頭の中だけでぐるぐる巡り、下がらない時には、『太衝』に鍼やお灸をする。上がりきった『気』を足元に下げ、『気』が全身を巡る状態に戻す。

 

関連動画

【動画で見る!ツボの取り方】脳をリラックスさせるツボ『百会 ひゃくえ』

【動画で見る!ツボの取り方】婦人科や自律神経の乱れ、足先の冷え、目の疲れなどに働きかけるツボ『太衝 たいしょう』

【動画で見る!ツボの取り方】自律神経を整えるツボ『内関 ないかん』

【動画で見る!ツボの取り方】疲労を回復させるツボ『湧泉 ゆうせん』

 

今年最後のぼやき

東洋医学の考え方は複雑で、とらえにくい…。特に『気』や『感情』にまつわる話は、説明しにくい…。

動画用の台本を書き、撮影し、編集したが、小道具が登場しすぎたせいか、だらだらと話したせいか、なんだか分かりにくい…。

せっかく作った小道具を最小限にし、台本を少し書き直し、撮影も編集もやり直した。しかし、分かりやすくなったのか、判断がつかない…。しかし、時間が1分間、短くなったので、よし!としよう。コトーにしては早口で話し、つっかえそうになる場面もあったが、よし!としよう。グハハハハー!

今年、最後の発信となりました。見て、読んで、いただき、ありがとうございます。YouTubeも記事も定期的には発信できないけれど、東洋医学や鍼灸やセルフケアに興味がある方に、分かりやすく伝え続けたい!と思っているよ~!

来年もよろしくお願いいたします。皆様にとって、2025年が充実した1年になりますように!