コトー Blog & Vlog

東洋医学のこと、鍼灸治療のこと、パーソナルトレーニングのこと、日々の暮らしのこと…。カテゴリー別に書き連ねています…。ちょこっと、動画も始めました…。

【動画で見る!ツボの取り方】胃痛や胃もたれ、脚の疲れ、健康の維持・増進に働きかけるツボ『足三里 あしさんり』

赤いラインは『足陽明胃経 あし・ようめい・いけい』という経絡。体内では胃とつながり、気(=エネルギー)と血(けつ)(=えいよう)を胃にも送る。胃の調子が悪いと、この経絡の流れが滞る。そして、経絡上にあるツボに反応が現れる。あるツボを押すと他のツボよりも圧痛が強い、ツボ周辺の皮膚がへこむ、ざらつく、などなど。

 

45個あるツボの中で、反応が出やすいのが『足三里 あしさんり』(赤丸)。このツボに鍼やお灸をして滞った経絡の流れを促し、気と血を十分に胃にも送り、胃の調子を整える。また、胃だけでなく、腸・肝・胆・膵など消化器全般に働きかける頼もしいヤツ!すねにあるので脚の疲れや痛み、運動麻痺などにも用いられる。脚のむくみや冷えにもよく使うなぁ~。鍼灸治療は鍼とお灸のセットがおすすめ。

 

これは灸頭鍼(きゅうとうしん)。鍼先にモグサを付けて、鍼をしながらお灸もする。鍼の刺激とお灸の輻射熱が同時に伝わる。

 

モグサを固めて和紙でくるみ、棒状にしたお灸、棒灸。『足三里』に鍼を置き、棒灸を数㎝離して温める。

 

コトーは鍼灸修行で中国に滞在中、毎日『足三里』にお灸をしていた。胃の調子が悪かったわけではない。『足三里』は無病長寿!健康維持!増進!にも働きかけるツボ。留学先で体調を崩さないようにお灸をしていた。おかげで大病もせず…と言いたいところだが、夏風邪で高熱を出し、真冬の北京旅行でインフルエンザにもかかったなぁ…。ハハハハハーッ!

 

青丸は『膝眼 しつがん』というツボ。そこから指4本分下に『足三里』(赤丸)がある。2つのツボを取る必要があるので、『足三里』のツボ取りは難しい。簡易的な方法もあるが、ツボの位置がずれやすい。前回紹介したツボ『梁丘 りょうきゅう』よりもツボ取り動画の撮影は難航したが、膝模型を駆使し乗り切った。何かを企画し、準備し、実行してみることが元来好きなので、手間はかかってもコツコツ動画を作り続けるよ~ん!

次回は『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡を紹介!その前に、中休みブログが入るかも…。福岡市南区にある、女性専門鍼灸&パーソナルトレーニング≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。

 

むくみに鍼とお灸はいかが?

私たちの内臓・筋肉・骨・皮膚・脳など、

各々のパーツは約270種類の細胞が寄り集まってできている。

1人のヒトの細胞総数は約60兆個!

うひょぉ~~~!

 

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<正常な水分代謝>

心臓から送り出された血液の中には水分も入っている。

動脈を流れている間に隣接する細胞に水分が吸い込まれる。

細胞内の余分な水分は隣接する静脈に吸い込まれ、

血液とともに心臓へ戻る。

リンパ管にちょびっと吸い込まれる。

 

 

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<むくみ>

静脈やリンパ管の流れが悪いと、余分な水分は吸収しきれず、

細胞と細胞の間にたまっていく…。

これが『むくみ』。

 

 

静脈は、『重力に逆らって血液を心臓に戻す』という

大変な仕事をしている。

脚がむくみやすいのは、脚が心臓から一番遠いから…。

 

 

静脈の仕事を手伝っているのは筋肉。

静脈に隣接する筋肉が動くと静脈が押され、

ポンプ作用で血液が流れやすい。

座りっぱなしや立ちっぱなしのときにむくみやすいのは、

筋肉が動かないから…。

 

 

鍼とお灸に用いるツボには、水分代謝を促すツボがいくつもある。

むくむ部位や、むくむ原因などにあわせてツボを選び、

鍼とお灸をする。

むくみが強いときには、皮内鍼(ひないしん)もおすすめ。

 

 

 

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中央にあるのが皮内鍼。

長さ5mmの小さな小さな鍼。

頭上に輝いているのは1円玉。直径20mm。

下にあるのは一般的な鍼。長さ37mm。

 

 

水分代謝を促すツボに皮内鍼を皮膚と水平に刺す。

皮下1~2mmのところ。

医療用のテープで鍼を固定する。

鍼の先端はリング状なので、鍼全体が皮膚に入ることはない。

違和感もない。

2週間ほど置いて水分代謝を促す、促す、促す…。

 

 

 

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むくみには自分でするお灸もおすすめ。

台座灸は操作が簡単!

