コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【更年期のエストロゲン(女性ホルモン)減少の影響】更年期・老年期の症状と原因

視床下部(ししょう・かぶ)と下垂体(かすいたい)と卵巣とホルモンの深い関係  

脳を横(耳側)が見た断面図。脳の中央に視床下部(ししょう・かぶ)(赤)、その下に下垂体(かすいたい)がある。

視床下部は、多種のホルモンを下垂体に向けて分泌する。それらをキャッチした刺激で、下垂体は、卵巣内の卵胞や黄体(おうたい)、精巣、副腎皮質、甲状腺、肝臓などに向けて、各々のホルモンを分泌する。

ホルモンは血管内を流れる。そして、各々の臓器には、特定のホルモンをキャッチできる受容体がある。

 

 

下垂体が分泌した卵胞刺激ホルモンを、卵巣内の卵胞がキャッチする。その刺激で、卵胞は成熟し、エストロゲン(=卵胞ホルモン)を分泌する。

視床下部が分泌したホルモンをきっかけに、下垂体・卵巣・子宮が働き、妊娠(=受精卵の着床)の準備が進む。そして、妊娠しなければ、生理(=月経)が起こる。複雑なしくみ。詳しくは、【生理(=月経)の豆知識①】脳と子宮と卵巣とホルモンの連係プレー を読んでね。

 

 

更年期のエストロゲン減少による、視床下部と自律神経の混乱

フィードバック機構により、視床下部は、エストロゲンの分泌量をチェックしている。

更年期に卵巣機能が低下し、視床下部と下垂体からホルモンを分泌しても、エストロゲンの分泌量が減ってくると、ボスの視床下部は混乱してくる。

視床下部は、自律神経の中枢でもあり、自律神経も影響を受ける。自律神経は、血液循環・呼吸・消化・排泄・体温調整など、生命活動に深くかかわっている。内臓や血管など、全身に分布している。そのため、視床下部の混乱で、自律神経が影響を受けると、多岐に渡る症状が出てきやすい。

ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)、耳鳴り、目の疲れやかすみ、頭痛、動悸、胸の痛み、食欲不振、肩こり、腰痛、膝の痛み、不眠、浅眠、無気力、イライラ、落ち込み、風邪を引きやすい、疲れやすい、太りやすい、頻尿、尿漏れ、むくみ、冷えなど。

更年期に入っても、まったく症状が出ない方もいれば、数々の症状に悩まされる方もいる。エストロゲンの減少の程度だけでなく、本人の気質や、その方の置かれている環境も、更年期の症状の程度に関係している。

 

 

エストロゲン減少による、他の臓器の影響

エストロゲンをキャッチできる受容体は、皮膚・肝臓・血管・骨などにも備わっている。

そのため、更年期に卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌量も減少すると、皮膚の乾燥やかゆみなど、皮膚のトラブルが生じやすくなる。

エストロゲンは、肝臓において、コレステロール値をコントロールしている。更年期にエストロゲンの分泌量が減ると、この機能も低下する。やがて、老年期には、脂質異常症(高脂血症)になりやすくなる。

エストロゲンは、血管を拡張する働きも持っている。更年期にエストロゲンの分泌量が減ると、この機能も低下する。やがて、老年期には、動脈硬化・狭心症・脳梗塞・高血圧・心筋梗塞になりやすくなる。

エストロゲンは、骨量を維持する働きも持っている。更年期にエストロゲンの分泌量が減少すると、この機能も低下する。やがて、老年期には、骨粗鬆症・骨量減少症で骨折しやすくなる。

中高年になると、家事・仕事・子育て・孫育て・介護…と、やることがいっぱいで、自分の事は後回しになりやすい。そんな時期に、エストロゲンのサポートが激減するなんて…。自分で頑張りなさい!ってこと~~~? 

