これは、お灸で使うモグサ。
モグサの原料はヨモギ。
ヨモギの葉を乾燥させ、ふるいにかけ、
葉の裏にある産毛だけを取っています。
これは、点灸。
米粒の半分くらいのモグサをツボに置き、
線香で火をつけます。
火が消える瞬間、チクッと熱さを感じます。
小さなお灸ですが、
お灸の刺激をツボの中の中まで伝える力があります。
足の小指にある『至陰 しいん』というツボ。
逆子を治すとき、このツボに点灸をします。
おなかの赤ちゃーん、元の位置に戻ってね!と祈りを込めながら…。
これは棒灸。
モグサを固めて和紙で包んでいます。
先端に火をつけ、皮膚から3㎝ほど離して温めます。
このお灸の長所は動かせること。
赤いラインは、『足太陽膀胱経 あし・たいよう・ぼうこうけい』。
経絡には、エネルギーや栄養分が流れる方向があります。
この経絡は、目頭と鼻の間にある『睛明 せいめい』というツボから始まり、
額、頭頂と上り、
後頭部、うなじ、背中、おしり、太ももの裏、ふくらはぎと下り、
小指にある『至陰』で終わります。
首こり・肩こり・腰痛・下肢痛などの症状には、
うつぶせで、うなじからふくらはぎまで
経絡に沿って棒灸をして、経絡の流れを整えます。
これは台座灸。
台座の上にモグサがのっています。
台座の底にはシールがついているので、
どこのツボでもお灸がしやすい!
当鍼灸院では、症状によっては自宅でのお灸をすすめることがあります。
そのときには、簡単に取り扱える台座灸を指導します。
江戸時代、お灸は民間療法として全国に広まっていたそうです。
日本人の体質や日本の風土にお灸はぴったりだと思います。
もっともっと気軽にお灸に親しんでほしいです!
さて、おまけの話。
先日、「もう1度読みたい!」本を見つけました。
これです。
井上ひさし氏の『笑劇全集 完全版』です。
てんぷくトリオのために書き下ろしたコントの脚本集です。
てんぷくトリオは、三波伸介氏、戸塚睦夫氏、伊東四朗氏の3人で
1961年に結成されました。
井上氏脚本のコント156本はテレビで放映されています。
コトーは中学生の頃、井上氏の文庫本でてんぷくトリオを知りました。
タクシードライバーと客2人、代議士と息子と記者、小説家と編集者2人…。
3人は様々な役をこなしている。
脚本を読むだけでコントが目に浮かび、3人の芸に笑ってしまう…。
気づけば、自分も『鍼灸』を媒体として、
人様を元気にする、笑顔にする仕事についています。
専門的な難しいブログの後に『おまけの話』を書くのも、
眉間にしわをよせたあなたをプッと笑わせたいから…。
そんな気がします。