地道に続ければ、むくみにくくなるよ~ん!

当鍼灸院の今月のお灸教室のテーマは、『むくみ』。

6月12日(火)と19日(日)に開催!

『むくみのお灸』に興味のある方はどうぞご参加ください。

詳しくは『お灸教室のページ』をご覧ください。

さぁ~て、おまけの話、その1。

 

 

 

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あれ?

胡蝶蘭の鉢植えの右端から何か顔を出している。

 

 

 

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花芽じゃないよね?

 

 

 

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表面の水苔をとると、あらららら…。

根っこが水平移動している。

胡蝶蘭の培養土はほとんど石。

隙間がなくて、

根っこは地下にもぐりこめなかったんだなぁ…。

気づかずに申し訳ない!

ブログに書くほどのことではないが、

胡蝶蘭の成長日記アクシデント日記を書き続けているので、

ご報告まで…。

 

 

おまけの話、その2。

年齢は異なるが、

『自分と生まれた月と日が同じ』知人が2人いる。

そのうちの1人に、初めてなりたかった職業について尋ねた。

「ケーキ屋さん。

ケーキを焼くというよりも、大きめなボールに泡だて器を使って、

生クリームを作りたかった。」

そんな答えが返ってきた。

うっひゃぁ~~~!

コトーは左官屋になりたかった。

玄関先や塀を作るというよりも

平べったい箱の中でセメントを作りたかった…。

同じ誕生日だとこんな共通点があるの?

 

 

勇んで、もう1人に同じ質問をしてみた。

「一番なりたかったのはアイドル!」

えっ?

アイドル?

う~~~、どう考えても共通点は見いだせない…。

「パン屋さん。

パンを焼くというよりも、パン生地をこねてみたかった」

なーんて答えが返ってきたら、盛り上がったのになぁ~!

残念!

 

特集~梅雨バテの話②~湿邪(しつじゃ)と鍼灸

冬の寒さが厳しすぎる…。

春の寒暖の差が激しすぎる…。

夏なのに涼しすぎる…。

気候の著しい変化に、体の抵抗力が落ち、

体調を崩すときがあります。

東洋医学では、『外感病』といいます。

外感病の原因となるものは、

風邪(ふうじゃ)、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の6つ。

 

 

湿度が高く雨が長く続くこの時期に登場しやすいのは、

湿邪。

湿邪にノックアウトされると、水分代謝が落ち、

むくみやすくなります。

湿邪の『下注性』という性質から、

上半身よりも下半身がむくみます。

『重濁性』という性質もあり、

頭や体が重く、四肢がだるくなることもあります。

『粘滞性』という長くとどまる性質もあり、

症状は治りにくく、

繰り返しやすいとも言われています。

 

 

湿邪によってダメージを受けるのは『脾』。

ここで述べている『脾』は、東洋医学用語。

東洋医学の『脾』と西洋医学の『脾臓』とでは、

とらえ方が異なります。

梅雨にむくむから脾臓が悪い…とは思わないでくださいね。

 

 

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赤いラインは『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』という経絡。

足の親指から始まり、脚の内側、体幹前面と上り、

肋骨の外側で終わります。

この経絡は五臓六腑の『脾』にもつながっています。

経絡は、気(エネルギー)と血(けつ)(栄養分)を

臓器にも送っています。

 

 

『足太陰脾経』の上にあるツボに鍼やお灸をすることにより、

経絡の流れを改善し、

『脾』に活力を与え、湿邪を退散させます。

 

 

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これは、台座灸。

台座の上にモグサがのっています。

台座の底にシールがついているので、

ツボにのせやすいです。

「梅雨になると脚のむくみがひどくなる…」

そんな方には、根気強く自宅で台座灸をするのもおすすめです。

 

 

コトーは20代のとき、脚のむくみがひどく、

鍼灸院でツボの取り方とモグサのひねり方を教わり、

せっせとお灸をしていました。

その頃は理学療法士の仕事に情熱を傾け、

まさか鍼灸師になるとは思ってもみませんでした…。

人生、どうなるかわかりませんね~~~。

 

むくみをとる鍼~皮内鍼(ひないしん)

むくみを鍼でとるぅ~???

