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春の三ヶ月間を、発陳(はっちん)という。

それはすべてのものが発生し、つらなる季節である。
この時期に、天地間のもろもろのものが生きいきと発生し、
つらなって繁栄しようと動きはじめる。

この時にあっては、人々は夜更かしすることなく早く床に入り、
朝は早く起き出てゆるやかに庭を歩くようにする。

肉体的には冠をかぶったり、急激な労働をしたりすることなく、
また、精神的には、冬の間に深くしまい込んでいた志をおこさせてやり、
万事のびのびとさせて削ぐことなく、
与えて取りあげることなく、
誉めて罰することなく、
このようにすべてをゆったりとのびのびさせておく。

つまり引き締めて制御するということのないような
心身の使い方をすべきである。

そのようにできれば、それが春における陽気の発生を特長とする
天地の気に相応することであって、
これこそ、春時の養生法であるというものだ。

これは、現存する中国医学書の中で最古の、
『黄帝内経 こうていだいけい』に書かれたもの。
小曽戸丈夫氏と浜田善利氏の訳も素敵で、ご紹介しました。

この本は、紀元前4~5世紀頃の春秋戦国時代から、
紀元前100年頃の前漢の時代までにまとめられたそうです。

ヒトは生きていくために、必要な食物も空気もすべて自然界に頼っています。
東洋医学では、『自然と共生し、季節に応じた養生』が奨励されています。

春は、植物が芽を出し、生長して茂るように、
ヒトも抑えることなくのびのびと生長していく…。
もう、背は伸びないけれど、気持ちは伸びていきたいなぁ…。

もうすぐ、ゴールデン・ウィークですよー!
この本が書かれた頃と今とでは、紫外線量は比べものになりませんが、
森林浴に行きたいですねぇ~。

福岡では、油山や宝満山など身近に森林浴ができる山々があります。
その福岡で女性専門鍼灸院をしています。
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