『ヘルニア』って辞書で調べると、

『臓器の一部が本来あるべきところから逸脱した状態』のことだそうです。

『ヘルニア』には、椎間板ヘルニア以外に、横隔膜ヘルニア、

そけいヘルニア、脳ヘルニアなどがあります。

『椎間板ヘルニア』は、『椎間板の一部分がそこからはみ出す状態』ということですね。

小学校の理科室などで見たガイコツの背骨を覚えていますか。

椎骨(ついこつ)という骨が、上下に連結して背骨ができています。

首の椎骨は7個、胸は12個、腰は5個。

これは、腰の2つの椎骨を横から見た図。

上から見ると、椎骨の真ん中は空洞で、

その中を脊髄(せきずい)(神経のこと)が通っています。

脊髄は、脳から骨盤までずずずぃーっと伸び、

途中、枝分かれて、椎骨と椎骨の横の隙間を通り抜けています。

腰の部分であれば、

椎骨の隙間を通り抜けた脊髄は、

下半身の筋肉運動や感覚をつかさどる神経になります。

それも、腰の〇番目と〇番目の椎骨の間から伸びている神経が

動かす筋肉や、皮膚感覚の領域は決まっています。

あーっ、この説明、難しいっ!

しかーし、

これを理解していただくと、後で説明する症状のことがよくわかると思います。

先ほどの手描き図を見直してほしいのですが、

椎骨と椎骨の間のクッションの役目をするのが椎間板(肌色の部分)。

この椎間板が変性し、

外傷(外力)、労働、スポーツ、遺伝的要素などが加わって、

椎間板が傷つき、

椎間板の一部分が外にはみ出してしまうのが

『椎間板ヘルニア』。

椎間板の中で、ヘルニアになりやすいのは、腰の椎間板です。

今回は、鍼灸でも治療することのある、

腰の椎間板ヘルニアについてご紹介します。

前置きがひじょーに長くなりました。

すみませ~ん!

やっと本題の入ります。

腰の椎間板ヘルニアの症状としては、

腰痛、下肢痛、下肢の筋力低下やしびれや感覚障害など…。

腰のどの位置の椎間板が、上・下・内・外・右・左のどの方向へ

どのくらいはみ出し、どの程度、脊髄などの神経を圧迫しているか。

それによって、症状の現れる部位や程度、そして症状自体も異なります。

治療としては、

急性期は安静第一。

痛みを和らげるために、

鎮痛薬の服用。

硬膜外ブロック・神経根ブロックなどの注射・注入。

骨盤牽引。

装具療法(コルセットの着用)。

運動療法。

手術など。

症状などの程度によって、治療方法は異なります。

神経への圧迫の程度や症状の程度、日々の椎間板への負担度などにより、

治っていく過程も様々です。

はみ出した椎間板の一部分が自然に吸収されて、

神経への圧迫が減少すれば、症状も和らぎますが、

時間がかかることが多いようです。

筋肉疲労からくる腰痛とは質が違います。

当の本人は、根気強く治そう!という精神力が必要であり、

治療する側はご本人のくじけそうになる心のサポートも

大切だと思います。

久々に難しい内容のブログとなりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

次回は『椎間板ヘルニア』の鍼灸治療を中心に、

当鍼灸院の治療スタイルをご紹介します。