私の通っていた中国語専門学校はやたら宿題が多かった。

どの教科も毎日のように宿題ノートを提出していた。

私は日本から持参したA4ササイズのノートを愛用。

中国で一般に使われているノートの大きさはA5。

私のノートの半分の大きさ。

中国人教師から言われてしまった。

「みんな宿題ノートの大きさがばらばらで、扱いにくい。

古藤のは、こんなに大きい!

A5サイズのノートを各教科ごとに3冊ずつ用意するように。」

というわけで、

小粒なノートと、電子辞書たちと共に、ひたすら宿題をしていたなぁ~。

学校は月~金曜日の午前中。

私は小さな診療所で鍼灸の勉強もしていたので、

週2日間は語学学校の授業を欠席していた。

そんな日も、中国人教師に頼まれて、

ベトナム人のクラスメイトは宿題を

寮の私の部屋まで持って来てくれた。

ありがたいけれどありがたくない…。

               *

鍼灸の勉強に使ったノートたち。

中国人医師が鍼灸治療をするのを見ながら、

ツボ名や治療方法を書き留める。

私が中国語を聞き取れないと筆談をしてくれた。

これはその一部。

「キミのそのダウンジャケットはどこのブランド?」って書いてある。

そう聞かれてもブランドまでは覚えていない。

「いくら?」と聞かれたのだと思う。

定価が160元だったのが、139元に値下げされていた。

その頃の1元は15円くらい。

「たかーい!! このジャケットはねぇ…」と、

いかに自分は安く購入したか、

鍼灸室の中は自慢大会の始まり始まり~っ!

75歳の中国人医師は初秋の肌寒い日に羽織るくらいの

薄手のジャケットを着ていた。

私がその時に着ていたのはこれ。

裏地つきのロングのダウンコート。

南京で購入。

先生のそのジャケットと値段を比較されてもねぇ~

そう、思わないでもなかった…。