数日間、お月様がきれいでしたね。
月光浴をしていたら、月夜の風景がポワン、
ポワン…と頭の中に浮かんできました。
鍼灸の修行のため、中国に留学していたときのこと。
留学地から一番近いのは、南京空港。
朝出発の便だったので、前夜は南京のホテルに泊まりました。
フロントで、空港までの時間を尋ねると、車で1時間!!!
旅行会社には、空港から一番近いホテルを頼んだのにぃ~!
翌朝5時半に、ホテルが手配した車に乗り込み、
真っ暗闇へ、ゴーッ!
民家がほとんどない田舎道を延々と走り、
どこへ連れて行かれるのか、不安は募るばかり…。
一人ぼっちの心細さを救ってくれたのは、
地平線すれすれに浮かぶ、どでかーい満月でした。
次に浮かんできた月夜の風景は、
郊外の一軒家に住んでいたときのこと。
毎日残業があり、自宅の庭に車を止めて外に出ると、
あたりは真っ暗闇。
玄関のドアの鍵を開ける時は、手探り状態。
満月の日は鍵穴が見え、お月様の有難さを
しみじみと感じていました。
私は鍼灸師になる前に、理学療法士(リハビリ)の
仕事をしていました。
理学療法士の養成校に通っているときのこと。
最終学年は、3か所で8週間ずつインターン実習がありました。
3か所目は、田んぼの中にどでん!とある病院でした。
その地域はミカンの産地で、農家のだだっ広い庭の
隅っこには、収穫期に出稼ぎに来る人たちを泊める
プレハブ小屋がありました。
実習期間中の住居として、学校はそこを借りていました。
雨の日には、トタン屋根がうるさく、ラジオが
聞こえない…。
プレハブ小屋の外に、ぽっちゃんトイレとお風呂場があり、
夜は懐中電灯が必要でした。
安い中古の自転車を購入し、車もほとんど通らない
道を通っていました。
帰り道に月夜に照らされたのは数えるほど…。
真っ暗闇の中、自転車を走らせていると、
急に後ろから車のクラクションを鳴らされ、
慌てて外によけた瞬間、体ごと真下に落ちる感覚…。
気づくと、自転車ごと側溝の中に立っていました。
8週間の実習を終え、都心に戻ってきたとき、
電灯の有難さをしみじみと感じました。
おっとっとー、前置きが長すぎーい!
今日は、『月』にちなんだツボを紹介します。
『日月 じつげつ』
7番目と8番目の肋骨の間にあります。
上の写真では脇腹近くで、青いラインの上にあります。
赤いラインは、『足少陽胆経 あし・しょうよう・たんけい』
という経絡。
この経絡の上にあるツボ44個の中で、『日月』は
とっても重要なツボです。
足少陽胆経は、五臓六腑の『胆』ともつながっています。
東洋医学では、『情緒は臓器がつかさどっている』と考えます。
決断と勇気をつかさどっているのは、『胆』。
決断とは、その明(=真理)を求めることであり、
明の字は日と月から成り立っているので、
このツボは『日月』と名付けられました。
説明が難しいツボを選んじゃったなぁ~。
なんとなく伝わったかなぁ…。
『日月』は、肋間神経痛や肋骨下の膨満感などの
治療に用いられます。
ツボの名前の由来って、しゃれてる!
また、紹介しますね。