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幼少の頃、祖父や祖母がお灸をしていた、あるいはお灸をするのを手伝った、という話をときどき聞きます。

日本の鍼灸の起源は、中国の僧侶が来朝した562年とされています。
そして中国の鍼灸の起源は石器時代にまでさかのぼります。

中国最古の医学書に「黄帝内経(こうていだいけい)」があります。
紀元前4~5世紀頃の春秋戦国時代から紀元前100年頃の前漢の時代までにまとめられました。
多くの医学者がたくさんの治療経験に基づき書いた本です。

その本には「中国の気候風土・社会環境の違いにより、東西南北の各地で発生する病気が異なり、その違いに対応した異なる治療法が発達した」と記されています。
そして以下のように続きます…。

東方は海岸地方で、住民は魚や塩ばかり食し、オデキができやすく、へん石といわれるメスで切開する治療法が発達しました。
西方は金属や壁玉を産する砂漠地帯で、住民は獣肉を常食しよく肥え、薬物を煎じた湯液(漢方薬)で病を治していました。
北方は高原地帯で風が冷たく水は凍り、灸による温熱療法が発達しました。
南方は日光がさんさんと降り注ぎ、住民は酸味のある果物を好んで食べ、鍼による治療が発達しました。
中央に位置する所は平坦地で物産の豊かな所で、住民は何でもすぐ手に入り食べることが出来、肉体労働はあまりせず、「あん摩」などの手技療法や運動療法・体操法などが発達しました。

中国の面積は約960万k㎡で、日本の約26倍!(地図が見えづらくてすみません)
面積が広い国だからこそ、東洋医学は鍼灸・漢方・あん摩・気功など多岐に渡っているのですね。