次回は、更年期の様々な症状に対しての鍼灸治療を紹介します。福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【生理(=月経)の豆知識】脳と子宮と卵巣とホルモンの連係プレー

生理の複雑な仕組み

 

脳を横(耳側)から見た断面図。

中央のやや下に、下垂体(かすいたい)(緑色)がある。

下垂体は、卵胞(らんほう)刺激ホルモンを分泌。このホルモンは、血液と共に血管を流れる。  

 

卵巣には、卵胞刺激ホルモンをキャッチできる受容体が備わっている。   

 

 

血管内の卵胞刺激ホルモンを、卵巣がキャッチすると、その刺激で、卵巣の中にある卵胞が成熟する。

成熟した卵胞は、卵胞ホルモン(=エストロゲン)を分泌。血液と共に血管を流れていく。  

 

 

子宮内膜には、卵胞ホルモンをキャッチできる受容体が備わっている。

血管内の卵胞ホルモンを、子宮内膜がキャッチすると、子宮内膜を厚くする。   

 

子宮内膜が厚くなると、脳の下垂体は、黄体(おうたい)形成ホルモンを分泌。   

 

 

卵巣には、黄体形成ホルモンをキャッチする受容体も備わっている。

血管内の黄体形成ホルモンを、卵巣がキャッチすると、卵胞から卵子が飛び出す。これが、『排卵 はいらん』。

 

 

飛び出し卵子は、子宮の卵管(らんかん)に留まる。  

卵子が飛び出した後、卵胞は黄色に変色。『黄体』となる。

黄体は、黄体ホルモン(=プロゲステロン)を分泌。

子宮内膜には、黄体ホルモンをキャッチできる受容体も備わっている。

血管内の黄体ホルモンをキャッチした子宮内膜は、子宮内膜を更に厚くする。これで、フカフカの敷布団が出来上がり、受精卵の着床(ちゃくしょう)準備は完了。

 

 

子宮口から上がってきた精子が卵管までたどりつき、卵子と結合すると、受精。

受精した卵子は受精卵となり、フカフカの子宮内膜の上にのると、着床。

その場所で、受精卵がすくすく育っていくと、妊娠。   

 

 

卵管にいる卵子が精子と出会わないと、子宮内膜に作ったフカフカの敷布団は必要なく、剥がれ落ち、血液と共に排出される。これが、生理(=月経)。   

 

 

更年期の生理の変化   

更年期の期間は、閉経の前後5年ぐらい。日本女性の平均閉経年齢は、50.5歳。更年期は、45~55歳ぐらい。   

 

脳の下垂体は、卵胞刺激ホルモンを分泌。   

 

 

更年期にさしかかると、卵巣の機能は低下しはじめる。

卵胞刺激ホルモンをキャッチしても、卵胞を十分に成熟させることも、卵胞ホルモン(=エストロゲン)を十分に分泌することも難しくなってくる。   

 

その変化に気づいた下垂体は、「卵巣!しっかり卵胞ホルモンを出せ!」と、卵胞刺激ホルモンを大量に分泌。

 

 

卵巣は、下垂体の指令に、なんとか答えたい。しかし、老化による機能低下を食い止めることは難しく、卵胞刺激ホルモンをキャッチしても、卵胞ホルモンの分泌量は減っていく……。   

 

 

血管内の卵胞ホルモンを、子宮内膜はキャッチして、子宮内膜を厚くしてきた。卵胞ホルモンの分泌量が減ってくると、フカフカの敷布団も作れなくなり、やがて、閉経……。  

 

私たちの体の中では、たくさんの種類のホルモンが作られている。また、内臓や器官などには、あるホルモンを受け取れる受容体が備わっている。内臓たちは、血管内の多種のホルモンから、受容体に合ったホルモンだけをキャッチし、その刺激で、ある決まった仕事をする。  

生理の仕組みもその中の1つ。次回は、更年期の症状と原因を紹介するよ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~後編

ツボ・マッサージ① 咳・喘息に『中府 ちゅうふ』のマッサージ  

 

イラスト(2021年作)の赤いラインは、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。その上に、ツボ『中府 ちゅうふ』がある。手太陰肺経は、体内で肺につながり、この上にあるツボたちは、呼吸器の症状に働きかける。『中府』は、鎖骨の下にあり、セルフお灸はしにくいので、ツボ・マッサージがおすすめ。

