『一過性のむくみ』と『慢性的なむくみ』

むくみには、『一過性のむくみ』と『慢性的なむくみ』がある。

 

一過性のむくみ

一過性のむくみは、病気が原因ではない。立ちっぱなし、座りっぱなし、塩分の取りすぎ、大量の飲酒、睡眠不足、運動不足、生理によるホルモン・バランスの変化、ストレスなどが原因。

生活習慣を見直すことで、むくみを改善しやすい。ちょっとしたむくみは、一晩ぐっすり眠ると解消する。

 

慢性的なむくみ

慢性的なむくみは、病気や、偏食による栄養失調が考えられ、医療機関への受診と治療が必要となる。

 

慢性的なむくみ~脚だけに症状が出やすい病気①下肢静脈瘤(かし・じょうみゃくりゅう)

脚の皮膚近くにある静脈に血液がたまり、血管がうねうねと蛇行したり、コブのように腫れあがる。

なぜ、そうなるかと言うと…。心臓の拍動の力で、心臓内の血液は押し出され、動脈を通り、全身に行き渡る。血液には水分や栄養分が含まれ、使用後の血液は静脈を通って、心臓に戻る。心臓へ戻るパワーとなるのが、筋肉。筋肉が動くと、隣にある静脈が押されて、血液は心臓へ戻りやすくなる。そして、血液が逆流しないように、静脈の内側には『弁 べん』が付いている。この『弁』が故障し、静脈内の血液が逆流し、脚の静脈にとどまってしまうのが『下肢静脈瘤』。

あー、説明が難しかった。ふくらはぎや太ももの裏は自分では見えずらいので、静脈瘤に気づかない人もいるよ。立ち仕事や座り仕事が多い職業だけでなく、運動不足、肥満、脚を酷使するスポーツ(テニス・、サッカー、ダンスなど)が原因になることもある。

 

慢性的なむくみ~脚だけに症状が出やすい病気②深部静脈血栓症(しんぶ・じょうみゃく・けっせんしょう)

脚の静脈に血栓(=血のかたまり)ができて詰まり、突然、脚がむくみ、痛み・熱感・圧痛を伴う。主な原因は3つ。1)脚や腕の怪我・手術・炎症・閉塞性血栓血管炎(へいそくせい・けっせん・けっかんえん)。 2)薬の副作用などで血液が固まりやすくなる。 3)長期間に渡る安静や長距離ドライブなど、長時間、体を動かすことができない。

 

慢性的なむくみ~脚だけに症状が出やすい病気③閉塞性動脈硬化症(へいそくせい・どうみゃく・こうかしょう)

主に、脚や手の末梢動脈に起きる動脈硬化。脚の動脈が狭くなり、血流が悪化し、むくむ。症状が進むと、歩行中に脚が痛み、歩けなくなる。立ち止まって休むと、血行障害が改善し、痛みが治まり、歩けるようになる。しかし、しばらくすると、再び痛み出す。『間欠性跛行 かんけつせい・はこう』と言う。

 

慢性的なむくみ~脚だけに症状が出やすい病気④蜂窩織炎(ほうかしきえん)

皮膚とその下の組織にかけて、急速に、水平に広がる感染症。小さな外傷が誘因となり、様々な細菌の感染で起こる。足のすねや足の甲が多い。広範囲に赤く腫れ、熱感と痛みを伴う。

 

慢性的なむくみを伴う、他の病気

心臓の病気では、心不全。肝臓の病気では、肝臓がん・肝硬変・肝炎・肝脂肪。腎臓の病気では、急性腎炎・慢性腎炎・ネフローゼ症候群・腎不全・急性糸球体腎炎(きゅうせい・しきゅうたい・じんえん)。内分泌の疾患では、甲状腺機能低下症(こうじょうせん・きのう・ていかしょう)。その他には、貧血、リンパ浮腫などがある。

 

まとめ

最初は一過性のむくみでも、立ち仕事や座り仕事が長時間・長期間続けば、下肢静脈瘤などの病気に移行しかねない。『むくみ』の変化を見過ごさないことが大切。次回は、むくみのセルフチェック法をご紹介!

 

今回は難しい話の上に、イラストが1枚もなかった…。描きようがなかったなぁ。う~~~ん、今まで撮りためた桜の画像をご覧ください!!今年は花曇りの日が多く、白っぽい桜はくっきりとは見えないねぇ…。

福岡県福岡市にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。