お盆はいかがお過ごしでしょうか。

里帰りをして、久しぶりに祖父母・両親・叔父・叔母・兄弟…と

楽しいひとときを過ごされたでしょうか。

「あー、あんた、だんだん〇〇に似てきたねぇ~」

なんて言われませんでしたか。

別々に暮らしているのに、体型やしぐさが似てくる…。

これって遺伝?

前回と今回に渡って、『遺伝』について考えてみました。

前回のブログでご紹介したように、

『遺伝子』は私たちの体をつくっている『細胞』の中の『核』に入っています。

『核』の大きさは、直径数マイクロメートル(マイクロは1000分の1ミリ)。

核の中に大切にしまわれているのは、『DNA(デオキシリボオ核酸)』。

DNAは、長いひも状のもので、

1万分の1に凝縮されて、核の中に入っている。

そのDNAのひもに、ポツン…、ポツン…と点在しているのが『遺伝子』。

細胞が分裂するとき、核の中のDNAは形を変え、

『染色体』という棒状の物体に変身!

この『染色体』に遺伝情報があり、

ヒトの場合、1つの細胞につき、46本の染色体があります。

あ~、説明が難しい!

ここまで頭の中にイメージできましたでしょうか。

雑誌『Newton ニュートン 知りたい!遺伝のしくみ』におもしろいデータが。

自分の染色体の何%が、家族と一致するか。

父母とは50%、

祖父母とは平均25%、

自分の子とは50%、

一卵双生児の兄弟姉妹とは100%、

それ以外の兄弟姉妹とは平均50%、

叔母・叔父とは平均25%、

おい・めいとは平均25%、

いとことは平均12.5%。

染色体が同じということは、遺伝情報も共通ってことです。

いかがですか。

目の前の家族や里帰りしたときの家族との共通点ってありますか。

高校生の頃、駅のホームで電車を待っていると、隣にいる友人が、

「あんたにそっくりな人が前のホームにいる」と教えてくれました。

目を凝らして見ると、私の母。

顔などはっきり見えない距離。

友人は母に会ったこともない。

私はとてもショックだった。

だって、その頃の母はムーミン体型。

私も母の齢にはムーミンになるってこと?

(注:今の母はスリムです)

現在、遺伝子の研究は目覚ましいですね。

身長にかかわる『SHOX (シックス)遺伝子』。

46本の染色体のうちの、X染色体とY染色体に存在!

瞬発力にかかせない『速筋』という種類の筋肉にかかわる『R型のACTN3遺伝子』。

これは11番目の染色体にある。

逆に持久力にかかわる『I型のACE遺伝子』。

これは17番目の染色体にある。

7番目の染色体にある『TAS2R38遺伝子』は、苦味の感度に関与!

ひえーっ!

いろーんなことが染色体の遺伝子情報に基づいている…。

「これって、遺伝だからしかたがない」

そう決め込んでしまったことはありませんか。

また、

「あの環境じゃあ、自分自身(あるいは人)は変わるよねぇ~」

そう思ったことはありませんか。

ヒトの個性が、どれだけ遺伝子の影響を受けているのか…。

どれだけ環境の影響を受けているのか…。

双子の研究によって、だいぶ解明されてきたようです。

この世に生まれて、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校…と、

変化する環境。

自分自身の遺伝的素質はあるものの、

めまぐるしく変わる環境に適応しようと、

私たち人間の心と行動の働きは、柔軟に変化していく…。

環境の影響はとても強いということですね。

しかし、同じ環境下でいる人が、みんな同じような影響を受けることはない。

一人ひとり、各々の遺伝的素質を持つので、

環境から受ける影響も十人十色。

おーっ、なんとも奥深い、『遺伝』と『環境』の関係…。

前回、今回と、難しい話におつきあいいただき、ありがとうございます。