 

イラスト(2011年作)のように、親指で内側方向に押し回し。痛気持ちいいなぁ~という強さでね。

 

胸にある筋肉『大胸筋 だいきょうきん』(2021年作のイラスト)。

普段の呼吸では、この筋肉は使われない。度重なる咳や喘息で、呼吸がしづらくなると、呼吸補助筋となり、活躍する。長期間、呼吸補助筋として働くと、筋肉疲労も出てくる。

『中府』(青丸)は、この筋肉の上にあり、筋肉疲労をほぐすためのマッサージとしても、おすすめ。

『中府』の位置は、【動画で見る!ツボの取り方】風邪や喘息など呼吸器の症状や首こり・肩こりに働きかけるツボ『中府』 で確認してねぇ~。  

 

 

ツボ・マッサージ② 鼻水・鼻づまりに、『迎香 げいこう ⇔ 睛明 せいめい』のマッサージ  

 

ツボ『迎香』は、小鼻の横にある。ツボ『睛明』は、目頭の内側にある。

イラスト(2016年作)のように、鼻の両側に沿って、『迎香』から『睛明』までマッサージ。人差し指の先端で、やさしく押してね。爪が長い方は、丸みを帯びたペン先で押してみて!

『迎香』の位置は、【動画で見る!ツボの取り方】鼻詰まりや鼻炎に働きかけるツボ『迎香』 で確認してね。『睛明』のツボ取り動画は撮ってない。ごめんねぇ~。   

 

 

ツボ・シャワー  鼻のトラブルやアレルギーに、『大椎 だいつい』へのシャワー  

ツボ『大椎』は、うなじ(首の骨)の付け根にある。鼻のトラブルやアレルギー症状が強い時、イラスト(2016年作)のように、『大椎』の周りが、逆三角形のおにぎり状に盛り上がってみえる。

ここにセルフお灸はしにくいので、入浴中のシャワーがおすすめ。少し熱めのお湯で、このあたり(=下を向いた時に骨がポコッと出ている所)にシャワーをかける。ポワッと温まり、気持ちがいいよぉ~。  

 

 

セルフお灸   肌荒れ・アレルギーの改善に、『曲池 きょくち』へのお灸  

イラスト(2022年作)の赤いラインは、『陽明大腸経 ようめい・だいちょう・けいらく』という経絡。

『曲池』は、この経絡の上にあり、皮膚のトラブルやアレルギー症状がある時、よく用いる。

『曲池』は肘にあり、ツボの位置は見つけやすく、セルフお灸もおすすめ。【動画で見る!ツボの取り方】肘・腕の痛み、高血圧、皮膚病に働きかけるツボ『曲池 きょくち』 を見ながら、お灸をしてみてねぇ~。  

 

 

おまけのコーナー

2011年作。初代ツボ・モデル・シスターズの中の1人、『陽明大腸経』。左腕が蛇っぽくなった…。

 

2012年作。ツボ・モデル・ブラザーズの中の1人、『陽明大腸経』。懐かしいなぁ…。以前、行っていた『対面のお灸教室』のページには、ツボ・モデル・ブラザーズが登場していた。

自分自身が登場したのは…  

 

2019年の夏から。小学生の頃、交換日記にも絵を描いていた。さらさらさらっと描けないけれど、描きたくなっちゃうんだなぁ~。

11月に入っても、福岡は日差しが強く、日傘とサングラスを愛用している。今年は、なかなか初秋に入りきらない。体調を崩さないでねぇ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】セルフケアと予防対策~前編

秋には肺をいたわり、気(=エネルギー)を補充する  

五臓六腑の肺は、潤いを好み、乾燥を嫌う。秋口に入り、空気が乾燥しだすと、肺はダメージを受けやすい。

秋口の肌荒れやかぜ、アレルギー(花粉症・鼻炎など)は、肺の機能低下による。乾燥から肺を守ることが、秋口の諸症状を改善することにつながる。

また、秋は気が不足しやすい季節。気を補うことが、肺を元気にすることにもつながる。

詳しくは、過去の記事 【秋口の肌荒れ。かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ を読んでねぇ。 

 

 

乾燥対策1 室内の加湿 

日中、長時間いる部屋や寝室に、湿度付き温度計を置こう。快適な湿度は、50~60%。それ以下だったら、加湿器を使い、乾燥から肺を守ろう。湿度が低すぎて、ニコチャンの口がへの字になってる。  

 

 

乾燥対策2 保湿クリームやリップクリームで、皮膚をガード!  

