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前回のブログに引き続き、ストレッチングの話。
かれこれ20年、理学療法士として、運動療法の一環で、
たくさんの患者さんにストレッチングを指導してきました。

現在、鍼灸師として、冷え症や、生理痛・生理不順などの婦人科疾患
の方々の鍼灸治療もしています。
共通して、血の巡りが悪いことが多く、
おなか、腰、お尻がひんやりしていたり、筋肉が硬かったり…。
長い間、骨盤周りの皮ふや筋肉が冷えて硬くなっていると、
骨盤の中の内臓、子宮や卵巣も冷えて機能が低下する、
と東洋医学ではとらえます。
ストレッチングは、スポーツ選手や体が硬い人だけのものではなく、
血の巡りの改善にも役立ちます。
今回もブラッド・ウォーカー氏の『ストレッチングと筋の解剖』という
本を基に、今までの自分の経験もふまえて、
適切なストレッチングの方法をご紹介します。

1.いつストレッチングをするか?
競技的なスポーツや運動をするのであれば、
その前後のストレッチングは重要。
座りっぱなし、立ちっぱなし、など同一姿勢を長く続けていたり、
反復動作や肉体労働も長く続けていると、筋肉は硬くなりがち。
途中(30分~1時間)で、姿勢を変えて、ゆっくりと丁寧にストレッチング!
朝起きたときに、体がガチガチな人は、
寝ている間に筋肉がリラックスできていません。
入浴後、あるいは眠る前のストレッチングがおすすめ。
血の巡りが悪い方も入浴後や程よく動いて筋肉が温まっているときに
ストレッチングをしたほうが効果的。

2.持続時間、回数、頻度
それぞれのストレッチングを1回につき20~30秒間。
2~3回。トータル(すべてのストレッチング)で5~10分間。
すぐには効果が得られにくいですが、粘り強く継続すると、数ヵ月後に変化が!
ただし、柔軟性が出たから…といって、ストレッチングをやめると、
いつの間にか硬い筋肉に戻りやすく、継続が大事!

3.姿勢は?
姿勢が悪かったり、方法が不正確であると、ストレッチングをしているつもりでも、
伸ばしたい筋肉が伸びていなかったりします。
どこの筋肉を伸ばすのか意識し、筋肉の張りぐあいを確認しながら
ストレッチングをしましょう。

4.人と比べない
「あの人があれぐらい曲がるのなら、あたしもー!!」と思いがち。
筋肉の柔軟性や関節の動かせる範囲は人それぞれ。
同世代、同性でも同じではありません。
自分の筋肉がほどよく伸びるストレッチング内容や方法を行いましょう。

5.中止する時
筋肉や関節に痛みが生じる場合は、そのストレッチングは行わない。
人間の体の調子は、日々変わるもの。
「昨日ここまで伸びたのだから、今日もここまで、いやいや、
それ以上!」なんて都合よくはいきません。
毎日ストレッチングを続ける良さは、日々の自分の体の変化を客観的に
気づけることでもあると思います。
「あれっ?今日はふくらはぎがガチガチ。
かなり歩いたからなぁ…。
今日は、ソフトなストレッチングをして、あとで、じっくり湯船につかろう。」
こんなふうに体の変化にすぐ気づいて、すぐ対処すれば、
自分でストレッチングをするだけでは、どうにもならない!
筋肉が緩まない!ということが減ってくるのでは…。
余談になりますが、私は入浴前や入浴後にストレッチングをします。
入浴後はすぐ眠くなり、布団の上でストレッチングをしながら、
寝てしまうことも度々。
あおむけで、両膝を曲げて、足の裏がお尻につく姿勢で、
太ももの前の筋肉をストレッチングをしているときが
もっとも危険!
ふと目が覚め、はやく両膝を伸ばしたいけれど、
両脚がしびれて動かせない!!!
何回もそんな目にあい、今は片脚ずつしています。
この場で、具体的なストレッチング方法は、ご紹介できません。
今回参考にした本は、各々のストレッチングの姿勢に、
伸ばす筋肉も描かれ、わかりやすいので、どうぞ…。
大きな本屋の、医学書・整形外科のコーナーにあると思います。
福岡で女性専門鍼灸院をしています。
ご希望者には、一人ひとりにあったストレッチング方法も指導しています。