意外に思う方が多いのでは…。

水分代謝を整えるツボに鍼をして、むくみを改善します。

 

むくみが強い場合、当鍼灸院では、

『皮内鍼』という鍼をよく用います。

 

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一番下の鍼は、一般的に使う鍼です。

長さが37mm。

一番上にあるのは満月ではなく、一円玉。

直径20mm。

中央にあるのが皮内鍼で使う鍼。

長さが0.5mm。

とっても小さい鍼です。

 

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この皮内鍼を足にあるツボに2~3mm刺します。

鍼の持ち手はリング状になっているので、

鍼全体が皮膚に入ることはありません。

 

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医療用のテープで鍼を固定します。

鍼のリングの下からテープを貼るので、

このテープのことを、通称『枕』といいます。

 

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最後に鍼全体を覆うように、医療用テープを貼ります。

このテープのことを、通称『布団』といいます。

2週間ぐらいこのままにして、ツボを刺激し続けます。

鍼が皮膚と水平に入っているので、痛みや違和感はありません。

 

生理痛や生理不順が強い時には、

血の巡りを整えるツボにこの皮内鍼をします。

ちっちゃな鍼ですが、頼もしいヤツです!

 

むくみは、お灸でも治療します。

夕方になると脚がパンパンになり、だるくてしょうがない!

そんな方には、ご自分でするお灸もおすすめです。

根気強くお灸をし続けると、水分代謝がよくなり、

むくみも改善します。

 

当院での4月のお灸教室のテーマは、『むくみ』です。

興味のある方は、ぜひご参加ください。

詳しくは、『ホームページのお灸教室ページ』をご覧ください。

一緒にお灸を楽しみましょー!

 

むくみと鍼灸と経絡と五臓六腑の関係

今月のお灸教室のテーマは、『むくみ』。

予習をしていました。

それを皆さんに、おすそわけ!

 

むくみについては、ブログで何回も取り上げてきました。

今回は、五臓六腑に注目しながら、

むくみについて書いてみます!

よろぴくぴくぅー!

 

私たちの体の中の水分は、体重の約60%。

その水分のことを東洋医学では、

『津液 しんえき』といいます。

五臓六腑の中の『脾 ひ』は、口の中から取り込んだ

飲食物から、津液を作り出します。

脾の働きが悪いと、津液が滞って、

むくみの原因になることもあります。

ここでいう『脾』は、西洋医学でいう『脾臓』とは

若干働きが異なります。

 

赤いラインは、『足太陰脾経 あし・たいん・ひけい』

という経絡。

この経絡は、脾にもつながっています。

経絡は、全身に張り巡らされた通路です。

エネルギーと栄養分を全身に送っています。

 

むくみの鍼灸治療は…、

この経絡上のツボに鍼やお灸をする

     ↓

脾の働きが改善

     ↓

津液の滞りが改善

     ↓

むくみが改善

 

 

次にご紹介するのは、『腎 じん』。

体の中で利用され汚くなった津液は、

腎に運ばれてきます。

ここで、津液は、再吸収されたり、尿として膀胱に

運ばれます。

腎は、全身の水分代謝を調節しています。

腎の働きが悪いと、この水分調節がうまくいかなくなり、

むくみの原因になることもあります。

 

赤いラインは、『足少陰腎経 あし・しょういん・

じんけい』という経絡。

この経絡は、腎にもつながっています。

この経絡上のツボに鍼やお灸をして、

むくみを改善します。

 

 

最後にご紹介するのは、『膀胱』。

 

赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・

ぼうこうけい』という経絡。

この経絡は、膀胱にもつながっています。

尿という水分を体から排出するという点では、

膀胱も水分代謝に大きくかかわっています。

むくみの治療に、この経絡上のツボを使うこともあります。

 

 

こんなふうに、五臓六腑と経絡とツボの特性を

考慮しながら、鍼やお灸をしているんですよ。

東洋医学は、独特な考え方をします。

難しいけれど、おもしろい!