日中はもちろん、入浴直後にもクリームで保湿。コトーは、クリームをたっぷり皮膚に塗りこんで、木綿の手袋と靴下を履いて就寝。クリームが服や寝具に付いちゃうからねぇ。洗濯する時、手袋たちを裏返しにするのが面倒だけど…。

 

 

気温差対策 重ね着とショールやスカーフで調整しよう  

日中、気温が上がっても、日陰や室内はひんやり…。朝晩は更にひんやり…。秋は何を着ていいか困る。

コトーは、日中、厚手のTシャツや薄手の長袖Tシャツで対応。朝晩や、冷房が入っているスーパーなどでは、薄手のカーディガンやパーカーをはおる。

首にスカーフを巻くだけでも体が温かくなる。外出時、バックに薄手のショールやスカーフを入れておくのもおすすめ。

尚、これからやってくる冬に向けて、厚着は禁物。理由は、下記の『気の補充3 動く』で説明するよ~。  

 

 

気(=エネルギー)の補充1 食事を整える 

気は、食事と呼吸(=酸素)で作られる。だからこそ、何を食べ、何を控えるかは、どの季節においても重要。

極暑でエネルギーを使いすぎ、秋口には気が不足。あまりの暑さに、コトーは、封印していたアイスを食べ、冷えた炭酸水もごくごく飲んだ。冷たいものは体に負担をかける。

気温は高いが、湿度が低く、過ごしやすい秋口からは、冷たい物を控え、少しずつ温かいものにシフト!根菜類(大根・人参・ごぼう・里芋など)は体を温める作用があり、積極的にとっていきたい食材。

夏に冷たいものをとりすぎ、胃腸が弱っている方は、根菜類をぐつぐつ煮込んだスープなど、消化のいいものをとり、まず、胃腸を元気にしよう!

ネギ・ショウガ・とうがらし・ニンニク・大根・玉ねぎなど辛味のある食材は、体を温め、気の流れをよくする。辛味は、肺と相性がいい。しかし、辛いものをとりすぎると、肺は活発になりすぎ、五臓六腑の『肝』がダメージを受ける。『肝』は、酸味と相性がいい。秋は、少辛多酸。辛味のあるものをちょっぴり。梅干しや酢の物など酸味のあるものを、それよりもちょっと多めにとる。  

 

 

気の補充2 早寝早起きと十分な睡眠  

気にはたくさんの種類がある。その中の一つ、衛気(えき)が、細菌やウィルスなどの外邪から体を守る。就寝中に、衛気は蓄えられる。そのため、十分な睡眠は必須。

東洋医学では、秋こそ夜更かしをせず、早寝早起き!と、説いている。夜更かしが気持ちいい季節だけどねぇ…。

不摂生をすると、その次の季節に体調を崩す。セルフケアは、今の季節だけでなく、次の季節の体調にもかかってくる。ないがしろにはできないなぁ…。   

 

 

気の補充3 動く!  

