前々回のブログのテーマは、<体のしくみあれこれ~背骨の構造>、

前回は、<椎間板ヘルニアってなんじゃらほい>。

ミニ特集っぽくなりましたね。

今日が最終回です。

今回も腰の椎間板ヘルニアについて話をさせていただきます。

何度も登場している、この手描き図。

横から見た腰の背骨(ねずみ色の部分)2つ。

2つの骨の間でクッションの役目をしている椎間板(肌色の部分)。

この椎間板が傷つき、一部分が外にはみ出し、腰の神経を圧迫し、

腰痛、下肢痛、下肢筋力の低下・しびれ・感覚障害などが生じます。

腰痛や下肢痛がいつまで経っても治らない、あるいはしょっちゅうぶり返し、

日常生活や家事、仕事に支障をきたしている…。

そのような症状の方が当鍼灸院に来られます。

ある部分が痛いと、その部位にあまり負担がかからないように、

体は無意識に別の部位でカバーします。

その期間が長ければ長いほど、

カバーしている部位も筋肉疲労がたまり、その部位も痛くなったりします。

また、持続した痛みや強い痛みは、

周辺の筋肉も緊張させてしまうことがあるようです。

当鍼灸院では、毎回、ご本人から詳細に症状を聞き、

ていねいに全身を触診し、今の体の状態を説明し、

その都度、鍼灸に使うツボや方法を決めます。

それぞれ、症状の程度や全身状態・体質は異なるので、

鍼灸治療方法、来院頻度、治療にかかる期間は様々です。

いきなり自分の足ですみません。

頑固な腰痛や下肢痛には、写真の灸頭鍼(きゅうとうしん)が効きます。

腰やお尻、脚のツボに行います。

鍼先にモグサをつけて燃やし、鍼刺激と灸の輻射熱によるダブル効果があります。

症状が重く、病院に入院していた方は、『家庭復帰』 『職場復帰』という

大きなゴールがあります。

元の生活に戻るには、どのくらいの体力や筋力が必要なのか、

把握することが大切です。

私は長いこと理学療法士(リハビリ)の仕事をしてきましたが、

腰に負担をかけない体にしていくためには、『セルフ・コントロール』もかかせません。

手作り小冊子『腰痛の話』をお渡しして、腰痛になりやすい生活習慣を見直し、

座り方、立ち方、歩き方、簡単な運動など、無理なくできそうなことを指導しています。

また、お一人お一人にあった、ストレッチング方法を載せた

手作り小冊子『あなたのストレッチ法』を見ながら、

筋肉の柔軟性を出すために、ストレッチの練習もします。

痛みが和らいでくると、ついついがんばって動いてしまいがち。

その後に痛みがぶり返したり、他の部位が痛み出し、

落ち込まれることもあります。

この腰痛や下肢痛の治り方は、一直線の上り坂ではなく、

らせん状の上り坂だと思います。

ときには、今の自分の体はちょっと前の自分より劣っているようにみえる。

それでも、最初の頃と比べたら、確実に上がっている…。

あせらずに…、あせらずに…。