ツボは1つ1つ特徴がある。『太淵 たいえん』というツボ(=黄緑色の矢印)は、経絡の気(=エネルギー)が深く集まる場所。そのため、『大きい』という意味がある『太』という字と、『川・沼・湖などの水が淀んで深い所』である『淵 ふち』という字を合わせて、このツボの名前とした。名前の由来を知るだけで、『太淵』というツボの重要性が分かる。
東洋医学の診察方法に『脈診 みゃくしん』がある。左手首にある動脈の上に、右手の人差し指と中指と薬指を軽く当てる。各々の指が感じる脈の強弱やリズムなどで、3種類の経絡の状態を把握する。次に、3本の指をやや強めに動脈に押し当てる。各々の指が感じる拍動で別の3種類の経絡の状態を把握する。右手首にある動脈でも同様のことを行い、6種類の経絡の状態を診る。左右合わせて、12種類の経絡の状態を把握できる。といっても、分かるまでには熟練を要する。『太淵』は、この脈診をする場所にある。
赤いラインは『手太陰肺経 て・たいん・はいけい』という経絡。体の表面だけでなく、枝分かれして肺にもつながる。この経絡上に『太淵』がある。前回のブログ『特集:五臓六腑と経絡とツボと鍼灸の関係性②~手太陰肺経』で紹介したように、『太淵』は咳・痰・のどの痛みなど呼吸器の症状を鎮める作用がある。
手のひら側の筋肉と腱と腱鞘(けんしょう)。青い丸が『太淵』。『太淵』の外側(=親指側)と内側には、親指を動かす筋肉がある。肘に付く筋肉で、手首から指先までは腱(肌色)になっている。スマートフォン・パソコン・重労働などで、指や腕全体を使いすぎ、だるさや痛みが生じたときには、『太淵』の内側や外側の腱に鍼やお灸をすることが多い。
『太淵』のツボの取り方を自撮りしたよ。数あるツボの中では、初心者でも見つけやすい!興味のある方はご覧ください。福岡市南区にある≪レディース鍼灸ことうプラス≫の女性鍼灸師・理学療法士のコトーでした。オンラインお灸教室でも、ツボの取り方と、ツボ押し・お灸のやり方をレクチャーしてるよ~!