もう20年前のこと。
理学療法士(リハビリ)3年目ぐらいだったと思います。
リハビリ室で担当の外来患者さんを待ちながら、
何気なく、目の前の後輩の治療を見ていました。
その後輩は、自分の体の動かし方に左右差がある。
それは目の前の治療中にもみられ、
あぁー、運動療法を受けている患者さんも左右差のある動き方に…。
体の動かし方も以心伝心するんだぁー!
はてさて私は?
私の腕(脇の下~手首)は約50cm。
患者さんを両手で支えていたとしたら、
患者さんと自分は最高50cmしか離れられない。
患者さん全体を見ることは難しい。
『3次元』に生きていても、自分が動かない限り、
見られるのは目の前の平面だけ。
後ろから、右から、左から、上から、下から、は同時に見ることができない。
たとえ自分が左右差のある体の使い方をしても、
自分で自分を見て修正することは不可能。
おおー、的確な運動をどう指導したらいいのだろうか…。
20代のコトーはもんもんと悩み、
考え出したのが、『心の目をつくる』こと。
患者さんと運動療法をしながら、自分の『心の目』を数m飛ばして、
自分と患者さんの2人の姿を
360度いろんな方向から眺めているイメージをする。
実際には見ることは出来ませんが、イメージするだけでも、
歪んだ自分の動きを患者さんに以心伝心することは防ぐことができました。
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鍼灸師をしている今もこれは役に立っています。
体の中に『経絡 けいらく』という道があり、
経絡は内臓も含めた体全体にエネルギーを送り、体の調整をしている!
東洋医学では、そのようにとらえています。
その経絡の上にたくさんのツボがのっています。
そのツボに鍼や灸をして、経絡の流れを良くし、体の調子を整えます。
その経絡は、体の前側や後ろ側、横に位置し、
頭~脚、頭~腕と、体全体に渡っています。
経絡はお互い影響しあっています。
患者さんにうつぶせになってもらって鍼灸をしている時に、
自分の心の目を飛ばします。
前側の経絡の状態はどうなのかな…
前と後ろの経絡のバランスがとれているかな…
そんなふうに気にかけます。
その後に仰向けで再チェック!
コトーの鍼灸院では『心の目』が四方八方に飛びかってます。