高校2年生の年は、『世界障がい者年』で、

テレビでは、世界各国の障がいをもつ方の

ドキュメンタリー番組がたくさん放映されていました。

子供たちのくったくのない笑顔と純真な瞳。

ちょうど進路について考えていた私は、

この子供たちに係わる仕事がしたい…と、

漠然と思いました。

それから、どのような仕事があるか調べ、

行きついたのが理学療法士。

運動障がいをもつ方の運動療法をする仕事です。

 

3年間学校に通い、理学療法士の国家資格を取り、

重度の障がいをもつ子供たちが入所する施設に勤めました。

夏祭りや運動会、クリスマス会など行事がたくさんあり、

各部署から担当者が集まり、企画を立て、準備をし、

当日は、子供たちの笑顔につつまれ、

とても居心地がよかったです。

 

その反面、

子供たちとの悲しい別れもたくさん経験しました。

「何か、もっと出来たんじゃないか…」

自分の力のなさに落ち込むばかり…。

そんな気持ちの積み重ねは、やがて、

「後悔しないよう、この時を大事に、自分の力を最大限使って

治療をする!」という姿勢へと変化していきました。

 

就職したての頃は、

「たくさん経験を積めば、こんなに悩んで治療することはなくなる」

そう思っていました。

でも、その日はいつまで経ってもやってきません。

経験を積むほど、細かく自分の治療を評価できるようになり、

『今日の自分の治療』に満足することはありません。

「けっこう、きつい仕事を選んじゃったなぁ~」

そう思いながらも続けられたのは、仲間がいたからです。

 

つらさを口にするスタッフはいませんでしたが、

同じつらい思いって、以心伝心していたように思います。

特に飲み会の席。

皆、はじけ飛んでいましたが、そんな時ほど、

「つらいこともあるけれど、お互いがんばろうぜっ!」

という思いが伝わってきたのは、私だけかな…?

この職場での8年間で、コトーの人格の核が作られ、

鍼灸師をしている今でも息づいています。

 

先日、同窓会があり、その仲間と20年ぶりに再会しました。

20~30代だった仲間も、今は40~50代。

外見は老けましたが、熱いハートは変わりませんっ!

初めての就職先がこの施設で、この仲間に出会えてよかった!!!

ありがとー!-!-!

「変な顔して!」と言うカメラマン・コトーの注文に…