職業病、その1。
雑踏の中、不自然な歩き方をしている人に気づくと、
コトーの頭の中では、動作分析が始まる。
右膝が伸びきれないから、右に体重がのったときに、
体全体が沈み込むように見える?
膝を伸ばす筋肉が短縮しているのかな…。
膝の裏のあそことあそこに、ちょこちょこっと鍼とお灸をして、
膝を伸ばす筋肉をゆるめて…。
ちょこっと、こんな体操をしてもらったら、
不自然な歩き方は改善するかな…。
おー、また勝手に治療プログラムまで立ててしまった!!!
博物館で、不自然な立ち方をしている仏像に気づくと、
コトーの頭の中では、姿勢分析が始まる。
何が不自然に感じるのだろう…。
あっ、そうか。
左手の向きかぁ~。
こんなに手首をひねったら、肘がはずれちゃうよ…。
仏像を前、横、後ろから眺めては、そんなことを思っている。
このクセの歴史は古い。
30年ぐらいかな。
前職の理学療法士になりたての頃、
姿勢分析や動作分析がなかなかできなかった。
休日、公園やカフェへ出かけ、
人様の動きを観察して分析のトレーニングをした。
それがクセになっちゃったんだなぁ…。
職業病、その2。
駅の急な階段を上っているとき、前の人がよろめいた。
コトーはとっさに右足を一段下に置いて足場を安定させ、
両手を前につき出し、支える準備をした。
このクセの歴史も古い。
理学療法士の仕事は運動療法。
運動麻痺のある方の歩行も指導する。
転倒させないように細心の注意をはらう。
仕事以外でもその使命感に燃える!といえば聞こえはいいが、
駅の階段で20代女子がスーツ姿のサラリーマンを支えるのはねぇ~。
絵にならないよねぇ~。
もう、おばちゃんになったから、いいか…。
趣味病、その1。
コトーは8年間、機織りを習い、
織り布で洋服を仕立てたこともあった。
このセーターをアップするとこんな感じ。
綾織(あやおり)。
縦糸と横糸の色を変えると、縦糸(斜めのライン)がよくわかる。
このセーターをアップするとこんな感じ。
昼夜織(ちゅうやおり)は、織り布の表と裏の色を変えられる。
青葉と紅葉をイメージして何種類か糸を染めてから織った。
信号待ちをしているとき。
目の前の人がウールのコートを着ていると、
コトーの目は釘づけ!
あぁ、大好きな杉綾織りだ。
へぇ~、縦糸と横糸の配色をこんなふうにすると、
こんな素敵なデザインになるんだぁ。
機織りをやめて10年以上たつが、
人様の背中をくいいるように見ちゃうんだなぁ…。
皆さん、妙なクセはありませんか?