保温というと、洋服やホッカイロ、暖房器具など、外から温めることを連想しがち。それ以前に大切なのは、体内で熱を作り、その熱を体外に出さないこと。

筋肉は、動くと熱を発生する。それを保温することを、まずやってみよう。体を動かし、筋肉を使えば、しっかりと体熱があるから、肌寒い季節でも、薄着で大丈夫。

コトーは、寒い時期に大掃除は嫌なので、秋に大掃除をしている。網戸を洗って、窓を拭き、体熱を作ってる。

体を動かすと、気が巡りやすく、衛気の働きもよくなるよー。 

次回は、秋口の諸症状へのツボ・マッサージやセルフお灸などを紹介するよぉ~。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。 

【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】鍼灸治療

秋口のかぜ(咳・くしゃみ・鼻水・鼻づまり・声がれ・のどの痛みなど)・花粉症・アレルギー性鼻炎の鍼灸治療  

秋になると空気は乾燥。乾燥が大の苦手な『肺』はダメージを受けて、これらの症状があらわれる。なんでそうなるのか…。

詳細は、前回の記事 【秋口の肌荒れ・かぜ・アレルギー(花粉症・鼻炎など)】東洋医学のアプローチ を読んでね。

赤いラインは、『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。体内では、肺につながっている。

この経絡の上にあるツボ、中府(ちゅうふ)や尺沢(しゃくたく)、太淵(たいえん)などに、鍼やお灸をすることにより、経絡の中にある、気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)の流れが改善する。そして、肺にもそれらが十分に行き届き、弱った肺の機能が回復する。

 

左右の肩甲骨の間には、『肺兪 はいゆ』(赤矢印)をはじめ、肺にかかわるツボが集まっている。この辺りを丁寧に鍼やお灸をすると、呼吸が楽になる。

この画像では、右側は筋肉になっているけれど、左側と同じように、経絡とツボがあるよーん。

 

小鼻の横に、『迎香 げいこう』というツボがある。

そして、その真上に、『上迎香 じょうげいこう』というツボもある。経絡の上にはないツボ。だから、ツボ・モデル君の顔にはないんだなぁ…。鼻のトラブルには、『上迎香』に、短くて細い鍼をちょこんと置く。

 

任脈(にんみゃく)という経絡(=緑色のライン)は、鼻を通っている。

生え際の少し上にある『上星 じょうせい』(赤矢印)というツボが、鼻のトラブル解消に登場する。ここも短くて細い鍼をちょこん!

 

任脈はのども通っている。

鎖骨の間にあるツボ『天突 てんとつ』は、のどの乾燥やいたみ・声がれに用いられる。ここも短くて細い鍼をちょこん!  

 

秋口の肌荒れ(肌の乾燥・かゆみ・アトピーなど)の鍼灸治療

赤いラインは、『手陽明大腸経 て・ようめい・だいちょうけい』。体内では、大腸につながっている。この経絡上のツボは、皮膚のトラブルやアレルギー体質の改善によく用いられる。

五臓六腑の『肺』は、皮毛(ひもう)(=皮膚・産毛)をつかさどっているのに、肺経ではなく、大腸経が選ばれるのか。『肺』と『大腸』は、表裏一体。大腸経のツボを使って、肺経の治療をすることもあれば、その逆もある。

大腸経の中でも、肘にあるツボ『曲池 きょくち』は出番が多い。  

 

秋口の免疫力・抵抗力の低下(かぜをひきやすい、感染症になりやすい、アレルギー症状が出やすい)の鍼灸治療   

各々のツボには特徴があり、『免疫力を調整するツボ』といえば、先ほど紹介した『曲池』。そして…、  

 

うなじにあるツボ『大椎 だいつい』も、免疫力を整える。このツボは、鼻のトラブルにもよく用いられる。  

 

秋口の諸症状の鍼灸治療 ~まとめ~  

1つ1つの症状に対して治療をするだけでなく、弱った肺に、気(=エネルギー)と血(けつ)(=栄養)をしっかりと送り、肺を元気にすることも大切。

 

『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』

 

『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』

また、夏に冷たい飲食物をとりすぎ、秋バテをしているときは、『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』や、『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』などのツボたちを使って、まず、『脾』や『胃』を元気にすることもかかせない。『脾』と『胃』は表裏一体(=ペア)なんだなぁ…。  

次回は、秋口の諸症状のセルフケアを紹介するよー。セルフお灸、セルフ・ツボ・マッサージ、日常生活の工夫など。お楽しみに~!

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。